東北地方は日本の本州の北東部にある地域で、自然豊かな観光名所が多いのが特徴です。また、名物グルメや特産品も豊富なため、訪日外国人観光客の旅行先としても人気があります。
このコラムでは、日本を旅行したい外国人向けに東北地方の魅力を解説。東北地方で楽しめるアクティビティや名物グルメ、観光スポットなどもまとめています。「旅行先を決めたい」「日本旅行の計画を立てたい」という方は、ぜひチェックしてみましょう。
目次
東北地方は6つの県で構成されている
東北地方は6つの県で構成される地域の総称です。中央部に奥羽山脈が走っており、並行するように山地が連なり河川が流れ、それぞれの流域に盆地や平地を作り出しています。日本海側は火山帯の上に山地が連なっており、海岸沿いの場所に温泉が湧いているのが特徴です。冬になると雪が大量に降り積もるため、ウィンタースポーツを楽しむこともできます。一方、太平洋側はなだらかに海にせり出している山地とリアス式海岸、鍾乳洞などがある土地です。6つの県で構成されている東北地方は場所によって特徴や見どころが大きく異なるので、旅行前に調べておくことをおすすめします。
1.青森県
青森県は、東北地方の中で最も北部に位置する都道府県です。冬になるとたくさん雪が降る地域で、最も積雪量が多かったときは青森市の酸ヶ湯で566cmも積もりました。積雪量からも分かるとおり、青森県の冬は非常に寒冷な気候です。ときには気温が0度を下回ることもあります。なお、夏は涼しく過ごしやすい気候のため、避暑地として人気です。旅行に訪れるなら、雪がなく過ごしやすい春〜秋ごろにすると良いでしょう。
2.秋田県
秋田県は日本海側に面する都道府県で、夏が短く冬が長い北国特有の気候が特徴です。青森県に負けず劣らず積雪量が多い地域でもあります。また、有名な米の産地であり、米を原料に日本酒も製造しているので、お酒が好きな方はぜひ足を運んでみると良いでしょう。秋田県は火山帯を有しており海岸沿いには温泉地があります。バリエーション豊かな温泉を楽しめるので、興味がある方はぜひ訪れてみましょう。
3.岩手県
岩手県は太平洋側に面しており、青森県の真下に位置します。日本で2番目に面積の広い都道府県で、広大な土地を活かした農業が盛んです。また、漁業も盛んでワカメやアワビ、サケなどもたくさん収穫されています。山の幸と海の幸を両方楽しめる場所なので、グルメを味わいたい方の旅行先としておすすめです。岩手県は四季がはっきりしており、春はお花見夏は海水浴、秋は紅葉狩り冬はウィンタースポーツが楽しめます。タイミングを問わず、いつ行っても旅行を満喫できる地域といえるでしょう。
4.山形県
山形県は秋田県の下部に位置する都道府県です。東北地方に分類されていますが、関東甲信越地方に近い地域でもあります。日本海側に面しており、自然豊かな温泉地として有名です。冬場は、冷たい季節風によって木に積もった雪が凍って現れる「樹氷(スノーモンスター)」を見ることもできます。
山形県には神社や寺がたくさんあるので、神社仏閣巡りをしてみるのも良いでしょう。日本を代表する俳句家の松尾芭蕉が俳句を詠んだとされる、寺院や川もあります。
5.宮城県
宮城県は、東側は太平洋・西側は奥羽山脈に面している都道府県です。豊かな自然に囲まれた土地で、漁業や農業、畜産業が盛んに行われています。宮城県は東北地方のなかでは比較的温暖な気候で、降雪が少ないのが特徴です。なお、冬になればウィンタースポーツを楽しめる程度の降雪量はあります。夏は沢登りやカヤッククルーズなど、マリンスポーツを体験するのもおすすめです。
宮城県は、日本の武将である伊達政宗が生まれ育った土地でもあります。歴史好きの方にうってつけな観光スポットも多いので、興味がある方はぜひ宮城県を訪れてみてください。
6.福島県
福島県は、東北地方の中で最も下部に位置する都道府県です。関東地方の群馬県と栃木県、茨城県と隣接しています。福島県は太平洋に面している浜通りと県の中心部の中通り、奥羽山脈の先にある会津地方に大きく分けられ、それぞれ気候が異なるのが特徴です。
