お花見だけじゃない!日本の春の行事やイベントを詳しく解説

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2023/04/24

日本の「春」といえば、桜を想像する方も多いでしょう。確かに日本人にとって昔から桜は特別な存在であり、お花見は大切な行事です。しかし、春の行事はお花見だけではありません。子どもたちの成長を祈る行事やご先祖様を敬う行事など、大切な行事が多くあります。このコラムでは日本の春の行事やイベントを詳しく解説するので、ぜひご覧ください。

目次

  1. 春は何月から何月まで?
  2. 3月の行事やイベント
  3. 4月の行事やイベント
  4. 5月の行事やイベント
  5. 春に行われる有名なお祭り
  6. まとめ

春は何月から何月まで?

春は何月から何月まで?の画像

日本は春・夏・秋・冬の4つの季節がはっきりと分かれている国です。地域やその年の天候によって時期が異なる場合がありますが、気象庁の定義では春は3月~5月、夏は6月~8月、秋は9月~11月、冬は12月~2月とされています。

日本の四季については「日本の四季は海外とは違う?春夏秋冬それぞれの特徴や魅力を知ろう」で、季節ごとの旬の食材については「日本の季節の食べ物には何がある?春夏秋冬の旬の食材を一覧で紹介」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

3月の行事やイベント

3月の行事やイベントの画像

ひな祭り(桃の節句) ~女の子の成長や幸せを願う日~

毎年3月3日に行われる「ひな祭り」は、女の子の成長や幸せを祈る伝統行事です。起源は無病息災を願う厄除けの行事である「上巳の節句(じょうしのせっく)」だと言われており、桃の花が咲く季節であることから「桃の節句」とも呼ばれています。

ひな祭りで飾られる「ひな人形」は結婚式の様子を表しており、理想の夫婦そのもの。「(ひな人形のように)幸せな結婚ができますように」という願いが込められています。もともとは母親の実家がひな人形を用意するのが一般的でしたが、昨今では伝統に縛られず、ミニチュアサイズのもので祝う家庭も多いようです。

また、ひな祭りにはちらし寿司やひなあられ、ひし餅などの縁起の良い食べ物を食べます。

ひな祭りの歴史や食べ物の意味を詳しく知りたい方は「ひなまつり(雛祭り)の歴史や食べ物を解説!日本の伝統行事について知ろう」をぜひご覧ください。

ホワイトデー ~バレンタインのお返しをする日~

2月14日のバレンタインデーは、日本では女性が男性にチョコレートなどをプレゼントするのが一般的。男性がそのお返しをする日がこの「ホワイトデー」で、毎年3月14日に行われています。キャンディやマシュマロなどのお菓子だけでなく、ハンドクリームやルームフレグランスなどの実用品を送る人も多いようです。

「ホワイトデー」は日本発祥と言われていますが、韓国や中国などアジアの一部でも楽しまれています。

春のお彼岸 ~お墓参りをしてご先祖様を敬う1週間~

期間は春分の日(毎年3月20日頃)と前後3日間、計7日間です。お彼岸は本来仏教の悟りを開くための修行を行う期間でしたが、現在ではお墓参りや法要などを行って先祖を敬う期間とされています。

お供え物では故人が好きだった食べ物の他、ぼた餅や果物などが一般的です。

豆知識:「春分の日」とは?

1年に2回昼夜の時間がほぼ等しくなる日があり、春の方を「春分」、秋の方を「秋分」と呼びます。日本ではこの「春分の日」と「秋分の日」はどちらも国民の祝日になっており、春分の日は「自然をたたえ生物をいつくしむ日」とされています。

そのため、春分の日には精進料理(肉や魚などの動物性の食品を使わない料理)を食べたほうがよいとされており、赤飯や彼岸そば、たけのこや菜の花などの旬の野菜を使った料理が好まれるようです。

卒園式・卒業式 ~次のステップへの始まり~

日本の学校は4月から始まり3月で終わります。この制度は国の会計年度に合わせて明治時代から導入されたと言われており、その後全国の学校に広まりました。ただし、世界では9月入学の国が多いため、グローバル化を考え9月入学を検討する学校やすでに導入している学校もあります。

卒園式や卒業式では、学校の制服やスーツ、ワンピースの他、袴を着る人も多いようです。日本の学校教育の特徴について知りたい方は「日本と諸外国の学校教育の違いとは?おかしいといわれる点も紹介」もご覧ください。

お花見 ~春の訪れを祝うイベント~

日本では昔から桜を見て楽しむ文化が根付いており、晴れやかな気持ちにさせてくれる桜は日本人にとって大切な存在です。桜の下で宴会をしたり、桜を見ながら散歩やサイクリングをしたりと、楽しみ方は人それぞれです。桜祭りが行われる場所では焼き鳥や団子などの屋台グルメが楽しめたり、夜ライトアップをしている所もあります。

桜の開花時期は桜の種類や地域、気候によっても異なるため、事前に開花情報を調べておきましょう。お花見グルメや桜の名所については「お花見といえば何をする?食べ物は?桜の名所や2023年開花予想も紹介」で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

