高度人材とはどのような外国人?ポイント制や優遇措置について

2024年01月09日
WeXpats Bizは外国人採用に特化した求人サイトWeXpatsJobsの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用・雇用に関する「採用ノウハウ」「市場動向」「在留資格管理」などの情報を発信。外国人採用・雇用にお悩みのある企業様に向けて、"現場で役立つ情報"を提供いたします。
WeXpats (執筆)
WeXpats専属ライターが執筆しています。WeXpatsは「海外へ挑戦する人々を後押しし世界中の就労に関わる問題を解決する」をミッションに掲げてメディア運営をしています。実際に、株式会社レバレジーズとして外国人労働者を雇用する実績のある企業からためになる情報をお届けします。 https://we-xpats.com/ja/destination/as/jp/

高度人材とは、特に優秀な知識や技術を持つ外国人のことです。専門性の高い職業に就いており、日本の経済にイノベーションをもたらす存在として積極的に受け入れが勧められています。
このコラムでは、高度人材とは何かを紹介。また、高度人材を受け入れる方法もまとめています。内容を参考にして、優秀な外国人人材を雇用しましょう。

 

目次

  1. 高度人材とは?
  2. 在留資格「高度専門職」の分野と種類
  3. 高度人材には優遇措置が設けられている
  4. 高度人材はポイント制によって決められている
  5. 高度人材を雇用する方法
  6. まとめ

高度人材とは?

高度人材とは?の画像

高度人材(高度外国人材)とは、専門的な技術や知識を有している外国人のことです。日本の産業や経済にイノベーションをもたらす存在として、積極的な受け入れが進められています。高度人材と認められた外国人には、在留資格「高度専門職」が付与され、日本在留が可能です。
出入国在留管理庁が発表した「令和5年6月末現在における在留外国人数について」によると、2023年6月時点で20,877人の高度人材が日本で就労しています。

在留資格「高度専門職」の分野と種類

在留資格「高度専門職」の分野と種類の画像

高度人材に付与される在留資格「高度専門職」は、「イ」「ロ」「ハ」の3分野に分かれるのが特徴です。1号・2号の分類もあるため、計6種類が存在します。

在留資格「高度専門職」の分野

在留資格「高度専門職」は以下の3分野に分かれています。

在留資格

区分

職種の例

高度専門職1号イ

高度学術研究活動

研究者や教師など

高度専門職1号ロ

高度専門・技術活動

IT技術者や設計者など

高度専門職1号ハ

高度経営管理・活動

経営者や管理者など

「イ」には通常在留資格だと「教授」や「研究」などに分類される活動が該当します。「ロ」は「技術・人文知識・国際業務」、「ハ」は「経営・管理」などに当たる分野です。

在留資格「高度専門職」の種類

在留資格「高度専門職」には1号と2号があります。はじめに高度人材が取得するのは1号です。1号で3年以上日本に在留したのち、素行要件などをクリアした人材は2号を取得できます。

高度専門職1号「ロ」とはどのような在留資格?外国人を雇用する企業に解説」では、特に取得者の多い「ロ」についてまとめています。

高度人材には優遇措置が設けられている

高度人材には優遇措置が設けられているの画像

日本政府は、高度人材の受け入れを増やすためにいくつかの優遇措置を設けています。

在留資格「高度専門職1号」の優遇措置

高度専門職1号の在留資格を取得した高度人材は、以下の優遇措置を受けられます。

  • 複合的な活動の許可
  • 5年の在留期間の付与
  • 永住許可要件の緩和(3年以上の在留で要件を満たせる)
  • 配偶者の就労の許可
  • 一定の条件のもと、親や家事使用人の帯同を許可
  • 入国や在留手続きの優先処理

このように、日本で長期的に暮らしやすくなる優遇措置が設けられています。

在留資格「高度専門職2号」の優遇措置

高度専門職2号になると、1号よりさらに優遇されます。1号の措置に加え、無期限の日本在留が可能です。また、就労に関する在留資格で許可されるほぼすべての活動が許可されます。

なお、在留資格「高度専門職2号」と「永住者」は両方とも在留期限がありません。しかし、「高度専門職は親や家事使用人の帯同が可能」「永住者は単純労働も可能」などの細かな違いがあります。そのため、ライフプランによっては高度専門職2号ではなく永住申請をする外国人も多いようです。

参照元
出入国在留管理庁「どのような優遇措置が受けられる?

