本音と建前とは?隠された言葉の意味や使い分け方を紹介

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2023/05/25

本音と建前を使い分ける国は日本だけではありませんが、日本人は特に本心を話さない傾向にあるといわれています。もちろん、本心で話す人も多くいるなかで、本音と建前という言葉に良い感情を抱かない人がいるのも事実です。しかし、本音と建前は相手を思いやる気持ちの表れともいえます。
このコラムでは、本音と建前の意味や使い分ける理由を紹介。また、仕事をするうえで必要な建前の使い方も解説します。

目次

  1. 「本音」と「建前」とは
  2. 建前と嘘は異なる
  3. 日本人が本音と建前を使い分ける理由
  4. 仕事における建前の使い方
  5. 本音と建前に関する注意点とは?
  6. 本音と建前を使い分けて相手と上手に付き合おう
  7. まとめ

「本音」と「建前」とは

「本音」と「建前」とはの画像

「本音」と「建前」の使い分けは、多くの日本人に見られる習慣といえます。特に、ビジネスシーンでは、相手に本音を隠して建前を伝えながら仕事を進めていくことがしばしば必要です。以下では、本音と建前の意味を解説します。

「本音」の意味

「本音」とは、嘘偽りのない本心や本当の気持ちから出た言葉です。
本音には、口に出さないほうが良い内容やネガティブな気持ちも含まれます。そのため、本音を言うと、場の雰囲気を悪くしたり相手を傷つけたりする場合もあるのです。

「建前」の意味

「建前」とは、相手を思いやって本心を遠回しに伝えたり表向きにいったりする言葉です。

相手の立場や気持ちを思いやり、配慮することを重要とする日本では、本音を避ける傾向にあります。そのため、仕事での交渉や友人同士の会話においても、相手の気持ちを考えて建前を言う習慣があるのです。建前には相手を気遣う気持ちが込められており、日本人らしい文化といえます。

日本語の特徴とは?文法や漢字など言語学習において難しいポイントを解説」のコラムでも、本音と建前の意味を解説しています。

建前と嘘は異なる

建前と嘘は異なるの画像

「建前=嘘」と考える方もいますが、それは間違いです。建前は嘘と違って、相手が不愉快な気持ちにならないよう配慮するために使われます。嘘は相手を陥れたり自分が得をしたりするためにつく言葉なので、根本的に目的が異なるのです。

また、偽りである嘘とは異なり、建前は真実が含まれる場合もあります。

建前と同じく、ビジネスシーンでのコミュニケーションによく見られるのが「社交辞令」と「お世辞」です。「社交辞令とお世辞の違いとは?外国人に向けて例文や注意点を解説!」のコラムでは、社交辞令とお世辞について、分かりやすく解説しています。

日本人が本音と建前を使い分ける理由

日本人が本音と建前を使い分ける理由の画像

日本人が本音と建前を使い分けるのは、相手を傷つけないようにして、揉め事を避けたり良好な人間関係を維持したりするためです。本音と建前の使い分けは、日本人に必要な処世術ともいえるでしょう。

建前を使って人間関係を良好にするため

本音と建前の使い分けは、人間関係を良好にするために必要なスキルです。
近年の日本は価値観の多様化が進み、さまざまな考えの人が自分の意見を主張できる社会へと変化しています。相手の受け入れやすい建前を言うことで、自分と意見が異なっている人とも良好な人間関係を築くことができるでしょう。

本音と建前の使い分けは、相手の価値観を認めて尊重する姿勢の現れです。多くの日本人は人間関係を良好に保つために、相手の心情を察しながらコミュニケーションを取っています。

本音を言って場の空気を悪くするのを防ぐため

日本人が本音と建前を使い分ける理由の一つが、場の空気を壊さないためです。

たとえば、何か頼み事をされたときに忙しくて断りたいと思っても、本音をそのまま口に出すことはあまりありません。「きっぱり断るのは失礼」「相手の心証を悪くしたくない」と考え、建前を使ってやんわりと無理である理由を伝えます。その場を穏便に済ませるためにも建前が必要です。

