人生にまつわることわざ一覧!意味を知って先人からの教訓を学ぼう

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2023/02/21

日本語を勉強している人の中には、「人生に関することわざを知りたい」という方もいるでしょう。日本には、人生の教訓が学べる多くのことわざがあります。努力や失敗に関することわざからは、人生で成功するためのコツが学べるでしょう。また、生死や年齢に関することわざからは日本人特有の価値観や人生観を感じられます。このコラムを教訓を探したり日本語を学んだりする際の参考にしてください。

目次

  1. 成功や失敗にまつわることわざ
  2. 努力や経験にまつわることわざ
  3. 世渡りにまつわることわざ
  4. 生死にまつわることわざ
  5. 年齢にまつわることわざ
  6. まとめ

成功や失敗にまつわることわざ

成功や失敗にまつわることわざの画像

日本には、成功するために必要な心構えや失敗の意義を説くことわざがあります。これらのことわざからは人生を充実させるための教訓が学べるでしょう。成功や失敗に関することわざは以下のとおりです。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は「こけつにいらずんばこじをえず」と読みます。意味は、「虎の子どもを得るためには住処である洞穴に入らないといけないように、成功するためには危険を冒す必要がある」です。古代の中国で武将が敵国に攻め入る際に、部下を励ます際に言った言葉から生まれました。

現代では挑戦をする際に、「虎穴に入らずんば虎子を得ずだ、リスクを恐れてはいけない」といったように使われます。自分や周りの人を励まして気持ちを奮い立たせるためによく言われることわざです。

失敗は成功の基

「失敗は成功の基」は、「失敗しても原因を調べたり解決方法を考えたりすることで、成功に近づける」との意味があることわざです。失敗した際に欠点の修正や改善策の検討を行うと、得られる学びは多くあり成功する可能性も高まります。そのため、1度や2度の失敗であきらめるべきではないという教えです。
また、「失敗しても原因や改善策を考えなければ、また同じような過ちを繰り返すだろう」との意味もあります。

千里の道も一歩から

「千里の道も一歩から」は、「どのような大きな目標でも、達成するためにはまず小さな努力から始める必要がある」という意味のことわざです。小さな積み重ねが大きな成功に繋がることを説いています。

「千里の道も一歩から」がよく用いられるのは、仕事や学業といったシーンです。事業や勉強を始めても、大きな成果はすぐに出ません。目標達成のために、気合をいれたりモチベーションを維持したりするためによく言われることわざです。

かっこいいことわざを紹介!読み方や意味も合わせて覚えよう」のコラムでも、人生の成功や失敗にまつわることわざをまとめているので、ぜひ確認してみましょう。

努力や経験にまつわることわざ

努力や経験にまつわることわざの画像

日本には、人生における努力の大切さを説くことわざがあります。また、若いときにした苦労がのちの人生で役立つことや経験豊富な高齢者の知恵の貴重さを教えることわざがあるのも特徴です。以下では、努力や経験にまつわることわざを紹介します。

蛍雪の功

「蛍雪の功」は「けいせつのこう」と読み、「苦労しながら勉強することや苦学の末に成し遂げた成果」を意味することわざです。「蛍雪」は苦労しながら勉強に励むことを、「功」は実績や功績を表します。

「蛍雪の功」は、古代中国の出来事が由来となっていることわざです。
役人を目指す青年は、貧しくて本を読むための灯り用の油も買えませんでした。そこで、夏は蛍を捕まえて袋に入れて、冬は窓辺に雪を積んで、手元を照らし勉強したのです。青年の努力は報われて、役人になれました。
「蛍雪の功」は、現代でも勉学に励む様子を表す際によく使われます。

若い時の苦労は買ってでもせよ

「若い時の苦労は買ってでもせよ」の意味は、「若いころの苦労は自分を鍛えてくれて将来役立つから、進んで大変な経験をした方が良い」です。若いころに苦労すると、知識や臨機応変に対応できる能力が身に付き、その後の人生に活かせると説いています。また、「ほかの人が嫌がったり辛いと思ったりする物事を引き受けることで、自らを鍛え磨ける」との意味もあることわざです。

