目標を叶えるための貯金や娯楽に充てる金額を増やしたいと思う場合、生活費を節約すると良いでしょう。まず、「生活費」「予備費」「貯蓄」の支出比率を定め、目標にします。生活費の内訳ごとの支出プランを立て、実際の金額と比較して削れる項目がないかチェックするのも重要です。
この記事では、食費や水道光熱費、交通費、通信費などの節約術を紹介しています。注意点についても解説しているので、ぜひご覧ください。
目次
- 目指すべき生活費の支出割合
- 生活費節約の進め方
- 毎月の食費を節約する方法
- 毎月の水道光熱費を節約する方法
- 食費・水道光熱費以外の節約について
- 生活費を節約するためのポイント
- 生活費を節約するメリット
- 生活費を節約する際の注意点
- まとめ
目指すべき生活費の支出割合
収入額から支出する割合は、「生活費」「予備費」「貯蓄」で分けて考えましょう。
生活費は生きるために最低限必要になるお金のことで、食費や家賃、水道光熱費などが該当します。予備費はご祝儀や交際費といった、生活費とは別の備えや、娯楽のためのお金のことです。貯蓄は目標のための貯金を意味します。
支出額を分ける比率はさまざまですが、「5:3:2」が有名です。生活費が50%、予備費が30%、貯蓄が20%とされ、お金に余裕のある独身の方や子どものいない共働きの家庭に適しています。
一方、「7:2:1」という比率は、収入が低い場合におすすめです。お金に余裕がなくても貯蓄は行い、収入の大部分を生活費に充てます。
子育てを行う場合は、生活費を増やしつつ将来に向けた貯蓄割合の高い「6:2:2」を選ぶと良いでしょう。
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生活費節約の進め方
自分の状況に合わせた理想の支出割合が分かったら、具体的なプランを立てるために内訳ごとの支払金額を把握しましょう。以下の手順で進めていきます。
毎月の生活費を内訳ごとに把握する
生活費を節約する際は、内訳ごとの支出を把握するために、家計簿をつけるのがおすすめです。毎日の買い物や交通費、家賃、水道光熱費などを記入しましょう。支出を可視化することで、無駄使いしている項目が確認しやすくなります。
スマートフォンの家計簿アプリを使えば、ノートのない外出先でも記録が可能です。クレジットカードの利用履歴から内訳を自動で分類してくれるサービスもあります。
毎月の生活費の支出プランを立てる
実際に支払った生活費の内訳を把握したら、支出プランを立てましょう。支払った内訳から、自分の生活や趣味に応じて費用を削れそうな項目を洗い出し、支払いの目標額を決めます。
統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕」では、一人暮らしと家族がいる場合に分けた、支出の月平均額の確認が可能です。内訳ごとに記載されており、自分の生活費が平均より高いかどうかを判断し、支出の上限額を決めるのに役立ちます。
ただし、プランを立てる際は、毎月使う生活費の総額が「目指すべき生活費の支出割合」で定めた比率の額を超えないように注意しましょう。
実際の生活費と支出プランを照らし合わせる
1ヶ月家計簿をつけたら、実際に掛かった生活費と支出プランを照らし合わせて、お金を何にいくら使ったか確認します。目標を超えてしまった項目は、節約が必要です。
目標内に収まっている場合も、出費ごとに無駄遣いではなかったかどうか判断します。娯楽や嗜好品、使わない物の支払いが多かった場合は、翌月から減らすようにしましょう。
「日本の生活費はどれくらい?一人暮らしの平均や節約のコツを紹介」では、日本で暮らす外国人留学生の平均収入・支出額を紹介しています。興味がある方は、ぜひご覧ください。
参照元
総務省統計局「家計調査 結果の解説」
毎月の食費を節約する方法
ここでは、すぐに始められる食費の節約術を4つ紹介するので、自分に合った方法を実行してみましょう。
自炊をして外食に掛ける費用を減らす
最も効果的な食費の節約術は、自炊をして外食を控えることです。外食は料理する手間が省けて便利ですが、支出は高くなります。
一方、作った料理は冷蔵庫で保存しておけば何日間か持ちます。作り置きをすることで毎日調理する手間が省けて、電気代やガス代など光熱費の節約にも繋がるのです。
また、弁当箱に詰めるだけでお昼ご飯の用意ができ、ランチ代の節約もできます。
安い食材や割引されたお惣菜を購入する
スーパーで安い食材を購入するのも、食費の節約術の一つです。一般的に価格が安いとされているキャベツやもやし、豆腐などを選ぶと良いでしょう。
スーパーによっては、食材を安く売る日が設定されている場合も。店舗ごとに価格や商品の種類が異なるため、どこで何を買うべきか認識しておきましょう。
なお、安いからといって使いきれないほど購入すると、無駄な出費になってしまいます。料理に慣れていない人は、事前に何日間かの献立を決めて必要な食材だけを購入すると良いでしょう。
