初めて日本旅行に訪れる方は、「短期滞在ビザとは何?」と疑問に思うでしょう。短期滞在ビザは90日以内の間、観光や家族訪問、会議などを目的に日本に滞在する外国人に発給されるビザです。ただし、外国人の国籍によっては短期滞在ビザが免除される場合もあります。
このコラムでは、短期滞在ビザの概要や日本への旅行の準備方法を紹介。内容を参考にして日本観光を思う存分楽しみましょう。
目次
日本の短期滞在ビザとは
ここでは、日本の短期滞在ビザについて解説します。なお、外国人の入国ルールは新型コロナウイルスの感染状況によって随時変化していくので、最新情報をチェックするようにしてください。
日本に90日以内滞在するためのビザ
日本に90日以内の短期滞在するための査証のことを「短期滞在ビザ」といいます。短期滞在ビザでは日本で働くことはできません。観光旅行のために取得する人が多いので「観光ビザ」とも呼ばれます。
短期滞在ビザの発給方法
短期滞在ビザを発給する際は、以下の書類を自国の日本国大使館もしくは総領事館に提出します。
- パスポート
- 査証申請書
- 顔写真
なお、出身国や渡航理由によってはほかの書類が必要になるケースもあるので、大使館や総領事館に確認を取りましょう。
査証の手続き後、審査に通ったら査証が発給されます。査証には3ヶ月の有効期間があるので、それまでに日本に入国しましょう。
短期滞在ビザが免除になる国もある
日本は、68の国や地域に対して査証免除の措置を実施しています。査証免除国から入国する外国人は、短期滞在ビザを取得しなくても日本への入国が可能です。ただし、2022年9月20日時点では、新型コロナウイルスの影響ですべての査証免除措置が停止されています。そのため、査証免除国から来日する場合でも必ず短期滞在ビザの発給が必要になるので注意しましょう。
日本の新型コロナウイルス水際対策について
日本は新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために、入国者に対する水際対策を行っています。そのため、観光旅行にはさまざまな制限があることを知っておきましょう。2022年9月20日からは旅行会社を通していれば添乗員を伴わない旅行が可能になりましたが、依然として個人旅行は許可されていないので注意しましょう。
検疫措置は出身国によって異なるので都度確認が必要です。また、日本で有効とされる新型コロナウイルスワクチン接種の有無により、入国時検査や入国後待機期間が左右されます。
参照元 外務省「短期滞在査証(ビザ)手続きチャート」 観光庁「訪日外国人観光客の受入れ関連情報」
ピックアップ記事
日本旅行の準備をしよう
しっかり準備をすることで、より日本旅行を楽しめるでしょう。ここでは、渡航前に行うと良い準備を紹介します。
1.旅行計画を立てる
まずは、日本でどのような体験をするのかを計画しましょう。日本に旅行する外国人に人気なのは以下の体験です。
- 日本の首都である東京の街に行く
- 日本で伝統文化を体験できるスポットに行く
- 富士山に登る
- 各地のグルメを味わう
- 夜の街でお酒やカラオケを楽しむ
旅行する季節や日程によっては実現が難しい体験もあります。「自分が何をしたいか」と「何ができるか」をよく考え、旅の計画を立てましょう。
2.事前にできる準備を行う
事前に以下の手続きを済ませておくと、移動や観光がスムーズに進むのでおすすめです。
- JR各社の鉄道・バスが乗り降り自由になる「ジャパンレールパス」を購入する(海外で購入したほうが料金が安い)
- 新幹線や特急列車の座席指定席を購入する
- 遊園地やテーマパーク、イベントの前売り券を購入する
- 空港で受け取るSIMカードもしくはポケットWi-Fiを予約する
日本に着いてから手続きを始めると、売り切れだったり日本語でのやり取りが難しかったりと、トラブルに見舞われがちです。あらかじめ購入や手続きを進めておきましょう。
また、上記に含まれている新幹線や特急列車の座席指定席の購入方法については、「新幹線や鉄道の乗り方を外国人に向けて解説!切符の購入や乗り換え方も紹介」のコラムでご案内しているで、ぜひチェックしてみてください。
3.持ち物を用意する
