外国人採用の面接質問例!聞いてはいけないNG質問もあわせて紹介

2024年01月15日
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採用面接では本人の適性や性格を見極めるため、適切な質問をする必要があります。特に、外国人採用では日本語能力やキャリアプランに関する質問は必須です。

このコラムでは、外国人採用の面接に役立つ質問例を紹介。聞いてはいけないタブーとされる質問もまとめています。記載している質問例を参考に、外国人の採用面接を行いましょう。

目次

  1. 外国人採用の面接をする前に確認しておくべきこと
  2. 外国人採用の面接で聞くべき質問
  3. 外国人採用の面接でしてはいけない質問
  4. 外国人採用の面接を行う際の心得
  5. 外国人の採用面接を成功させるには求人の出し方が重要
  6. まとめ

外国人採用の面接をする前に確認しておくべきこと

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外国人採用の面接をする前に、以下の点を履歴書で確認しておくと選考がスムーズに進むでしょう。

在留資格

外国人を中途採用する際は、現在有している在留資格をよく確認しましょう。異業種からの転職の場合は、特に注意が必要です。自社の業務と適合していない在留資格を持つ外国人は雇用できません。在留資格を変更する方法もありますが、異業種からの転職ではなかなか難しいといえます。
いくら優秀でも、あまりに自社の業務とかけ離れた業界から転職してくる場合は、採用できない可能性が高いことを覚えておきましょう。

教育機関での専攻内容や職務経歴

留学生を新卒採用する場合は、大学や大学院で学んだ専攻内容の確認が重要です。どの分野を学んできたかによって、取得できる在留資格が変わります。たとえば、理系の職業に就くには、理系科目を専攻している外国人のほうが取得がスムーズです。
また、中途採用の場合は職務経歴もよく確認しましょう。就労に係る在留資格は、実務経験が必要年数以上あれば、取得できる種類がいくつかあります。

国籍

採用時に国籍をチェックするのは、兵役をはじめとした就労に影響する事柄がないかを知っておくためです。国籍による採用差別はしてはいけません。兵役のある国の国籍を持つ外国人を雇用する際は、すでに義務を完了しているのか確認しましょう。

外国人採用の面接で聞くべき質問

外国人採用の面接で聞くべき質問の画像

ここでは、外国人採用の面接で聞くと良い質問を紹介します。適切な質問をすることで、意欲や企業へのマッチ度を確認できるでしょう。

1.日本で働きたい理由

「なぜ、母国ではなく日本での就職を希望するのですか?」という質問は、応募者のキャリアプランを引き出したり仕事に対する考え方を明らかにしたりするのに役立つでしょう。外国人が母国を出て日本で働くことを選ぶのには、何らかの理由があると考えられます。どうして日本での就職を選んだのかを聞けば、自社に合う人材かの確認が可能です。

2.志望動機

志望動機はどの応募者にも聞くべき重要な質問です。なかには、「就職できればどこでもいい」という考えで面接を受けに来る人もいます。仕事への熱意が低い人は、採用しても長続きせずすぐに辞める可能性も。本気で就職を考えている熱意のある人を採用するためにも、志望動機は必ず質問しましょう。

3.日本語の習熟度

外国人の採用面接を行う際は、どれくらい日本語のコミュニケーションができるかを確認しておくのも大切です。日本語の習熟度は人によって異なります。「読み書きは得意でも会話は苦手」「会話したり日本語を読んだりするのはできるけど、書くのは難しい」という人もいるでしょう。業務に必要な日本語レベルに達しているかを確認するためにも、質問することをおすすめします。

4.日本のルールやマナーに関する質問

日本の法律やマナー、常識をどれくらい知っているかも面接で聞いておきましょう。海外と日本ではルールもマナーも異なるので、採用したあとトラブルが起きる可能性も。懸念を払拭するためにも、日本のルールをどれくらい知っているか、守る意識があるかを確かめておくと安心です。採用後の研修などの際、何から説明すれば良いのかの指標にもなるでしょう。

5.特技や自己PR

特技や自己PRは、企業での業務に活かせる能力を持っているのか、今までの生活のなかでどのような功績を残してきたかを知れる質問です。また、雑談も交えることで、外国人の緊張をほぐすアイスブレイクの役割も果たします。

7.日本の印象

「日本での暮らしはどうですか?」「日本の良いところはどこだと思いますか?」といった質問は、日本での生活に適応できているかを確認できます。答えられなかったりネガティブな内容が出たりする場合は、入社後すぐに離職してしまう可能性もあるでしょう。長期間働ける外国人を雇用したい場合は、日本での生活にうまく適応できている人材を選ぶのをおすすめします。

8.キャリアプラン

応募者がどのようなキャリアプランを描いているのか、自社で実現できそうな内容かを確かめるために、5年後・10年後にどうなっていたいかを質問しましょう。「日本で一生働き続けたい」「スキルを身につけたら母国で転職したい」など、キャリアプランは人それぞれです。面接時に聞いておけば採用後のミスマッチを減らせるうえ、配属部署を決める際の参考にもなります。企業と人材のマッチ度を高めるためにも、キャリアプランは聞いておきましょう。

外国人採用のメリットや課題点とは?求人の出し方や雇用の流れを解説」では、日本の外国人採用に置ける現状や雇用のメリットをまとめています。採用成功のポイントも紹介しているので、外国人採用をはじめたい企業は参考にしてください。

外国人採用の面接でしてはいけない質問

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人材の基本的人権を尊重し、適性・能力に基づいて面接を行うのが、公正な採用選考の基本的な考え方です。仕事に関係ない質問や相手を貶めるような質問はしてはいけません。以下の質問は、面接でしないようにしましょう。

