インドネシア人の国民性を解説!雇用時に気をつけるポイントとは?

2023年09月07日
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人手不足の解消やインバウンド対策のために、インドネシア人の雇用を検討している企業もあるでしょう。インドネシア人を雇用するにあたって、「人との繋がりを大切にする」「マイペースである」といった国民性を知っておくのは大切です。
このコラムでは、インドネシア人の多くが信仰しているイスラム教についても解説。インドネシア人と一緒に働く際のポイントもまとめています。

 

目次

  1. インドネシアの概要
  2. インドネシア人の国民性
  3. インドネシア人の多くが信仰するイスラム教について
  4. インドネシア人と一緒に働く際のポイント
  5. まとめ

インドネシアの概要

インドネシアの概要の画像

インドネシアの正式名称は、インドネシア共和国(Republic of Indonesia)です。大小13,000以上の島々からなる国で、日本の約5倍の国土を有します。外務省のデータによるとインドネシアの概要は以下のとおりです。

  • 面積…約192万㎢
  • 人口…約2億7000万人
  • 首都…ジャカルタ
  • 民族…ジャワ人やスンダ人、マドゥーラ人、パプア人など
  • 宗教…イスラム教やプロテスタント、カトリック、ヒンズー教、仏教など
  • 公用語…インドネシア語

インドネシアの人口は約2億7000万人で、中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位の多さです。約300の民族が存在し、500以上の言語があるといわれています。

インドネシアと同じ東南アジアのベトナム出身の人材を雇用したいと考えている企業には、「ベトナム人労働者の特徴とは?日本で急増する理由やメリットを紹介」のコラムもおすすめです。

参照元
外務省「インドネシア共和国

インドネシア人の国民性

インドネシア人の国民性の画像

インドネシア人には、「人との繋がりを大切にする」「マイペース」といった国民性があります。また、「さまざまな宗教を信仰する人がいる」点が特徴です。

人との繋がりを大切にする

インドネシア人は人との繋がりを大切にし、一人でいるより集団で過ごすのを好む傾向にあるようです。帰属意識が強く家族を大切にし、特に目上の人を尊重する傾向があります。

対立を嫌い、とても優しく親切なのもインドネシア人の特徴です。インドネシア語には、相互の協力や助け合いを表す「Gotong Royong(ゴトング ロヨング)」という言葉があります。困っていたら互いに助け合う精神が根付いているのです。

マイペースに行動する

インドネシア人は一般的にマイペースな人が多いといわれています。行動がゆっくりしており、相手にも早く行動することを求めないのが一般的です。そのため、お店に行列ができたり渋滞にはまったりしても、あまり焦りません。計画通りに予定が進まなくても、「しょうがない」と気にしない人がほとんどです。大らかで楽観的な国民性ともいえるでしょう。

さまざまな宗教を信仰している

インドネシア人は、一般的にイスラム教・プロテスタント・カトリック・ヒンドゥー教・仏教のいずれかを信仰しています。異なる宗教を信仰している人が同じ職場で働くことも珍しくなく、お互いの価値観を尊重しながら生活しているのが特徴です。たとえば、多くの企業が、仕事中にイスラム教のお祈りの時間を許可しているのが挙げられるでしょう。
なお、無宗教であることは認められていません。

インドネシア人に限らず、面接時に応募者に何教徒かを尋ねるのはNGです。詳しくは「外国人の採用面接の質問例!聞いてはいけないNG質問もあわせて紹介」のコラムで解説しています。

インドネシア人の多くが信仰するイスラム教について

インドネシア人の多くが信仰するイスラム教についての画像

イスラム教はインドネシア人の約86.7%が信仰している宗教です。以下では、イスラム教のしきたりについて紹介します。

朝から夕方にかけて1日5回のお祈りがある

イスラム教では、朝から夕方にかけて1日5回、聖地である「メッカ」に向かってお祈りをします。お祈りの時間は日の出と日没の時間によって決まるので、毎日同じ時刻ではありません。
お祈りの時間を知らせる呼びかけが「アザーン」です。お祈りの時間になるとアザーンを聞いた人々がモスクに集まり、手や口、足などを水で清めてから礼拝を始めます。お祈りはマットの上で行われ、1回に掛かる時間は5〜10分程度です。

飲食の制限がある

イスラム教には、豚肉や酒類を口にしてはならないという決まりがあります。決まりを守るかは信仰心の強さや生活習慣の違いによりますが、大半の人は禁止されている飲食物を摂りません。
基本的にインドネシアの飲食店では豚肉や酒類を提供していませんが、都心の店舗では禁止されている飲食物を置いている場合もあります。

また、ラマダーンという断食をするしきたりがあります。ラマダーンは、1年のうち約1ヶ月間、日の出から日没まで飲食をしないしきたりです。日中は水分摂取のみ可能で、日が沈んだあとに食事を摂ります。