一人暮らしで少量の料理で足りる場合は、割引になったお惣菜を購入するのもおすすめです。お惣菜は、調理してから時間が経ったり店舗の閉店時間が近くなったりすると、割引シールが貼られる場合があります。割引になる時間帯を把握し、安くなったお惣菜を購入するのも、実践しやすい食費の節約術です。
家庭菜園で野菜を育てる
家庭菜園で野菜を育てれば、購入費用の節約が可能です。ミニトマトやピーマンなど、家の庭やベランダで気軽に育てられる種類はたくさんあります。
また、種から育てるだけでなく、一度購入した野菜のヘタを水につけておけば再生できる場合も。たとえば、大根や人参のヘタを水耕栽培すれば、葉が伸びて収穫できます。豆苗は、根の部分を水に浸しておけば、新しい芽が伸びて再び調理が可能です。
水での再生栽培はカビや雑菌が繁殖しやすいため、こまめに水を変えるようにしましょう。根の全体を水につけず、1cmほど外に出しておくのがポイントです。
マイボトルを持ち歩く
ペットボトルや缶の飲み物を購入すると1回150円前後掛かります。毎日買った場合、支出額は1ヶ月で約4500円です。しかし、マイボトルを持ち歩くと飲み物の購入費用が節約できます。
中に入れる飲料としておすすめなのは、ティーバッグ50袋で約600円のお茶や、50袋約1000円のドリップコーヒーなどです。ペットボトルや缶の飲み物を買う場合と比較して、ボトル購入代の掛かる初月であっても1500~1900円程度安くなります。
また、保温・保冷機能が搭載されているボトルであれば、飲料が傷みにくくおいしい状態を保てるのもメリットです。
毎月の水道光熱費を節約する方法
ガス代や水道代などの水道光熱費を抑えることでも、生活費を大きく削減できます。ここでは、エアコンやお風呂の使い方を見直す節約術を5つ紹介するので、挑戦してみましょう。
冷房や暖房を効率良く使用する
水道光熱費を節約するには、エアコンを効率良く使用するのが重要です。冷房と暖房のどちらも、設定温度と外の気温の差が大きいほど多くの電力を使用します。
冷房を使用する際は少し高めの温度に設定して、サーキュレーターや扇風機を同時に使いましょう。冷たくなった空気が循環するため、効率良く部屋を冷やしながら電気代を節約できます。
暖房を使用するときは温度を低めに設定して、カーテンを閉めましょう。厚手のカーテンを使うと、窓の隙間から冷たい風が入ったり、室内の暖かい空気が逃げたりするのを防げます。
なお、家の中が設定温度に達するまでには少々時間が必要です。そのため、短時間の外出であればエアコンをつけたままにしておくほうが電気代の節約になります。
契約しているガス・電気会社を見直す
「プロパンガス」を使用している方は、より料金が安い「都市ガス」への変更を検討しましょう。プロパンガスは小売業者が価格を設定するため、一般的に金額が高くなります。
2017年からの都市ガス自由化により、自分でガス会社を選び契約できるようになりました。料金が安い会社を選べるだけでなく、同時に電気の契約をすると割引になるプランがある場合も。特定の電気利用プランを申し込むことで、電気代の基本料金が1ヶ月無料になるガス会社もあります。自分の利用料と検討するサービスの料金を照らし合わせ、どちらがお得になるか計算して決めると良いでしょう。
お風呂の湯の沸かし方を工夫する
自分が入っても溢れない程度の湯量で沸かせば、水道代とガス代の節約に繋がります。また、湯を沸かす際は浴槽のふたを閉めると保温力が高くなるため、ガス代の削減が可能です。
湯が沸いたらすぐに入り、追い炊きの回数を減らすことも意識しましょう。資源エネルギー庁の「無理のない省エネ節約」によると、2時間放置して4.5℃低下した200Lの湯を追い焚きする場合、年間で約6190円ものコストが発生します。
お風呂の残り湯を再利用する
お風呂の残り湯は洗濯や掃除、植物の水やりなどに使用できます。特に、洗濯をする際は大量の水を使うため、お風呂の湯を再利用するのがおすすめです。冷たい水よりも湯のほうが服についた汚れを落としやすいため、できるだけ温かいうちに使用しましょう。
外出するときは家電のコンセントを抜く
電気代を節約するために、外出時や就寝時は家電のコンセントを抜きましょう。スイッチを切っても、コンセントが接続されている家電は操作を待っている状態になり、電力を消費します。待機電力が大きいのはテレビやエアコン、パソコンなどです。
電気代の節約についてさらに詳しく知りたい方は「外国人が日本で生活すると電気代(電力消費量)はいくら?節約術も紹介!」もあわせてご覧ください。
参照元
資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
食費・水道光熱費以外の節約について
ここでは、食費や水道光熱費以外に掛かる生活費の種類や節約術を紹介します。
交通費
近い距離であれば徒歩や自転車で移動し、交通費を掛けないようにしましょう。電車の場合は路線によって運賃が異なるため、最も安い金額で済む経路を利用するのがポイントです。
電車やバスの交通費は、現金よりICカードで払ったほうが節約できる場合も。ただし、利用する区間によって異なります。
