日本の家庭料理はバリエーションが豊富です。古くから存在する伝統的な料理のほか、海外にルーツを持ち、家庭料理の定番になったメニューも多くあります。
このコラムでは、日本の家庭料理の特徴を解説。また、日本の定番の家庭料理を、和食・洋食・中華に分けて紹介しています。内容を参考にして、実際に作ったり飲食店で注文したりしてみましょう。
目次
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日本の家庭料理の特徴
日本で作られる家庭料理は、種類が多いのが特徴です。また、時間をかけて作られた凝った料理も多くあります。
日本の家庭料理はバリエーションが豊富
日本の家庭料理は、さまざまな食材を多様な方法によって調理するため、バリエーションが多いのが特徴です。家庭料理に使われる食材には、豚・牛・鶏などの肉、畑や山で収穫された野菜やきのこ、海で採れた魚介類などがあります。代表的な調理方法は、炒める・煮る・焼く・揚げる・蒸すなどです。日本の家庭では、これらの食材や調理方法を駆使し、毎日毎食違う献立で何品も料理を作ります。
また、日本では海外から入ってきた料理を日本人の口に合うように改良してきました。その結果、家庭料理の定番になった洋食や中華にルーツを持つ食べ物も多くあります。
凝った料理が多い
日本の家庭料理は、凝った料理が多くハイレベルです。その理由として、見た目や味にこだわっていることが挙げられます。また、栄養面のバランスも考え、多彩な食材の使用を心がけているのが特徴です。
日本では「手間をかけて手作りした家庭料理には愛情がこもっている」という考え方があります。そのため、こだわりや根底にある考え方が、日本の家庭料理をハイレベルにしているといえるでしょう。
日本の食文化をさらに知りたい方には、「日本の和食の特徴を外国人に向けて解説!各地方のおすすめ料理も紹介!」や「日本料理の名前を4種類紹介!献立についても解説」のコラムもおすすめです。ほかにも、日本でおすすめの食べ物を、「日本の有名な食べ物といえば?日本にしかない各地方の郷土料理も紹介」のコラムで詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
世界各国の家庭料理
海外では、作り方や味付けをシンプルにして、素材の味を活かす家庭料理が多い傾向にあります。
たとえば、フランスの朝食では、バターやジャム、チョコレートクリームを塗ったバゲットが定番です。昼食や夕食もサンドイッチやチーズ、野菜スープなどの料理が中心で、ときにはスーパーの惣菜や加工食品も使います。
また、ドイツの家庭ではパンにバターを塗り、ハムやチーズ、サラダなどを乗せたものがよく食べられているようです。デンマークの朝食はジャムやチーズを添えたパンと飲み物、昼食はライ麦パンにサーモンやハムなどを乗せた簡単なオープンサンドがよく食べられます。夕食には、メインの肉料理1品にゆでたジャガイモやサラダを添えた食事が定番です。
日本と海外どちらの家庭料理が優れているということはありません。その国の生活習慣や食材などに合わせて、それぞれ特色のある家庭料理が根付いています。
日本で人気がある定番の家庭料理
日本では和食以外に、洋食や中華料理をアレンジした料理が日常的に食べられています。カレーやハンバーグは、子どもにも人気の定番の家庭料理です。以下では、日本で人気がある定番の家庭料理を、和食・洋食・中華に分けて紹介します。
和食
和食の中で人気のある家庭料理には、肉じゃがやサバの味噌煮(みそに)、味噌汁などが挙げられます。日本特有の調味料である醤油(しょうゆ)や味噌、みりんなどで味付けをした家庭料理は、老若男女を問わず人気です。醤油や味噌などの発酵食品は、保存性や栄養価を高めるため積極的に料理に取り入れられてきました。
とんかつ
とんかつは、厚みがある豚肉にパン粉の衣をつけて揚げた定番の家庭料理です。食べる際にかけるソースの香ばしい香りや衣のサクサクした食感、肉のジューシーさが魅力といえます。揚げる部位やつけるソースによって、味が大きく異なるのも特徴です。
お好み焼き
