日本留学を検討していても、費用面が心配という人も多いでしょう。日本留学の費用は、進学する学校の種類で大きく異なります。国立や公立大学に入学すれば、学費を抑えられるでしょう。また、奨学金を受けたりアルバイトをしたりすることで、金銭面の負担を減らせます。
このコラムでは、日本留学に掛かる費用を解説。内容を参考にして、留学における金銭面の不安を解消しましょう。
目次
日本留学に掛かる費用
日本留学に掛かる費用には、主に「授業料」と「生活費」の2つがあります。
日本留学費用1:授業料
日本学生支援機構によると、日本の教育機関の初年度(1年目)に必要な入学金および授業料の平均金額は以下のとおりです。
【大学】
国立 |
公立 |
私立(医歯薬以外) |
私立(医歯薬以外) |
|
大学院 |
約820,000円 |
約900,000円 |
約1,100,000円 |
約850,000円 |
大学(学部) |
約820,000円 |
約930,000円 |
約1,100,000円 |
約3,200,000円 |
短期大学 |
約610,000円 |
約960,000円 |
【大学以外】
教育機関名 |
費用 |
高等専門学校(国立) |
約320,000円 |
専門学校 |
約890,000円 |
日本語教育機関 |
約680,000円 |
引用:独立行政法人日本学生機構「留学費用」
私立よりも国立や公立大学のほうが、授業料は低額です。しかし、その分入試の倍率が高く、入学するには高い学力が求められます。
初年度は学校に納める授業料のほかに、試験を受けるための受験料や受験を受ける際の航空券代、日本滞在費なども必要です。
日本留学費用2:生活費
2019年の日本学生支援機構の調査によると、外国人留学生の1ヶ月の平均生活費は以下のとおりです。
- 学習研究費:45,000円
- 通学費、交通費:5,000円
- 食費:28,000円
- 住宅費:35,000円
- 光熱費:7,000円
- 保険医療費:3,000円
- 趣味、娯楽費:6,000円
- その他:9,000円
日本での生活に慣れてきたら、無理のない範囲で節約できるところを探してみましょう。
日本の単身世帯の生活費については「日本の生活費はどれくらい?一人暮らしの平均や節約のコツを紹介」のコラムを参考にしてください。
参照元 独立行政法人 日本学生支援機構「令和元年度 私費外国人留学生生活実態調査」
ピックアップ記事
奨学金で日本留学費用をまかなう方法もある
日本では、多くの学生が奨学金の力を借りながら学校に通っています。外国人留学生向けの奨学金も用意されているので、上手に利用して勉強に励みましょう。
奨学金を受け取る学生は多い
日本では、多くの学生が奨学金を利用しています。「令和2年度学生生活調査結果」によると、日本の大学生(昼間部)の半数近くが、何らかの奨学金を得て学校に通っていました。奨学金を受け取っている学生は、収入全体の19.4%を奨学金で賄っており、アルバイト代が占める割合の19.9%とほとんど変わりません。日本の学生が安心して勉強に励むために、奨学金は必要不可欠な制度といえます。
なお、奨学金を受け取っているのは、日本の学生だけではありません。母国や日本から奨学金を得て勉強をしている外国人留学生もいます。もし、留学に対して金銭面の不安を抱えている場合は、利用を検討してみても良いでしょう。
奨学金の種類
外国人留学生が利用できる日本の奨学金には、以下の種類があります。
- 日本政府(文部科学省)奨学金:「ヤングリーダーズプログラム」「研究留学生」など7つの種類があり、在外日本公館もしくは日本の大学からの推薦が必要
- 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金:留学生受入れ促進プログラム(文部科学省外国人留学生学習奨励費)と海外留学支援制度(協定受入)奨学金の2種類がある
- 地方自治体奨学金:各地方自治体(都道府県や市町村)が設けている奨学金
- 民間団体奨学金:民間の団体が設けている奨学金
このほかに、学校が独自で設けている奨学金制度もあります。
奨学金を受け取る方法
日本で奨学金を受けるためには、事前に申請できる奨学金の種類(支給機関および団体)と応募条件、申請方法などをしっかり調べて応募することが重要です。年齢や出身国・地域、日本での在籍校、専攻分野によって受けられる奨学金の種類が決まるので、自分に相応しい種類の奨学金を探しましょう。
奨学金を受けるための審査には、書類審査のほか、面接、筆記試験、語学試験などがあります。授業料や生活費など、留学に入る費用をほぼ保障できる奨学金から小さな金額の奨学金まで、細かく調べて活用してみてください。
参照元 独立行政法人日本学生支援機構「日本留学奨学金パンフレット2022-2023」
アルバイトで日本留学費用をまかなう方法
外国人留学生の多くは、勉強のかたわら、放課後や休みの日にアルバイトをして生活費を捻出しています。ただし、いくつかの制限があり、守らないと在留資格の更新に影響がでるので十分注意しましょう
資格外活動許可を得る必要がある
外国人留学生がアルバイトをするには、住んでいる場所を管轄する地方出入国在留管理官署で「資格外活動許可」を得なければなりません。資格外活動許可とは、在留資格外の活動を行うときに出す申請です。外国人留学生に付与される在留資格「留学」では、本来働くことが認められていません。しかし、資格外活動許可を得ることで、制限内でのアルバイトが許可されます。
もし、資格外活動許可を得ずにアルバイトをした場合、資格外活動許可違反として在留資格の更新が不許可になる可能性が高いでしょう。また、悪質な場合は退去強制になる可能性があります。そうなると日本での勉強が続けられません。正しく許可を取ってアルバイトを行いましょう。
留学生のアルバイトには制限がある
外国人留学生は、アルバイトができる時間や場所に制限があります。働けるのは週に28時間で、それ以上働くことはできません。ただし、学校で定められた夏休みや春休みなどの長期休暇中は、週40時間まで延長されます。制限のもと、どの程度アルバイト代を得られるか計算してみましょう。たとえば、東京都の場合だと2021年の最低時給は1,041円なので、通常時は最低でも週に29,148円、月に116,592円を得られます。この数字をもとに、どの程度仕送りが必要なのか、奨学金を得るべきなのかなどを考えてみましょう。
外国人留学生は時間だけでなく、アルバイトする場所にも注意が必要です。パチンコ店やキャバレー、ゲームセンターなどで働くことはできません。時給は高い傾向にありますが、決して働かないように注意しましょう。
資格外活動許可については「外国人留学生がアルバイトで時間超過したらどうなる?罰則や対策を紹介」のコラムでさらに詳しく解説しています。
参照元 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
まとめ
日本留学に掛かる費用は、それぞれの環境に合わせて調整できる部分もあります。奨学金、アルバイトなどの収入を最大限に活用しながら、慎重に経済的な留学生活を計画してみてください。