「若い時の苦労は買ってでもせよというだけあって、新人のときの経験が今になって役に立っている」というように使います。

亀の甲より年の功

「亀の甲より年の功」は、「年長者が長い人生の中で得た経験や知識は貴重である」という意味のことわざです。経験や知識が豊富な年長者を称賛する際に使われます。

古くから亀は万年生きるといわれている動物です。ただし、いくら長く生きるといわれている亀の甲羅でも、価値はさほどありません。しかし、亀と異なり、人が生きる中で積み重ねた経験や知識は重要であるというたとえから生まれました。

日本には、長い歴史の中で生まれた経験に関することわざがほかにもあります。「日本のことわざについて知りたい!外国人に向けて歴史や使い方を解説」のコラムでも紹介しているので、ぜひチェックしてみましょう。

世渡りにまつわることわざ

世渡りにまつわることわざの画像

世渡りに関することわざも、日本には多く存在します。人との付き合い方や物事に取り組む際の自分自身の心構えを説いたことわざなど、さまざまです。以下では、人生を送るうえで役立つことわざを紹介します。

君子危うきに近寄らず

「君子危うきに近寄らず」は「くんしあやうきにちかよらず」と読みます。「教養や徳のある人は、常に身を慎み、自ら危ない場所に近寄らない」という意味です。「慎重に行動するべきである」「危険な場所には近づくべきではない」という教訓としてよく使われます。

また、苦手だったり都合が悪かったりすることを避ける際にも、口実のように用いられることわざです。たとえば、「君子危うきに近寄らずということで、危険な挑戦は止めておきます」というふうに言われます。

初心忘るべからず

「初心忘るべからず」の意味は、「何事でも、始めたころの真剣で謙虚な気持ちを忘れてはいけない」です。日本の伝統芸能である能の役者、世阿弥の言葉が由来で、芸事を極める際の心構えから生まれました。物事に慣れて、手を抜いたりうぬぼれたりすることがないように戒めるために言われます。

現代では、仕事や習い事などの場面でよく用いられることわざです。「仕事に慣れてきた今こそ、初心忘るべからずで丁寧な作業を心掛けよう」といったように使われます。

嘘も方便

「嘘も方便」は、「嘘をつくのは悪いことだが、ときと場合によっては必要である」ということわざです。「物事をスムーズに進めたり良い結果を得たりするために、多少の嘘は許される」との意味で使われます。

「方便」とは仏教の言葉で、生きている人を教えに導く手段のことです。「嘘も方便」は、「仏が苦しむ人を救済し、悟りの境地に渡らせる手段として、嘘をつくこともある」というたとえから生まれました。大きな善い行いをするためには、小さな嘘は許されるという教えに基づきます。

日本の有名なことわざと意味を紹介!よく使うことわざ 一覧から英語のことわざまで」のコラムでも、仏にまつわることわざを紹介しています。ぜひご覧ください。

生死にまつわることわざ

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生死に関係する日本のことわざからは、仏教の教えに基づく人生観が感じられるでしょう。以下では、特に有名な生死に関することわざを紹介します。

九死に一生を得る

「九死に一生を得る」は「きゅうしにいっしょうをえる」と読みます。「高い確率で死ぬような状態からかろうじて助かる」という状況を表したことわざです。「事故に遭い危険な状態から、九死に一生を得て助かった」「九死に一生を得る体験をした」などと使います。

「九死に一生」と略した言い方もよく用いられます。たとえば、「あのとき助かったのは、本当に九死に一生だった」というように使われますが、意味は「九死に一生を得る」と同様です。