浜通りは河川の流れが美しく、自然公園に足を運べば四季折々の変化を楽しめます。一年を通して過ごしやすい気候のため、降雪はほとんどありません。中通りは盆地になっており、農業が盛んです。会津地方には山間部と盆地があり、冬は雪がたくさん降ります。このように、訪れる地域によって全く異なる魅力を感じられるでしょう。
東北地方以外にも、日本には旅行に適している場所がたくさんあります。「日本の主要都市を外国人向けに紹介!それぞれの特色や見どころも解説」では、外国人向けに日本の主要都市の魅力をまとめているので、あわせてチェックしてみましょう。
参照元 気象庁「積雪の深さ一覧表(5月10日) 8時00分現在」
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東北地方の観光名所まとめ
東北地方には、訪日外国人観光客にもおすすめの観光名所がたくさんあります。東京都や大阪府、京都府といった有名な都市以外に行ってみたい方には、東北地方の観光がおすすめです。ここでは、ぜひ訪れてほしい観光名所をまとめているので、チェックしてみてください。
弘前城(青森県)
歴史的建造物が好きな方や日本の花見に興味がある方には、弘前城(ひろさきじょう)がおすすめです。弘前城は青森県にある東北唯一の天守で、江戸時代に建てられました。当時の面持ちを残した城門や天守閣は、一見の価値があります。
城の周囲にはソメイヨシノを中心にさまざまな種類の桜が植えられており、春は花見スポットとしても人気です。特に、弘前城の周囲を囲んでいる水路(ほり)の水面を花弁が流れる「花筏(はないかだ)」は、ほかではめったに見られない絶景といえます。
乳頭温泉郷(秋田県)
東北地方は温泉が多く、日本ならではの体験をしたい方にもおすすめの観光地です。特に、秋田県の乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)には7つの湯があり、湯めぐりを楽しめます。それぞれの温泉に宿泊施設が付随しており、宿泊客は「湯めぐり帖」を購入するとすべての湯に入浴できる仕組みです。なお、各温泉で入浴料を支払えば日帰り入浴もできます。日本で温泉を堪能したい方は、乳頭温泉郷に宿泊し湯めぐりを行うのも良いでしょう。
龍泉洞(岩手県)
大自然の神秘を感じたい方には、岩手県の龍泉洞(りゅうせんどう)がおすすめです。龍泉洞は日本三大鍾乳洞の一つに数えられる全長4,000m以上の巨大な鍾乳洞で、神秘的な光景を堪能できます。ドラゴンブルーともいわれる透明度の高い青色の地底湖は、一度見たら忘れられない美しさです。なお、龍泉洞の中は1年を通して10度前後と非常に涼しいため、訪れる際は撥水性と耐寒性に優れた上着を用意しておくことをおすすめします。
松島(宮城県)
日本ならではの美しい光景に興味がある方には、松島(まつしま)の観光がおすすめです。松島は、日本の中でも特に優れた景観を誇る日本三景に選ばれています。四季に合わせて梅や桜、紅葉を鑑賞することも可能です。また、朝日や月が昇る様子や夕日が海に沈んでいく光景が非常に美しく、フォトスポットとしても人気があります。松島の公式Webサイトではおすすめ観光コースがまとめられているので、それを参考に旅行してみるのも良いでしょう。
銀山温泉(山形県)
かつて銀山として栄えた温泉地である山形県の銀山温泉(ぎんざんおんせん)は、江戸時代から賑わっている温泉地です。温泉地からは散策コースが延びており、周囲の風景を楽しむこともできます。ひんやりとした涼しい風が吹く夏しらず抗や白銀の滝、銀鉱洞など、暑さを感じずに過ごせる散策コースを歩くのもおすすめです。なお、秋は紅葉を眺めながら散策できます。
