「日本の武道にはどのような種類があるのだろう」「武道が習える場所って?」と疑問に思っている人もいるでしょう。武道は日本特有の武術で、体を鍛えるだけでなく精神面の成長も重視しているのが特徴です。剣道をはじめ柔道や空手道、合気道、弓道など、多くの種類があります。このコラムでは10種類の競技をまとめるとともに、武道の始め方も紹介。内容を参考にして、実際に武道を習い始めましょう。
目次
日本の武道の特徴って?
武道とは、自分の身を守り相手を倒すための日本特有の武術です。武士道に由来しており、体を鍛えるだけでなく、礼儀を大切にし人格を磨くことも目的としています。
スポーツと同じく勝ち負けが決まりますが、相手を尊重する精神から勝ってもガッツポーズをとったり仲間と喜び合ったりはしません。相手からの攻撃に備え、常に冷静でいることを重要とします。
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武道の種類まとめ!それぞれの特徴を知ろう
武道には、剣道・柔道・空手道・なぎなたなど、多くの種類があります。ここでは、10種類の武道を紹介するので、日本の伝統的な武術について知識を深めてください。
剣道
剣道では、袴と防具を付け、竹刀で相手の「面」「小手」「胴」「突き」といった決められた部位を打つことで、勝敗を決めます。1試合3回勝負で先に2回勝った人が勝者です。剣道は、江戸時代後期の竹刀稽古(撃剣)から発展して生まれました。
日本では、学校の体育の授業で行ったり部活に剣道部があったりするので、多くの人に親しまれている武道といえます。
柔道
柔道は、日本に古くから伝わる柔術を元に1882年に作られました。道着は身に付けますが、武器や道具は使いません。「投げ技」や関節をねじったり逆に曲げたりする「関節技」などを審判員が判定し、勝負がつきます。
柔道も剣道と同じく、学校の授業で行ったり部活にあったりと、よく知られている武道です。
空手道
空手道は、大正時代に沖縄県から全国に伝わったとされます。空手道も柔道と同じく道具は使いません。1人で技を行い完成度により勝敗が決まる「形」と、実際に1対1で勝負をする「組手」があります。「組手」では、相手に直接打撃を与えないのがルールです。
相撲
相撲は1500年以上の歴史がある武道で、日本の国技といわれています。江戸時代には職業として相撲をする人が生まれ、人気が高まりました。競技者である「力士」は、裸に化粧まわしといわれる衣服を身に付け日本の伝統的な髪型「髷(まげ)」を結っている、独特のスタイルです。
相撲は、土を盛って作った土俵上の囲いの中で、1対1で組み合って戦います。先に倒れたり囲いの外に出たりした人が負けというルールです。
合気道
合気道は、大正時代末期から昭和初期にかけて確立された武道です。性別や体格、年齢に関わらず行える武道で、護身術として有名です。合気道は、技を掛ける人「取り」と掛けられる人「受け」の2人1組になって練習をします。試合はなく代わりにあるのが、あらかじめ決めた流れで技を披露する演舞大会です。技の完成度によってほかのペアと優劣がつき、勝敗が決まります。
弓道
弓道は明治時代以降に広がった、大きな弓で矢を放ち的に当てる武道です。弓道には、2種類の競技があります。近的競技は、28m先にある36㎝の的を狙う競技です。遠的競技では60m先にある100cmの的をめがけて矢を放ちます。2種類の競技とも矢が的の中心に当たるほど得点が高くなるルールです。矢を的に当てるために、高い集中力が必要な武道といえるでしょう。
少林寺拳法
少林寺拳法は昭和初期に出来た武道で、宗道臣氏が創始者です。中国の「少林拳」の影響を受けているといわれていますが、日本発祥で柔道に近い武術といえます。
道具を持たず「巧者」と「守者」に分かれて戦い、「守者」は自分からは攻撃ができません。少林寺拳法で使われる技は、攻撃の方法が多いのが特徴です。「突き」「蹴り」といった「剛法」、「投げ」「関節技」などの「柔法」があり、技の決まり具合により勝敗が決まります。
なぎなた
