難しい日本語を使った例文を紹介!言葉の意味や表現の違いを理解しよう

WeXpats
2023/12/28

日本語には、読み方が複数ある漢字やオノマトペ、同音異義語など難しいとされる要因が複数あります。そのため、使いこなすには使用する言葉の意味や特徴を理解することが必要です。
このコラムでは、日本語学習者が難しいと感じる日本語表現を、例文とともに解説します。例文を読んで、どの程度日本語を理解できているかチェックしてみてください。また、ダジャレなどの面白い日本語表現を知って、楽しく学習を進めましょう。

目次

  1. 学習者が日本語を難しいと感じる理由
  2. 難しい日本語の例文【漢字の読み方】
  3. 難しい日本語の例文【同音異義語やダジャレ】
  4. 難しい日本語の例文【複数の使い方と意味がある言葉】
  5. 難しい日本語の例文【一文字の違いで意味が異なる文】
  6. 難しい日本語の例文【主語や目的語の省略】
  7. 難しい日本語の例文【オノマトペを多用】
  8. 難しい日本語の例文【長音やアクセント】
  9. 難しい日本語の例文【勘違いしやすい表現】の画像
  10. まとめ

学習者が日本語を難しいと感じる理由

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日本語の文章は、漢字の読み方が複数あったり主語や目的語が省略されたりすることから、難しいと感じる学習者もいるようです。また、日本語にはオノマトペや音を伸ばすかどうかで意味が異なる言葉も多数あるため、聞き取りが難しく難易度が高く感じる人もいます。難しいとされる日本語をより深く知ることで、新たな発見や面白さに気付く可能性もあるでしょう。母語との違いを理解し、楽しく日本語の学習を進めてください。

難しい日本語の例文【漢字の読み方】

難しい日本語の例文【漢字の読み方】の画像

日本語には、一つの漢字に複数の読み方があります。ここでは、複数の読み方を持つ漢字を例文と一緒に紹介するので、正しく読めるかどうか確認してみてください。

「日」

【例文】
1月1日は日本の祝日です。その日は日曜日で、5日ぶりに雨が降りました

【読み方】
1月1日(ついたち)は、日本(にほん)の祝日(しゅくじつ)です。その日(ひ)は日曜日(にちようび)で、5日(いつか)ぶりに雨が降りました

「月」

【例文】
9月の第3月曜日にお月見をしましょう

【読み方】
9月(くがつ)の第3月曜日(げつようび)にお月見(つきみ)をしましょう

「生」

【例文】
父は、生の魚を売ることを生業にしている。父にとって仕事は生きがいで、毎日一生懸命働いている

【読み方】
父は、生(なま)の魚を売ることを生業(なりわい)にしている。父にとって仕事は生き(いき)がいで、毎日一生懸命(いっしょうけんめい)働いている

「上」

【例文】
友人の村上さんと近所を散歩した。神社の階段を上ると木の上にリスの姿が見えた。川の上流は空気が澄んでいて気持ちが良かった

【読み方】
友人の村上(むらかみ)さんと近所を散歩した。神社の階段を上る(のぼる)と木の上(うえ)にリスの姿が見えた。川の上流(じょうりゅう)は空気が澄んでいて気持ちが良かった

「楽」

【例文】
音楽は私にとって楽しめる娯楽の一つだ。バラード調の楽曲を聴くと気持ちが楽になりリラックスできる

【読み方】
音楽(おんがく)は私にとって楽(たの)しめる娯楽(ごらく)の一つだ。バラード調の楽曲(がっきょく)を聴くと気持ちが楽(らく)になりリラックスできる

「行」

【例文】
昨日は学校行事で遠足に行った。天気も良く、無事に行われて良かった

【読み方】
昨日は学校行事(ぎょうじ)で遠足に行った(いった)。天気も良く、無事に行われて(おこなわれて)良かった

漢字には音読みと訓読みがあり、訓読みの漢字には送り仮名が付くこともあります。また、人名や地名などに使われる漢字には、独特な読み方をするものも少なくありません。漢字を覚える際は、複数の読みやよく使われる熟語もあわせてチェックしておきましょう。

