日本語が難しいと感じる人が多い理由は?例文や勉強法を分かりやすく解説!

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2023/02/13

日本語は、習得するのが難しい言語といわれています。理由はさまざまあり、たとえば使う文字の多さや漢字の存在が学習のネックになっている場合が多いようです。このコラムでは、日本語学習者が日本語を難しいと感じる理由について詳しく解説。内容を読めば、現在自分がどの程度の日本語を理解できているか理解を深めることができるでしょう。使い分けが難しい例文や、おすすめの勉強法を参考にして日本語学習に役立ててください。

目次

  1. 学習者が日本語を難しいと感じる理由 
  2. 難しいと感じる日本語の例文
  3. 日本語を難しいと感じる人におすすめの勉強法 
  4. まとめ

学習者が日本語を難しいと感じる理由 

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日本語を難しいと感じる理由は、学習者の母国語やレベルによってさまざまです。ほかの学習者が難しいと感じるポイントを理解することで、日本語についての理解が深まり今後の学習に活かせるでしょう。ここでは、学習者が日本語を難しいと感じる理由について詳しく解説します。

使用する文字の種類が多い

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日本語は、平仮名やカタカナ、漢字、アルファベットを使用します。英語のようにアルファベットのみで表現される言語と異なり、日本語は4種類の言葉を使い分ける必要があるため難しいと感じる人も多いといえるでしょう。またカタカナ語と呼ばれる和製英語も広く使用されていることから、会話の聞き取りや意味の理解が難しいと感じる人もいます。

漢字の読み方が複数ある

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日本語の漢字には、一つの漢字に対して複数の読み方があるため苦戦する学習者も多いでしょう。日本語の漢字には、中国から伝わった発音が元となった音読み(おんよみ)や、日本で作られた訓読み(くんよみ)があります。中には、音読みと訓読みで構成された熟語もあるため読み方は複雑です。また、訓読みには送り仮名が付く場合も多いため、読み方が難しいと感じる人も。まずは、日常生活でよく使われる簡単な漢字の読み方から少しずつ覚えていきましょう。

オノマトペを多用する

擬音語(ぎおんご)・擬声語(ぎせいご)・擬態語(ぎたいご)を総称してオノマトペといいます。オノマトペは音や声、物事の状態や動きなどを表し、国によっても表現方法が異なる言葉です。日本人はオノマトペを会話中に多用するため、日本独自の表現を理解するのが難しいと感じる人も。何を表す言葉なのか、意味に注意して少しずつ覚えていきましょう。

方言がある

方言とは、日本語の共通語や標準語とは異なる発音や意味で表現された、地域独自の言葉です。日本では「〇〇弁」ともいわれ関西弁や東北弁など地方区分で呼ばれたり、大阪弁や京都弁など県名をつけて呼ばれたりします。日本人同士であっても馴染みのない方言をすぐに理解することはできません。そのため、標準語しか知らない日本語学習者にとっては、地域独自の方言を理解するのはさらにハードルが高く、難しいと感じるでしょう。

発音が難しい

濁音や促音、撥音は学習者にとって難しいと感じる日本語の発音です。濁音は「がぎぐげご」のように単語に「゛」を付けて発音するため、中国語や韓国語の母語話者にとっては難しいと感じることも。また、学校(がっこう)や作家(さっか)など小さい「っ」を使う促音や、電話(でんわ)や勉強(べんきょう)など「ん」を使う撥音も、学習者の母語によっては練習が必要です。

文法が複雑 

文法が複雑 の画像

日本語の文法は、SOV構造であり、文の主語 (Subject)、目的語 (Object)、動詞 (Verb) の順で表現します。韓国語やトルコ語、ヒンディー語など、日本語と同じ文法構造を持つ母語話者にとっては理解しやすい部分もあるでしょう。一方で、英語や中国語などSVO構造の文法構造を持つ母語話者にとっては日本語の文法は複雑で難しいと感じる人もいます。

日本語の難しさについては「日本語が難しい理由って?ほかの言語と比較してみよう」や「日本人でも日本語を難しいと思う理由とは?外国人が習得する方法も解説!」のコラムでも紹介しています。参考にして日本語習得に役立てましょう。

難しいと感じる日本語の例文

難しいと感じる日本語の例文の画像

日本語には同じ漢字でも読み方が複数あるものや、言葉の意味が複数あるもの、助詞の使い分けが難しいものがあります。ここでは、学習者が難しいと感じる日本語を例文を挙げて解説。違いに注意し、用法を理解しましょう。

