かっこいい故事成語を紹介!日常会話でも使ってみよう

WeXpats
2023/09/14

中国の古典に書かれている逸話や出来事のうち、教訓や風刺として現代まで伝わった言葉を「故事成語(こじせいご)」といいます。現代でも会話や文章で頻繫に用いられるので、日本語を自然に使いこなすうえでは習得が欠かせません。
このコラムでは、かっこいい故事成語を厳選して紹介します。日本語についての理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 漢字がかっこいい故事成語
  2. 意味がかっこいい故事成語
  3. かっこいい故事成語を座右の銘にしてみよう
  4. まとめ

漢字がかっこいい故事成語

漢字がかっこいい故事成語の画像

ここでは、使われている漢字がかっこいい故事成語を紹介します。「竜」や「虎」などの漢字を使った故事成語は、意味が勇ましいのが特徴です。

画竜点睛

画竜点睛(がりょうてんせい)は、何かを仕上げるときに最後に行う重要な仕上げを指す故事成語です。張という中国の画家が、自分の書いた竜の絵に眼を書き入れたら動き出して天に登っていったという話から作られました。最後の仕上げが抜けているものに対して、「画竜点睛を欠く」のように使います。

「竜」という漢字が入っているので、かっこよさを感じられる故事成語です。

風林火山

風林火山(ふうりんかざん)は、戦国時代の武将である「武田信玄」が戦のときに掲げる旗に書いていた文章からできた故事成語です。軍旗には「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」と書かれていました。「風のように早く動き、林のように静かに待ち、火のように激しく攻め、山のように守る」という意味です。時代劇ドラマのタイトルにもなり、勇ましくかっこいい故事成語の題名詞といえるでしょう。

青天の霹靂

青天の霹靂(せいてんのへきれき)は、青空に突然鳴り響く雷のような、突発的に発生する出来事を表す故事成語です。「あの人が会社を辞めるなんて青天の霹靂だ」といった使い方をします。漢字だけでなく語感も良いので、歌や小説のタイトルとしても人気の言葉です。

月に叢雲花に風

月に叢雲花に風は、「つきにむらくもはなにかぜ」と読みます。月に叢雲(集まった雲)がかかるように、咲く花には風が吹くように、何事も邪魔が入り長続きしないことの例えです。「月」「花」「風」の漢字が入っているので、優雅で華やかなかっこよさがあります。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにはいらずんばこじをえず)は、成功するためにときには危険を冒すことも必要だという意味の言葉です。漢の時代、武将である「班超」が兵士の士気を高めるために言った言葉といわれています。勇気を奮い立たせるような、漢字も意味もかっこいい故事成語です。

天網恢恢疎にして漏らさず

天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)は、天罰からは逃れられないという意味の故事成語です。中国の哲学者であった「老子」の言葉とされています。天が張った網(天網)は荒いように見えて、実は細かく悪事を逃さないという意味があります。リズムが良く、思わず口に出してみたくなる言葉です。

群羊を駆って猛虎を攻む

群羊を駆って猛虎を攻む (ぐんようをかってもうこをせむ)は、勝負事のときによく使われる故事成語です。弱い羊でも群れをなせば獰猛な虎に勝てるかもしれないとの意味があります。故事成語は中国の言い伝えや出来事なので、強いものの象徴として虎がよく出てくるのが特徴です。

意味がかっこいい故事成語

意味がかっこいい故事成語の画像

ここでは、意味がかっこいい故事成語を紹介します。以下で紹介する故事成語は、物語やアニメなどでもよく使われる言葉です。

唯我独尊

唯我独尊(ゆいがどくそん)は、「人は一人一人尊い存在である」という意味の言葉です。諸説ありますが、仏教の開祖であるお釈迦様が広めたとされています。
なお、現在はさまざまな解釈が広まり、「自分が誰よりも優れた人である」という意味にとらえる人も多いようです。バトル漫画やアニメの強いキャラクターのセリフとして用いられ、かっこいい言葉として人気があります。