ほかにも、漢字のクイズに挑戦したい方は、「外国人向け日本語クイズ!何問答えられるかチャレンジしてみよう」のコラムを参考にしてください。

難しい日本語の例文【同音異義語やダジャレ】 

難しい日本語の例文【同音異義語やダジャレ】の画像

日本語には、同じ読み方でも違う意味を持つ「同音異義語」があります。同音異義語は漢字を見れば違いはすぐ分かるものの、会話などで聞き取る際は前後の文脈から判断することが必要です。

たとえば、「はしを渡る」と「はしを持つ」には、それぞれ「橋」と「箸」の同音異義語が当てはまります。同じ「はし」で判断しにくい場合は、文脈やイントネーションから適切な漢字を当てはめると良いでしょう。以下の例を参考に、同音異義語について理解を深めてください。

同音異義語

【例】

  • かてい:「家庭」「過程」「課程」「仮定」「下底」など
  • こうしょう:「交渉」「高尚」「工商」「考証」「口承」など
  • かいとう:「解答」「回答」「怪盗」など
  • さいしょう:「最小」「最少」「細小」など
  • たいしょう:「対象」「対称」「対照」「大賞」「大勝」「大正」など
  • かんしょう:「観賞」「鑑賞」「干渉」「感傷」など
  • かき:「柿」「牡蠣」「夏季」「下記」など
  • せいさん:「清算」「精算」「生産」「成算」など
  • ほしょう:「保証」「保障」「補償」など
  • たいせい:「体制」「態勢」「耐性」など
  • いどう:「移動」「異動」「医道」「異同」など

また、同音異義語や似ている読み方の音を持つ言葉をかけた言葉遊びを、ダジャレ(駄洒落)といいます。ダジャレを使った例文は以下のとおりです。

ダジャレ

【例文】

  • 「ぞう」:象の像(ぞう)が見えたぞう
  • 「ねこ」:猫がねころんだ
  • 「こうちょう」:校長先生はいつも絶好調(ぜっこうちょう)
  • 「よそう」:悪いことを予想(よそう)するのはよそう
  • 「いいわけ」:言い訳(いいわけ)ばかり言っていいわけ?

例のほかにも、日本語のダジャレはたくさんあります。本やWebサイトで探してみたり自分で作ってみたりするのもおすすめです。ダジャレを楽しみながら、日本語の語彙を増やしていきましょう。

日本語をクイズ形式で楽しく学びたい方は「日本語の略語クイズ!正式名称や若者言葉を答えられるか試してみよう!」のコラムを参考に、略語クイズにも挑戦してみてください。

難しい日本語の例文【複数の使い方と意味がある言葉】

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日本語には一つの言葉に対し複数の使い方や意味があるため分かりづらいこともあります。日常会話でよく使われる言葉の中でも、特に意味が分かりにくいのが「すみません」「やばい」「かわいい」の3つです。以下の文章はどのような意味を持つかを考えてみましょう。

「すみません」

(1)ミスをしてしまい、すみませんでした
(2)すみません、コーヒーをください

(1)は謝罪の意思を伝え、(2)は誰かに話しかけるときの声掛けとして使用しています。本心ではさほど謝罪の意思がない場合でも、他者との摩擦を避けるクッション言葉として「すみません」を使うことは珍しくありません。

「やばい」

(1)やばい!憧れのアイドルに会えた!
(2)やばい!寝坊した!

「やばい」は嬉しいときと、困ったときの両方で使われる若者言葉です。(1)は憧れのアイドルに会えて「とても嬉しい」という感情を表現していて、(2)は寝坊してしまったので「どうしよう…困った…」といった気持ちを表しています。

ほかにも、「やばい」は一言で驚きを表現するなど、特殊な使い方をされている言葉です。今では若者だけでなく、幅広い年齢の日本人が日常的にさまざまな場面で使用しています。ただし、「やばい」はカジュアルな表現であるため、ビジネスシーンでは使わないようにしましょう。

「かわいい」

(1)このネコ、小さくてかわいい
(2)あのビル、キラキラしていてかわいい

「かわいい」は感じ方が人によって異なるため、そもそも理解が難しい言葉です。(1)のように本来の意味である「愛らしいもの」に対して使うのが本来の使い方といえます。

また、(2)のような無機質な物体に対して使う人も。一見「かわいい」とは掛け離れたものに対して使う人がいるため、学習者は混乱するでしょう。

難しい日本語の例文【一文字の違いで意味が異なる文】

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日本語の助詞にはさまざまな意味があるため、一文字の違いで文の意味が異なることもあります。また、長音と短音、濁点の有無によって全く違う意味に変わる場合も。例文を参考に違いや使い方を理解しましょう。