銀山温泉は、12月〜3月中旬ごろまで雪が降り積もる地域です。夜に訪れれば、ガス灯が温泉街を照らすノスタルジックで美しい街並みが鑑賞できるでしょう。
大内宿(福島県)
日本の伝統建築に興味がある方には、福島県の大内宿(おおうちじゅく)がおすすめです。会津若松市から栃木県日光市に続く「会津西街道」の宿場として、江戸時代は栄えていました。大内宿は現代でも江戸時代の面影を残しており、かやぶき屋根の民家が街道沿いに立ち並んでいます。景観維持と後世への継承が重視されている大内宿は、国にも価値の高い地区と認められ「国選定重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。
大内宿には住居兼店舗として営業している民家があり、お土産を買ったりごはんを食べたりすることもできます。宿泊施設もあるので、昔ながらの古民家で過ごしてみたい方は大内宿を訪れることをおすすめします。
東北地方のソウルフード・名物グルメまとめ
日本は食事がおいしいことで世界的に有名な国です。東北地方も例外ではなく、おいしいご当地グルメがたくさんあります。ここでは、それぞれの地域で愛されているソウルフードや名物グルメをまとめているので、旅行先での食事に悩んでいる方はぜひチェックしてみましょう。
せんべい汁(青森県)
鳥や豚でだしを取った醬油ベースのつゆにネギやごぼう、キノコなどを入れ南部せんべいと一緒に煮た料理がせんべい汁です。青森県八戸市の郷土料理で主に家庭内で作られていましたが、近年では観光客向けに飲食店やイベントでもふるまわれるようになりました。せんべいはお米を原料とするパリパリした食感が特徴のお菓子ですが、汁と一緒に煮ることでもちもち食感へと変化します。ほかの地域ではめったに食べられない名物グルメなので、青森県を訪れた際はぜひ食べてみてください。
いちご煮(青森県)
ウニとアワビを使ったお吸い物をいちご煮といいます。地元の人々に愛されている青森県の郷土料理です。魚介類のだしが汁に溶けだしているため、非常にうまみを感じられます。盛りつけたときに乳白色の汁に浸ったウニが野イチゴのように見えたため、いちご煮と呼ばれているようです。果物のいちごを煮た料理ではないので覚えておきましょう。なお、いちご煮は缶詰でも販売されているので、お土産として購入することも可能です。
きりたんぽ(秋田県)
硬めに炊いたお米を潰して練り、棒に巻きつけて焼いた料理をたんぽといい、棒から外して食べやすく切ったものをきりたんぽといいます。きりたんぽは秋田県の郷土料理です。もともとは、農業を行いながら鉱山精錬所で必要な木材の調達も行っていた人々の保存食とされていました。食べ方は地域によって異なり、鍋に入れたり味噌をつけて焼いたりとさまざまです。秋田県にはきりたんぽを提供している飲食店がたくさんあるので、ぜひ一度食べてみてください。
稲庭うどん(秋田県)
秋田県には、日本三大うどんの一つである稲庭うどんがあります。平たい細麺でのど越しの良さが特徴の稲庭うどんは、全国的に人気がある名物グルメです。複雑な製法で作られており、かつては位の高い人々しか食べられないうどんでした。うどんは昆布やかつお節などのだしが効いたつゆで食べるのが一般的ですが、稲庭うどんはごまみそ味のつゆで食べることもあります。どちらもおいしい食べ方なので、秋田県を訪れたときはチャレンジしてみましょう。
盛岡冷麺(岩手県)
夏でもさっぱり食べられる盛岡冷麺は、韓国冷麺を日本流にアレンジした名物グルメです。岩手県のソウルフードともいえる盛岡冷麺は、小麦粉を使ったのど越しの良い麺が特徴で、作られたのは1950年代とされています。牛骨と鶏ガラでだしを取った冷たいスープとつるつるした食感の麺は相性が良く、トッピングされているキムチとあわせて食べると絶品です。岩手県には盛岡冷麺のほかにもわんこそばとじゃじゃ麺という名物グルメがあり、「盛岡三大麺」として人気を博しています。岩手県を旅行する際は、それぞれの料理を食べ比べてみるのも良いでしょう。