漢字の読み方の使い分けが難しい文章

日本語の漢字には音読みと訓読みがあり、一つの文字に対して読み方が複数あります。例文の漢字を読み、正しい読み方を確認しましょう。

例文

(1)1月1日は日本の祝日です

(2)その日は日曜日で、5日ぶりに雨が降りました

(3)来週の月曜日にお月見をしましょう

(4)3月に月食が見られるらしい

(5)先生の話を一生懸命に聞く

(6)父は、生の魚を売ることを生業にしている

(7)音楽を聞いて踊るのは楽しい

例文の読み方

(1)いちがつついたちはにほんのしゅくじつです

(2)そのひはにちようびで、いつかぶりにあめがふりました

(3)らいしゅうのげつようびにおつきみをしましょう

(4)さんがつにげっしょくがみらられるらしい

(5)せんせいのはなしをいっしょうけんめいにきく

(6)ちちは、なまのさかなをうることをなりわいにしている

(7)おんがくをきいておどるのはたのしい

漢字は、前後にある文字の組み合わせによって読み方を変える必要があります。送り仮名にも注意し、覚えていきましょう。

複数の使い方があり意味が分かりづらい文章

日本語には一つの言葉に対し複数の使い方や意味があるため分かりづらいことも。日常会話でよく使われる言葉の中でも、特に意味が分かりにくいのが「すみません」「やばい」「かわいい」の3つです。以下の文章はどのような意味を持つかを考えてみましょう。

「すみません」の例文

(1)ミスをしてしまい、すみませんでした

(2)すみません、コーヒーをください

(1)は謝罪の意思を伝え、(2)は誰かに話しかけるときの声掛けとして使用しています。本心ではさほど謝罪の意思がない場合でも、他者との摩擦を避けるクッション言葉として「すみません」を使うことは珍しくありません。

「やばい」の例文

(1)やばい!憧れのアイドルに会えた!

(2)やばい!寝坊した!

「やばい」は嬉しいときと、困ったときの両方で使われる若者言葉です。(1)は憧れのアイドルに会えて「とても嬉しい」という感情を表現していて、(2)は寝坊してしまったので「どうしよう…困った…」といった気持ちを表しています。
ほかにも、「やばい」という一言で驚きを表現するなど、特殊な使い方をされている言葉です。今では若者だけでなく、幅広い年齢の日本人が日常的にさまざまな場面で使用しています。ただし、「やばい」はカジュアルな表現であるため、ビジネスシーンでは使わないようにしましょう。

「かわいい」の例文

(1)このネコ、小さくてかわいい

(2)あのビル、キラキラしていてかわいい

「かわいい」は感じ方が人によって異なるため、そもそも理解が難しい言葉です。(1)のように本来の意味である「愛らしいもの」に対して使うのが本来の使い方といえます。

また、(2)のような無機質な物体に対して使う人も。一見「かわいい」とは掛け離れたものに対して使う人がいるため、学習者は混乱するでしょう。

一文字の違いで意味が異なる文章

日本語の助詞にはさまざまな意味があるため、一文字の違いで文の意味が異なることもあります。また、長音と短音、濁点の有無によって全く違う意味に変わる場合も。例文を参考に違いや使い方を理解しましょう。

「は」と「が」の例文

  • 父は、医者です
  • 父が、医者です

「は」は、父について説明したいときに使います。「は」の後は父について伝えたい情報です。「が」はその前の名詞(父)を強調したいときに使うため、「が」の前に伝えたい情報があることを表しています。

「に」と「へ」の例文

  • 明日、どこに行きますか?
  • 明日、どこへ行きますか?

「に」は特定の場所を指すときに使い、「へ」は広い範囲を示すときに使います。しかし、「に」と「へ」の使い方を間違えても、大きく意味が異なるわけではありません。また、日常会話の中では、どちらも入れずに「明日、どこ行く?」と言う日本人もいます。

「すわる」と「さわる」の例文

  • すみません、少しすわっても良いですか?
  • すみません、少しさわっても良いですか?

一文字の違いですが意味が全く異なるので、「すわる」と「さわる」は言い間違えないよう注意が必要です。ほかにも、音の響きが似ている「かわいい」と「こわい」も、真逆の意味なので発音に気を付けましょう。

長音かどうかで意味が異なる例文

  • 私の家の近所には、おばあさんが住んでいます
  • 私の家の近所には、おばさんが住んでいます

「おばあさん」は祖母を指し、「おばさん」は、親族の叔母や知り合いの成年女性を指します。「きいて」と「きて」、「ビール」と「ビル」など、音を伸ばすかどうかで意味が異なる日本語は数多くあるため注意しましょう。

濁点があるかどうかで意味が異なる例文

  • グラスをきれいに並べます
  • クラスをきれいに並べます

「グラス」は飲み物を入れるカップのことで、「クラス」は授業を一緒に受けるグループのことです。「グラス」と「クラス」は意味が全く違う言葉になるので、間違えると会話が成立しません。

主語や目的語が省略されている文章

日本語には、主語や目的語が省略されている会話があります。例文を参考に、省略された主語や目的語について理解しましょう。

会話の例文

(1)
A.昨日、テレビを見ましたか?