「は」と「が」

  • 父は、医者です
  • 父が、医者です

「は」は、父について説明したいときに使います。「は」の後は父について伝えたい情報です。「が」はその前の名詞(父)を強調したいときに使うため、「が」の前に伝えたい情報があることを表しています。

「が」と「で」

  • ジュース「が」いいです
  • ジュース「で」いいです

「が」は、ジュースが一番いいという意味で使います。「で」は、ほかに良いものもあるが、ジュースでもいいという意味です。人に何か勧められた際に「で」を使うと失礼な応答になる場合もあります。どちらがいいか選ぶ際は、「が」を使うようにしましょう。

「に」と「へ」

  • 明日、どこに行きますか?
  • 明日、どこへ行きますか?

「に」は特定の場所を指すときに使い、「へ」は広い範囲を示すときに使います。しかし、「に」と「へ」の使い方を間違えても、大きく意味が異なるわけではありません。また、日常会話の中では、どちらも入れずに「明日、どこ行く?」と言う日本人もいます。

「すわる」と「さわる」

  • すみません、少しすわっても良いですか?
  • すみません、少しさわっても良いですか?

一文字の違いですが意味が全く異なるので、「すわる」と「さわる」は言い間違えないよう注意が必要です。ほかにも、音の響きが似ている「かわいい」と「こわい」も、真逆の意味なので発音に気を付けましょう。

濁点の有無で意味が異なる文

  • グラスをきれいに並べます
  • クラスをきれいに並べます

「グラス」は飲み物を入れるカップのことで、「クラス」は授業を一緒に受けるグループのことです。「グラス」と「クラス」は意味が全く違う言葉になるので、間違えると会話が成立しません。

例文で紹介した「すみません」の意味について詳しく知りたい方は、「sumimasen(すみません)の意味や正しい使い方を紹介!」のコラムも参考にしてください。

難しい日本語の例文【主語や目的語の省略】

難しい日本語の例文【主語や目的語の省略】の画像

日本語には、主語や目的語が省略されている会話があります。例文を参考に、省略された主語や目的語について理解しましょう。

【例文1】
A.昨日、テレビを見ましたか?
B.見ました

上記の会話に英語の文法のような主語と目的語を追加すると、「A.あなたは昨日、テレビを見ましたか?」「B.私は昨日、テレビを見ました」となります。

【例文2】
A.先週借りた、あの漫画を読みました
B.面白かったですか?

日本語学習者にとって(2)は、「誰の」や「何について」話しているのかが分かりづらい会話です。日本人同士の場合は「先週私が貸したあのマンガ…あーあれね」とイメージして、相手が何を言いたいのかを想像しながら会話を進めることができます。

(2)の例文に主語と目的語を追加すると、「A.私はあなたから先週借りたマンガを読みました」「B.あなたは、それ(マンガ)を読んで面白かったですか?」となります。このような会話は、文脈を読むことに慣れていない人にとっては、理解するのが難しいでしょう。

日本語の文法について知りたい方は、「日本語の文法について解説!正しく理解できているかチェックしよう」のコラムを参考にしてください。

難しい日本語の例文【オノマトペを多用】

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擬音語(ぎおんご)・擬声語(ぎせいご)・擬態語(ぎたいご)を総称してオノマトペといいます。オノマトペは音や声、物事の状態や動きなどを表し、国によっても表現方法が異なる言葉です。例文を参考にオノマトペの意味を覚えていきましょう。