去る者は日日に疎し

「去る者は日々に疎し」は、「亡くなった人は月日が経つにつれ忘れられる」という意味のことわざです。また、「親しくしていた人でも、遠ざかれば情が薄くなっていく」という意味でも使われます。「疎し」とは、人との関係が薄くなることです。「死者が時間とともに忘れられたり仲が良かった人と離れて疎遠になったりするのはどうしようもない」という人生の無常を表しています。

たとえば、「去る者は日日に疎しというけれど、あの有名人を覚えている人が少なくなるのは寂しいね」というように使われます。「引越してからまったく連絡しなくなった。去る者は日日に疎しとはよくいったものだ」といったふうにも用いられることわざです。

一蓮托生

「一蓮托生」は「いちれんたくしょう」と読みます。「結果に関わらず、最後まで運命や行動をともにする」という意味のことわざです。元々は、「善い行いをした人たちは、死後に仏の住む極楽浄土で同じ蓮華(れんげ)の花の上に生まれ変われる」という意味でした。同じ信仰心で結ばれている夫婦や仲間などが、来世も一緒に人生を送ろうと願う言葉です。

しかし、現代では、結果の良し悪しに関係なく、運命や行動を共にするという意味で使われます。

「一蓮托生」のように、漢字4文字から成る言葉を四字熟語といいます。「日本語のなかでも特に難しい言葉は?外国人が知っていたら驚かれるフレーズ」のコラムでもことわざや四字熟語を紹介しているので、ご覧ください。
また、「日本のことわざクイズをご紹介!あなたはいくつ分かる?」のコラムでは、ことわざをクイズにして紹介しています。ぜひ挑戦してみましょう。

年齢にまつわることわざ

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年齢にまつわることわざでは、人生の中で起こる変化や人の性質について説いています。以下で紹介するのは、子どもや年長者に関係することわざです。

三つ子の魂百まで

「三つ子の魂百まで」は、「幼いころに形成された性格は歳をとっても変わらない」という意味のことわざです。「三つ子」とは、「世の中の様子や人の感情などが分かってくる3歳くらいの子ども」を意味します。3歳くらいまでに性格や人格は作られて、100歳になっても変わらないというたとえです。良い悪いどちらの意味にも使われます。

良い意味としては、「小さいころから歌が好きで、今もよく歌っているよ。三つ子の魂百までだね」といったように使われます。反対に、「三つ子の魂百までというだけあって、癖を直すのは難しい」といったように悪い習慣や行動に対しても用いられることわざです。

寄る年波には勝てぬ

「寄る年波には勝てぬ」は、ある程度歳を取った人が体力や気力の衰えを感じたときに使うことわざです。若いと思っていても、実際は年齢に即した体力や気力しかないという状態を表しています。止められない加齢を押し寄せる波のようにたとえていることわざです。なお、物の経年劣化を表す際にには使われません。

たとえば、「少し運動しただけで足や腰が痛くて、寄る年波には勝てぬと実感した」というように使われます。また、「寄る年波で、最近物忘れがひどくなってきた」のように、略した言い方も一般的です。

大器晩成

「大器晩成」は「たいきばんせい」と読み、「本当に偉大な人物は、物事を成し遂げるまでに時間が掛かる」ということわざです。大きな器は完成までに時間が掛かるというたとえから生まれました。優れた人は若いときは目立たないが、歳を重ねるごとに実力をつけていき、最後には偉業を成し遂げるとの意味があります。ただし、出世が遅れたり才能があるのに認められなかったりする人を慰める際によく用いられることわざのため、使う際に注意しましょう。

例文としては、「彼は大器晩成のタイプだ」「彼女は60歳過ぎてやっと成果が認められた。まさに大器晩成だ」などが挙げられます。

まとめ

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人生に関することわざは日本の長い歴史の中で生まれ、人々の教訓になっています。成功や失敗、世渡りなどに関することわざからは、人生を上手く生きていくためのコツが学べるでしょう。また、生死や年齢にまつわることわざからは、人生そのものや人の性質に対する考え方が学べます。
さまざまなことわざを知って、豊かな人生を送る手掛かりにしましょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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