日本人と結婚した外国人のなかには、結婚祝いのお返しに悩んでいる方もいるでしょう。日本の結婚祝いのお返しにはマナーがあり、贈ってはいけない品物や贈り方のルールが決まっています。このコラムでは、結婚祝いのお返しの相場やマナーを紹介。結婚祝いのお返しを渡す期限もまとめています。結婚式をしない夫婦が結婚祝いをもらった際の対処法も解説しているので、お返しに悩んでいる方は参考にしてください。
目次
結婚祝いのお返しをする際のマナー
家族や親族、友人から結婚祝いをもらった場合、必ずお返しを贈りましょう。結婚祝いのお返しにはマナーがあり、のしを付けたりお礼状を添えたりしなければなりません。日本人は礼儀や礼節を重んじる傾向にあるので、マナーに則って失礼のないようにお返しをするのが大切です。
のしを付けて贈る
結婚祝いのお返しを贈る際は必ずのしを付けて贈ります。表書きに「内祝」や「寿」と書き、水引は紅白10本の結び切りを使いましょう。結び切りの水引はほどけない結び目になっているため、一度限りであってほしいお祝いの際に使われます。水引の下には新郎新婦の名前を書いたり、両家の姓を記載したりするのが一般的です。また、結婚祝いのお返しは内祝いともいい「自分のお祝い事をおすそ分けする」という意味を持つため、外のしより控えめな印象の内のしを選ぶことをおすすめします。
ギフトカードや商品券は避けたほうが良い
結婚祝いのお返しに、現金やそれに相当するギフトカード・商品券を選ぶのは避けるべきです。特に、目上の人に現金や金券を結婚祝いのお返しとして贈るのは失礼にあたります。日本ではプレゼントを贈った相手に気を遣わせないように、贈り物の費用を伏せるのが一般的です。実際にはお返しの内容を決めるため結婚祝いの金額を調べますが、相手に悟らせてはいけないため具体的な費用が分からない物を贈るのが良いでしょう。
目上の方は「新郎新婦の結婚を祝いたいだけだから、お返しに気を遣わないでほしい」という傾向にあります。そのため、現金や金券だけでなく、高額過ぎるお返しを贈るのはマナー違反です。また、肌着や靴下など「服の下」「足下」に身に付ける品物は、目上の方に贈ると失礼にあたるので注意しましょう。
縁起が悪いお返しはNG
縁切りを連想させる刃物や割れ物、法事のときに振舞われる緑茶は縁起が悪いため、結婚祝いのお返しには適していません。また、日本では「死や苦を連想させる」数字の4と9は、忌み数字として避けられています。結婚祝いのお返しに「くし」を選んだり、4個または9個入りのお菓子を贈ったりしないのが無難です。しかし、昨今では食器や緑茶が結婚祝いのお返しとして使われることもあります。食器は生活に役立つため贈り物として喜ばれることが多く、緑茶は「茶柱が立つと縁起が良い」とされているためです。結婚祝いのお返しを選ぶ際は縁起だけでなく、相手が喜んでくれるかも考えましょう。
お礼状を添えて贈る
結婚祝いのお返しを贈る際はお礼状を同封するのがマナーです。結婚祝いのお礼は、もらった直後とお返しを贈るタイミングの2回行います。結婚祝いをもらってすぐのお礼は電話や手紙で伝えましょう。お返しに添えるお礼状は、新郎新婦の写真を使ったメッセージカードや手紙が一般的です。相手にお返しの品物だけ贈るのは失礼にあたるため、感謝の気持ちが伝わるように必ずお礼状を同封してください。
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結婚祝いのお返しの相場
もらった結婚祝いの3分の1、または半分の金額がお返しの相場です。日本には「お祝いは半返しにする」という習慣があるため、結婚祝いの金額を調べて半額程度で済むお返しを探しましょう。なお、結婚祝いが高額だったり目上の人からもらった品物だったりする場合は、3分の1くらいの金額でお返しをするのが望ましいです。会社の人や親戚から連名で結婚祝いをもらったときは、品物の半分の金額を人数分で割って予算を決めましょう。一人当たりの予算が少額すぎる場合、全員で分けられるお菓子や食品をお返しにするのもおすすめです。