わんこそば(岩手県)
お椀に一口大のそばが入れられており、食べると同時に給仕がおかわりを投入する岩手県の名物グルメです。日本の風習である「おもてなし」の心が感じられる料理で、「はい、どんどん」の掛け声とともに追加されていくそばを楽しみながら食べられます。もう食べられないというときは、そばを平らげたあとにお椀のふたを閉めましょう。自分のペースで食べても問題ないので、給仕との会話を楽しめるのもわんこそばの魅力です。食後に食べた杯数を教えてもらえるので、旅の思い出にもなります。
ずんだ餅(宮城県)
すりつぶした枝豆に甘い味つけをして餅に絡ませたお菓子がずんだ餅です。もともとは宮城県でお盆の時期に作られていた料理ですが、現在は通年販売されています。すりつぶした枝豆そのものをずんだといい、近年では、ずんだソフトクリームやずんだパイ、ずんだどら焼きなどバリエーション豊富なお菓子が作られるようになりました。独特な香りと食感があるため好みが分かれるお菓子ですが、興味がある方はぜひ食べてみてください。
牛タン(宮城県)
仙台牛タンは酪農が盛んな宮城県の名物グルメで、全国各地から通信販売で取り寄せられるほど人気があります。肉厚にもかかわらず簡単にかみ切れるほどやわらかい仙台牛タンは、牛タンを食べる文化がない外国人もやみつきになるほど絶品です。日本は海外にはない食文化を数多く有しています。自国で食べられない名物グルメが気になる方は、牛タンにチャレンジしてみましょう。
芋煮(山形県)
芋煮は山形県全域で広く愛されているソウルフードです。地域によって味付けが異なるのが特徴で、山形県内では醤油味か塩味、ほかの東北地方の地域ではみそ味で親しまれています。芋煮に使う芋は里芋です。ほかにもこんにゃくやネギ、きのこ、ごぼうなどを入れて作ります。山形県内では牛肉も入れますが、岩手県は鶏肉、福島県は豚肉と地域差があるようです。
里芋の収穫時期になると河川敷で芋煮を作る「芋煮会」が行われます。東北地方ならではの季節行事なので、秋に旅行にいった際は注目してみましょう。なお、毎年9月ごろには巨大な鍋とショベルカーを使って芋煮を作る「日本一の芋煮会フェスティバル」が山形県で行われています。
だし(山形県)
山形県の夏の定番郷土料理であるだしは、キュウリやナス、みょうが、オクラ、大葉、めかぶなどをみじん切りにしてめんつゆか醤油で和えた料理です。主に麺類やご飯、豆腐などの上にのせて食べます。なお、一般的にはかつお節や昆布、きのこなどうまみ成分を感じられる食材から煮出した汁がだしです。山形県のだしと発音が同じですが、全く違うものなので覚えておきましょう。
円盤餃子(福島県)
フライパンに丸く並べて焼くのが特徴の円盤餃子は、福島県の名物グルメです。餃子一つひとつが小ぶりなので食べやすく、パリッとした食感の皮とほんのりと甘い豚肉とキャベツの餡(あん)を一口で味わえます。日本の餃子は中国の餃子と違って、焼いて食べるのが主流です。餃子は外国人に人気が高い日本食の一つなので、福島県に足を運んだときはぜひ円盤餃子を食べてみてください。
喜多方ラーメン(福島県)
あっさりとした醤油味、もしくは塩味のスープと独特な縮れとコシを持つ平打ち熟成多加水麺が特徴の喜多方ラーメンは、福島県の名物グルメです。店舗によって色合いや風味が全く異なります。餃子と同じく、ラーメンも外国人に人気がある日本食です。喜多方ラーメンは福島県を始め、全国各地で味わえるので、ラーメンが好きな方はぜひ一度食べてみることをおすすめします。
せんべい汁やだしのような料理は、地域性の強い郷土料理です。「日本の伝統料理について解説!美味しい食べ方や人気のお取り寄せグルメも紹介」では、日本の伝統料理と郷土料理をまとめています。東北地方以外の郷土料理も食べてみたい方は、ぜひご覧ください。
東北地方の特産品・伝統工芸品まとめ
