日本のお風呂の入浴方法は独特?文化や海外との違いなどを紹介!

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2022/04/21

海外で生活している人のなかには、日本人が毎日のようにお風呂に入ることに驚く方もいるでしょう。日本は高温多湿な気候で汗をかきやすく、土ぼこりも起きやすいことから頻繁に入浴する習慣が古くからあります。そこで、このコラムでは日本のお風呂文化と歴史を解説。現代のお風呂が生まれるまでの変遷や入浴方法、大衆浴場でのマナーなどもまとめています。来日予定がある方は、日本のお風呂に入浴する際の参考にしてください。

目次

  1. 日本のお風呂文化と歴史
  2. 日本特有のお風呂文化
  3. 日本のお風呂に入浴する際の注意点
  4. 日本と海外のお風呂に対する考え方の違い
  5. まとめ

日本のお風呂文化と歴史

日本のお風呂文化の始まりは6世紀ごろです。当時はお風呂というと、火山によって湧き出た天然温泉か自然の洞窟を利用した石風呂での蒸気浴のどちらかを指しました。仏教でもお風呂に入るのは良いこととされており、多くの人々は健康のために入浴を楽しんでいたようです。

日本のお風呂の成り立ち

高温多湿なうえ火山灰や土ぼこりが多かった昔の日本では、火山によって湧き出た天然温泉か洞窟を利用した岩屋に蒸気を満たした石風呂に入り、体を清潔に保っていました。その後、仏教の教えによって「体を洗って清めれば病を防ぎ、さまざまな幸福を得られる」と広まってからは、入浴を行うための「浴堂」という施設が寺院に設置されます。当時の庶民の家にお風呂はありませんでしたが、寺院の浴堂を利用できたため、入浴して体を清める習慣が身についていきました。

江戸時代に生まれた銭湯

江戸時代になると、仏教の教えに関係なく体を清潔に保つための施設として、「銭湯」という公衆浴場が誕生します。銭湯といっても、現代のように大きな浴槽に湯を張って入浴する形式ではありません。膝の高さまで湯を張った木桶につかりつつ、焼け石に水を掛けて発生した水蒸気で上半身を清める「戸棚風呂」が江戸時代の銭湯です。現代に置き換えて考えると、お風呂というよりもサウナに似ています。当時の銭湯は水蒸気や熱気が逃げないよう、出入口を低くしたり引き違い戸を取りつけたりしていました。そのため、江戸時代の人々は出入り口をくぐるようにして銭湯を利用していたようです。

明治時代になると銭湯の様式は大きく変化し、湯を張った大浴場と洗い場が設けられる形が一般的になりました。大正時代以降の銭湯は近代化が進み、浴場がタイル張りになったり水道が取りつけられたりと、現代と同じような作りになっています。

日本の一般家庭のお風呂の歴史

日本の一般家庭の設備としてお風呂が設置されるようになったのは、近代になってからです。初めて家風呂として作られたのは、「据え風呂」という首まで湯につかる縦長のお風呂とされています。井戸水を沸かして入るため、水風呂(すいふろ)ともいわれ、江戸時代の初期に庶民の間で広まりました。人一人が入れる程度の狭い木製の桶で作られており、湯量が少なくても体が温まるよう工夫されています。関東では、据え風呂のなかでも浴槽のふちにある鉄の筒の中に燃やした薪を入れて湯を沸かす「鉄砲風呂」が普及しました。一方、関西では木桶の底に平釜を取りつけ、たき火で湯を沸かす「五右衛門風呂」が主流だったとされています。

現代では電気やガスを使ってお風呂を沸かすため、鉄砲風呂や五右衛門風呂はほとんど残っていません。現代の一般家庭にある浴槽は、基本的に横長の形をしています。五右衛門風呂や鉄砲風呂に入ってみたい方は、古民家や農村部の民宿を尋ねてみましょう。

日本にはお風呂のほかにも和食や日本建築、おもてなしの心などさまざまな文化があります。日本文化全般に興味がある方は、西洋文化と日本文化の違いをまとめた「日本文化の特徴をまとめて紹介!外国人向けに西洋文化との違いを解説」もおすすめです。

日本特有のお風呂文化

古くから入浴の習慣が身についている日本では、独特なお風呂文化が形成されています。海外の人からすると驚くような文化やマナーもあるので、来日前にチェックしておきましょう。

