仏教とは?基本的な教えやお釈迦さまの伝説を外国人へ分かりやすく解説

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2022/04/21

日本文化を知りたい人のなかには、仏教について詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。仏教とはブッダ(お釈迦さま)がインドで開祖し、世界各地に伝わった宗教です。仏教では、「生老病死の苦しみからは逃れられない」という教えがあります。このコラムでは、苦しみから解放されるための考え方や仏教における4つの苦難などを紹介。内容を参考にして日本人との交流に活かしましょう。

目次

  1. 仏教とは?
  2. 仏教の基本的な教え
  3. 仏教におけるお釈迦さまの伝説
  4. 日本は無宗教の人が多い?
  5. まとめ

仏教とは?

仏教とは紀元前5世紀~6世紀ごろにブッダ(お釈迦さま)がインドで開祖し、その後世界各地に伝わった宗教です。日本では聖徳太子の精力的な布教活動によって、多くの人々の間に広まったといわれています。仏教は日本や中国、台湾などの東南アジアをはじめ、多くの国や地域で信仰されている世界三大宗教の一つです。大別すると、「大乗仏教」と「上座部仏教」の2種類ですが、細かく分類すると多数の宗派があります。

以下で、「大乗仏教」と「上座部仏教」の特徴を解説するのでご参照ください。

大乗仏教(だいじょうぶっきょう)

日本人が信仰している仏教の多くが大乗仏教です。大乗仏教では大きな乗り物に大勢の人を乗せるイメージで、「仏教を信仰している人の多くが救われる」という考え方をします。たとえば、「出家した人だけでなく在家信者も救われる」「悟りを開いていなくても、修行をすれば救われる」のように多くの人々が「救い」の対象なのです。

上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)

大乗仏教とは反対に、「出家をして厳しい修行を積んだ少数の人のみが救われる」という考えをするのが上座部仏教です。主に東南アジア・南アジアで信仰されており、小乗仏教やパーリ仏教、南伝仏教と呼ばれることもあります。

仏教が日本で広まったのは奈良時代です。時代ごとの出来事をまとめて知りたい方は、「外国人必見!記憶に残りやすい日本の時代年表の覚え方!」のコラムもあわせてご覧ください。

仏教の基本的な教え

ここでは、仏教の基本的な教えを紹介します。

生・老・病・死の苦しみは避けられない

仏教では、「生=生まれたこと」「老=老いること」「病=病気になること」「死=死ぬこと」の苦しみは避けられないという考え方をします。人は永遠には生きられません。誰もが病気や老いに苦しみ、死の恐怖を抱えながら生きているという教えです。仏教では、この「生老病死(しょうろうびょうし)の苦しみ」を、どのように捉え向き合うべきかを説いています。

人生では4つの苦難に遭遇する

仏教では、人生で4つの苦難に遭遇するとされています。

1.愛別離苦(あいべつりく)

愛別離苦とは愛する人との別れを指します。親や子ども、友人など愛する人の死、または生き別れを経験したときの辛さや苦しみは、生きている限り避けられない苦難なのです。

2.怨憎会苦(おんぞうえく)

怨憎会苦とは、「生きていれば恨みや憎しみを抱く相手にも出会う」という意味です。世の中には多種多様な人がいます。人生で出会う人のなかには、性格や考え方が合わない人もいるでしょう。恨みや憎しみの感情を抱かず生きていくのは難しいという教えです。

3.求不得苦(ぐふとくく)

求不得苦は、欲しいものが手に入らない苦しみのことを指します。たとえば、金銭や地位、名誉のために努力をしても、自分が求めた結果を得られるとは限りません。そのような苦難のことを、求不得苦といいます。

4.五蘊盛苦(ごうんじょうく)

精神的または身体的欲求を満たせない苦しみのことを、五蘊盛苦といいます。人は常に多様な欲求や希望を抱いているものです。それらを実現するために、日々何らかの行動を起こします。また、一つの欲求を満たしたとしても新たな欲求が出てくるでしょう。「自分は完全に満たされている」と感じることはなく、何かに執着し欲求を満たせない苦しみを表した言葉です。

4つの考え方で苦しみから解放される

仏教には、「一切皆苦」「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」の考え方をすれば、生きる苦しみから解放されるという教えがあります。

1.一切皆苦(いっさいかいく)

一切皆苦は、「人生は自分の思い通りにならない」という意味の言葉です。仏教では、「苦」を受け入れることを大切にしています。思い通りにならずに悩んだとき、「苦」を受け入れ理解すれば苦しみから解放され、明るく生きていけるという教えです。

なお、仏教において「苦」は、苦しみだけでなく「思い通りにならない」という意味ももっています。

2.諸行無常(しょぎょうむじょう)