4月の行事やイベント

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エイプリルフール(April Fool's Day) ~嘘をついても良い日~

4月1日はエイプリルフールで、「嘘をついても良い日」です。どこでいつ始まったのかは諸説ありますが、日本では大正時代に欧米から伝わり広まったとされています。

「嘘をついても良い」と言っても、相手を傷つけたり不幸にしたりするような嘘ではなく、くすっと笑える程度の嘘や冗談で相手を笑わせるのがこのエイプリルフールの本来の楽しみ方です。また、「嘘をついて良いのは午前中だけ」というルールが日本でも広まりつつありますが、これはイギリス発祥のルールのようです。

入園式・入学式・入社式 ~新学年&新生活の始まり~

日本では4月1日から新年度が始まるため、入学式や多くの入社式は4月に行われます。新生活は楽しみでもありますが、不安はつきもの。新たな環境でがんばる方がいたら、ぜひサポートをしてあげてください。

入園式・入学式でも学校の制服やスーツ、ワンピースを着るのが一般的ですが、大学の入学式では男女共にスーツを着る人が多いようです。入社式ではスーツが一般的ですが、「服装自由」「私服でOK」という場合でもジーパンなどのカジュアルな服装は避け、フォーマルな服装を心がけるとよいでしょう。

豆知識:「4月1日生まれ」の学年は?

日本では4月2日~翌年4月1日生まれの子どもが同じ学年になります。

これは学校教育法で、小学校の就学年齢は「満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから」と定められているからです。また、年齢に関する法律では、出生時間に関わらず「誕生日の前日が終了する瞬間に1歳年を取る」とされています。

よって、4月1日生まれの人は3月31日の午後12時に年を取ることになるため、4月1日から入学できるというわけです。

※参照:文部科学省「4. 4月1日生まれの児童生徒の学年について

花まつり(灌仏会) ~お釈迦様の誕生日を祝う仏教行事~

4月8日はお釈迦様の誕生日で、それを祝う仏教行事が「灌仏会(かんぶつえ)」です。一般的には「花まつり」と呼ばれており、仏教を信仰する人々や仏教系の学校では古くから親しまれてきました。旧暦の4月8日に近い5月8日に行う寺院もあります。

寺院では花御堂(花で飾られたお堂)が作られ、そこに誕生時のお釈迦様を模した仏像が飾られます。参拝者はその仏像に甘茶をかけ、お釈迦様の誕生を祝い、無病息災を祈ります。また、甘茶は「飲むと不老不死になる」と言われているので、寺院で甘茶が振る舞われた際にはぜひ飲んでみてください。

豆知識:「イースター」とは?

キリストの復活を祝う祭りで、日本では「復活祭」とも呼ばれています。キリスト教ではクリスマスよりも重要な行事だと言われています。イースターの日は「春分の日の後、最初の満月の日の次の日曜日」と決められているため、日にちは毎年異なります。

イースターと言えば、卵とうさぎ。「イースターエッグ」と呼ばれるカラフルにペイントされた卵は生命の誕生と復活の象徴であり、「イースターバニー」と呼ばれるうさぎは子孫繁栄の象徴とされています。イースターの日には、家族でごちそうを食べてお祝いをしたり、イースターエッグを隠して探し出す「エッグハント」と呼ばれるゲームをして楽しんだりするようです。

日本ではまだあまりメジャーな行事ではありませんが、テーマパークではイースターイベントを開催している所もあるので、チェックしてみてください。

十三参り ~13歳になったお祝いをする日~

「十三参り」は京都の法輪寺での儀式が発祥と言われており、関西を中心に広まりつつある行事です。男女ともに数え年で13歳になったお祝いをするもので、神社やお寺へお参りに行きます。時期は4月13日前後(旧暦の3月13日)ですが、昨今では新学期が始まる前の春休みやゴールデンウィークにお参りに行く人も多いようです。

「13歳」はその昔大人の仲間入りの年齢だと考えられていたため、この十三参りでは子供の成長に感謝し、立派な大人になれるように祈ります。また、数え年の13歳は生まれて初めて干支が1周し厄年となるタイミングであることから、「厄払い」の意味もあります。

十三参りでは、着物を着るのが一般的ですが、準備が難しい場合はスーツやワンピースなどの洋服や学校の制服でも問題ありません。十三参りの期間は神社やお寺によって異なるので、事前に調べておきましょう。

豆知識:「数え年」とは?

