外国人留学生として日本の大学や専門学校に通うには?必要な手続きを解説

WeXpats
2023/02/13

留学生として日本の大学や専門学校に通いたい外国人のなかには、「入学に必要な条件とは?」「どの程度の日本語能力があると良いの?」と思う方もいるでしょう。このコラムでは、日本の教育機関に入学するための条件や、外国人が日本に留学する理由を紹介します。在留資格の申請についてもまとめているので、参考にして必要な手続きを行いましょう。

目次

  1. 日本に在籍する外国人留学生はどのくらいいるの?
  2. 外国人が日本に留学する理由
  3. 外国人が日本の大学や専門学校に入学する条件
  4. 留学生として日本に在留するには在留資格の取得が必要
  5. 日本に留学する外国人が区役所で行う手続き
  6. まとめ

日本に在籍する外国人留学生はどのくらいいるの?

日本に在籍する外国人留学生はどのくらいいるの?の画像

ここでは、日本学生支援機構が発表した「2020(令和2)年度外国人留学生在籍状況調査結果」を参考に、日本に在籍する外国人留学生の人数を紹介します。

外国人留学生の数

2020年5月1日の段階で、日本に在籍する外国人留学生は279,597人でした。出身国別で見ると、中国が121,845人、ベトナムが62,233人、ネパールが24,002人、韓国が15,785人です。中国からの留学生が最も多く、全体の43.6%を占めています。日本に在籍する外国人留学生は年々増えていて、その背景には日本政府が策定した「留学生30万人計画」が関係しているようです。「留学生30万人計画」は、2020年を目途に30万人の留学生の受入れを目指す計画のことで、日本を世界に開かれた国とするために施行されました。

在学段階別の外国人留学生の数 

日本に在籍する外国人留学生を在学段階別に見ると、大学が79,826人、専修学校が79,598人とほぼ同程度の人数でした。次に多いのは、日本語教育機関で60,814人です。以降、大学院が53,056人、準備教育課程が3,052人、短期大学が2,828人、高等専門学校が423人と続きます。

大学に入学した79,826人の留学生のうち、私立大学に入学した学生が67,624人を占めていました。一方、大学院に入学した留学生のうち、32,800人が国立の大学院に入学し、17,927人の留学生が私立の大学院に入学しています。

参照元
独立行政法人 日本学生支援機構「2020(令和2)年度外国人留学生在籍状況調査結果

外国人が日本に留学する理由

外国人が日本に留学する理由の画像

日本に留学する外国人のなかには、日本の文化に興味がある人や日本企業への就職を目指す人が多くいるようです。ここでは、外国人が日本に留学する理由を詳しく紹介します。

日本の文化に興味があるため

日本のアニメや漫画は海外でも人気のあるものが多いため、作品をきっかけに「日本語を学びたい」「実際に日本の文化に触れたい」と思う人が増えているようです。また、アニメや漫画のほかにも、日本製品の質の良さや技術の高さを感じて、日本社会に興味を持つ人が多くいます。

日本で勉強してキャリアを積むため

自分自身のキャリアを積むために、日本の教育機関で勉強したいと思う外国人も多くいます。日本は教育環境が整っているので、専門的な知識を良い環境で学ぶことが可能です。必要な知識を身に付けたり、資格を取得したりすれば、キャリアアップに繋がります。

なお、留学をすることで日本の価値観やマナーに関する知識も増やせるでしょう。その結果、卒業後に国際的な活躍ができる可能性があります。

比較的安い授業料で勉強できるため

日本の学校の学費が比較的安いことから、留学を決める人もいるでしょう。日本の学校には、授業料の免除や減免の制度を導入しているところもあります。日本の学校における初年度に必要な入学金および授業料の平均金額は、以下のとおりです。

大学院

国立:約820,000円

公立:約930,000円

私立(医歯薬以外):約1,000,000円

私立(医歯薬):約800,000円

大学(学部)

国立:約820,000円

公立:約930,000円

私立(医歯薬以外):約1,100,000円

私立(医歯薬):約3,200,000円

短期大学

公立:約610,000円

私立(医歯薬以外):約960,000円

高等専門学校(国立)

約320,000円

専門学校

約850,000円

日本語教育機関

約610,000円~約1,050,000円

授業料が比較的安いことに加えて、週28時間以内のアルバイトができるのも日本留学の魅力です。国によっては、学校外でのアルバイトを禁止しているところもあります。留学中にアルバイトを行えば、授業料や生活費を工面できると考える人もいるでしょう。

参照元
独立行政法人 日本学生支援機構「留学費用

日本企業への就職を目指しているため

日本サービスの良さをきっかけに、日本での就職を目指す人もいます。日本企業で働くために必要な「就労ビザ」の多くは、日本の大学や専門学校を卒業している人が対象です。そのため、留学をして日本の教育機関に通うことが就職に有利といえます。