伝統工芸品や地域を代表する特産品が多いのも東北地方の魅力です。伝統工芸品を実際に作れる旅行客向けの体験教室もあるので、気になる方はチェックしてみましょう。
津軽こぎん刺し(青森県)
麻布に「モドコ」といわれる幾何学模様を刺繍した津軽こぎん刺しは、青森県の伝統工芸品です。布に刺繍を施す刺し子という技法を使っており、庄内刺し子や南部菱刺しと並んで日本三大刺し子といわれています。かつて、江戸時代の庶民は倹約令により、麻の着物しか身につけられませんでした。そこで、津軽地方に暮らす人々は寒い冬を乗り切るために布の保温性と耐久性を高めようと、木綿の糸で刺繍を施したのが津軽こぎん刺しの始まりです。近年ではその芸術性の高さから、衣服だけでなく雑貨や小物にも津軽こぎん刺しがあしらわれているので、お土産に購入する人もいます。
りんご(青森県)
青森県はりんごの生産量日本一を誇る都道府県です。日本で作られているりんごのほとんどは、青森県で生産されています。品種によって特徴が異なり、香りを重視したりんごや甘さを重視したりんごなどバリエーションが豊富なので、青森県を訪れた際はぜひ食べてみてください。
大館曲げわっぱ(秋田県)
曲げわっぱとは、スギやヒノキの木を薄く切り出し、円筒形に曲げて作る箱です。日本では主に弁当箱として使われています。日本各地で曲げわっぱ作りが行われており、秋田県では大館曲げわっぱとして江戸時代から作られてきました。大館曲げわっぱは、天然の秋田スギのみを素材としています。特定の地域からしか伐採できないため、大館曲げわっぱは1つあたり約1万円もする高級品です。簡単に手が出せる品物ではありませんが、そのぶん品質が良く、プラスチックの弁当箱に比べて吸湿性に優れています。冷めてももちもちしたお米を味わえるため、日本人を中心に高い人気を誇っているようです。秋田県では大館曲げわっぱの製作体験もできるので、興味がある方は調べてみましょう。
あきたこまち(秋田県)
日本トップクラスの米の生産量を誇る秋田県は、あきたこまちというブランド米が特産品です。日本でもっとも有名なブランド米はコシヒカリですが、秋田県は非常に寒冷な気候のため栽培ができませんでした。そこで、秋田県のでもお米を作ろうと開発されたのがあきたこまちです。寒冷な気候に強く、粘り・弾力性に富んでいるあきたこまちは炊き立てはもちろん、冷めてもおいしいお米といわれています。
南部鉄器(岩手県)
長い歴史を持つ南部鉄器は、岩手県の望岡地方と奥州地方で作られている伝統工芸品です。室町時代に製鉄が盛んだった盛岡市で、京都から招いた釜師に茶釜を作らせたのをきっかけに、武器や日用品などさまざまなものを南部鉄器で作るようになりました。もともとは真っ黒で重厚感のある南部鉄器が主流でしたが、昨今ではターコイズブルーや純金、赤などカラフルな品物も作られています。日本らしい伝統工芸品として海外でも人気がある品物なので、お土産にも最適です。
ホップ(岩手県)
ビールの原材料となるホップの生産量が日本一多いのは、岩手県です。主に遠野市内でホップの生産が行われており、ビールづくりにも力を入れています。ビールが好きな方や日本のお酒を味わってみたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
宮城伝統こけし(宮城県)
日本の昔ながらの子どものおもちゃである木で作った人形のこけしは、宮城県の伝統工芸品でもあります。宮城県で作られるこけしには、遠刈田こけし・弥治郎こけし・鳴子こけしなどがあり、それぞれデザインが異なるのが特徴です。土産物店や雑貨屋などで販売されていることが多いので、興味がある方は見てみると良いでしょう。なお、宮城県では観光客向けにこけしに好きなデザインを施せる絵付け体験を行っている店もあります。
フカヒレ(宮城県)
宮城県の気仙沼港はサメの水揚げ量日本一を誇っており、そのほとんどをフカヒレに加工して出荷しています。そのため、宮城県ではフカヒレスープやフカヒレラーメン、フカヒレ丼などさまざまな形でフカヒレを味わうことが可能です。