お風呂に複数人で入浴する

日本では温泉や銭湯といった公衆浴場に複数人で入る文化があります。家族や友人だけでなく知らない人とも入浴するため、カルチャーショックを受ける人もいるでしょう。また、日本の公衆浴場に入浴する際は基本的に裸です。タオルを湯につけるのは不衛生なため、マナー違反とされています。日本人でも「同性とはいえ裸を見られたくない」「恥ずかしくて温泉に入れない」という方がいますが、海外で暮らしている方は特に羞恥心を感じる傾向にあるようです。

日本のホテルや旅館では、大浴場のほかに部屋ごとに浴室や露天風呂を設けている場合もあるので、旅行の際は確認して予約を取ることをおすすめします。

温泉はタトゥーがあると原則入浴できない

日本の公衆浴場の多くはタトゥー・刺青があると入浴できません。海外ではファッションや自己表現、宗教的な理由からタトゥーを入れる人もいるため、なぜ入浴できないのか疑問に思うでしょう。

日本ではタトゥー・刺青といえば反社会的勢力の人々の象徴であり、良くないものとされてきました。そのため、現代でもタトゥーが入った人は公衆浴場の入浴を拒否されることが多いのです。ただし、銭湯はタトゥーがあっても入浴できる傾向にあります。銭湯は温泉に比べて公共性が高い入浴施設です。そのため、伝染病にかかっていたり公衆衛生を害したりする人でなければ、タトゥーがあるからといって入浴を拒否されることはあまりありません。インバウンド需要の増加や考え方の変化から、タトゥー・刺青があっても入浴できる公衆浴場が増えつつあるので、日本を訪れる際はチェックしてみましょう。

入浴に関するグッズが多い

日本ではお風呂に入る時間を楽しむために、さまざまな入浴グッズが展開されています。たとえば、肩こりや冷え性に効く薬用入浴剤やリラックス効果のある香料が配合された入浴料などです。また、ボディソープやボディケア、ヘアケアに関する入浴グッズも豊富なため、好みに合わせて選べます。日本人は長時間入浴する人が多いため、バスピローやバスチェアといったグッズも人気です。そのほか、子供向けのお風呂用おもちゃもあるので、親子で入浴する際もバスタイムを楽しめます。

一般家庭のお風呂にさまざまな機能が搭載されている

現代の一般家庭のお風呂は追い炊きや浴室乾燥、浴室暖房など、さまざまな機能が搭載されているケースがあります。追い炊きは冷めた湯を再び沸かす機能です。急な外出ですぐに入浴できなかったり家族が多く湯が冷めたりした際に追い炊きを行えば、すぐに温かいお風呂に入れます。また、最新設備のお風呂では換気によって衣類を乾かしやすくする浴室乾燥、ヒートショックを起こしにくくする浴室暖房といった機能も人気です。日本ではどれも便利な機能として使われており、賃貸物件を選ぶ際の基準にもされています。日本のお風呂文化になじみのない人にとっては複雑で混乱を招くこともありますが、慣れると便利で快適な機能になるでしょう。

日本のお風呂に入浴する際の注意点

大衆浴場やホテルのユニットバスなど、公共のお風呂に入る際は守るべきマナーや注意点があります。日本のお風呂に入浴する予定がある方は、文化の違いに混乱せずに済むよう、正しい入浴方法を押さえておきましょう。

銭湯や温泉は入浴マナーがある

銭湯や温泉に入浴する際は、髪やタオルが湯につからないようにするのがマナーです。髪が長い人は髪ゴムやバレッタでしっかりまとめましょう。また、体や髪を拭くためのタオルはたたんで頭の上に乗せたり浴場内の棚に置いておいたりするのが一般的です。濡れたまま浴場から更衣室に移動するのもマナー違反なので、必ずタオルを持って浴場に入りましょう。なお、銭湯や温泉は公衆浴場なので周囲の人に迷惑を掛けないようにするのも大切です。シャワーを利用する際は周囲に気を配り、使った場所はきれいに片づけるよう心掛けましょう。

大衆浴場を利用する際は貴重品をロッカーに預ける

温泉や銭湯は脱衣所に鍵のかかるロッカーが用意されていることが多いので、衣服や財布、携帯などをしまってからお風呂に入りましょう。部屋に金庫が用意されていたりフロントで荷物預かりを行っていたりする場合もあるので、施設に確認しておくと安心です。また、公衆浴場のロッカーの鍵は手足につけられるようになっているので、なくさないよう身につけておくことをおすすめします。

