日本語には3つの文字 (ひらがな、カタカナ、漢字) があり、日本語は習得が難しい言語の 1 つと言われています。その中で多くの人が特に難しいと感じているのが漢字です。この記事では、「漢字とは?」「なぜ漢字を学ぶのは難しいの?」「正しい漢字の学習法は?」といった質問にお答えします!
目次
日本語の漢字を学ぶ前に知っておくべきこととは?
漢字とは?
漢字はひらがなやカタカナと共に、現代の日本語の書記体系で使用されています。漢字は日本語を書く上で重要な文字です。
ひらがなとカタカナはどちらも音節文字(一つの音を一字で表す文字)ですが、漢字は表意文字(一字一字が意味を表す文字)です。漢字にはそれぞれ意味があり、文字を組み合わせることで、さまざまな意味を持つ多くの単語を作ることができます。たとえば、電 (den) - electric と車 (kuruma) - car を組み合わせると、電車 (densha) → trainになります。
漢字の歴史
漢字は中国で生まれ、もともとは物事を図解するための絵のような記号でした。その後時が経つにつれて、それらの記号は今日の漢字に進化しました。現代の多くの漢字には、今でも元の「絵(記号)」の形の名残があります。
漢字は、朝鮮半島を経由して5世紀に初めて日本に伝わりました。それ以前の日本には独自の文字がなかったため、すべて中国語で書かれ、広まっていきました。その後、日本人は漢字の音に注目し、日本語の文法に合わせて「ひらがな」と「カタカナ」を作りました。日本独自の漢字も誕生し、中国に逆輸入された漢字も多くあります。
日本語の漢字は全部でいくつ?
正確には把握されていませんが、その数は数万字に上ると言われています。しかし、滅多に使われない漢字や古文書でしか使われない漢字も多いので、何万字も覚える必要はありません。日本人でもすべての漢字を知っているわけではないので、安心してください。
日本の文部科学省によると、常用漢字(日常生活で使われる一般的な漢字)は合計 2,136字。つまり、2,136字の漢字をすべてマスターすれば、ニュースを読んだり、本を読んだり、勉強したり、仕事をしたりといった日常生活は問題なくできるということです。
日本語能力試験(JLPT)のレベル別に分類すると、N5では100字、N4では300字、N3では650字、N2では1000字、N1では2000字を習得する必要があります。
日本語能力試験(JLPT)については「JLPT(日本語能力試験)の申し込み方法や期間を外国人に向けて解説」の記事でより詳しく取り上げているので、ぜひ合わせてご一読ください。
なぜ日本語の漢字を学ぶ必要がある?
日本語では、3つの文字 (ひらがな、カタカナ、漢字) がそれぞれの役割を果たし、それらを組み合わせて形成されています。
日本語を学び始めたばかりの頃は、ひらがなだけを使う人も多いのではないでしょうか。たしかにひらがなは習得しやすいので楽かもしれませんが、ひらがなだけの文章だと、書いてあることが理解できないかもしれません。
例えば、次の例を見てください。
- にわにはにわとりがいる
- 庭には鶏がいる
すべてひらがなで書かれた上の文と漢字が含まれている下の文とでは、どちらが読みやすいでしょうか。日本語には文中にスペースがないため、漢字で文を書くと、文中の単語を区別しやすくなり、文が読みやすくなります。また、日本語は音節が多いので、漢字を使うと2〜3音節(またはそれ以上)短縮できます。
さらに、日本語には同じ音でも意味が違う言葉(例えば、橋 (hashi)と箸 (hashi))が多くあるので、意味の区別も簡単になります。
このように、漢字は文中の単語の区別や、同じ読みを持つ単語の意味の区別に役立つので、非常に便利な文字なのです。
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漢字の読み方
各漢字には通常 2 つの読みがあります。
- 音読み:中国語の発音をもとにした読み方。
- 訓読み:漢字の意味を表す日本語の読み方。
では、音読みと訓読みの使い分けはどうすればよいでしょうか。
通常、漢字が単語の中で他の漢字と並んでいる場合は、音読みに従って読みます。その漢字が単独またはひらがなと一緒になっている場合は、訓読みに従って読みます。ただし、例外も多くあるので注意しましょう。
また、漢字の読みが必ずしも訓読みや音読みと一致するとは限りません。たとえば、「学校」は 「学」と「校」の2文字を組み合わせたもので、「学」の音読みは「がく」ですが、「がくこう」ではなく「がっこう」と読みます。これは、単語を発音しやすくするための日本語の連結です。
漢字の書き方
ほとんどの漢字は簡単に真似できますが、複雑な漢字は10 画、20 画、さらには30 画以上のものもあります。しかし、よく見ると漢字は同じ画(線や点)を何度も繰り返しているだけであることに気が付きます。それが漢字を学ぶためのヒントです!