本音をぶつけて揉め事を起こさないため

建前は、本音をぶつけて相手と揉め事を起こさないためにも使われます。

日本では、話し合いの際に、自分と相手の意見が異なっていても、あまり本音をぶつけません。上手く建前を使って、意見の対立を避けたり問題が大きくなるのを防いだりします。建前を使うことで、相手に不快感を抱かせないようにしているのです。

建前を使って物事を円滑に進めるため

建前は、物事を円滑に進めるために必要です。たとえば、就職面接で志望動機を言う際に、本音では「給料が高いから」と思っていても口には出しません。「御社の仕事に魅力を感じたから」「やりがいがある仕事だと思ったから」など、相手の利益になる建前を言うのが望ましいとされています。

退職時に理由を聞かれた際も、「上司と合わなかった」「労働環境がきつかった」などのネガティブな本音はあまり口にしません。「より高いスキルを身に付けるために転職したい」といった、前向きな建前を言う場合が多いでしょう。
このように、相手が受け入れやすかったり納得しやすかったりする建前を言うことで、自分の望む方向に話を進めやすくなります。

日本の文化をまとめて一覧で紹介!独自の価値観や海外との違いも解説」のコラムでは、日本人ならではの価値観をまとめています。日本人とのコミュニケーションを深めたい方はぜひチェックしてみましょう。

仕事における建前の使い方

仕事における建前の使い方の画像

以下では、ビジネスシーンでよくある本音と建前の使い方を紹介します。本音と建前の使い方や本当の意味を理解しておくと、仕事をするうえで役立つでしょう。

本当は無理な場合も「検討します」

ビジネスシーンでは、本当は無理だと分かっていても、相手を思いやって「検討します」と伝える場合があります。良好な関係を維持しなければその後の業務に支障が出ると考えて、場を丸く収めるためによく用いられる建前です。

仕事のやりとりで、相手から「検討する」「考えておく」などの言葉が出てきたら、やんわり断られている可能性があると覚えておきましょう。

体調が悪いときも「大丈夫」

日本では、体調が悪く本心では「休みたい」と思っていても、「大丈夫です」と建前を言って仕事をする傾向にあります。勤勉さや真面目さが評価の対象となることが多く、仕事を休むことに罪悪感を感じるためでしょう。

プライベートでも周りに心配を掛けたくない思いから、体調が悪くても「大丈夫」と言ってしまい自分を追い込んでしまう場合があります。
具合が悪そうなのに「大丈夫」と言う人を見かけたら、それとなく気遣ってあげると親切です。

やる気をアピールする「頑張ります」

仕事の際に、本音では「やりたくない」「面倒くさい」と思っていても、相手に悟られないように「頑張ります」と建前で前向きに伝える場合があります。

特に必ずやらなければならない状況では、本音を出してしまうと相手の印象を悪くしたり周りの士気を下げたりしかねません。
上手な本音と建前の使い分けは、自分の印象を良くし場の空気を明るく保とうとする工夫ともいえるでしょう。

自分に非がなくても「すみません」

日本のビジネスシーンでは、たとえ自分に非がなくても、建前で「すみません」と謝ることがよくあります。たとえば、軽いトラブルが起こった際に、「すみません」「失礼しました」と建前で謝罪するのが一般的です。
日本には、「迷惑を掛けるのも、掛けられるのもお互い様」という精神が根づいています。そのため、トラブルがあっても双方が謝罪して話を丸く収めようとするのです。