お好み焼きは、小麦粉に卵・キャベツ・海鮮・肉などを入れて、鉄板の上で焼いて作る日本で定番の家庭料理です。自由に具材やソース、トッピングを決められるのが魅力といえます。トッピングは、ソース・マヨネーズ・かつお節・青のりなどが定番です。
巻き寿司
巻き寿司は、のりでご飯と具材を巻いて作る家庭料理です。寿司職人のように米を握る技術がいらないため、簡単に作れます。また、巻き寿司は魚以外の具材でも作ることができ、種類が豊富です。キュウリを巻いたカッパ巻きやカニカマと卵を入れたサラダ巻きは、生物が苦手な人でも食べられるでしょう。巻き寿司は、家庭で簡単に寿司を作ってみたい方や自分で好みの具を入れたい方におすすめです。
洋食
家庭料理の定番である、カレーやナポリタン、ハンバーグなどの食べ物は、洋食にルーツがあります。これらの料理は、海外から伝わった料理や食材に日本独自のアレンジを加えた食べ物が多く、子どもを中心に幅広い世代に人気です。
カレー
ご飯にカレーをかけたカレーライスは、日本で作られる定番の家庭料理です。カレーには、肉・ジャガイモ・玉ねぎ・にんじんなどがよく入れられます。使用する肉は、牛肉や豚肉、鶏肉などさまざまです。また、イカやエビなどのシーフードを使ったシーフードカレーもあります。スパイスから調合するのではなく、材料を炒めたあとに水を入れ、市販のカレールーを溶いて作るので、作り方も簡単です。もともとはインド発祥のカレーですが、日本のカレーライスは家庭でも作りやすいように具材やルーが工夫されています。
ナポリタン
ナポリタンは茹でたスパゲティに玉ねぎやウインナー、ピーマンを加えてケチャップであえた日本の料理です。調味料が少なく作り方が簡単なため、家庭でよく作られます。ケチャップの味や香りが食欲をそそる、子どもから大人にまで人気がある定番の家庭料理です。
ハンバーグ
ハンバーグはひき肉に玉ねぎや卵、パン粉を混ぜて楕円形にし、フライパンで焼いた料理です。もともとは、アメリカに移住したドイツ人がよく食べていた料理でした。明治時代に日本に伝わったハンバーグが家庭料理の定番になったのは、1960年代ごろです。
日本ではハンバーグにデミグラスソースやケチャップ、トマトソースなどをかけて食べます。和風の大根おろしソースやてり焼きソース、ポン酢も人気です。
中華
餃子や麻婆豆腐(マーボーどうふ)、チャーハンなどは、日本で定番の家庭料理です。中華料理として分類されているものの、実際は日本で生まれた食べ物のため、和食とされることもあります。
餃子
餃子は小麦粉で作った皮に肉やエビ、野菜などで作った具を包んで、焼く・蒸す・茹でるといった調理をした料理です。餃子が生まれた中国では、スープに入れたり蒸したりすることはありますが、焼くのは一般的ではありません。日本の焼き餃子は家庭料理の定番として親しまれており、ホームパーティーの際にも振舞われます。具を自作して皮で包み、焼き上げた餃子を家族や友人と一緒に食べることで交流を深められるでしょう。
麻婆豆腐
麻婆豆腐は、ひき肉と豆腐を甜面醤(テンメンジャン)や豆板醤(トウバンジャン)などの調味料で炒めた中華料理です。中国では、花椒(ホアジャオ)といわれる非常に辛いスパイスを入れて麻婆豆腐を作ります。しかし、日本の家庭では、入手しにくかったり辛くなり過ぎたりするため、花椒はあまり使われません。家庭で作る麻婆豆腐は、家族の好きな辛さに調節出来るのが良いところといえます。
チャーハン
チャーハンは、炊いたご飯とさまざまな具をフライパンで炒めた家庭料理です。ご飯のことを「めし」と呼ぶため、焼きめしともいわれます。肉や海鮮、野菜などの幅広い食材を具にできるため、冷蔵庫に残っている食べ物で作れるのも良い点です。調味料には、塩やこしょうのほかに、醤油もよく使われます。時間をかけずに簡単に調理できるのも、チャーハンが人気の理由でしょう。各家庭で入れる具や味付けが異なるため、家庭の味ともいわれる定番の料理です。
まとめ
日本の家庭料理は豊富な食材を多彩な方法で調理するため、レパートリーが多いといえます。醤油や味噌などを使った伝統的な和食や揚げ物、お好み焼きなどの料理が家庭で作られてきました。海外発祥のメニューで、レシピに手が加えられ定番の家庭料理になった食べ物もあります。また、日本の家庭料理は栄養バランスが優れているのも特徴です。