諸行無常とは、「すべては移り変わるもの」という意味の言葉です。世の中に不変のものはなく、絶えず変化し続けているという真理を表しています。

人は金銭・物・地位・名誉・人間関係などさまざまな物事に対して、変わらないよう願ったり「変わらないはずだ」と信じたりするものです。それが執着となり苦しむこともあります。しかし、「すべて変化するものだ」と考えれば、変化にともなう苦しみから解放されるという教えです。

3.諸法無我(しょほうむが)

諸法無我には、「すべては繋がっている」という意味があります。世の中に独立しているものはありません。あらゆる物事は、互いに何らかの影響を与えることによって存在しているという教えです。自分という存在も、すべての繋がりのなかで「生かされているのだ」と考えれば、苦しみから解放されるでしょう。

4.涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)

涅槃寂静は「悟りの境地」を表した言葉です。すべての煩悩と苦しみをなくし、安らぎの境地に辿り着くことを指します。人は不平不満を感じたとき、自分以外の存在に対して怒りを向けてしまうものです。しかし、仏教では、怒りは相手に対する疑念や誤解、プライド、欲望など自分の煩悩が原因だと考えます。悟りの境地に達するには、先述した「諸行無常」「諸法無我」の理解が必要です。そして、人生でどのようなことが起きても心乱されず、安らいだ状態を保てるよう修行を重ねて悟りの境地を目指します。そうすれば、誰もが苦しみから解放され、幸せに生きられるというのが仏教の教えです。

日本には仏教がもととなった行事があります。日本人が行う伝統行事については、「日本の伝統行事には何がある?年末年始の行事や通過儀礼についても紹介」のコラムで紹介しているので、あわせてご覧ください。

仏教におけるお釈迦さまの伝説

ここでは、古くから語り継がれているお釈迦さまの伝説を紹介します。

誕生

紀元前5世紀~6世紀ごろ、ヒマラヤの麓にあるカピラ城のマーヤーさまから、お釈迦さまが誕生しました。お釈迦さまは誕生した直後に7歩歩き、右手で天を左手で地を指さし、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」という言葉を話したといわれています。これは、「世界の人々は一人ひとり尊いものである=個々の尊厳を大切にする」と読み取れる一方、「この世に自分よりも尊いものはない=自分が1番」と解釈することもある言葉です。

出家

お釈迦さま誕生の7日後にマーヤーさまが亡くなりました。その後、19歳で結婚し城で順風満帆な生活を送っていたお釈迦さまですが、修行の道を歩むことを決意します。あるときお釈迦さまは、東の門で腰の曲がった老人を、南の門で痩せ衰えた病人を、西の門では死者が運ばれる様子を見て、この世の苦しみからは逃れられないことを知りました。そして、北の門を出たときに見た、修行者の堂々とした姿に感銘を受けて出家を決めたのです。

苦行を経て悟りを得る

厳しい修行に励んでいたお釈迦さまは、6年後に「苦行は間違いだった」と気づきます。心身ともに衰弱したお釈迦さまを介抱したのは、村娘のスジャーターです。スジャーターに助けられたお釈迦さまは菩提樹の下で座禅を組み、「悟りを得るまでこの場所から動かない」と決意し座り続けました。そして、35歳のときに悟りを得たのです。

涅槃(ねはん)

お釈迦さまは45年間、インドの各地で仏教の教えを説きました。80歳のとき、釈迦さまは体調を崩し、サラソウジュの木の下で体を休めます。そして、「我が亡きあとは、我が教えを守り精進せよ」という言葉を残して涅槃になりました。

涅槃とは仏教における悟りの境地のことで、一般的には死を意味します。

日本は無宗教の人が多い?

日本には熱心な仏教信者がいる一方、仏教を含め特定の宗教を信仰しない人も多くいます。しかし、神や仏の存在を信じていない訳ではありません。日本では古来から、「八百万(やおよろず)の神=多種多様な神」が信じられています。誰か1人を崇めるのではなく、山や森、海などさまざまな場所に神がいるという考え方です。

また、日本は外国の文化を受け入れることに対して、比較的寛容な傾向があります。お葬式や通夜、初詣などは仏教に基づいて行うものの、クリスマスやハロウィンといったキリスト教のイベントを楽しむ日本人も多いのです。

日本人の宗教や自然に対する考え方、文化については、「日本文化の特徴をまとめて紹介!外国人向けに西洋文化との違いを解説」のコラムで詳しく紹介しています。

まとめ

仏教は、紀元前5世紀~6世紀ごろにインドでお釈迦さまが開祖し、そのあと日本に伝わりました。日本をはじめ、多くの国や地域で信仰されている世界三大宗教の一つです。

日本には熱心な仏教信者がいる一方で、無宗教の人も多くいます。日本人の仏教に対する考え方を知り、交流を深めてみましょう。

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