日本語が難しい理由って?ほかの言語と比較してみよう

WeXpats
2023/02/10

日本語を学ぶ外国人のなかには「何故ここまで日本語は難しいの?」と疑問に思う人もいるでしょう。日本語が難しいのには、「漢字や敬語の使い分けが複雑」「方言が多い」などの理由があります。このコラムでは、日本語が難しい理由を各項目に分けて紹介。また、ほかの言語と比べて簡単な部分も解説しています。難しさにだけ着目していては学習のモチベーションも上がりません。日本語の簡単な部分も知って学習に活かしましょう。

目次

  1. 日本語は世界的に見ても難しい言語
  2. 外国人にとって日本語が難しい理由
  3. 日本語にほかの言語と比べて簡単な部分はある?
  4. まとめ

日本語は世界的に見ても難しい言語

日本語は世界的に見ても難しい言語の画像

日本語は、世界的に見ても難しい言語と位置付けられているようです。日本の外務省に当たるアメリカ合衆国国務省は、各言語の難易度を公表しています。なお、難易度の指標は英語話者であるアメリカ合衆国の外交官が、他国と交渉可能なレベルの語学力を身に付けるのに掛かる時間です。各言語は1~4のカテゴリーに分類されており、日本語は最難関であるカテゴリー4に分類されていました。カテゴリー4は対象の言語を習得するまでに、アメリカ合衆国の外交官が平均で88週間、授業時間にすると2,200時間掛かる難易度です。日常会話レベルを目指すのであればここまで時間は掛からないものの、日本語が難しい言語であることに変わりはないでしょう。なお、同じカテゴリー4には韓国語、アラビア語、中国語(広東語・北京語)が分類されています。

日本語に興味がある方には、「日本語が難しいといわれる理由とは?外国人が学習するときのコツを解説!」や「外国人が難しいと感じる日本語の例文を紹介!理解できるか挑戦してみよう!」のコラムもおすすめです。漢字の読み方を試す文章や、主語や目的語がなく意味が分かりづらい例文も紹介しているので、ぜひチェックしてみましょう。

参照元
 United States Department of State「Foreign Language Training

外国人にとって日本語が難しい理由

外国人にとって日本語が難しい理由の画像

外国人にとって日本語が難しいのは、主語を省略したり、言葉を使い分けたりといった仕組みが複雑なためです。また、オノマトペや方言、漢字も外国人が混乱する要因といえるでしょう。

オノマトペ

日本語は、擬態語や擬音語、いわゆるオノマトペを多用します。日本語は動詞や音節の数がほかの言語と比較して少なく、表現の幅を広げるためにオノマトペを多用するようになりました。外国人にとっては、オノマトペを覚えることそのものが難しく苦戦するようです。ほかの言語にもオノマトペはあります。しかし、言語が変わると全く異なるものになるので、より外国人は混乱するでしょう。

方言

日本語学習者を混乱させるのが方言です。海外にも方言は存在します。しかし、日本語の方言の多さは世界的に見ても珍しいようです。日本は縦に長い地形なうえ山や川が多く、交通の便が悪い時代には人々の往来が簡単にできませんでした。そのため、各地方が「くに」として独自の言葉や文化を築いていった結果、多くの方言が生まれたといわれています。日本の方言といえば関西弁が有名ですが、関西弁にも京都弁や奈良弁、大阪弁など地域によって少しづつ言葉が変わるのです。標準語を努力して習得した外国人がそのような方言を目の当たりにしたら、「日本語は難しい」と感じてしまうのも無理はないでしょう。

主語の省略

会話や文書において主語を省略する場合が多いのも、日本が難しいといわれる理由の一つです。特に、主語や述語をはっきりさせる英語を母国語とする人は、日本語の文書を読むと「誰が?」「誰の?」と混乱してしまうでしょう。日本語は文脈を読む言語です。前後の会話や文書の流れで主語が誰かを判断しなくてはなりません。

漢字

漢字の難しさは、日本語を学ぶ外国人であれば誰でもぶつかる壁でしょう。字画が多く読み分けが難しいのはもちろん、音読みや訓読みの使い分けで混乱するようです。訓読みは中国から伝わった発音、音読みは日本語で生まれた発音という法則はあるものの、日本人の多くは会話のなかで自然に使い分けています。外国人は漢字を覚えるだけでも大変です。そのうえ、「この場面では音読み?訓読み?」と使う場面も考えなくてはならないのは非常に難易度が高いでしょう。なお、日本語で読みやすい文書を書くには漢字に加え、ひらがなやカタカナの学習も必要です。

言葉の使い分け

日本語は場面によって使う言葉を変えなくてはなりません。特に敬語表現は、相手を敬う尊敬語と自分をへりくだらせて相手を尊重する謙譲語、言い回しを丁寧にする丁寧語が合わさるので難易度が非常に上がります。ほかの言語にも敬語表現はありますが、表現が丁寧になる程度で日本ほど複雑なものはなかなかないようです。

日本語が難しいと感じる方は「日本語を学ぶ外国人が難しいと感じる理由とは?挫折しやすいポイントを解説」も、参考にしてみてください。日本語が難しいといわれる理由を知って、今後の勉強に役立てましょう。

日本語にほかの言語と比べて簡単な部分はある?

日本語にほかの言語と比べて簡単な部分はある?の画像

習得が難しいといわれている日本語ですが「男性名詞や女性名詞がない」「発音がシンプル」など、ほかの言語と比べて簡単といえる部分もあります。難しいというネガティブな部分だけではなく、分かりやすい部分にも目を向けて前向きに学習を進めていきましょう。

あいまいな表現でも伝わりやすい

日本語はあいまいな表現が多い言語です。難しいと思う人もいる半面、全てを言語化しなくても会話の内容が伝わる点を分かりやすいと感じる外国人もいるでしょう。日本人はあいまいな表現から真理を読み取るコミュニケーションに長けています。そのため、外国人の表現が十分でなくても、「なんとなく」で会話が成立することも多いのです。「日本語がまだ完璧でない」と思っている方は勇気を出して日本人とコミュニケーションを取ってみましょう。自分の思っていたよりもスムーズに伝わるので、日本語勉強のモチベーションが上がるきっかけになります。

男性名詞や女性名詞がない

日本語には男性名詞や女性名詞がありません。ヨーロッパには名詞や、名詞と一緒に用いる形容詞に性別を付ける言語が存在します。性別の存在しないものにも男性名詞もしくは女性名詞を付けたり、中性名詞を付けたりするケースもあり非常に複雑です。男性名詞や女性名詞がない言語を母語とする人からすると、日本語は学びやすいといえるでしょう。

発音が複雑ではない

日本語は、発音においてはさほど難しくない言語だといわれています。日本語はほかの言語と比べて、母音や子音の数が少ないのが特徴です。つまり、発する音の数はあまり多くありません。外国人の母語よっては発音しにくい言葉はあるものの、イントネーションもシンプルなので習得にさほど時間は掛からないでしょう。

まとめ

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日本語は習得が難しい言語といわれています。特に英語を母語とする人からすると、最高難易度に位置付けられているようです。日本語が難しいのには、漢字の種類の多さや敬語の使い分け、主語が省略されやすいなどさまざまな理由があります。一方、発音が簡単だったり名詞に性別がなかったりとほかの言語と比べて簡単といえる部分もあるので、諦めずに学習に取り組んでみましょう。

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