家賃
持ち家でない場合、家賃は生活費の中で大きな割合になりがちです。物件は、駅の近くや都心を避けて探すと相場が安くなります。
家賃の節約には、ルームシェアをするのもおすすめです。何人かで同じ物件を借りれば、金額を人数分で折半できるので大幅な節約に繋がります。
通信費
通信費のなかでも、一般的に割合が高いといわれているのが携帯電話の利用に掛かる費用です。携帯電話に掛かる毎月の費用を節約したい場合は、格安SIMを使いましょう。格安SIMとは、安価に利用できるSIMカードサービスのこと。スマートフォンに挿すと、インターネットの使用や通話が可能になるのです。
格安SIMを提供している会社は、大手携帯電話会社の設備を借りて運営しています。設備に掛かる費用が安いので、大手携帯電話会社に比べて月額料金の設定が低額です。
日用品費
安いという理由だけで日用品を購入してしまうと、使わなかった場合に無駄な出費となります。普段使用している品をリストにまとめて、なくなりそうなときにのみ購入しましょう。
複数の用途で使える商品を購入して、使いまわすのもおすすめです。たとえば、重曹とクエン酸を購入すれば、お風呂や洗面所の掃除のほかに、食器洗いもできます。
生活費を節約するためのポイント
食費や水道光熱費、家賃を抑える方法のほかに、節約のために実行すべきポイントを紹介します。
支払いは現金でなくクレジットカードを使う
支払いをする際は、金額に応じてポイントがつくため、現金でなくクレジットカードを使うのがおすすめです。たとえば、還元率が1%のカードで1万円の買い物をすると、100ポイント貯まります。
公共料金や通信費なども、手続きをすればクレジットカードで引き落としが可能です。毎月貯まるポイントはわずかでも積み重なると節約に繋がるので、ぜひ検討してみましょう。
不要な固定費を見直す
毎月の支出のうち、不要な固定費を見直すのも効果が大きい節約術です。固定費は必ず払う費用のことで、家賃や水道光熱費の基本料金、保険料、新聞代などを指します。
たとえば、病気や怪我が心配だからとなんとなく保険に入っている場合は、内容を吟味し、より掛け金が安い商品に切り替えると良いでしょう。
新聞を契約しているけれど実際にあまり読まない方は、解約してインターネットでニュースを読むようにするのも方法の一つです。
生活費を節約するメリット
ここでは、生活費を節約するメリットについて紹介します。
貯金ができる
生活費を節約するメリットの一つは、貯金額を増やせることです。チャレンジしたい目標がある場合、貯蓄があれば勉強のための費用をまかなえます。夢を実現するために機材が必要だったり、設備を使ったりする場合は、それらの支出に充てることも可能です。
また、急な病気で多額の医療費が必要になった場合や、老後資金のために貯蓄しておくのも良いでしょう。無職夫婦の場合、老後20~30年間で1300~2000万円程度が足りなくなる可能性があるといわれています。もちろん人によって不足する金額は異なりますが、不安を感じる方は長期的に資産を形成しておきましょう。
高カロリーの外食を避けて健康的な食事を意識できる
生活費の節約のために外食をせず自炊することによって、健康的な食事を意識できるでしょう。ファストフードやジャンクフードは高カロリーで、過剰摂取すると肥満や生活習慣病のリスクが高まるといわれています。一方、自炊では低カロリーで栄養バランスの取れた料理を作ることが可能です。
また、家族と暮らしている場合、外食をせずに早めに帰れば共に過ごす時間が増えます。食卓を囲んでコミュニケーションを取ることができ、家族仲もさらに良くなるでしょう。
大切なことにお金と時間を集中できる
本当に重要なことにお金や時間を使うために、自分にとって大切ではないことへの支出は減らしましょう。たとえば、要らないものをなんとなく購入してしまう費用や、参加したくない飲み会に使う交際費などです。そういった支出を削減し貯金していけば、先述のように目標や急な医療費、老後のためなどにお金を使えるでしょう。
また、飲み会などの人付き合いにはお金だけでなく時間も掛かります。いやいや参加するコミュニティよりも家族や友人を大事にしたいと感じる場合、参加をやめることで大切な人と時間を使えるのはメリットでしょう。
生活費を節約する際の注意点
節約することで得られるメリットは大きいですが、健康を害するやり方は避けましょう。たとえば、夏で熱中症になるほど暑いのにエアコンを使わない、栄養が取れないほど食費節約するといった方法です。
健康上悪影響が出るだけでなく、ストレスや疲れから、通常よりも支出を増やしてしまう可能性もあります。大変すぎて長続きしない方法を取るのではなく、地道に続けていける節約術を行うほうが良いでしょう。
まとめ
食費を節約する際は、自炊して外食を控えたり、スーパーで安い食材を購入したりすると良いでしょう。また、エアコンの使い方や風呂の湯の沸かし方を工夫すると、電気代やガス代の削減ができます。
節約は長続きできる方法を選び、健康的に続けていくようにしましょう。