B.見ました

上記の会話に英語の文法のような主語と目的語を追加すると、「A.あなたは昨日、テレビを見ましたか?」「B.私は昨日、テレビを見ました」となります。

(2)
A.先週借りた、あの漫画を読みました

B.面白かったですか?

外国人にとって(2)は非常に難しい会話です。「誰の」「何について」話しているのかが分かりづらいでしょう。日本人は「先週私が貸したあのマンガ…あーあれね」とイメージして、相手が何を言いたいのかを想像しながら会話を進めることができるのも日本語の特徴です。

(2)の例文に主語と目的語を追加すると、「A.私はあなたから先週借りたマンガを読みました」「B.あなたは、それ(マンガ)を読んで面白かったですか?」となります。このような会話は、文脈を読むことに慣れていない人にとっては、理解するのが難しいでしょう。

この項目で説明した「すみません」の意味について詳しく知りたい方は「sumimasen(すみません)の意味や正しい使い方を紹介!」のコラムも参考にしてください。

日本語を難しいと感じる人におすすめの勉強法 

日本語を難しいと感じる人におすすめの勉強法の画像

日本語を難しいと感じている人は、自分の興味のあるものから学び始めると良いでしょう。関心のある分野の日本語を学ぶことは楽しさもあり、モチベーションアップにも繋がります。ここでは、おすすめの勉強法を解説。日本語学習の参考にしてください。

日本語のエンターテインメントから学ぶ

日本語の歌や映画、漫画やゲームは海外でも人気が高く、有名な作品も数多くあります。中でもドラマでの会話表現は、日常的に使う日本語に触れることができるためおすすめです。また、好きな日本語の歌を繰り返し歌ったり、漫画で使われている単語を調べたりするうちに、いつの間にか理解できる日本語が増えていくでしょう。ただし、アニメや漫画、映画などで出てくる言葉を日常会話で使うと、相手に失礼な印象を与える場合もあるため使う際は注意が必要です。

子ども向けの絵本から学ぶ

日本語の子ども向け絵本は、絵からある程度内容を想像できるので理解しやすいでしょう。「ふわふわ」「ザーザー」「バタン」などの言葉が多く使われているので、オノマトペの勉強もできます。短い文章やオノマトペを学びたい人には、絵本の活用がおすすめです。

日本史の本や漫画から学ぶ

日本史に興味がある場合は、歴史の本や漫画を読むのも良いでしょう。日本の歴史を知ることは、日本人の気質や言葉遣い、あるいは他者との関わり方などについての理解を深めることに繋がります。日本語と同じタイトルの本が母国語で出版されている場合は母国語で読み、内容を理解したうえで日本語で読む方法もおすすめです。ただし、古い時代に書かれた日本史の本は、古語などが使われており、現代の本と比べ理解しにくいことも。歴史の漫画も種類が豊富なため、長い文章を読むのが苦手な人は漫画を読むことから始めてみるのも良いでしょう。

オンライン授業を受けて学ぶ

インターネット環境が整っていれば、自宅でオンライン授業を受けてみるのも良いでしょう。疑問や不明点を直接先生に質問でき、会話の上達にも繋がります。近所に学べる学校が無い人や、空いている時間を使って日本語能力を高めたい人にはおすすめです。

SNSやアプリといったWebツールを使って学ぶ

昨今では、日本語学習に役立つさまざまなWebツールがあります。YoutubeやInstagramでは日本語の解説動画や記事などを投稿している人も多く、参考になる情報もあるでしょう。日本語が学べる語学アプリは、独学で勉強を進めたい人におすすめです。自分に合った勉強法を見つけ、日本語の学習に役立てましょう。

日本語を楽しく勉強する方法については「日本語の勉強方法を外国人に向けて解説!覚えるのが難しい内容も紹介」のコラムでも解説しています。併せてご覧ください。

まとめ

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日本語の文章では漢字の読み方が複数あったり、主語や目的語が省略されたりすることから、難しいと感じる人もいます。また、日本語には一文字の違いや、音を伸ばすかどうかで意味が異なる言葉も多数あるため、母語との違いにより複雑に感じる部分も。教科書での勉強に加え、日本語のドラマや漫画といった自分の好きなものも取り入れ、楽しく学べるよう工夫してみましょう。

ライター

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