日本の有名な昔話一覧!あらすじやお話から得られる教訓も紹介

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2023/05/25

日本で多くの人に親しまれている有名な昔話には、男性が海のなかに行く『浦島太郎』や犬が恩返しをする『花咲かじいさん』などがあります。神秘的な『かぐや姫』や貧しい若者がお金持ちになる『わらしべ長者』などの昔話も有名です。有名な昔話はストーリーが面白いだけでなく、日本人に根付いている精神や大切な教訓も伝えてきました。
このコラムでは、『鶴の恩返し』『桃太郎』など、11個の昔話を一覧にして紹介します。

目次

  1. 日本の有名な昔話一覧
  2. 昔話に反映されている日本人の精神とは
  3. 日本の昔話から学べる教訓を紹介
  4. まとめ

日本の有名な昔話一覧

日本の有名な昔話一覧の画像

日本には、古くから語り継がれている有名な昔話があります。『浦島太郎』や『花咲かじいさん』などは、ほとんどの日本人が知っている昔話といえるでしょう。ここでは、日本の有名な昔話を一覧にして紹介します。

浦島太郎

浦島太郎の画像

『浦島太郎』は、いじめられていた亀を助ける場面から始まる有名な昔話です。

亀を助けた浦島太郎は、お礼として竜宮城(りゅうぐうじょう)へ招待され、何日間か楽しく過ごしていました。
しかし、村に置いてきた母の存在が気になり、戻りたいと言い出します。すると、竜宮城の乙姫様(おとひめさま)は浦島太郎に玉手箱(たまてばこ)を渡して、「この箱は絶対に開けてはならない」と伝えました。

村へ戻った浦島太郎は、竜宮城で過ごしているうちに、実は300年もの月日が経っていたことに気付きます。そして、乙姫様の忠告を忘れて玉手箱を開け、なかから出てきた煙に包まれておじいさんの姿に変わってしまいました。

一般的に知られている『浦島太郎』の話はバッドエンドに感じますが、原作の『御伽草子(おとぎぞうし)』では続きがあるようです。

『御伽草子』では、おじいさんになった浦島太郎は鶴へと姿を変えて、蓬莱山(ほうらいさん)という場所へ行きます。
その頃、竜宮城の乙姫様も亀に姿を変えて蓬莱山へ向かい、のちに2人は結ばれるという結末です。『御伽草子』に描かれている『浦島太郎』の話の続きは、知らない人も多いでしょう。

花咲かじいさん

花咲かじいさんの画像

『花咲かじいさん』は、優しいおじいさんに飼われていた犬が、亡くなったあともおじいさんを慕って恩返しをする心温まる昔話です。

おじいさんは迷子の犬を見つけて家へ連れて帰り、「シロ」と名付けて育てます。ある日、シロが「ここ掘れ、ワンワン」といった場所をおじいさんが掘ってみると、大量のお金が出てきました。
様子を見ていた意地悪な隣人は、シロを借りてお金を手に入れようと企みます。しかし、作戦は失敗し、怒った隣人に乱暴に扱われたシロは亡くなってしまいました。

おじいさんは悲しみながらシロの亡骸を埋めて、お墓の代わりに小さな木を植えました。すると、お墓の木はすくすくと成長し大木になります。おじいさんが大木から臼(うす)を作りおばあさんと一緒に餅をつくと、大量のお金が出てきました。

意地悪な隣人も臼を借りて餅をつきますが、お金は出てきません。怒った隣人が臼を燃やしたため、おじいさんは悲しみながら臼の灰を握りしめます。すると、風によって舞い上がった灰が枯れ木に降りかかり綺麗な花が咲いたのです。おじいさんは枯れ木に花を咲かせられると有名になりました。

噂を聞いてやって来たお殿様は美しい花を褒めて、おじいさんに褒美を与えます。うらやましく思った隣人も同じように木に灰を巻くのですが、お殿様にかかり怒りを買ってしまいました。

その後、おじいさんは花を眺めながらシロを想い、おばあさんとともに幸せに暮らしました。亡くなったあともおじいさんへ恩返しするシロがいじらしく、優しい気持ちになれる有名な昔話です。

かぐや姫

かぐや姫の画像

『かぐや姫』は、竹から生まれた美しい女性とおじいさん、おばあさんを中心に話が進む有名な昔話です。

竹を取り売って生活していたおじいさんは、ある日、光っている竹を見つけたので切ってみました。なかから輝くようにかわいらしい女の子が出てきたので「かぐや姫」と名付け、おばあさんと一緒に育てることにします。

数年後、かぐや姫は美しい女性に成長しました。噂を聞きつけた男性に求婚されますが、すべて断ってしまいます。そして、かぐや姫は「実は自分は月から来た者で、もうすぐ帰らなければならない」とおじいさん、おばあさんに伝えました。