1.人種・国籍差別に繋がる質問

人種や国籍に関する質問は差別につながる恐れがあるためしてはいけません。たとえば、「▲▲人だから体力がありますよね」や「▲▲人は時間を守らないイメージですが大丈夫ですか?」などの発言は禁句です。当然ながら肌の色や髪型、体系を揶揄する発言もしてはいけません。

人種差別は世界的なタブーです。採用担当者に差別的な意図がなくても、応募者が傷ついたり侮辱されたと感じたりする可能性があります。企業のイメージダウンにもなりかねないので、在留資格の確認のために外国人に国籍を聞く際も、表現に最大限の注意を払いましょう。

2.宗教関連の質問

外国人採用に限ったことではありませんが、宗教や信仰は個人の自由のため、採用面接で質問するのはタブーです。「~~人だから信仰しているのは××教?」「●●の人は~~なんでしょう?」などの質問も、絶対にしてはいけません。
食べ物や儀式などに関して「何か配慮することはあるか」と、親切心で聞く際も注意が必要です。直接、信仰をしている宗教を聞くのではなく、「何か言っておきたいことはありますか?」「配慮が必要なことはありますか?」などの聞き方をしましょう。

3.性別や年齢に関する質問

性別や年齢は応募者の適性・能力には関係ないため、質問するのは避けましょう。面接の結果、応募者が不合格となったとき、実際の理由は別にあっても「性別や年齢が理由で落とされたのかも…」と疑念を持たれてしまいます。企業のイメージダウンにもなりかねないため、業務に影響するなどの合理的な理由がない限り、質問しないのが無難です。

4.人格を否定するような質問

面接中に「この人は自社とは合わないかも」と思っても、相手の人格や考え方が悪いわけではありません。あくまで自社とは合わないだけなので、応募者の価値観や考え方、性格を否定するような質問は避けましょう。人格を否定するような質問は、就業意欲を低下させてしまいます。日本での就職活動に消極的になってしまう可能性があるので、合わないと感じたときも最後まで誠実に面接を行いましょう。

5.威圧感を与える質問

圧迫面接のように相手に威圧感を与える質問を行うのもNGです。「ストレス耐性のある人を採用したい」「メンタルが頑強な人が欲しい」と思っていても、威圧的な態度で面接を行うのは避けましょう。たとえば、「外国人だからといって特別扱いはできない」「日本語が話せないとうちではやっていけません」などの発言は、応募者を委縮させてしまいます。採用後も本心を話せなくなったり辛い気持ちを我慢してしまったりする恐れがあるので、相手がリラックスして話せる環境を整えるのが大切です。

参照元 厚生労働省「公正な採用選考の基本

外国人採用の面接を行う際の心得

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外国人相手に採用面接を行う際は、相手の緊張を解いて話しやすい状況を作ることが大切です。可能であれば、応募者の母国語で質問を行うと良いでしょう。日本語で質問する場合は、分かりやすい言葉を使うと相手も受け答えがしやすくなります。

自己紹介や雑談で相手の緊張をほぐす

面接を行う際は、最初にアイスブレイクとして自己紹介や雑談を挟みましょう。以下のような質問は、応募者の緊張を和らげるのに役立ちます。

「自己紹介をしてください」
「日本語はどのくらい勉強しましたか?」
「なぜ留学先に日本を選んだのですか?」
「日本に来たきっかけは何ですか」
「休日は何をして過ごしていますか」

相手の緊張がほぐれてきたら、志望動機やキャリアプラン、勤務条件などの具体的な話をしていきましょう。

答えやすいように簡単な日本語で質問する

外国人のなかには日本語で会話するのがまだ不得手な人もいるため、シンプルで聞き取りやすい言葉を心掛けましょう。また、質問する順番も重要です。質問の時間軸が行ったり来たりすると混乱しやすいため、聞きたいことは過去・現在・未来の順番で尋ねます。

雇用条件や待遇は明確に伝える

海外の面接では、応募者が給与や勤務条件、待遇について納得がいくまで質問をするのが一般的です。面接の段階で雇用条件や待遇をはっきりさせたいと考えている人も多いので、納得してもらえる回答を考えておきましょう。曖昧な受け答えはトラブルの原因になります。

可能であれば外国人の母国語で面接を行う

外国人相手に面接を行う際は、通訳を同席させたり相手の母国語を使ったりして面接を行うのをおすすめします。普段は日本語を話せる人であっても、面接となると緊張からうまく話せないことも。スムーズに面接を進めるためにも、相手の母国語で質問できるとベストです。社内に応募者の母国語が分かる社員がいれば面接に同席してもらうのも良いでしょう。また、手間は掛かりますが外部の通訳に依頼するのも一つの手段です。

外国人の採用面接を成功させるには求人の出し方が重要

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外国人相手に採用面接の成功率を高めるには、求人の段階で自社にマッチした人材を集めることが大切です。「どのような人材を求めているのか」「仕事に必要なスキルは何か」などを明確にし、条件に合った人材だけが応募してくるように工夫しましょう。また、求人に「外国人歓迎」「JLPTのN2以上歓迎」など分かりやすく記載しておけば、日本人以外からの応募のハードルも下がります。

外国人専門の人材紹介サービスを利用すると、採用がスムーズに進みます。「外国人人材紹介サービスで採用するメリットは?利用の流れや注意点を解説」では利用方法などを解説しているので、参考にしてください。

まとめ

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採用面接には聞くべき質問とタブーとされる質問があります。外国人の採用面接を行う際は、人権を侵害する質問をしないよう、細心の注意を払う必要があるでしょう。
優秀な人材を逃さないためにも、面接で質問するときのポイントや注意点はしっかり把握しておくことが大切です。