熊本県には、全国5位の源泉数からなる良質の温泉が各地域に点在し、気軽に湯めぐりや休暇を楽しめる場所がたくさんあります。平日は市街地で過ごし、休日は自然豊かな地域で温泉に入りリフレッシュするなどオンとオフを切り替えて過ごすことも可能です。
このコラムでは、熊本県内にある温泉施設やリラクゼーション、パワースポットなどを紹介します。温泉巡りや熊本県内を観光する際の参考にしてください。
目次
【火の国】熊本の温泉と歴史
引用元:熊本県公式観光サイト もっと、もーっと!くまもっと
熊本県は、日本有数の温泉地として有名です。熊本県には、標高1592mの阿蘇山(あそさん)という世界最大級の噴火山があります。阿蘇山は活火山であり、現在に至るまで多くの噴火活動が繰り返されてきました。阿蘇山は火口を覗くことのできる世界的にも珍しい山で、観光地としても有名です。また、阿蘇山は県のシンボルとなる山で、噴火により舞い上がる火のイメージから熊本が「火の国(ひのくに)」と呼ばれるようになりました。「火の国」については諸説あり、「肥後国(ひごのくに)」または「肥国(ひのくに)」と阿蘇山の噴火のイメージが合わさったともいわれています。
熊本県は阿蘇山の噴火によって形成された地層と、湧き水から生まれた温泉が県内に118ヶ所あることから、日本屈指の温泉大国として知られています。熊本県の温泉は、長い歴史とともに人々に親しまれ、受け継がれてきた日本文化であるといえるでしょう。火の国の歴史や文化に触れながら、県内各地の温泉巡りを楽しんでみてください。
火山と温泉の関係について詳しく知りたい方は「火山と温泉はどのような関係があるの?仕組みや有名な火山性温泉を解説!」のコラムも参考にしてください。
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熊本の温泉10選
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熊本には、阿蘇山をはじめとする雄大な山々や豊かな自然により、品質の高い湧き水の源泉が数多くみられます。環境省が選定する『日本の名水百選』にも選ばれていることから、熊本県は水の国とも呼ばれるようになりました。
熊本県の温泉の効能はさまざまで、温泉施設も充実しています。ここでは、熊本県にある有名な温泉を紹介。都市部からアクセスできる温泉もたくさんありますので、週末や休みの日など気軽に足を運んでみてください。
黒川温泉
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「黒川温泉(くろかわおんせん)」は、阿蘇群の南小国町にある温泉地で、JR豊肥本線「阿蘇」駅からバスで50分ほどの距離です。泉質は弱酸性単純泉、含鉄泉、硫黄泉などさまざまで、美肌や疲労回復などの効能が期待されるといわれています。黒川温泉地帯には、20〜30軒ほどの温泉宿があり、ほとんどの宿に露天風呂があります。「入湯手形」を購入することにより、3か所の温泉に入浴可能であるため、湯めぐりを楽しめる場所として人気の温泉地です。
天草下田温泉
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「天草下田温泉(あまくさしもだおんせん)」は、天草市天草町にある温泉地です。近くには、世界文化遺産の「崎津集落」や船でイルカウォッチングを楽しめる観光地もあります。天草下田温泉は、東シナ海を見渡せる海の近くにある珍しい温泉地です。泉質はナトリウム炭酸水素塩泉、塩化物泉で、痛風や肝臓病、糖尿病、慢性消化器病に効能があるといわれています。環境大臣指定の『国民保養温泉地』に選ばれたほか、火山性温泉と非火山性温泉のどちらにも分類されない温泉として日本でも珍しい温泉地です。天草市は天草諸島に位置する離島であるため、観光や温泉を楽しみながら宿に泊まり、ゆっくり過ごすのも良いでしょう。
玉名温泉
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「玉名温泉(たまなおんせん)」は1300年もの歴史ある温泉地で、近隣には石造りで有名な「高瀬目鏡橋」や花の名所といわれる「蛇ヶ谷公園」などがあります。泉質は神経痛や美肌に効果のある、無臭で無色の弱アルカリ性単純温泉です。最寄り駅であるJR「新玉名」駅から徒歩で行くことができ、誰でも気軽に足を運べる温泉地として親しまれています。温泉地周辺には老舗の飲食店もあり、日帰りや短時間でも楽しめる、アクセスの良い温泉地といえるでしょう。