生まれた日を1歳とし、以降1月1日が来るたびに1歳年を取るという数え方です。現在ではあまり使われる機会がありませんが、長寿のお祝いや七五三、厄払いなどの伝統的な行事では今もなお使われています。

5月の行事やイベント

5月の行事やイベントの画像

ゴールデンウィーク(GW) ~春の大型連休~

4月末から5月初めにかけて多くの祝日が重なった大型連休の期間があり、「ゴールデンウィーク(GW)」と呼ばれています。ゴールデンウィーク中には多くの人々が旅行や帰省をしどこへ行くにも通常よりも混雑するので、出かける際には交通情報などを調べておきましょう。

祝日:4月29日(昭和の日)、5月3日(憲法記念日)、5月4日(みどりの日)、5月5日(こどもの日)

日本の祝日については「日本の2022年の祝日は?外国人に向けてカレンダーとともに紹介」でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

端午の節句 ~男の子の健やかな成長と健康を願う日~

毎年5月5日に行われる「端午の節句」は、男の子の成長や武運を祈る伝統行事です。江戸時代の武家社会から庶民に広まったと言われています。鎧や兜などの五月人形や鯉のぼりを飾るのが一般的でしたが、昨今ではミニチュアサイズのものや簡易的なもので祝う家庭も多いようです。

端午の節句で食べられる代表的な食べ物は、「子孫繁栄」を意味する柏餅や、「厄除け」を意味するちまきなどです。また、「まっすぐ成長するように」という意味が込められたたけのこ料理や、縁起の良い語呂合わせができる「勝つ男」のかつお料理、「めでたい」のたい料理などもおすすめとされています。

豆知識:「こどもの日」とは?

5月5日は祝日の「こどもの日」でもあります。そのため、男女関係なく子供たちの成長と幸せを願う日となっています。実はこの子どもの日は、「母に感謝する日」でもあるのですが、あまり知られていません。子どもの日には母子の健康と幸せな生活を願って、みんなでお祝いをしましょう。

母の日 ~母親に感謝の気持ちを伝える日~

毎年5月の第2日曜日は「母の日」です。世界的に広まっているこの「母の日」はアメリカで始まったと言われており、日本でも母親に感謝の気持ちを表す日として定着しました。プレゼントは「母への愛」を意味する赤いカーネーションなどの花を贈るのが定番ですが、エプロンやキッチン用品、化粧品などの実用品を送る人も多いようです。

豆知識:「父の日」とは?

6月の第3日曜日は「父の日」です。母の日と同様、アメリカから伝わったと言われています。父の日のプレゼントは黄色いバラが定番ですが、ネクタイやワイシャツなどのビジネスグッズや、お酒・おつまみなどを送る人も多いようです。

潮干狩り ~春の季語にもなっている貝拾い~

「潮干狩り」は引き潮の干潟で貝などを採ることです。地域によって時期は異なりますが、3月のお彼岸頃からゴールデンウィークにかけてがベストシーズンです。

潮干狩りで採れる貝はアサリ、ハマグリ、マテ貝などで、干潮の前後2時間が勝負です。服装は汚れてもいい服、タオル、長靴の他、熱中症対策の帽子やサングラスも持っていくとよいでしょう。持っていく道具は熊手、バケツ、クーラーボックス、氷や保冷剤などです。熊手やバケツは100円ショップでも簡単に手に入るので、チェックしてみてください。

潮干狩りできる場所には、有料の所と無料の所があります。有料の所では貝が整備されているので貝が採りやすく、道具をレンタルできる場合もあるようです。潮干狩りに行かれる際は、それらの情報を事前にしっかりと調べ、水難事故や熱中症に気をつけて楽しみましょう。

春に行われる有名なお祭り

春に行われる有名なお祭りの画像

京都:葵祭(賀茂祭)

「葵祭」は京都三大祭り(葵祭・祇園祭・時代祭)のひとつで、毎年5月15日に賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)で行われます。約1500年前から続く祭りで、京都の大通りを練り歩く平安装束をまとった人々の行列が見どころです。じっくり観覧したいという方には事前購入の有料観覧席がおすすめ。行列の巡行順路はホームページ等でご確認ください。

参照:賀茂別雷神社(上賀茂神社)「賀茂祭(葵祭)

東京:神田祭

「神田祭」は日本三大祭り(神田祭・祇園祭・天神祭)のひとつで、東京にある神田明神で2年に1度、5月の中頃に約1週間にわたって行われます。「神幸祭」と呼ばれる儀式では、葵祭と同じように平安装束をまとった人々の行列が街を練り歩きますが、神田祭では秋葉原や日本橋、丸の内といった近代的なビルが立ち並ぶ通りを巡行するのが見どころです。また、神幸祭の翌日に行われる「神輿宮入」と呼ばれる儀式も見どころで、神輿を男たちが担いで神田明神に向かう姿は活気があります。

参照:神田祭オフィシャルサイト

まとめ

お花見だけじゃない!日本の春の行事やイベントを詳しく解説のまとめの画像

春には子どもたちの成長を祈る行事やご先祖様を敬う行事、宗教と関係が深い行事など、大切な行事が多くあります。また、春は新生活が始まる時期なので、別れと出会いの季節でもあります。お花見だけでなく、各地で行われるお祭りやイベントにもぜひ参加してみましょう。

その他の季節の行事やイベントについては「日本の行事やイベントを一覧で紹介!伝統や風習についての知識を深めよう」で詳しく解説しているので、ご覧ください。

 

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