特定技能「自動車整備業」で外国人が従事可能な業務と雇用時の注意点を解説

2022年03月10日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

自動車整備業で特定技能外国人の受け入れを検討する企業のなかには、どのような業務に従事可能かを知りたい方もいるでしょう。特定技能「自動車整備業」を持つ外国人は、主に自動車の日常点検や定期点検整備、分解整備業務に従事可能です。ほかにも、付随する複数の関連業務に従事することが認められています。このコラムでは、自動車整備業で特定技能外国人を雇用するための条件や注意点を解説するので参考にしてください。

 

目次

  1. 特定技能「自動車整備業」とは?
  2. 自動車整備業で雇用可能な外国人は?
  3. 特定技能外国人を雇用する際の注意点
  4. 特定技能外国人を受け入れるための条件
  5. まとめ

特定技能「自動車整備業」とは?

特定技能「自動車整備業」とは、自動車の日常点検や定期点検整備、分解整備および以下の関連業務に従事可能な在留資格です。ただし、関連業務だけに外国人を従事させることは禁止されているので、雇用の際は注意しましょう。

  • 整備内容の説明および関連部品の販売
  • 部品番号検索、部内発注作業
  • 車枠車体の整備調整作業
  • ナビやETCなどの電装品の取付作業
  • 自動車板金塗装作業
  • 洗車作業
  • 下廻り塗装作業
  • 車内清掃作業
  • 構内清掃作業
  • 部品等運搬作業
  • 設備機器等清掃作業

在留資格「特定技能」は、日本企業の慢性的な人手不足解消を目的として創設されました。特定技能の在留資格を持つ外国人を受け入れられるのは、自動車整備業のほかに介護業や航空業、建設業、飲食業など14業種があります。

参照元
国土交通省「自動車整備分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領

自動車整備業で雇用可能な外国人は?

特定技能「自動車整備業」では技能試験と日本語能力試験の合格者、もしくは技能実習2号修了者の外国人を雇用できます。

技能試験および日本語能力試験の合格者

技能試験は「自動車整備分野特定技能評価試験」「自動車整備士技能検定試験3級」のどちらか一方への合格が必要です。学科試験では自動車の構造や機能などの知識を測り、実技試験では分解や組み立て、簡単な点検作業などの技術によって合否の判定が行われます。

日本語能力試験では「日本語能力試験(JLPT)のN4以上」「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のどちらかに合格しなければいけません。日常的に使用する基本的な日本語を読んだり聞いたりできる程度のレベルです。外国人は技能試験と日本語能力試験に合格後、在留資格「特定技能」を取得できます。

自動車整備分野の技能実習2号修了者

自動車整備分野において技能実習2号を良好に修了した技能実習生は、先述した技能試験と日本語能力試験が免除され、在留資格「技能実習2号」から「特定技能」への在留資格の変更が可能です。基本的には、外国人本人が必要書類を揃えたうえで、地方出入国在留管理局にて変更手続きを行います。雇用主は外国人がスムーズに申請できるようサポートしましょう。

参照元
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会「特定技能評価試験

特定技能外国人を雇用する際の注意点

特定技能外国人を企業で雇用するときは、外国人に対する費用や待遇に関する注意点を覚えておく必要があります。

外国人の渡航や生活に係る費用は企業が負担する

雇用する外国人の渡航費や在留資格の申請費用などは、基本的に企業が負担しなければなりません。

給与や待遇は日本人と同等以上でなければいけない

特定技能外国人の給与や待遇は、同じ業務に就く日本人と同等以上でなければいけません。国籍や人種を理由に、差別的な扱いをすることは法律で禁止されています。

特定技能外国人を受け入れるための条件

特定技能外国人を受け入れる企業は、以下5つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 国土交通省が設置する自動車整備分野特定技能協議会の構成員になること
  2. 自動車整備分野特定技能協議会に対し必要な協力を行うこと
  3. 国土交通省または委託を受けた者が行う調査や指導に対し必要な協力を行うこと
  4. 道路運送車両法に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場であること
  5. 特定技能外国人のサポートを委託する場合は、以下の条件に該当する登録支援機関であること
  • 上記1~3すべてに該当する登録支援機関である
  • 自動車整備士1級もしくは2級を所持、または自動車整備士の養成施設において5年以上の指導経験がある従業員が在籍する登録支援機関である

なお、特定技能「自動車整備業」の外国人を受け入れる際は直接雇用のみです。ほかの雇用形態による雇用はできません。

参照元
国土交通省「自動車整備分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領

まとめ

特定技能「自動車整備業」を持つ外国人は、自動車の日常点検や定期点検整備、分解整備の業務に従事可能です。ほかにも、自動車板金塗装作業や洗車、構内清掃作業など、関連業務に従事させることも認められています。特定技能外国人の雇用を検討する企業は、受け入れ企業の条件を確認したうえで準備を進めましょう。

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