なぎなたは、刀を模したパーツを付けた2m以上もある棒を使って戦う武道です。剣道と同じように袴と防具を着用し、「面」「胴」「小手」「突き」の4つの技によって戦います。
なぎなたのルーツははっきりとしていません。1000年ごろの文書に長刀の絵や文字が登場しており、江戸時代には女性の競技者が多くなったことが分かっています。遠心力で刀を振り回すため力がいらず、女性でもやりやすい武道といえるでしょう。
居合道
居合道は、刀を抜いて切りつける動作を見せる武道です。武士が刀を扱う動作が元となっており、熟練した人は実際の刀を用いて競技を行います。
居合道は、室町時代に刀を抜く抜刀を主に行う武道として生まれました。その後、礼儀も重視するようになり、現代に伝わる居合道に進化したのです。
試合では、2名の競技者があらかじめ決められた技を披露し、審判員が正確さや礼儀などを判定して勝者を決めます。
銃剣道
銃剣道は、銃を模して木で作った木銃を使って戦う武道です。技は「突き」のみで、決められた姿勢で相手の喉か左胸を突いた人が勝ちます。
銃剣道は、明治時代に西洋から伝わった銃剣術から生まれました。銃の先端に短剣をつけて戦ったのがルーツです。第2次世界大戦後に競技として改良されて、現代に伝わるスタイルになりました。
銃剣道や合気道、弓道は、袴といわれる日本特有の衣服を身に付けて行います。「日本の伝統衣装を外国人に向けて紹介!歴史や着物の種類などを解説」のコラムでは袴について詳しく紹介しているので、参考にしてください。
外国人向け!日本の武道の始め方ガイド
武道を始めるには、国外からであれば情報収集やオンライン講座を探したり、国内であれば実際に道場を探す必要があります。ここでは、武道を始める上で参考になる動画や、実際に日本での道場の探し方や体験・見学の仕方、道具の値段について解説するので、武道を習いたい方は参考にしてください。
武道の始め方
日本で武道を始めるには、武術を教えている道場を探す必要があります。道場に行き、武道を見学・体験してから、習い始めるかを決めましょう。武道の始め方は以下のとおりです。
- 道場を探す:インターネットやチラシ、自治体の印刷物で道場の場所や連絡先を調べる
- 連絡する:電話やメールで連絡し、武道の見学・体験の予約を入れる
- 見学・体験する:道場に行き、実際に武道をしている様子を見たり自分も行ってみる
- 入会する:入会に必要な書類を書き、入会金を支払う
また、近くに道場がない場合や国外に住んでいる方は、Youtube等で武道の基礎的な動きに関する動画もいくつか配信されています。
自分の気になる武道を検索して、まずは動きを真似してみることは出来るでしょう。(日本語のサイトが多いので注意)
例)
①柔道の基礎
②合気道の基礎
Youtubeで動画を見るだけでなく、実際に本格的に武道に関しての志をインプットし、実践できるように学んでいきたいという方はいくつかオンラインで講座を開いているケースもあります。国内にいなくても、実際に習うことも可能なので、本格的に調整していきたい方は是非確認してみてください。(日本語のサイトが多いので注意)
例)
①ONLINE 通信教育「鵬玉居合スクール」
②日子流体術:実践武術入門編
パソコンやスマートフォンを使い、ビデオ電話アプリで指導者と生徒がお互いの動きを確認しながら稽古することが可能です。
武道に必要な道具の値段
武道で身に付ける道着は3000円ぐらいからあります。しかし、必要な道具の値段は、武道の種類によってさまざまです。剣道は、竹刀や袴を揃えると3万円程度掛かります。弓道で使う弓や防具の価格は、一般的に10万円程度です。ただし、武道を始める際に、すべての道具を一度に購入する必要はありません。習っている道場で借りたり先輩に不要になった道具をもらったりできる場合もあります。
まとめ
武道は武士道に由来する日本独自の武術で、空手道・合気道・弓道などさまざまな種類があります。自分を守り相手を倒すだけでなく、礼儀正しくなったり人格を磨いたりすることを目的としているのが特徴です。
武道に興味がある方は、住まいの近くの道場を探し、体験や見学をしてみましょう。