建前を使って問題を穏便に済ませるのは、仕事において必要なスキルといえます。

相手の気持ちを汲んで言う「ありがとう」

心からありがたいと感じていなくても、相手の気持ちを汲んで「ありがとう」と伝える場合があります。

「ありがとう」は、本来心からの感謝を伝える言葉です。しかし、「ありがとう」という言葉には、「ありがたいけれど、本当は迷惑」という本音が隠れている場合があります。

たとえば、人から必要以上にお節介を焼かれたり不要な品物を贈られたりすると、本当は迷惑だと感じるでしょう。このようなときに、相手の行動は迷惑であっても、自分に対する好意に感謝して「ありがとう」と建前で伝える場合があります。

arigatouの意味や使い方を外国人に向けて紹介!」のコラムでは、「ありがとう」の言葉の由来や丁寧な言い方という日本語について解説しています。

本音と建前に関する注意点とは?

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仕事で建前を使うのも必要ですが、ときには本音を伝えないと困る場面もあります。以下では、ビジネスシーンで本音と建前を使う際の注意点を解説するので、チェックしてみてください。

本音で話さないと仕事が捗らないことも

建前ばかり使って本音を言わないと、仕事が捗らない場合もあるので注意が必要です。
たとえば、商談や打ち合わせが終わって相手と雑談をしているときに、別の顧客との待ち合わせの時間が迫っているとします。本音では「そろそろ雑談を終わらせたい」と思うでしょう。その際に、「お時間大丈夫でしょうか」と、相手に配慮しつつ話を切り上げる建前を言っても伝わらない可能性があります。

このような場合は、「申し訳ありません。次の予定が入っておりますので」といったように、本音を話すのも一つの手です。
本音が言いづらい相手には、「長くお時間をいただいてしまい申し訳ありません」と相手を立てつつ、話を区切ると良いでしょう。

建前だけでは重要な内容が伝わらない

建前だけでは、重要な内容が伝わらずトラブルになる可能性もあります。
たとえば、建前で「検討します」と答えた顧客の依頼について、再度どうなったかと聞かれたときは本音で話すことが必要です。請け負うのが難しい仕事内容は、うやむやにすべきではありません。

相手に本音を伝え、「どのような内容ならできるのか」「納期を変えられるのか」などを話し合い、お互い納得できる案を考えると良いでしょう。

本音と建前を見極める必要がある

相手とコミュニケーションを取る際は、本音と建前の見極めも必要です。
たとえば、部下が忙しそうな上司に手伝いを申し出て、「あなたの仕事も大変だろうから、大丈夫」と断られたとします。上司は本当に部下の仕事量を増やすのを申し訳なく思って、断った可能性もあるでしょう。
一方で、部下に仕事を教える時間すら取れないため、建前を言って断った可能性もあるのです。

本音と建前は、相手の状況や表情、声のトーンから見極める必要があります。相手が本当は何を伝えたいのかを考えると、コミュニケーションをスムーズに図れるでしょう。

また、仕事をする際はビジネスマナーを押さえておくと円滑な人間関係を築きやすくなります。「日本特有のマナーとは?食事や日常生活、ビジネスシーンの礼儀・作法を紹介」のコラムでは、ビジネスマナーをまとめているので、ぜひご一読ください。

本音と建前を使い分けて相手と上手に付き合おう

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本音と建前の使い分けは、良好な人間関係を築くために必要不可欠な気遣いです。建前を嘘だと考え、無理に本音で会話をしようとするのは得策ではありません。特に仕事をする際は、本音と建前を上手く使い分ける必要があります。

本音と建前は、相手を傷つけずに上手く意思疎通を図るために使い分けます。相手を思いやる気持ちを第一にコミュニケーションを取ると良いでしょう。

まとめ

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建前は、自分の考えや意見を円滑に伝えるために使われる言葉です。建前を使わないほうが良い状況もありますが、ネガティブな本音を隠すことで無駄な争いや対立を避けられる場合もあります。
周囲を気遣いつつ自分の意見をしっかり伝えるのは難しいことです。適度に本音と建前を使い分けて、良好な人間関係を維持しましょう。

ライター

WeXpats
生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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