天童将棋駒(山形県)
山形県は、日本の伝統的な遊びである将棋の駒の生産量で日本一を誇っています。山形県の伝統工芸品でもある天童将棋駒は、江戸時代末期から作られ始めました。天童将棋駒は安価な普及品から高級品までさまざまです。将棋の駒をキーホルダーに加工した商品も販売しているので、日本旅行のお土産として購入するのも良いでしょう。
さくらんぼ(山形県)
山形県は、さくらんぼの生産量日本一の都道府県です。日本全国で収穫されるさくらんぼの約7割は、山形県で生産されています。山に囲まれ朝晩の寒暖差が激しい気候のため、甘みが強く良質なサクランボが育つのです。アメリカンチェリーとは全く異なる食感と風味が味わえるので、山形県を訪れた際はぜひ味わってみてください。なお、6〜7月ごろであればさくらんぼ狩りを行うこともできます。
会津塗(福島県)
400年以上の歴史を持つ会津塗は、福島県の伝統工芸品です。会津地方にはたくさんの漆の木が植えられており、漆器職人を呼び寄せたことで会津塗が発展していきました。特に、漆で模様を描いた上から細かい金粉をつける「消粉蒔絵(けしふんまきえ)」は、会津塗の代表的な技法です。繊細な美しさと職人技がうかがえる会津塗は、外国人からも人気があります。福島県には会津塗の蒔絵体験ができるお店もあるので、興味がある方はチェックしてみましょう。
もも(福島県)
福島県は、全国トップクラスの生産量を誇るももの産地です。あかつき・はつひめ・ゆうぞらなど、さまざまなももの品種があります。福島県ではももを県のブランド認証産品としており、全国への発信に力を入れているようです。ももは6月から9月ごろまでが旬なので、時期が合えば農家で直接もも狩りを体験することもできます。
日本には数多くの伝統工芸品が存在します。職人によって丁寧に作り上げられる日本の伝統工芸品は、繊細で奥深い魅力があり海外からの人気も高いようです。「日本の伝統工芸について外国人へ解説!古くから受け継がれる奥深い魅力とは」では、伝統工芸品の定義や種類をまとめています。日本のものづくりの歴史や伝統工芸品に興味がある方は、チェックしてみましょう。
参照元 青森県庁「データで見るりんご:国内・世界の生産量」 農林水産省「米生産量上位について」 岩手県「岩手県が一番」
東北地方には有名な祭りが多い
東北地方には、「東北三大祭り(東北三大夏祭り)」というその土地の文化や伝統が継承された祭りがあります。すべて夏の間に開催されるお祭りなので、旅行時期が重なる方は観光ついでに足を伸ばしてみるのも良いでしょう。東北三大祭りに含まれる祭りは以下のとおりです。
- 青森ねぶた祭(青森県)
- 秋田竿燈まつり(秋田県)
- 仙台七夕まつり(宮城県)
青森ねぶた祭は、ねぶたと呼ばれる大きな灯篭(とうろう)を山車に乗せ、街中を練り歩きます。日本の伝統芸能であるお囃子の音色にあわせて踊り子がねぶたの周りを飛び跳ねる様子を見ようと、日本国内外から多くの観光客が訪れるようです。
秋田竿燈まつりは、稲穂に見立てた竿燈(かんとう)に大量の提灯を下げ、力と技を競います。夏に襲う睡魔やけがれなど、良くないものを払い、穀物の豊作を祈るのが秋田竿燈まつりの目的です。
仙台七夕まつりは、400年以上の歴史を誇る伝統的な祭りで、毎年きらびやかな笹飾りが各商店街に飾りつけられます。日本の伝統行事である七夕は本来7月7日に行われますが、仙台では旧暦換算で8月に行っているようです。どの祭りも年に一度しか味わえない貴重な体験なので、タイミングをあわせて旅行を計画するのも良いでしょう。
まとめ
東北地方は食べ物や自然、伝統工芸品などさまざまな魅力がある地域です。ここでまとめて紹介した情報以外にも、まだまだ多くの名物グルメや観光名所があります。日帰りでも十分楽しめるスポットがたくさんあるので、日本旅行を検討している方はぜひ東北地方に足を運んでみましょう。