オフショア開発のデメリットは?メリットとあわせて知って導入を検討しよう

2023年07月19日
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開発業務を自社から遠く離れた海外在住の人材に委託することを、オフショア開発といいます。人件費を削減できるうえ、優秀な人材を確保しやすくなるのがメリットです。一方で、コミュニケーションや進捗管理に難しさがあるといったデメリットも存在します。
このコラムでは、オフショア開発を導入するメリット・デメリットを解説。内容を参考にして、オフショア開発の導入に踏み出しましょう。

目次

  1. オフショア開発の概要
  2. オフショア開発におけるデメリット
  3. オフショア開発におけるデメリットをなくすには
  4. オフショア開発はデメリットだけでなくメリットも多数
  5. まとめ
  6. EORサービスを検討中の企業様へ

オフショア開発の概要

オフショア開発の概要の画像

システムやソフトウェア、アプリ開発を海外の人材に委託することを、オフショア開発といいます。オフショア開発では、人件費の低いアジアの人材に業務を発注するのが一般的です。

開発業務を海外に委託すること

オフショア開発とは、自社の開発業務を海外の技術者に委託することを指します。オフショアは離れた(off)岸(shore)という意味で、自社とは遠く離れた海外で行うビジネスを指す言葉です。日本では1970~80年代から、中国の人材に開発業務を発注する企業が増え始めました。近年は多様な開発案件がオフショアリングされています。

オフショア開発で多い案件の種類

日本企業がオフショア開発で発注するのは、業務システムやWebシステムの開発案件が大半といわれています。システム開発案件が多い理由は、デザイン系の案件と比較すると言葉での細かいやり取りが少なくて済むためです。言葉でのやり取りが少なければ、言語の違いによる行き違いを防げるでしょう。

このほかには、アプリやゲーム開発の案件も行われています。

オフショア開発で選ばれる国

オフショア開発では、人件費を低く抑えられるアジアの国々が選ばれます。オフショア開発が日本企業で導入され始めた当初は中国の人材と行うのが主流でした。しかし、中国国内の経済成長にともない人件費が上がっていったため、ほかの国を選ぶ企業が増えています。近年特に多いのは、IT技術が高いうえ人件費を抑えられる、ベトナムやフィリピンなどの新興国です。

オフショア開発におけるデメリット

オフショア開発におけるデメリットの画像

コスト削減や人手不足解消などに繋がるオフショア開発ですが、いくつかデメリットも存在します。コミュニケーションの取りにくさや進捗管理の難しさは、代表的なデメリットといえるでしょう。

進捗や成果物のチェックがにしくい

オフショア開発では、物理的距離や時差などの理由により、進捗管理や成果物のチェックがしにくいというデメリットがあります。メールやチャットでやり取りはしていても、コミュニケーションの頻度によっては、正しく進捗を確認できないこともあるでしょう。また、時差の影響で、急ぎの連絡ができなかったり打ち合わせの時間が取りにくくなる場合があります

コミュニケーションコストが掛かる

コミュニケーションコストが掛かるのも、オフショア開発のデメリットといえます。オフショア開発では、自社か海外の人材のどちらかが母国語ではない言語でやり取りしなくてはなりません。細かい仕様のニュアンスが伝わらず、トラブルに発展する可能性があります。

国により仕事に対する価値観の違いがある

働くうえでの常識や価値観は、国によって異なります。日本人と働くときと同じ感覚でいると、納期や進捗に影響が出る可能性があるでしょう。日本では、納期を間に合わせることが最も重要視されますが、海外でも同じ感覚とは限りません。スケジュールに大きな遅れがあっても、人材が残業を一切しないということも考えられます。価値観や働き方の違いを考慮したうえでのスケジュール組みが大切です。

プロジェクトがストップするリスクがある

海外特有の事情により、プロジェクトが止まる可能性があることも理解しておきましょう。具体的には、政治や経済、社会情勢の変化などです。新興国や開発途上国は、より各国特有のリスク(カントリーリスク)が高い傾向にあります。オフショア開発を導入した場合、日本国内だけでプロジェクトを進めるよりも、高い危機察知能力が求められるでしょう。

案件によってはコスト削減しにくい場合がある

オフショア開発の最大のメリットは人件費の削減です。しかし、規模の小さい案件の場合、大きなコスト削減には繋がらない恐れも。オフショア開発を導入するためのコストが、削減できた人件費を上回ってしまうのです。オフショア開発は、多くの人材リソースを投入する案件でこそ、最大限のメリットを得られます。

オフショア開発におけるデメリットをなくすには

オフショア開発におけるデメリットをなくすにはの画像

先述したオフショア開発におけるデメリットは、企業側の対策によって減らせます。コミュニケーションミスやコストパフォーマンスの低下を防ぐために、以下の工夫をしてみましょう。

仕様書をできるだけ細かく書く

オフショア開発では、仕様書を詳細に記入することが大切です。日本人の技術者は、曖昧な仕様書の内容でもニュアンスを理解できます。しかし、言語や価値観の違いがある外国人技術者の場合は、解釈違いや混乱が起きやすくなるでしょう。開発の目的や要求する機能、仕様などを分かりやすい表現で書く必要があります。

中規模案件を選択する

先述したように、小規模案件ではオフショア開発のメリットであるコスト削減に繋がらない可能性があります。だからといって、初めてオフショア開発を導入する企業が大規模案件をスムーズに進めるのは、難易度が高いでしょう。まずは管理しやすくコスト削減も期待できる中規模案件を選択し、自社にノウハウが蓄積されたら、大規模案件をオフショルで発注するのをおすすめします。

優秀なブリッジエンジニアをアサインする

プリッジエンジニアの存在は、オフショア開発をスムーズに進めるうえで欠かせません。ブリッジエンジニアとは、海外の技術者と企業とのやり取りをサポートをするエンジニアのことです。高い語学力に加え、ITの知識やマネジメントスキルも持ち合わせています。

労働環境や福利厚生を整え、優秀なブリッジエンジニアを確保することが、オフショア開発を成功させる秘訣です。

無理のないスケジュールを立てる

オフショアで開発業務を進める際は、無理のないスケジュールにすることでリスクを減らせるでしょう。仕事に対する考え方や働き方の価値観の違いにより、海外の人材は「スケジュールを守る」という認識が低いこともあります。タイトなスケジュールだと納品に遅れが出る可能性もあるので、あらかじめ余裕のあるスケジュールで業務を発注するのがおすすめです。

オフショア開発はデメリットだけでなくメリットも多数

オフショア開発はデメリットだけでなくメリットも多数の画像

オフショア開発は、デメリットだけでなく多くのメリットがあります。最大のメリットは、人件費の低い国の技術者に業務を発注することによるコスト削減です。1人当たりの人件費が削減できる分、多くのリソースを案件に当てられます。

また、自社のビジネスの幅が広がる点や海外との繋がりができる点などもメリットです。管理体制やコミュニケーション方法を工夫すれば、オフショア開発の導入は企業にとって大きなプラスになるでしょう。

まとめ

まとめの画像

オフショア開発には、メリット・デメリット両方があります。ただし、デメリットは発注する案件やコミュニケーション方法を工夫すればある程度解消できるでしょう。人件費の削減や人材確保に悩んでいる企業は、ぜひオフショア開発の導入を検討してみてください。

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EORサービスを検討中の企業様への画像②

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