結婚祝いをもらってからお返しをするまでの流れ
結婚式を行う場合、挙式の2ヶ月前から1週間前までに結婚祝いを贈られることが多く、お返しは式が終わってから1ヶ月以内に渡すのがマナーです。ここでは大まかな流れを解説するので、お返しのタイミングに悩んでいる方は参考にしてください。
結婚祝いを受け取ったらすぐにお礼を伝える
親戚や上司、友人から結婚祝いを受け取ったら中身を確認し、すぐにお礼を伝えましょう。手渡しなら対面で、郵送なら電話や手紙でお礼を伝えるのがベストです。メールは失礼に感じる人もいるので注意しましょう。お礼を伝える際は感謝の気持ちを述べ、結婚祝いの品に具体的に触れると喜んでいることが伝わりやすいです。
受け取った結婚祝いの金額を調べる
お返しの予算を決めるために、受け取った結婚祝いの金額を調べましょう。日本では「相手に気を遣わせないよう、贈り物の値段を伏せる」という文化があるため、一見失礼な行為のように見えますがお返しを考えるうえで重要なことです。大まかな金額が分かれば問題ないので、必ず調べるようにしましょう。
お返しに結婚内祝いを用意する
結婚祝いを贈ってくれた人をリストアップして、お返しの結婚内祝いを用意します。お返しを渡すのは結婚式のあとですが、相手の好みや予算に合った品物を選ぶには時間が掛かるため、挙式前から目星を付けておくのがおすすめです。お返しを贈る相手の年齢や趣味、自分との関係性などを踏まえて品物を選びましょう。
結婚式を挙げてから1ヶ月以内にお返しを贈る
結婚式が終わり生活が落ち着いてきたら結婚祝いのお返しを贈りましょう。お返しは1ヶ月以内に贈るのがマナーなので、スムーズに渡せるように準備しておくと安心です。本来は結婚祝いをしてくれた方を夫婦で訪ね、お返しを直接手渡しするのがマナーですが、遠方に暮らす親戚や都合が付かず直接会うのが難しい方には郵送で構いません。お返しを贈る際はのしを付けてラッピングし、必ずお礼状を添えます。のしやお礼状を付けずに贈ったり、両親に代理で渡してもらったりするのはマナー違反なので注意してください。
結婚式を挙げない場合のお返しはどうする?
結婚式をしないカップルが結婚祝いをもらった場合、1ヶ月以内にお返しを贈るのがマナーです。
勤め先の福利厚生として贈られたご祝儀や「お返しは不要です」と言われた結婚祝いは、お返しを用意しなくても問題ありません。ただし、「お返しは良いから」と社交辞令で伝える人もいます。相手の様子を伺い、状況に応じてお返しを贈りましょう。なお、お返しを贈る際のマナーや相場は結婚式を挙げる場合と同じです。
結婚内祝いと引き出物の違い
「結婚内祝い」と「引き出物」はどちらもお礼として使われます。結婚内祝いは結婚祝いをしてくれた人へのお返しです。「内祝」や「寿」と書いた内のしを付け、水引の下に新郎新婦の名前を書いて結婚式から1カ月以内に贈ります。一方、引き出物は挙式や披露宴の参列者に渡されるお土産です。参列したその日に渡すのが一般的で、「寿」と書いたのしを付け、水引の下に両家の連名で苗字を記載します。引き出物の場合、内のしでも外のしでも構いません。
結婚内祝いと引き出物はどちらか片方だけ良いとされていますが、両方贈ることも可能です。両方贈る場合は結婚内祝いのほうが高くなるように調整し、同じ品物を贈らないように気を付けましょう。
基本的なお祝いのマナーをもっと知りたい方は、「日本のお祝いのマナーとは?結婚や就職祝いで贈る品やご祝儀の包み方を解説」のコラムもおすすめです。
まとめ
結婚祝いのお返しにはのしを付けたりお礼状を添えたりといったマナーがあります。お返しの金額や品物選びにもマナーがあるため、日本人と結婚した外国人はこのコラムを参考に結婚内祝いを選びましょう。お返しのマナーを押さえておけば、失礼なく感謝の気持ちを伝えられます。