しばらくしてやって来た月からの迎えを追い返せず、かぐや姫は帰ってしまいます。おじいさんとおばあさんは悲しみながらかぐや姫の姿を見送りました。

『かぐや姫』は、『竹取物語』や『竹取の翁物語(おきなものがたり)』などの名前でも知られています。日本最古の有名なお話の一つとされており、長きにわたり日本人に親しまれてきました。

したきりすずめ

したきりすずめのイメージ画像

『したきりすずめ』は優しいおじいさんと、「ちゅん」と名付けられたすずめが出てくる有名な昔話です。

おじいさんにかわいがられていたちゅんは、ある日おばあさんが用意した洗濯のりを食べてしまいます。怒ったおばあさんはちゅんの舌をはさみで切ってしまいました。ちゅんは泣きながらどこかに飛んで行ってしまいます。

おじいさんは、ちゅんの居場所を探して辿り着いた先ですずめたちの歓迎を受けました。帰りには、お礼に宝物が入った小さなかごをもらいます。

様子を見ていたおばあさんは、自分も宝物をもらおうとちゅんのところまで行きました。たくさんの宝物が入っているだろうと大きなかごをもらいますが、開けてみると妖怪が出てきて襲われてしまいます。怖い経験をして懲りたおばあさんは、自分の強欲さを反省し心を入れ替えました。

『したきりすずめ』は、強い欲は失敗を招くという教訓を学べる昔話です。

わらしべ長者

わらしべ長者のイメージ画像

『わらしべ長者』は、貧しいけれど優しい男性が運を掴み幸せになる有名な昔話です。わらしべは稲のわらを、長者はお金持ちの人を指します。

あるところに、何をやっても上手くいかない貧しい男性がいました。男性は仏像にお参りし、「転んだときに握った物を大事にしながら西の方へ向かうように」とお告げを受けます。

その後、男性は転んだ際にわらしべを手にします。わらしべを握りながら歩いていくと、泣いている赤ちゃんをおんぶした女性に出会いました。男性が持っていたわらしべを赤ちゃんに渡すと泣き止んだため、女性は喜んで3つのみかんを男性に渡します。

このように、男性はいろいろな人と出会い、次々と物を交換していきます。そして、高級な織物や馬を手にしたあと、長者の娘と出会うのです。男性は長者の娘と結婚し、立派なお屋敷で幸せに暮らしました。

『わらしべ長者』は、信心の大切さやどのような物でも大切に扱わないといけないことに気付かされる昔話です。

昔話に反映されている日本人の精神とは

昔話から色濃く感じられるのが、日本人に根付いている考え方や精神です。ここでは、『一寸法師(いっすんぼうし)』『鶴の恩返し』『かさじぞう』といった有名な昔話の一覧とともに、日本人の精神を解説します。

『一寸法師』どのような存在にも価値がある

『一寸法師』どのような存在にも価値があるの画像

日本の有名な昔話には、すべての存在に価値があることを示しているお話があります。分かりやすく表現されている有名な昔話は、『一寸法師』です。

一寸法師は体は小さいですがとても元気な男の子です。ある日、お椀に乗って川を下り都に行きました。その際、鬼に襲われたお姫様を助けようとしますが、相手に「小さい姿では勝てない」と言われてしまいます。しかし、一寸法師は諦めずに戦い、最後は鬼に勝利するのです。

『一寸法師』は、どのような人でも価値があり、困難を乗り越えて人々に幸福を与える存在になれると示している昔話です。

『鶴の恩返し』女性は神秘的な存在である

『鶴の恩返し』女性は神秘的な存在であるの画像

日本には、女性を神秘的な存在として描かれている昔話が多いのも特徴です。有名な昔話として、『鶴の恩返し』が挙げられます。

『鶴の恩返し』は、おじいさんに助けられた鶴が、女性の姿に変わり布を織って恩返しをする昔話です。
女性は部屋のなかを覗かないように伝えますが、おじいさんは気になって覗いてしまいます。正体に気付かれた女性は、自分は助けてもらった鶴だと伝え、空へ飛んでいくという結末です。

『鶴の恩返し』では神秘的で心の綺麗な女性が、美しい鶴として表現されています。また、『鶴の恩返し』から感じられるのが、すべてを明らかにしない方が美しいという日本特有の考え方です。女性の姿を覗いてはいけないとすることで、神秘性や美しさを強調しているといえるでしょう。

『かさじぞう』欲は持たない方が良い

『かさじぞう』欲は持たない方が良いの画像

日本の有名な昔話には、欲を持たずに良い行いをする方が幸せになれるという日本人の精神が反映されています。

『かさじぞう』は、貧しいおじいさんが、雪の降る日にお地蔵様に自分の笠を被せてあげる場面から始まります。おじいさんは雪に降られながら家に帰りますが、翌朝お地蔵さまからの贈り物を見つけるのです。おじいさんはお地蔵様からの贈り物を受け取り、おばあさんと一緒に楽しく暮らしました。

