日本料理の配膳マナーを外国人に解説!食器の並べ方やお箸の作法もご紹介

WeXpats
2023/02/08

日本の文化に関心のある外国人に向けて、日本料理の配膳マナーを解説します。正しい日本料理の配膳マナーを知ることで、日本文化に詳しくなるだけでなく、日本の会食や食事の席でも配膳マナーに自信をもって参加できるでしょう。日本料理とは、一般家庭で出される「和食」と違い、日本料理店で提供されるような技術を要する「おもてなし料理」のことです。この記事では、主な日本料理の種類や日本料理の配膳マナーを解説します。

目次

  1. 主な日本料理の種類
  2. 日本料理の配膳マナー
  3. 日本料理のマナーで重視される箸の持ち方や使い方
  4. 日本料理の配膳マナーに基づくデザートの並べ方
  5. まとめ

主な日本料理の種類

主な日本料理の種類の画像

日本料理には、代表的な4つの種類があります。それぞれの特徴を以下で解説します。

本膳料理

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本膳料理とは、冠婚葬祭時などに用いられる、儀式的な宴会料理・おもてなし料理のことを指します。室町時代に本膳料理が確立され、江戸時代には日本料理として定番化するなど古くからの日本料理のルーツといえるでしょう。豪華さの度合いによりおかずの量は増えますが、おかずの数は縁起が良いとされている「奇数の数」と定められています。

懐石料理

懐石料理の画像

懐石料理とは、禅宗の修行僧が食べた食事を元にした茶道のおもてなし料理のことで、お茶をメインとしていることが特徴です。僧侶が空腹をしのぐための質素な食事に由来しているため、あくまでもお茶を美味しく飲むことを目的とした、素朴な料理であるとされています。

精進料理

精進料理の画像

精進料理とは、鎌倉時代に中国から伝わったとされている、魚やお肉などの動物性食品を一切使わない料理のことです。現在は寺院の修行僧などがいただく料理として知られており、お寺だけでなく一般社会にも広まっています。

会席料理

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会席料理とは、外食する場が増えた江戸時代に発展した日本料理です。現在では料亭や旅館、結婚式などの改まった場で提供される、最も一般的なおもてなし料理といえるでしょう。同じ読み方である「懐石料理」とは内容が異なりますが、現代ではほぼ同じ意味として認識されています。

日本料理は一汁三菜が基本

日本料理は一汁三菜が基本の画像

日本料理は一汁三菜を基本としています。読み方は「いちじゅうさんさい」と読み、日本料理ではこの配膳が定番です。日本料理では、日本人の主食である「ご飯」と「味噌汁」に加え、「3つのおかず」を配膳します。これが「三菜」です。三菜には、「主菜・副菜・副々菜」の3つの種類があり、種類ごとに並べる配置が違います。

日本料理の種類や日本の伝統料理について、さらに詳しく知りたい方は「日本料理の名前を4種類紹介!献立についても解説」「日本の伝統料理について外国人向けに詳しく解説!美味しい食べ方も紹介」のコラムをご一読ください。

日本料理の配膳マナー

日本料理の配膳マナーの画像

日本料理の配膳マナーとして、お椀やおかずの位置、お皿の扱い方などが重視されます。日本料理の基本といわれる配膳マナーの意味を理解しましょう。

汁椀を右に置きお茶碗を左に置く

日本料理で最も基本といわれる、汁椀とお茶碗の配膳を知っておきましょう。日本では、汁椀を右に置き、お茶碗を左に置くことが定番です。日本は左側に重要なものを配置する「左上位」の伝統があるため、左側に主食のご飯を配置するといわれています。

おかずは奥に置く

おかずはすべて、奥に置きましょう。右奥に主菜、左奥に副菜、中奥に副々菜を並べるのが正しい配膳です。また、お漬物は三菜に含まれないため、ご飯と汁物のあいだに配置しましょう。こうすることで、右手で箸を持つことを前提として考えたとき、右にある汁物にぶつかってこぼす可能性も低くなります。

食後はお椀の蓋を元に戻す

食後はお椀の蓋を開けたままにせず、必ず元に戻しましょう。日本料理には、保温のためや上品に見せるための意味合いとして蓋があるお椀が多く、お茶碗の蓋や汁椀の蓋などがあります。お椀の蓋を戻さずにそのままにしておくと、下品と捉えられてしまう可能性があるため、注意しましょう。

お皿を重ねない

食後にお皿を重ねることも日本の配膳マナーでは違反とされています。一見、食器を重ねるとテーブルの上がまとまり、すっきりすると思われがちです。しかし、お皿を重ねてしまうと食器が傷つく恐れがあるうえ、重ねた食器の外側が更に汚れてしまうかもしれません。お皿は重ねず、配置されていた位置に置くだけでOKです。

日本料理のマナーで重視される箸の持ち方や使い方

日本料理のマナーで重視される箸の持ち方や使い方の画像

日本料理のマナーで重視されるのが「箸の作法」です。日本では、箸の持ち方は「人となりをあらわす」ともいわれているため、正しい持ち方や使い方を癖づけることが大切です。

基本的な箸の持ち方

日本に昔からある「箸は三手で持つ」という言葉の通り、箸を持ち上げる際は以下の3つの動作を繋げて行います。左利きの場合は左手で行いましょう。

1.右手の親指と人差し指で箸の中央をつまむようにして、上から持ち上げる。

2.左手の手のひらを箸の下に添えて支え、右手を右横の箸の下に移動させる。

3.箸の右から3分の1あたりを右手の指先で持ったら、左手を外す。

このように、箸を使用する際は親指と人差し指で挟むことがポイントです。間違った箸の持ち方をしてしまうと、食事の席で自分の印象を下げてしまう可能性があるため、注意しましょう。

箸の動かし方

正しい箸の動かし方として、前述の持ち方の通りに箸を持ち、下の箸は動かさず、上の箸だけを動かして食べ物を挟みます。親指で下の箸を抑えながら、人差し指で上の箸をパタパタと動かすのが正しい箸の動かし方です。実際に割り箸などを使い、練習してみましょう。

間違った箸の使い方

マナー違反とされる「きらい箸」とは

箸を持ちながら、なにか別のことをする行為を「きらい箸」といいます。室町時代から伝わり、日本の食文化ではこれを「行儀が悪いこと」と認識しており、マナー違反とされています。

割り箸の使い方

割り箸を縦にして左右に割ることや、割り箸の木屑をこすって落としたりする行為はマナー違反とされています。割り箸の向きは横向きにし、上下に割って使用しましょう。また、割るときに大きく音を立てることもNGです。なるべく音を立てずに、静かに割ることを心がけましょう。

日本料理の配膳マナーに基づくデザートの並べ方

日本料理の配膳マナーに基づくデザートの並べ方の画像

日本料理のデザートは、お茶を右、和菓子を左に置きます。蓋がついている暖かいお茶が出た場合は蓋を開け、湯気の水滴を垂らさないように気を付けながら、湯飲みの横に上向きに置いておきましょう。

また、日本料理のマナーは「日本の食文化「和食」とは?特徴や文化の違いについても紹介」のコラムでも取り上げているので、合わせてチェックしてみてください。

まとめ

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日本料理には代表的な種類が4つあります。日本料理の定義を理解したうえで、しっかりと配膳マナーや箸の使い方をマスターしましょう。また、日本料理の配膳マナーには「持ちやすさ」「品の良さ」などの意味が込められており、繊細な作法も特徴です。日本料理の会食や食事の席で恥じぬよう、丁寧な配膳マナーを心得ておきましょう。

ライター

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