湯の児温泉
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「湯の児温泉(ゆのこおんせん)」は、水俣市のJR「新水俣」駅から車で10分ほどの距離にある、露天風呂から海を一望できる絶景が魅力の温泉です。海沿いに旅館が立ち並び、温泉に入りながら日の出や夕日を眺めることもできます。泉質は、神経痛やリウマチに効果のある弱アルカリ性単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉です。つり橋で行くことのできる「湯の児島」という無人島や海水浴も楽しめる場所もあり、休暇を存分に満喫できるでしょう。
杖立温泉
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「杖立温泉(つえたておんせん)」は、1800年以上の古い歴史を持つ阿蘇郡小国町にある温泉です。立ち寄り湯があり、日帰りやドライブで温泉巡りを楽しめます。弱食塩泉の泉質には、保湿効果の高いメタケイ酸が含まれるため、美肌の湯として女性にも人気です。杖立温泉地の街並みは、昭和時代を感じさせる風情ある建物が多く、温泉だけでなく散策も楽しめるでしょう。
地獄温泉
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「地獄温泉(じごくおんせん)」は、江戸時代から200年以上も続いている南阿蘇村にある温泉です。現在は、青風荘(清風荘とも表記)が、地獄温泉を楽しめる唯一の旅館として残っています。青風荘にある「すずめの湯」は、加水することなく足元から湧き出る「奇跡の湯」と称され、人々に親しまれてきました。泉質の単純酸性硫黄成分は、リウマチやアトピー、気管支炎疾患に良いとされています。そのほか、青風荘は阿蘇を一望できる見晴らしの良い露天風呂の「たまごの湯」や「元の湯」など、一つの宿で異なる泉質の湯を楽しめるのも魅力です。
山鹿温泉
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「山鹿温泉(やまがおんせん)」は、ペット専用の温泉や公衆浴場などさまざまなタイプの宿がある温泉地です。なめらかなアルカリ性単純温泉の湯には、美肌効果があるといわれています。また、8月には「山鹿灯籠まつり」が開催され、国の重要文化財に指定されている「八千代座」もあることから、老若男女問わず人気がある温泉地です。豊前街道には、カフェやスイーツが楽しめる飲食店もあるため街歩きも楽しめるでしょう。
阿蘇内牧温泉
「阿蘇内牧温泉(あそうちのまきおんせん)」は、阿蘇市の阿蘇外輪山の麓にある温泉地です。130以上もの源泉がある地で、温泉巡りをする観光客が多く訪れています。温泉施設によって泉質が異なり、硫酸塩泉や単純温泉などさまざまな温泉が楽しめるのも魅力です。また、100円から入浴できる施設もあり、気軽に立ち寄れる街として人気があります。阿蘇内牧温泉は、動脈硬化や切り傷、痛風、やけどにも効能があるといわれているので、湯めぐりをしながら心身ともにリフレッシュしてください。
人吉温泉
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「人吉温泉(ひとよしおんせん)」は、人吉市の球磨川沿いに位置する温泉地です。人吉温泉地には、歴史や文化を感じられる昔ながらの街並みや公衆浴場が残っており、「番台」のある温泉施設も体験できます。早朝から夜遅くまで入浴可能な施設や24時間営業の温泉もあるため、好きな時間に気軽に立ち寄れる温泉地として地元の人や観光客からも親しまれてきました。泉質は炭酸水素塩泉と塩化物泉で、婦人病や皮膚炎、リウマチ、美肌などに効果があるといわれています。
平山温泉
「平山温泉(ひらやまおんせん)」は、山鹿市にある温泉です。戦国武将の加藤清正が汗疹を治したと言い伝えられており、医治効能がある温泉として知られています。また、療養地としても人気があり、大自然に囲まれた温泉地で静養したり、家族とゆっくり過ごしたりするのも良いでしょう。「山鹿温泉」にも近く、日帰り温泉や立ち寄り湯など、気軽に湯めぐりと自然を楽しめる温泉地です。泉質はアルカリ性単純温泉で、冷え性や疲労回復にも効果があるといわれています。
日本のお風呂の入りかたについて詳しく知りたい方は「日本のお風呂の入浴方法は独特?文化や海外との違いなどを紹介!」のコラムを参考にしてください。
日帰りで楽しめるリラクゼーション
