日本への旅行を考えている方のなかには「四国地方に興味があるけれど、どのようなところなのか分からない」という方もいるでしょう。四国地方は「香川県」「徳島県」「愛媛県」「高知県」の4県からなる、温暖な気候が特徴の地域です。海産物や農産物が豊富で、グルメも十分楽しめます。
このコラムでは、四国4県それぞれのおすすめグルメや有名な観光地を紹介。内容を参考にして、旅のプランを立ててみましょう。
目次
四国地方とは
四国地方は、「香川県」「徳島県」「愛媛県」「高知県」の4つの県から構成されています。本州の南西に位置しており、比較的温暖な気候で降水量が少ない地域です。中央には「四国山地」と呼ばれる数千m級の山々があり、西日本最高峰の石鎚山(愛媛県)を有します。四国地方は、本州と陸地で繋がっていません。人々は「瀬戸大橋」や「明石海峡大橋」などの連絡橋やフェリーを使って、本州と四国地方を行き来します。
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四国地方の観光スポットやグルメ情報まとめ
ここでは、四国地方の観光スポットやグルメ情報をまとめて紹介します。各県の特色も解説しているので、訪れる際の参考にして下さい。
香川県
四国の北東部に位置する香川県の面積は、日本の都道府県で最も小さい1,877㎢です。人口は2021年10月時点で約94万2000人と、47都道府県中39位でした。香川県は観光に力を入れており、魅力的な観光地やグルメがたくさんあります。名物では讃岐うどんが有名で、「うどん県」と呼ばれているほどです。
香川県の有名な観光地
香川県の瀬戸内海の島々はアートが有名で、海外でも人気の観光地です。特に、直島はアートが点在しており、島を巡りながら芸術観光が楽しめます。世界的に有名な芸術家、草間彌生氏が手掛けた『赤かぼちゃ』は、島の象徴といえるでしょう。直島を中心とした島々で開かれるアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」は、3年に一度開催されます。アート好きの人は、この時期にあわせて訪れてみるのもおすすめです。
有名な観光地の一つ、「栗林公園(りつりんこうえん)」は高松市にある大きな庭園です。国の特別名勝にも指定されており、日本の伝統的な美意識を感じられます。落ち着いた空気が流れているので、観光の合間にほっと一息付ける場所です。
【このほかの有名な観光地】
- 丸亀城(丸亀市)
- 道の駅小豆島オリーブ公園(小豆島)
- 金毘羅山宮(琴平町)
香川県のおすすめグルメ
香川県のおすすめグルメは「うどん」です。県内にはうどん店がたくさんあり、しこしことしたコシの強いうどんがリーズナブルに楽しめます。その手軽さと美味しさから、一日に有名店をいくつも周る観光客もいるほどです。
「うどんは定番だからほかのグルメを知りたい」という方には「骨付鳥」をおすすめします。鶏肉をまるごと1本焼き上げてスパイスで味付けした料理で、お酒との相性も抜群です。歯ごたえのある「親どり」と柔らかジューシーな「若どり」の2種類があり、好みのほうを選べます。
このほかに、カラフルな米菓子「おいり」を載せた「おいりソフトクリーム」やハマチの切り身をバンズで挟んだ「直島バーガー」も有名です。
徳島県
徳島県は四国の東側に位置しており、本州の兵庫県とは明石海峡大橋や大鳴門橋で繋がっています。関西地方とのアクセスが良好なので、観光でも訪れやすいでしょう。面積の8割が山地で、西部に位置する剣山は西日本で2番目に高い山です。南部は太平洋に面しており、夏は海のレジャーを楽しめます。
徳島県の有名な観光地
徳島は阿波おどり発祥の地で、8月12日から15日にかけて行われる「徳島市阿波おどり」という祭りが、世界的に有名です。徳島市にある「阿波おどり会館」では、祭りの時期以外でも阿波おどりの歴史を学んだり一緒に踊ったりできます。
鳴門海峡の海面に発生する「鳴門の渦潮」は、定番の観光スポットです。瀬戸内海と紀伊水道の満潮と干潮の海面の差から起きる海流の渦は、世界最大級の大きさで迫力があります。観潮船も運航しているので、ぜひ近くで海流の大きさを感じてみてください。なお、春と秋の満潮時の渦潮は特に迫力があるようです。
【このほかの有名な観光地】
- 眉山ロープウェイ(徳島市)
- 大塚国際美術館(鳴門市)
- 祖谷のかずら橋(三好市)
徳島県のおすすめグルメ
徳島県のグルメでおすすめしたいのは「徳島ラーメン」です。濃いめの豚骨醬油スープと甘辛い豚肉、生卵のトッピングが特徴で、食べ応えがあります。また、徳島ラーメンの材料にご飯を乗せた「徳島丼」も、新たなご当地グルメとして有名になりつつあるようです。ボリュームのあるグルメを楽しみたい方はぜひ挑戦してみましょう。