なお、日本には欲により失敗する昔話が少なくありません。前述したように、『花咲かじいさん』に出てくる隣人は大金を得たいと画策するも上手く行かず、お殿様を怒らせてしまいます。『鶴の恩返し』の男性は、覗きたいという欲に負けて女性を失ってしまいました。

日本の昔話から学べる教訓を紹介

日本の有名な昔話には教訓が込められています。子どものころに読む機会が多い昔話ですが、大人になってから読み返しても学びがあるでしょう。ここでは、教訓が学べる有名な昔話を一覧にまとめています。

『桃太郎』周りと協力することで目標を達成できる

『桃太郎』周りと協力することで目標を達成できるの画像

『桃太郎』は、川に流れる桃のなかから生まれた男の子が、犬・猿・きじと一緒に鬼ヶ島へ行き鬼退治をする有名な昔話です。

昔あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。川へ洗濯に行ったおばあさんが、流れてきた大きな桃を拾います。おじいさんとおばあさんが一緒に桃を開けると、男の子が生まれました。その子を「桃太郎」と名付けて育てていきます。

ある日、悪い鬼の話を聞いた桃太郎は、鬼ヶ島へ退治に出掛ける決心をしました。道中に出会った犬・猿・きじにきび団子をあげて、一緒に鬼を退治する約束を結びます。鬼退治に成功した一行は、鬼が持っていた宝物を持って村へ帰りました。桃太郎が動物達と協力し鬼に立ち向かい勝利する姿が、読者を勇気づける昔話です。

『ももたろう』には、周りと協力することで目的を果たせるという学びがあります。桃太郎が犬・猿・きじと力を合わせたからこそ、鬼退治が成功したのでしょう。何事も一人で解決しようとせず、ときには周りを頼るのも大切であるという教訓が学べます。

『さるかに合戦』悪い行いをすると自分に返ってくる

『さるかに合戦』悪い行いをすると自分に返ってくるの画像

『さるかに合戦』は、かにから柿の種を奪い取った意地悪なさるを、栗や蜂達が協力してやっつけるという有名な昔話です。

物語は、さるとかにがおにぎりと柿の種を交換する場面から始まります。さるは「柿の種を植えるとたくさんの柿ができる」と言って、かにのおにぎりと自分が持っていた柿の種の交換を申し出ました。

時が経ち、かにが植えた柿の種は大きな木に成長し、おいしそうな実がなりました。かには柿を取ろうとしますが手が届きません。さるは取ってあげるふりをして自分が食べ、下にいるかにに柿を一つ投げつけます。投げつけた柿はかにの甲羅に当たり、かには死んでしまうのです。

かにの子ども・栗・蜂・臼・牛のふんは怒り、さるが留守の間に家に入り、戻ってきた途端に攻撃をする計画を立てます。栗は囲炉裏に、蜂は水桶に隠れて、帰ってきたさるの顔や目のうえを攻撃しました。

日本の昔話を読むと、悪い行いはすべて自分に返ってくるという教訓が学べます。
悪いことをした人が報いを受ける昔話からは、「業(悪行)を積むより徳(善行)を積みなさい」という教えが学べるでしょう。

『こぶとりじいさん』自分の行動次第で道は開ける

『こぶとりじいさん』自分の行動次第で道は開けるの画像

日本の昔話のなかには、行動力や好奇心を持つ大切さを学べるお話があります。例として挙げられる有名な昔話は、『こぶとりじいさん』です。

『こぶとりじいさん』には、こぶのある優しいおじいさんと性格の悪いおじいさんが出てきます。優しいおじいさんは、山のお寺へ行き鬼の宴会に混ざり楽しく踊り、こぶを取ってもらいました。自分もこぶをとってもらおうと山へ行った性格の悪いおじいさんは、怖がって踊れず鬼にこぶをもう一つ付けられます。

『こぶとりじいさん』からは、何事も行動力や好奇心を持って挑めば、物事は良い方向に進むという教訓を学べるでしょう。

以上で挙げた昔話のほかにも、日本には有名なお話がたくさんあります。「日本の有名な童話のタイトルやあらすじを外国人向けに紹介!」のコラムでも昔話を紹介していますので、日本文化の知識をより深めたい方はぜひご覧ください。

まとめ

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日本の有名な昔話には、『浦島太郎』『花咲じいさん』『桃太郎』などがあります。どの昔話も日本人の精神が表現されていたり教訓を学べたりするお話ばかりです。
お話ごとに何を伝えたいのか、日本人はどのような考えを持っているのかなどに注目して読むと、より昔話を楽しめるでしょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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