「くらくら」

【例文】
風邪で熱があるせいか、頭がくらくらする

【意味】
めまいがする。倒れそうな様子

「ぺこぺこ」

【例文】
朝から何も食べていないので、お腹がぺこぺこです

【意味】
空腹を表す

「じめじめ」

【例文】
雨が多いと部屋がじめじめするので嫌だ

【意味】
湿気が多い様子

「ドキドキ」

【例文】
人前で話すのは苦手なのでドキドキする

【意味】
期待や不安、緊張を表す

「モテモテ」

【例文】
私の父は、若いころはモテモテだったらしい

【意味】
人気があり異性から好かれること

例文で紹介した以外にも、オノマトペは多数あります。日本人との会話でよく使われるオノマトペや気になった表現を少しずつ覚えていきましょう。

ほかにもオノマトペについて知りたい方は、「日本語のオノマトペクイズ全30問を出題!楽しく学びたい人におすすめ」のコラムにあるオノマトペクイズに挑戦してみてください。

難しい日本語の例文【長音やアクセント】

難しい日本語の例文【長音やアクセント】の画像

長音とは、母音を通常の倍にのばした音のことです。「ビール」と「ビル」など、音を伸ばすかどうかで意味が異なる日本語は数多くあるため注意しましょう。
また、日本語のアクセントは基本的に高低で表されます。以下の例文を読み、長音の読みやアクセントについて理解を深めましょう。

長音

【例文】「おばあさん」と「おばさん」
(1)私の家の近所には、おばあさんが住んでいます
(2)私の家の近所には、おばさんが住んでいます

【解説】
(1)のおばあさんは祖母を指します。おばあさん=高齢の女性のことを指すのが一般的です。一方、(2)のおばさんは親族の叔母や知り合いの成年女性を指します。

同様に、「おじいさん」は祖父、「おじさん」は叔父や成年男性を指します。

アクセント

【例1】はる

春:「は」が高音
貼る:「る」が高音

【例2】あめ

雨:「あ」が高音
飴:「め」が高音

【例3】かき

牡蠣:「か」が高音
柿:「き」が高音

日本語のアクセントやイントネーションには基本の型があるものの、地域によっても異なります。アクセントが違っても読み方さえ間違わなければ、文脈で判断できるため意思疎通は可能です。

関西弁のイントネーションについて知りたい方は、「関西弁の特徴とは?特有のイントネーションやかわいい言葉を一覧で紹介!」のコラムを参考にしてください。

難しい日本語の例文【勘違いしやすい表現】

難しい日本語の例文【勘違いしやすい表現】の画像

日本語は、ニュアンスの違いにより異なる意味や表現になることもあります。ここでは、日本語学習者が間違いやすい表現について解説するので、参考にしてください。

「痛い」と「悪い」

  • 「頭が痛い」:病気などで頭痛が起きている様子。または、問題を抱えて悩んでいる様子
  • 「頭が悪い」:知能が低く、理解が乏しいという意味

「痛い」と「悪い」を言い間違えると全く違う意味になるので注意しましょう。また、体調などが優れないときは、「調子が悪い」といいます。「調子が痛い」とは言わないので気を付けてください。

「かわいそう」

「かわいそう」は、漢字で「可哀想」と表記し、気の毒な様子や同情する状況を表します。しかし、日本語学習者のなかには、「おいしそう」「面白そう」「嬉しそう」など見た目からの推察を表す「~そう」を「可愛い」に付けてしまう人も。以下の例文のように、「可愛い+そう」で「かわいいそう」といってしまうと「かわいそう」と聞こえ、「可哀想」という同情の意味で捉えられる可能性もあるため注意しましょう。

A.昨日、友人の家族に赤ちゃんが生まれて、写真が送られてきたんだ
B.わぁ~、本当に小さくて「かわいそう」な赤ちゃんですね

(B)は、赤ちゃんを「可愛い」と言いたかったにもかかわらず、「かわいそう(可哀想)」と伝えています。可愛いを使うときは、「可愛い赤ちゃんですね」「可愛らしい赤ちゃんですね」と表現すると良いでしょう。

「頭が痛い」「体調が悪い」のほかにも、病気になったときに使う表現について知りたい方は、「病気になったとき日本語でなんて言う?状況別の例文つきで解説」のコラムを参考にしてください。

まとめ

まとめの画像

日本語の文章では漢字の読み方が複数あったり、主語や目的語が省略されたりすることから、難しいと感じる人もいます。また、日本語には一文字の違いや音を伸ばすかどうかで意味が異なる言葉も多数あるため、母語との違いにより複雑に感じる部分も。日本語のドラマや漫画といった自分の好きなものも取り入れ、楽しく学べるよう工夫してみましょう。

ライター

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