高度人材はポイント制によって決められている

高度人材はポイント制によって決められているの画像

外国人が高度人材として日本に在留するには、高度人材ポイントで必要得点を獲得しなくてはなりません。ここでは、高度人材ポイント制の概要とポイント計算方法を解説します。

高度人材ポイント制とは

高度人材ポイント制とは、ポイント表を用いた外国人人材の評価方法のことです。学歴や年齢、年収、取得資格などに割り振られたポイントが合計70点以上になった外国人は、高度人材として認められます。

なお、2023年4月から特別高度人材制度(J-Skip)も導入されました。特別高度人材制度ではポイント表を使わず、学歴や職歴、年収で判断します。高度人材は2つの制度によって受け入れ可能であることを覚えておきましょう。

高度人材ポイントの計算方法

高度人材ポイント表は、「イ」「ロ」「ハ」の各分野によって配点が異なります。たとえば、博士号を持っている場合、高度学術研究分野および高度専門・技術分野の配点は30点です。一方、高度経営・管理分野では20点が割り振られます。
職歴に関しては、長ければ長いほど配点が高くなる仕組みです。年収は1,000万円を超えていると、最大得点の40点が獲得できます。

このほかの基本要件のほか、「日本語能力試験の獲得級」「日本で獲得した学位」などによるボーナス得点を足した点数が70点以上であれば、「高度専門職1号」を取得可能です。

参照元
出入国在留管理庁「高度人材ポイント制とは?
出入国在留管理庁「特別高度人材制度(J-Skip)

高度人材を雇用する方法

高度人材を雇用する方法の画像

高度人材を雇用する方法は、人材が日本にいる場合と海外にいる場合とで異なります。

日本にいる人材を雇用する場合

日本にいる人材を雇用する際の流れは以下のとおりです。

  1. 募集
  2. 採用選考
  3. 内定
  4. 雇用契約の締結
  5. 在留資格変更許可申請(必要に応じて)
  6. 雇用開始

人材がこれから在留資格「高度専門職1号」を申請する場合、「在留資格変更許可申請」が必要です。手続きは原則本人が行いますが、雇用する企業のサポートも欠かせません。

すでに高度人材として活動している外国人を中途採用する場合は、在留資格の手続きは不要です。

海外から招へいする場合

海外から人材を呼び寄せて雇用する場合は、以下の手続きが必要です。

  1. 募集
  2. 採用選考
  3. 内定
  4. 雇用契約の締結
  5. 在留資格認定証明書交付申請
  6. 在留資格認定証明書原本を人材に送付
  7. 本人の入国を待つ
  8. 雇用開始

「在留資格認定証明書交付申請」は、外国人を雇用する企業が行います。企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署にて、必要事項を記入したポイント計算表やポイントを立証する資料などを提出し、手続きを行いましょう。

審査のあと、在留資格認定証明書が交付されたら人材に原本を送付します。人材は、在留資格認定証明書を用いてビザ(査証)を発給し、日本に入国する仕組みです。

参照元
出入国在留管理庁「手続きの流れは?必要な申請書類は?

まとめ

まとめの画像

高度人材とは、高い知識や技術を持つ外国人のことです。雇用すれば、企業の経営や業績に良い影響を与えてくれるでしょう。ほかの在留資格とは異なるポイント制が採用されているので、雇用時はよく制度を確認してください。