「祖谷(いや)そば」は、ソバの栽培が盛んな祖谷地方の郷土料理です。つなぎを使わない十割そばで、香りと歯ごたえを存分に味わえます。
愛媛県
愛媛県は四国の北西部に位置している都道府県です。人口は約132万1000人(2021年10月時点)と四国で最も多く、各種産業も盛んに行われています。「東予」「中予」「南予」の3つの地域に分かれており、それぞれで違った観光を楽しめるのも魅力です。
愛媛県の有名な観光地
愛媛県の有名な観光地は、松山市にある「道後温泉」です。シンボル的存在の道後温泉本館は、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に出てくる油屋のモデルの一つになったといわれています。2022年7月時点で改装工事が行われていますが、一部施設は引き続き利用可能です。また、隣接する「道後ハイカラ通り」という商店街には土産物店が集まっているので、街歩きも楽しめるでしょう。
【このほかの有名な観光地】
- 松山城(松山市)
- 四国カルスト(上浮穴郡久万高原町西谷ほか)
愛媛県のおすすめグルメ
愛媛県は日本一の柑橘類の栽培地として知られています。特に「温州みかん」や「いよかん」が有名で、ジュースやゼリー、ソフトクリームはぜひ味わってもらいたいご当地グルメです。また、真鯛の漁や養殖が盛んで、バラエティー豊かな料理が楽しめます。特に、鯛めしや鯛そうめん、鯛の塩焼きなどが有名です。
高知県
太平洋側に扇形に広がる高知県は、四国で最も面積の大きい都道府県です。面積の84%が森林で、豊な自然を有しています。幕末に活躍した藩士「坂本龍馬」の出身地であり、歴史好きの方が楽しめるスポットもたくさんある場所です。
高知県の有名な観光地
高知市にある高知城は日本で唯一、天守(城の最も高いやぐら)と本丸御殿(城の中心)が現在まで残っている城です。建造物の多くが江戸時代のまま現存しており、とても見応えがあります。お城に興味のない方でも十分楽しめるでしょう。
高知市で行われている「土佐の日曜市」は日本一の規模を誇り、市民のみならず観光客にも人気です。高知城周辺に約400店もの店が立ち並び、新鮮な農作物や地域ならではの加工食品を購入できます。また、生産者とのコミュニケーションを取りながら楽しく買い物ができるのも魅力です。
【このほかの有名な観光地】
- 四万十川(四万十市ほか)
- 桂浜公園(高知市)
- 龍河洞(香美市)
高知県のおすすめグルメ
高知県に訪れたら「鰹のたたき」を味わってみましょう。鰹のたたきは、節で切った鰹の表面を炙り、水でしめたあとに薬味をたっぷり乗せた料理です。日本全国で食べられる料理ですが、全国一の鰹の漁獲量を誇る高知県で食べる鰹のたたきは、別格といわれています。このほかには、山里の食材を使った「田舎寿司」やさまざまな食材を大皿にまとめて盛り付けた「皿鉢料理」が有名です。
旅行時には、その国の伝統に触れてみるのも良いでしょう。「日本の伝統文化といえば何がある?継承への取り組みについても解説」のコラムでは、旅行時に体験して欲しい伝統文化をまとめています。
参照元 総務省統計局「結果の概要」 公益社団法人香川県観光協会「うどん県旅ネット」 徳島県・一般財団法人 徳島県観光協会「徳島県観光情報サイト阿波ナビ」 一般社団法人 愛媛県観光物産協会「いよ観ネット」 公益財団法人 高知県観光コンベンション協会「こうち旅ネット」
外国人観光客に人気!四国お遍路とは
近年、四国お遍路の旅が外国人観光客に人気です。四国お遍路とは、仏教の宗派「真言宗」を作った弘法大師(空海)ゆかりのお寺88ヶ所を巡る旅を指します。弘法大師の足跡を辿り、煩悩を消し去ってご利益を受けることが目的です。ただし、昨今では「日本の寺を巡りたい」「地元の人と交流したい」など、多様な目的で参加する人も増えてきました。
限られた旅行日程のなかで88ヶ所すべての寺を巡るのは難しい方のために、お遍路体験が組み込まれたツアーも開催されています。仏教に興味のある方や日本の歴史を感じたい方は、ぜひ四国お遍路を体験してみましょう。
なお、関東地方に位置する東京都では「【東京】本物の刀&手裏剣で試し斬り! 「正柳館」のサムライ&ニンジャ体験ツアーが本格的」「【東京】抹茶体験、和装コスプレ、落語鑑賞などを一つの施設で! 「EDOCCO STUDIO」で日本文化を体験」といった体験ツアーが開催され、人気を集めています。興味のある方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。
まとめ
豊かな自然と温暖な気候に恵まれた四国地方には、美味しいグルメがたくさんあります。また、歴史を感じられる観光スポットも数多くあるので、どこを訪れるべきか迷ってしまう人もいるでしょう。このコラムでまとめたグルメや観光地の情報を参考にして、旅行プランを立ててみてください。