温泉のほかにも、日帰りで楽しめるリラクゼーションがあります。車や電車で遠出しなくても、街中や近くのショッピングモール内で楽しめるリラクゼーションもありますので、ぜひ体験してみてください。
岩盤浴
「岩盤浴(がんばんよく)」とは、温められた岩盤の上に寝て身体を温める温浴法です。服を着たまま岩盤の上に横になると、徐々に汗が出てきます。汗をかくことで、代謝が良くなったり、免疫力が上がったりするなどの効能が期待できます。男女同室で利用できる施設や女性専用ルームがある施設もあり、友人同士で楽しむことも可能です。
サウナ
「サウナ」は遠赤外線と蒸気で温められた部屋に入り、身体を温める温浴法です。サウナの後は水風呂に入り、休憩した後にまたサウナに入るという温冷交代浴が効果的だといわれています。温泉や大浴場にサウナルームを併設している施設や、サウナのみ利用可能な施設もあります。身体を温めることで免疫力が上昇し血流が良くなり、心身ともにリフレッシュできるでしょう。
アカスリ
「アカスリ(垢すり)」は、全身の垢(あか)を専用のタオルなどで擦り落としていくリラクゼーションです。古い角質を取り除くことで美肌効果が期待でき、体臭予防やリラックス効果が得られるといわれています。垢を擦り落とすことで肌が敏感になるため、アカスリ後は化粧水やクリームなどで保湿をしっかり行うようにしましょう。自分の身体から出た垢の量を見て驚く人も多いようです。興味のある方は、ぜひ体験してみてください。
熊本のパワースポット
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パワースポットは和製英語で「大地のエネルギーを取り入れる場所」という意味です。自然豊かな熊本県にはさまざまなパワースポットがあり、観光客も数多く訪れています。ここでは、熊本県内で人気のパワースポットを紹介しますので、参考にしてください。
熊本城
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「熊本城(くまもとじょう)」は、1607年に豊臣秀吉の家臣である加藤清正が築城した日本三大名城の一つです。2016年の熊本地震により大きな被害を受け、2023年も復旧工事が続いています。復旧中ではあるものの、公開されるエリアも広がり、本来の姿を少しずつ取り戻してきました。6階の展望フロアからは熊本市街や阿蘇山を見渡すことができ、熊本の風景を楽しめるのでぜひ足を運んでみてください。
阿蘇山
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「阿蘇山(あそざん)」は、数ある日本の山の中で初めて外国の文献に記載された山として有名です。世界最大級のカルデラ火山として、現在も火山活動を続けています。阿蘇山は、火口を見に訪れる修学旅行生や観光客などで賑わっています。阿蘇山は活火山であるため、天候や火山活動により入山規制があります。阿蘇山を訪れる際は、事前にニュースやホームページなどで入山情報を確認してから行くようにしましょう。
高森殿の杉
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「高森殿の杉(たかもりどんのすぎ)」は、阿蘇郡高森町にある樹齢400年を超える大木です。直径10m以上もある2本の杉が絡み合い、巨大な生き物のようなシルエットを造り出しています。縁結びのご利益もあるとされ、良縁を求め訪れる観光客も多い有名なパワースポットです。
鍋ヶ滝
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「鍋ヶ滝(なべがたき)」は、阿蘇郡小国町にある滝です。鍋ヶ滝は阿蘇山の噴火によりできたといわれています。高さは10m、幅は20mと見ごたえと迫力があり、心身共にリフレッシュできるパワースポットとして人気です。また、滝の裏側に立ち入ることも可能で、「裏見の滝」とも呼ばれています。滝周辺は足元が悪く滑りやすいため、歩きやすい靴で行くようにしましょう。神秘的な滝を正面と裏側から見て楽しんでください。
まとめ
引用元:熊本県公式観光サイト もっと、もーっと!くまもっと
熊本県には、各所さまざまな効能の温泉があり、日帰りから宿泊まで気軽に利用できる施設も充実しています。県内でも地域によって街並みや温泉宿の雰囲気が違うため、行く先々で街の文化や歴史に触れることができるでしょう。日帰り温泉やリラクゼーションなど、自分の好みのスタイルで休暇を楽しんでください。