日本の芸術作品は、洋画や日本画などの有形のもののみに留まらず、文芸や歌舞伎などの無形文化にも素晴らしいものが多いのが特徴です。それぞれに特徴や良さがあり、日本の繊細さや美しさなどが表現されています。
このコラムでは、日本の有名な芸術家を代表作とともに解説します。また、日本芸術院賞を受賞した著名な芸術家も紹介。日本の芸術に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
日本の芸術作品の種類
日本で盛んな芸術を紹介します。形の残る作品だけでなく、歌舞伎や文芸などの無形のものも日本が誇る芸術作品です。
美術
美術とは、視覚で捉えることを目的として表現された、造形芸術のことです。日本の美術は、縄文時代や弥生時代など、古くから始まっていました。現在では、日本ならではの繊細さを活かしたアート作品が海外のアートコンテストやコンペに数多く出品されており、海外からも高い評価を得ています。代表的な日本画として、葛飾北斎の 「富嶽三十六景」が世界中で有名です。
文芸
文芸作品とは小説や詩を指します。日本の文芸作品は、細やかな表現や四季を美しく表す季節描写が魅力です。日本には直木三十五賞や芥川龍之介賞など、著名な小説家を記念して作られた文学賞があります。
歌舞伎や演劇
歌舞伎は日本ならではの無形芸術で、伝統芸能として長い歴史をもち、独特なセリフ回しや「見得」と呼ばれる表情の演技が特徴です。「明治座」「歌舞伎座」などの大きな舞台が東京に位置しているほか、海外の劇場でも講演が行われ世界中から評価を得ています。
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世界的に有名な日本の芸術家と代表作
世界的に有名な、日本の芸術家と代表作を紹介します。多くの芸術賞の受賞歴もあり、日本が世界に誇る芸術家です。
草間彌生(くさま やよい)
草間彌生は、日本を代表する前衛芸術家です。水玉模様やかぼちゃモチーフを用いたオブジェや絵画が特徴で、代表作に1990年に発表した「Pumpkin」というオブジェがあります。2016年には文化勲章を受賞し、自身の作品を展示している「草間彌生美術館」では現在も多くの観客を魅了している芸術家です。
村上隆(むらかみ たかし)
村上隆は、ポップアーティストや映画監督としても活躍しています。顔の付いた花のモチーフのイラストが有名です。村上隆の作品は高額で取引されることでも知られており、ウェイトレスの格好をした、美少女のフィギュアはアメリカのオークションで5800万円で落札されました。フィギュア制作で海外から高い評価を得ており、カリフォルニアなど多数の美術館に展示されています。
奈良美智(なら よしとも)
奈良美智は、日本の画家であり、彫刻家としても活躍しています。目つきの鋭い少女のドローイングをはじめ、犬をモチーフにした巨大な「あおもり犬」という作品が有名です。独特な世界観が海外に高く評価されており、ニューヨークやロサンゼルスの美術館にも作品が展示されています。
日本芸術院賞を受賞した著名な芸術家
日本芸術院賞を受賞した著名な芸術家を紹介します。日本芸術院賞とは、日本芸術院がその会員以外の人に授与する賞です。卓越した芸術作品を作成した者、または芸術の進歩に貢献した者に対して授与されます。
市川左團次(いちかわ さだんじ)
市川左團次は、日本を代表する歌舞伎役者のひとりです。有名な歌舞伎の演目「勧進帳」「助六」などで多くの観客を魅了しています。2016年、音楽・演劇・舞踊部門で日本芸術院賞を受賞しました。「助六由縁江戸桜」「仮名手本忠臣蔵」における演技に対し賞が与えられ、繊細さ溢れる独特な演技が高い評価を得ています。
西田俊英(にしだ しゅんえい)
西田俊英は、学生時代から数々の芸術作品が表彰され、その後油彩画から日本画に転向しました。主に、花鳥画や風景画、人物画などさまざまなジャンルの作品を発表しています。2017年、日本画部門で自身の作品「森の住人」で受賞しました。普段は武蔵野美術大学の日本画学科教授や、広島市立大学の名誉教授も務めるなど、非常に優秀な芸術家です。
高木のぶ子(たかぎ のぶこ)
高木のぶ子は、日本を代表する小説家のひとりです。2017年小説部門で受賞しています。さまざまな人間関係を繊細に表現し、ストーリー性に富んだ小説を執筆した業績に対して高い評価を得ました。かつては芥川賞、朝日賞などの選考委員や九州大学のアジア総合政策センター特任教授を務めていた、異色の経歴の持ち主です。
まとめ
日本には、世界で活躍する芸術家が多数存在します。独特な表現力や個性をもち、一風変わった発想力で、より人々を魅了し続けることでしょう。日本の芸術家がどのように表現し、どんな感動を与えているのか、気になる方はぜひ作品を鑑賞してみてください。