雨垂れ石を穿つ

雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)には、小さなことでも諦めずに続ければ大きな結果に繋がるという意味があります。雨垂れとは、軒からしたたる雨粒です。雨粒でも長い時間をかけて落ち続ければ、いずれ石に穴をあけられるでしょう。諦めずに取り組む大切さを説いた故事成語で、勉強や仕事で自分や周囲の人を鼓舞するときに使えます。

勝って兜の緒を締めよ

勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ)は、日本の戦国大名である北条氏綱が『五箇条の御書置』に遺した言葉の一節です。戦に勝利しても油断せず、改めて兜の緒を締め直して常に緊張感を持つべきといった意味があります。

有終の美を飾る

有終の美を飾る(ゆうしゅうのびをかざる)は、最後を素晴らしい結果で締めくくるかっこよさを表した故事成語です。スポーツ選手の引退のときや仕事の退職のときに使われます。語源は諸説ありますが、中国の詩集『詩経』に書かれていた「初めあらざるなし、克く終わること鮮なし(すくなし)」からきているとの説が有力です。初めは皆熱心にやるけれども、最後まで続ける人は少ないといえます。だからこそ、最後までやり遂げて良い結果を出せる人は立派に見えるのでしょう。

心頭滅却すれば火もまた涼し

心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうをめっきゃくすればひもまたすずし)は、心を無にすれば、苦痛を感じなくなるという意味です。どのような苦しみのなかにあっても、心をコントロールする方法さえ取得できれば乗り越えられるという教訓が込められています。

能ある鷹は爪を隠す

能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)は、本当に能力がある人ほどむやみに力や技術をひけらかさないことの例えです。鷹は獲物を狩るときに爪を見せません。獲物を油断させておいて、いざというときに鋭い爪を出して一気に捕まえます。

強さをひけらかす人より、控えめに見えていざというときに能力を発揮する人のほうがかっこよく感じられるもの。意味にも漢字にも勇ましさがあり、人気の故事成語です。

立つ鳥跡を濁さず

立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)は、「引き際は見苦しくないようにすべき」といういましめの意味があります。水鳥がほかの住処に移動するときに、水辺を汚さずに飛び立つことから作られました。

故事成語やことわざは「日本の有名なことわざと意味を紹介!よく使うことわざ 一覧から英語のことわざまで」や「かっこいいことわざを紹介!読み方や意味も合わせて覚えよう」のコラムでも詳しくまとめています。

かっこいい故事成語を座右の銘にしてみよう

かっこいい故事成語を座右の銘にしてみようの画像

かっこいいと感じる故事成語を見つけたら、自分の座右の銘にしてみましょう。座右の銘とは、自分が常に心に留めておく目標となる言葉です。座右の銘によってその人の信念が分かるので、自己紹介のときに聞かれる場合もあります。たとえば、人に思いやりをもって接していきたいと考えるなら、座右の銘は「己の欲せざる所は人に施すなかれ」がぴったりです。自分がしてほしくないことは相手にもしてはいけないという意味があります。

さまざまな故事成語を知って、気に入った言葉があればぜひ自分の座右の銘にしてみてください。

まとめ

まとめの画像

故事成語は難しい漢字や現代では使われていない言い回しがあり、覚えるのが大変です。しかし、かっこいい漢字が使われていたり意味がかっこいい故事成語から覚えていくと、楽しく勉強できるでしょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

Special Features 特集

Top Articles 人気記事

Our Social Media ソーシャルメディア

日本の最新情報を9言語で定期更新しています。

  • English
  • 한국어
  • Tiếng Việt
  • မြန်မာဘာသာစကား
  • Bahasa Indonesia
  • 中文 (繁體)
  • Español
  • Português
  • ภาษาไทย
TOP/ 日本語を学ぶ/ 日本語を楽しむ/ かっこいい故事成語を紹介!日常会話でも使ってみよう

当社のウェブサイトは、利便性及び品質の維持・向上を目的に、Cookieを使用しております。Cookieの使用に同意頂ける場合は、「同意する」ボタンを押して下さい。
なお、当社のCookie使用について詳しくはこちらをご参照下さい。

Cookie利用ポリシー