旅行の日程が近づいてきたら、持ち物を用意してパッキングをします。まず、必要なのは日本円です。日本でも大都市であればクレジットや電子マネーを問題なく使えるでしょう。しかし、観光地の商店街や屋台などでは、カードが使えないことがあります。そのため、ある程度現金を用意しておくとスムーズです。日本に着いてからではなく、レートを確認して円が安いときに両替するのが良いでしょう。
中国、カナダ、アメリカ以外の国から来る場合は、変圧器も必要です。日本では主にタイプAのソケットとプラグ、電圧は100Vおよび50/60hzで動作します。宿泊先のホテルが貸し出してくれる場合もありますが、外国人観光客が多ければ足りなくなる可能性もあるでしょう。
4.適切な服装を調べる
日本には四季があり、訪れる時期によって気候が大きく異なります。また、南北に長い地形のため、地域によって大きく気温が異なるのも特徴です。訪れる場所に相応しい服装を調べておかないと、気温に合わない服を着てしまい、不快な思いをすることになるでしょう。なお、室内は暖房や冷房が強く効いているので、調節しやすい服装を選ぶのがおすすめです。
5.必要なアプリを取得する
あらかじめ、旅行に便利なアプリを取得しておくと、移動や食事選びがしやすくなります。以下は、日本旅行者におすすめのアプリです。
- Googleマップ
- Google翻訳
- JNTO:日本公式旅行アプリ
- ぐるなび:飲食店の予約アプリ
- Happy Cow:ビーガンレストランを検索できるアプリ
- Japan Taxi:タクシー配車アプリ
- ジョルダン:乗り換え案内
- Yahoo!天気:天気や気候をリアルタイムで確認できるアプリ
日本では英語やほかの言語があまり通じません。そのため、翻訳アプリは最低限取得しておくようにしましょう。
日本の季節や食べ物については、「日本の名物料理や名産って?都道府県別に有名なものを紹介」や「日本の季節や気候を外国人に向けて解説!」のコラムを参考にしてください。
日本の公共交通機関と空港から都市へのアクセス
ここでは、日本の公共交通機関の利用方法および空港から都市部へのアクセス方法を解説します。
ICカードがあると公共交通機関の利用が便利
日本の公共交通機関を利用する際は、ICカードを手に入れておくと便利です。首都圏では「Suica」と「PASMO」、関西地方では「ICOCA」が普及しています。なお、「Suica」と「PASMO」はスマートフォンアプリで入手するのもおすすめです。アプリ上でクレジットカードからチャージが可能で、残高も一目で確認できます。
各空港から都市部への行き方
旅行では時間を有効に使うのが重要です。空港から都市部へ移動する最短ルートを知ることで、観光に使える時間を増やせるでしょう。
成田国際空港から
成田空港は千葉県北西部にあり、東京都市部とは距離があります。最も早いのは京成スカイライナーで、成田空港第2ビル駅から京成日暮里駅まで最短36分で到着可能です。また、JRの成田エクスプレスは乗り換えなしで東京駅まで移動できます。
時間に余裕のある方はシャトルバスを利用するのも良いでしょう。「AIRPORT BUS TYO-NRT」は成田空港から東京駅までを片道1,300円で移動できます(深夜早朝以外)。ただし、バスは交通状況によって到着時間が左右されやすいので注意が必要です。
羽田空港から
羽田空港は比較的都市部に近い場所にあるため、電車での移動もそこまで負担ではないでしょう。都市部に移動するには、東京モノレールもしくは京急空港線を利用します。山手線接続駅で乗り換えることで、渋谷、原宿、新宿など、東京のさまざまな主要エリアにアクセス可能です。なお、山手線は混雑しがちで荷物が多いと大変なので、ホテル・宿泊先への荷物の配送を手配することをお勧めします。
関西国際空港から
関西国際空港からスムーズに観光へ行くには、関空特急「はるか」がおすすめです。京都駅まで乗り換えなしで約1時間20分で到着できます。また、交通費を抑えたい人は関空快速を使うのも良いでしょう。停車駅には難波駅やユニバーサル・スタジオ・ジャパンのある西九条駅があります。
難波駅方面に行く人には、南海エアポートエクスプレスや特急ラピートもおすすめです。
まとめ
外国人が日本に観光で来日するには「短期滞在ビザ」が必要です。現在は新型コロナウイルスの影響により、すべての外国人に短期滞在ビザの発給が求められています。審査には時間が掛かるので、余裕を持って申請するようにしましょう。