日本のサービスのほかにも、治安の良さや生活に必要な設備が整っていることなどを理由に、留学や就職を目指す人もいるようです。

参照元
独立行政法人 日本学生支援機構「留学費用

外国人が日本の大学や専門学校に入学する条件

外国人が日本の大学や専門学校に入学する条件の画像

外国人が日本の大学に入学するには、以下の1~11のいずれかの条件を満たす必要があります。

1.高等学校または中等教育学校を卒業した者

2.外国において、12年間の学校教育の課程を修了した者

3.外国における12年の課程修了相当の学力認定試験に合格した18歳以上の者

4.特別支援学校の高等部または高等専門学校の3年次を修了した者

5.外国において、11年以上の文部科学大臣に指定された課程を修了した者

6.外国の高等学校相当として指定した外国人学校を修了した者

7.指定された専修学校の高等課程の課程を修了した者

8.外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCEAレベルを保有する者

9.国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した者

10.高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した者

11.大学において個別の入学資格審査により認めた18歳以上の者

専門学校へ入学するには、上記1~10の条件と下記条件の中から、いずれか一つを満たさなくてはなりません。

1.修了年限が3年以上の専修学校高等課程を修了した者

2.専修学校において個別の入学資格審査により認めた18歳以上の者

3.大学への飛び入学をした者であって、その後に入学させる専修学校において高等学校を卒業した者に準ずる学力があると認めたもの

上記の条件のほかに、日本の学校で勉強するにあたり日本語能力も必要です。

参照元
文部科学省「大学入学資格について」
文部科学省「専修学校入学資格について

留学生として日本に在留するには在留資格の取得が必要

留学生として日本に在留するには在留資格の取得が必要の画像

日本留学を希望する外国人は、「留学」の在留資格を取得しなくてはなりません。ここでは、「留学」の在留資格について詳しく解説します。

「留学」の在留資格を取得する

外国人が日本の学校で勉強するには、「留学」の在留資格が必要です。在留資格を取得するための申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。申請して許可が降りるまでに、2週間から1ヶ月程度掛かるため、余裕を持って申請しましょう。

なお、大学や専門学校の授業を受けるにあたり、ある程度の日本語能力を身に付けておくことも大切です。

・JLPT(日本語能力試験)N2以上

・EJU(日本留学試験)200点以上

・BJTビジネス日本語能力試験400点以上

上記は日本語能力を示す目安になるので、留学をする前に受けておきましょう。

詳しくは、「外国人留学生に必要な在留資格「留学」とは?就労に必要な手続きも解説」のコラムをご一読ください。在留資格とビザの違いや外国人留学生の活動範囲を詳しく解説しています。また、日本でアルバイトを行う方法や母国へ一時帰国する際の手続きについてもまとめているので、留学を検討している外国人はチェックしてみましょう。

申請に必要な書類

「留学」の在留資格を取得するには、以下の書類が必要です。

・在留資格変更許可申請書

・証明写真(縦4cm、横3cm)

・在留カード

・パスポートおよび在留カード(または在留カードとみなされる外国人登録証明書)

上記のほかにも、教育機関ごとに提出する書類があります。入学先の学校によって必要な書類が異なるため、該当の教育機関へ確認しましょう。

日本に留学したい外国人必見!日本留学試験や在留資格について解説」では、日本に留学するまでの流れや必要な手続きについて詳しくまとめています。日本への留学を検討している方は、ぜひチェックしてみましょう。

参照元
出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請

日本に留学する外国人が区役所で行う手続き

日本に留学する外国人が区役所で行う手続きの画像

留学生として日本へ来日したら、住民登録や国民健康保険の加入手続きを行いましょう。ここでは、それぞれの手続きについて詳しく解説します。

住民登録

日本に滞在する外国人留学生も、居住地の市町村の窓口で住民登録を行う必要があります。居住地を決めてから14日以内に、在留カードを持参して転入届を行いましょう。外国人の住民票には、氏名や生年月日のほかに国籍・地域、在留資格、在留期間なども記載されます。

国民健康保険への加入

3ヶ月以上日本に在留する外国人は、日本人と同様に国民健康保険への加入が必要です。国民健康保険へ加入することで、ケガや病気をしたときにかかる治療費の自己負担分を軽減できます。在留カードやパスポートを持参して、住民登録を行った市区町村の国民健康保険担当窓口で手続きを行いましょう。

国民年金への加入

国民年金への加入は、日本で住民登録をしている20歳以上の人に定められている義務です。ただし、学生には在学中の国民年金保険料が免除される「学生納付特例制度」があります。「学生納付特例制度」は、学生本人の所得が128万円以下(扶養親族等がいない場合)であれば対象です。学生納付特例の申請書、年金手帳または基礎年金番号通知書、学生証の写しを持参して申請を行いましょう。

参照元
日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度

まとめ

まとめの画像

外国人が留学生として日本の大学や専門学校に入学するには、学歴の条件を満たしていることや、ある程度の日本語能力を身に付けている必要があります。また、日本へ留学する前に「留学」の在留資格の取得手続きを行わなくてはなりません。

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