女性はジルバブ(ヒジャブ)というスカーフを頭に被る習慣がある

イスラム教では、女性は顔や髪を隠すために「ジルバブ(ヒジャブ)」というスカーフを頭に被る習慣があります。ただし、すべての女性がジルバブ(ヒジャブ)を被っているわけではありません。首都のジャカルタでジルバブ(ヒジャブ)を被っている女性は、半数ぐらいです。ジャカルタ以外の地域では、ジルバブ(ヒジャブ)を被っている人の割合は高くなります。TPOに応じて、ジルバブ(ヒジャブ)を被ったり外したりする人もいるようです。

参照元
国際機関日本アセアンセンター「お祈り」
国際機関日本アセアンセンター「ムスリムおもてなし5カ条

インドネシア人と一緒に働く際のポイント

インドネシア人と一緒に働く際のポイントの画像

インドネシア人と仕事をする際は、時間の重要性をしっかり説明し、指示や評価基準を分かりやすくしておきましょう。また、注意は必ずほかの人がいない場所ですることが重要です。円滑に働くために以下のポイントを押さえておきましょう。

時間の重要性をしっかり説明する

インドネシア人を雇用する際は、時間を守ることの重要性をしっかり説明する必要があります。
前述したように、インドネシア人はマイペースな国民性を持つ人々です。始業時間に遅れて出社したり、提出物の締め切りを過ぎたりすることは珍しくありません。そのため、時間厳守の重要性を伝え、「時間を守ろう」という意識を持ってもらうための工夫が必要といえます。

たとえば、無遅刻の従業員を表彰するのは一つの手です。提出物の締め切りを守ると、従業員の評価が上がると伝えるのも良いでしょう。
なお、遅刻しそうなときや締め切りに間に合わないときは、誰にどのように報告するかを伝えておくのも大切です。

指示や評価基準を分かりやすくする

インドネシア人に指示を出す場合は、曖昧な言葉を避けてはっきりと内容を伝えましょう。仕事の範囲や締め切り、提出先などを具体的に伝えるのが重要です。

評価基準と給料体系を分かりやすくしておくのも欠かせません。インドネシア人は、お互いにどのくらいの給料をもらっているかという話をよくします。同じ仕事をしている人同士で給料に差があると、不満や不信感を抱くきっかけになるでしょう。給料に納得できないと言われた際に、明確な評価基準と給料体系を参考にしながら説明すると、不満や不信感を払拭しやすくなります。

目標を明確にして進行状況をこまめに確認する

インドネシア人と働く際は、明確な目標を提示し、進行状況をこまめに確認しましょう。インドネシア人の国民性として、目標設定と計画作成の苦手さが挙げられます。いつまでに何をするのかを決めるのが苦手なため、仕事が遅れやすくなるのです。仕事を何段階かに区切り、それぞれに締め切りを設定して、達成できたかをこまめに確認すると良いでしょう。
もし、トラブルが発生した場合は、早めに上司に相談するように伝えておくのも重要です。

注意はほかの人がいない場所でする

インドネシア人に注意をする場合は、個室や人目のない場所に呼び出して1対1で行いましょう。多くの人にとって、人前で注意を受けたり叱られたりするのは避けたいことです。特に、インドネシア人は注意を大変な侮辱だと受け取ります。もし、人目のある場所で注意した場合は、本人だけでなく周りにいるインドネシア人からの反感を買う事態に繋がりかねないので注意が必要です。

相手の宗教やしきたりを認める

インドネシア人と同じ職場で働く際は、相手の宗教やしきたりを受け入れることが重要です。たとえば、イスラム教のインドネシア人を雇用した場合は、就業時間内にお祈りする時間を許可し、お祈りができる場所やマットを用意すると良いでしょう。

飲食をともにする場合も配慮が必要です。前述したように、イスラム教徒では豚肉や酒類を禁止しているので、食事会や飲み会で勧めないようにしましょう。また、豚肉を使用しないハラールレストランなども最近では増えているので、レストランの選び方も配慮できるとより、文化を尊重することができるでしょう。

相手の文化や宗教、しきたりに理解を示し、お互いに快適な環境を作ることが大切です。

また、宗教上のしきたりに関しても、必ず配慮する必要がある方や日本の環境に合わせて調整している方まで様々です。採用面接時などに、「宗教上で会社側で配慮した方が良いこと」などを率直に聞いておくことで、採用後も双方で気持ちよく働く為の環境整備ができるでしょう。

まとめ

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インドネシアは大小13,000以上の島々からなる国です。インドネシア人は人との繋がりを大切にする国民性を持ち、お互いの宗教や価値観を尊重しながら生活しています。
インドネシア人を雇用する際は、時間や計画の重要性をしっかりと説明しましょう。また、業務を行うなかで注意をする必要がある場合は、人目を避けて行うことが重要です。

また宗教上の理由に関しても、雇用主側で理解を深め文化を尊重する姿勢を整えるのも重要なポイントだと言えます。