ユニットバスはシャワーカーテンを閉めて使う

日本のビジネスホテルに多いユニットバスは、シャワーがトイレにかからないよう、しきりになっているカーテンを閉めて使うのがマナーです。お風呂とトイレが同じ空間にある作りは海外では一般的なため、使い方に慣れている人もいるでしょう。ホテルのユニットバスの場合、公衆浴場と違って利用するのは自分だけです。しかし、チェックアウトした後の清掃はホテルの従業員が行います。清掃がホテル側の負担にならないよう、できるだけきれいに使うよう意識しましょう。

日本と海外のお風呂に対する考え方の違い

日本は体を清潔にするためだけでなく、リラックスするためにお風呂に入る習慣があります。海外では湯船に長時間つかったりリラックスのためにお風呂に入ったりする習慣がないので、文化の違いを感じることも多いようです。ここでは、日本と海外のお風呂に対する考え方の違いをまとめているので、日本文化に興味がある方は参考にしてください。

リラックス目的で湯船につかって入浴する

日本では、季節を問わず浴槽に湯を張って入浴する日本人が多いとされています。夏になるとシャワー入浴で済ませる人も増えますが、しっかり汗を流してリフレッシュするために湯船につかる日本人は多いのです。

お風呂に入る日本人が多い理由として、温熱や水圧によるリラックス効果が挙げられます。湯船につかる入浴は体が温まりやすく、血流が良くなることで疲れが取れやすいのです。また、水圧で血液の循環が良くなったり浮力で筋肉・関節に掛かる負担が減って体の緊張が取れたりと、さまざまメリットを得られます。そのため、日々の疲れをいやそうとお風呂に入る日本人が多いようです。お風呂文化のある日本では、リラックス効果を高める入浴グッズも数多く存在します。公衆浴場の数や入浴に対する創意工夫からも、日本人にとってお風呂が大切な文化であることがうかがえるでしょう。

海外は節水のためにシャワー入浴が主流

海外ではシャワー入浴が主流で、日本のようにお風呂の時間を大切にする国はほとんどありません。その理由として、節水に対する意識の強さが挙げられます。国によっては水は貴重な資源です。そのため、日本のように浴槽に湯を張らず、シャワーで入浴を済ませる傾向にあります。また、水道設備が整っていなかったり水質が悪かったりすることを理由に、シャワー入浴が主流となっている国もあるようです。

海外では湯船につかってゆっくり過ごす時間がなく、毎日のようにお風呂に入る習慣もありません。日本と海外では水資源の貴重さやインフラ整備の度合いが異なります。頻繁に入浴しなくても体を清潔に保てることもあり、海外ではお風呂文化が発展することはなかったようです。

日本はタオル・海外は手で体を洗うことが多い

日本では体をきれいにするためにボディタオルを使う一方、海外では多くの国が手で洗っています。多くの日本人は背中まできちんと洗うため、手が届かない部分をカバーするためにボディタオルが欠かせません。特に汗をかく夏場は「いやな匂いがしないようにしっかり洗いたい」という理由から、ボディタオルを使う日本人がほとんどです。しかし、海外では「シャンプーの泡が背中も洗ってくれる」「汚れやすい場所だけ石鹸で洗えばいい」という考えが強く、ボディタオルを使わない傾向にあります。

世界的に見て、日本人はきれい好きな国民性で有名です。毎日のようにお風呂に入り、隅々まで体をきれいに洗う独特な文化を有しているため、日本人はきれい好きのイメージが強いといえます。日本を訪れた際は、タオルを使って体を洗ったり湯船につかってみたりと、日本人のお風呂文化を体験してみるのもおすすめです。

まとめ

日本のお風呂文化の始まりは、仏教の伝来と同じ6世紀ごろです。日本は海外と異なる独特なお風呂文化を形成しています。シャワー入浴が主流の海外に対して、日本では浴槽に湯を張ってお風呂に入るのが一般的です。なお、銭湯や温泉は公衆浴場のため、入浴の際はさまざまなマナーを守らなければなりません。日本に興味がある方は、独特なお風呂文化を楽しめるように来日前に正しい知識を身につけましょう。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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