外国人は銀行口座を開設できるの?条件や方法を企業に向けて開設

2021年11月09日
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濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人が日本で暮らし、働くためには、日本の銀行の口座が必要不可欠といっても良いでしょう。給与の振り込みや公共料金の支払い時に銀行口座がないと、時間や手間が余計にかかります。このコラムでは、外国人が日本の銀行で口座を開設する方法や、必要書類をまとめました。雇用する外国人の銀行口座開設をサポートする際に、このコラムを参考にしてください。

 

目次

  1. 外国人が日本の銀行で口座開設するための条件
  2. 外国人が銀行口座を開設する際に求められるもの
  3. 外国人が銀行口座開設ができないケース
  4. 雇用する外国人が銀行口座を開設するときはサポートを!
  5. まとめ

外国人が日本の銀行で口座開設するための条件

外国人が日本の銀行で普通口座を開設する条件は、日本の滞在期間が6カ月以上あり、住民票を取得していることです。

日本の滞在期間が6カ月以上あること

一部の銀行を除き、日本の滞在期間が6カ月未満の場合は普通預金口座の開設ができません。日本で普通預金口座を開設する際は、在留カードが必要です。短期滞在の在留資格で日本に滞在している外国人には在留カードが交付されないため、銀行口座の開設ができません。

日本に滞在を初めて3カ月以上6カ月未満の外国人は「非居住者円預金口座」の開設ができます。しかし、非居住者円預金口座は普通預金口座とは違い、口座引き落としが利用できません。また、海外への送金などが制限されます。基本的には、お金を預け、ATMでお金を引き出す程度の機能しかないと考えておいた方が良いでしょう。利便性を考えると銀行口座が必要な場合は、滞在期間が6カ月経つのを待ち、普通預金口座が開設できるまで待つ方が賢明です。

住民票を取得していること

外国人が日本の銀行で普通預金口座を開設するには、住民票が必要です。住所を持たず旅行などで日本に一時的に滞在している場合は、銀行口座が開設できないということになります。また、住民票を取得していても、日本への滞在期間が6カ月未満の場合は「非居住者」として扱われるため、普通預金口座の開設はできません。そのため、雇用した外国人が来日してすぐの場合は、給料の振り込みなどに配慮が必要です。

外国人が銀行口座を開設する際に求められるもの

外国人が銀行口座を開設する際は、身分や居住地を証明できるものや、電話番号が求められます。また印鑑も必要になる場合があるので作成しておきましょう。

在留カードやパスポートなど身元を証明するもの

外国人の場合はパスポートなどの身元を証明できるもののほか、在留許可を得ているか確認できるものが必要です。そのため在留カードを必ず持参するようにしましょう。そのほかに、追加で身元を証明できるものとして、社員証や健康保険証も持っていくと良いといわれています。
在留カードについては、「在留カードの携帯義務がある理由とは?外国人を雇用する企業に向けて解説」でも詳しくまとめています。参考にして外国人雇用に役立てましょう。

住所の確認が取れる書類

住所の確認を取る書類として、住民票の写しは必ず必要です。さらに、住民票に記載されている住所で実際に暮らしていることを証明するために、公共料金の請求書や領収書も必ず持っていくようにしましょう。なお、携帯電話の請求書は一般的に証明では使えないので注意してください。

電話番号

口座開設の際は、電話番号が必要です。なお、固定電話ではなく携帯電話の電話番号でも良いとされています。携帯電話の契約をしていない場合は、契約を終えてから口座開設の手続きを行いましょう。

印鑑

日本で銀行口座を開設する際は、印鑑が必要なケースもあります。

海外ではサインでの契約が主流のため、雇用する外国人が印鑑を持っていない可能性も十分考えられます。日本で暮らすうえで、印鑑が必要になる場面は多いので、銀行開設のタイミングで印鑑を作成しておくと良いでしょう。なお。印鑑はローマ字やカタカナで作成することもできます。インターネットでも購入できます。作成が面倒という外国人には、上司や同僚から印鑑作成の利便性や重要性を説明してみてください。

外国人が銀行口座開設ができないケース

外国人が複数の銀行口座を同時に開設しようとしたり、生活圏外の銀行で口座開設をしようとしたりした場合は口座開設ができないことがあります。また、申し込みに不備があった場合も、口座開設は難しいでしょう。

同じ銀行で複数の口座を開設しようとするとき

個人が、同じ銀行で複数の口座を開設することはできません。銀行の担当者に使用目的も聞かれ、適切でない場合は口座開設を断られます。どうしても必要でなければ、複数の口座開設をしようとするのは避けましょう。

生活圏外の銀行で口座開設をしようとするとき

口座開設をする銀行は、職場や家の近くなど、生活圏内の銀行で行いましょう。あまりにも普段の生活からかけ離れた場所の銀行で口座を作ろうとすると、マネーロンダリング等の利用が疑われ、口座開設を断られる可能性があります。日本人でも生活圏外の銀行での口座開設は、断られることもあるため、必ず生活圏内の銀行で口座開設をするようにしましょう。

申込み内容に間違いがあったとき

申し込み書類や内容に不備がある場合は、銀行口座の開設を断られる可能性があります。銀行口座の開設は、犯罪防止の観点から確認内容が厳しくなっています。少しでも不備があると口座開設ができない場合もあるので、万全の準備を整えてから銀行窓口に向かうようにしましょう。

雇用する外国人が銀行口座を開設するときはサポートを!

雇用する外国人が銀行口座を開設するときは、企業の関係者もできるだけサポートしましょう。外国人の日本語能力が十分ではない場合、銀行側が対応しきれないことがあります。あまりにもやり取りが上手くいかないと、口座開設ができなくなることもあるでしょう。銀行口座の開設は、給与の振り込みなど企業も大いに関係します。雇用した外国人にほかに頼れる日本人が居ない場合は、口座開設に同行し、銀行とのやり取りをサポートできると良いでしょう。

まとめ

外国人も日本の銀行で口座を開設できます。しかし、6カ月以上の在留や住民登録が必要という条件があるため、口座開設を行う前に要件を満たしているか確認しましょう。また、犯罪防止の観点から、複数の口座の同時開設や生活圏外の銀行での口座開設は断られる場合があります。事前に銀行のWebサイトなどを確認し、どのようなケースだと口座開設に支障がでるか、頭に入れておくと良いでしょう。