漢字を書く際に重要なことは、最初から正しい書き順と字形に気をつけ、悪い癖をつけないようにすることです。漢字を学習している人の中には、漢字は書ければよくて、書き順は問題ではないと考える人も多いでしょう。ただし、正しい書き順は漢字を正しく覚えるのに役立つだけでなく、すばやく書いたり、さまざまな書体を使用したりしても文字を認識しやすくなるので、非常に重要です。
漢字を正しく書くには、次の規則を知っておく必要があります。
- 上→下
- 左→右
- 横の画→縦の画(例外もあり)
- 囲み部分→中
- 囲み部分は左の縦書きが先
効果的な漢字の学習法
本で漢字を学ぶ
おすすめの漢字の本をいくつか紹介します。
- 『Kanji Look and Learn』
- 『漢字マスター』
- 『日本語総まとめ漢字』
※それぞれ初級者から上級者までのレベルがあります。
214個の部首で漢字を覚える
漢字の「部首」を知っていますか?前述したように、漢字は画(線や点)の繰り返しで、これらの画は「部首」と呼ばれ、全部で214個あります。部首は「さんずい→水に関係するもの」「きへん→木に関係するもの」といったように、漢字の意味を表しているものが多くあるので、初めて見た漢字でも意味を推測することができます。つまり、部首を意識するだけで効率的に漢字を覚えることができるでしょう。
こちらのサイトでは、漢字の部首を調べることができます。
アプリを通じて日本の漢字を学ぶ
外国語を学ぶためには継続的に学習することが大切です。そこで、いつでもどこにでも持ち歩いているスマートフォンを使った学習方法を紹介します。
アンキ
フラッシュカード方式で学びたい方にぴったりのアプリ!
Anki は、コンピューターのWebブラウザーで直接使用することも、ダウンロードして iOS または Androidで使用することもできます 。
クイズレット
このアプリはクイズ感覚で遊びながら学ぶことができ、自分でクイズの作成もできます。また、友達と対戦できるマッチモードや理解度を図るテストモードもあるので、モチベーションを維持できます。
Quizletは、コンピューターのWebブラウザーから直接使用することも、ダウンロードしてiOSまたはAndroidで使用することもできます 。
MochiMochi - Learn Kanji
このアプリは単語が5段階にレベル分けされており、学習の有無、単語の難易度が簡単にわかります。また、リマインダーモードもあり、長時間アプリを使わないとアプリから学習を促す通知が来るので、継続的に学習できるでしょう。
こちらはiOSおよびAndroidで使用することができます。
まとめ
漢字を難しいと感じる方も多いかもしれませんが、漢字は「文を書く際に文中の単語の区別がしやすくなる」「文字数が少なくなる」「初めて見る漢字も部首から意味を推測できる」といった良い面が多く、便利な文字です。「日本語を勉強する外国人向け!おすすめの学習法を紹介」や「日本語初心者におすすめの勉強方法を紹介!間違えやすいポイントとは」などの記事も参考に、自分にあった学習法を見つけてぜひ漢字学習をがんばってください。