日本語の挨拶は難しい?基本的なフレーズや言葉の意味を解説

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2023/02/13

日本に対する興味から来日を検討しており、事前に日本語の挨拶を勉強しておきたいと考える方もいるでしょう。日本語の挨拶は種類が多く、日常生活からビジネスシーンまで幅広い場面で使われます。そこで、このコラムではシチュエーション別に日本語の挨拶や表現を解説。挨拶に使う言葉の意味や相手と仲良くなるための会話術もまとめているので、日本人とコミュニケーションを取る際の参考にしてください。

目次

  1. 日本語は挨拶の言葉が多い
  2. 日本語で挨拶する際のマナー
  3. 文面上での日本語の挨拶
  4. 季節の行事にあわせた日本語の挨拶
  5. まとめ

日本語は挨拶の言葉が多い

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日本語の挨拶は数が多く、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」などがあります。日本語の挨拶の意味を把握し、相手や場面に応じて使い分けられるようになれば、日本を訪れた際に役立つでしょう。まずは日本語の挨拶の特徴と基本的なフレーズを把握し、実際の会話で使えるよう練習することをおすすめします。

日本語の挨拶の特徴

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日本語の挨拶は、定型表現が多く翻訳しにくいのが特徴です。たとえば、日本語でビジネスメールを作成する際は、冒頭の挨拶として「お世話になっております」を使います。「仕事上で良好な関係を築いてくれてありがとう」という意味を持つ日本語の挨拶ですが、定型表現のためほかの言語に翻訳する際、該当する言葉がないのです。そもそも、英語のビジネスメールには冒頭の挨拶が存在しません。「Dear Mr./Ms.」と宛名を書いたあとすぐに本題に入るため、「お世話になっております」を適切に翻訳するのは困難です。このように、日本語の挨拶は独特なニュアンスを持っているため、ほかの言語に翻訳しにくい傾向にあります。

基本的な日本語の挨拶

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ここでは、「こんにちは」「いってきます」などの基本的な日本語の挨拶を紹介します。日本語の挨拶は時間帯や場面、相手との関係性によって使い分けるのが特徴です。それぞれの挨拶の意味や使い方を学び、実際の会話で使ってみましょう。

おはよう

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「おはよう」は朝の時間帯に使う日本語の挨拶です。自分より先に起きている人に対して「お早い目覚めですね」「お早い到着ですね」など声を掛けていたのが、「おはよう」の語源とされています。「おはよう」はフランクな挨拶なので家族や友人、知人など親しい関係の人に使いましょう。なお、朝の挨拶として「おはよう」を使えるのは、午前10〜11時ごろまでです。

こんにちは

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「こんにちは」は昼の時間帯に使う日本語の挨拶です。「今日(こんにち)は天気が良いですね」「今日はご機嫌いかがですか?」など、日中に会った相手に対する声掛けが、「こんにちは」の語源とされています。もともとは後ろに言葉が続く挨拶だったため、「は」を「わ」と発音するのです。「こんにちは」はビジネスシーンでも使われており、相手の自分の関係性に関わらず使える挨拶といえます。午前11時ごろから午後6時ごろまでは、「こんにちは」と挨拶しても問題ないでしょう。

こんばんは

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「こんばんは」は夜の時間帯に使う日本語の挨拶です。「今晩は良い夜ですね」「今晩は無事に一日を過ごせましたね」などの挨拶が、「こんばんは」の語源とされています。「こんばんは」も後ろに別の言葉が続く挨拶だったため、「は」を「わ」と発音するのです。「こんばんは」は社会人の間でも使われる挨拶なので、相手を問わず使えます。午後6時から日が昇るまでの間は「こんばんは」と挨拶しましょう。

はじめまして

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初対面の人に対する日本語の挨拶は「はじめまして」です。続いて自己紹介に移り、名前や出身地、職業などを名乗りましょう。「はじめまして、△△です。××から来ました。~~の仕事をしています」と挨拶すると、初めて会う人ともスムーズにコミュニケーションを取れます。ニックネームや趣味を伝えるのもおすすめです。

さようなら

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友人や知人と会ったあとの別れの挨拶は、日本語で「さようなら」といいます。親しい関係の人の場合、「ばいばい」「またね」と挨拶することもあるようです。「さようなら」は「然様(さよう)ならこれにて御免」という言葉が語源で、目上の人にも使える挨拶とされています。より敬意を込めた別れの挨拶をしたい方は、「失礼させていただきます」と伝えましょう。

おやすみなさい

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寝るときの日本語の挨拶は、「おやすみ」または「おやすみなさい」です。親しい間柄の相手には「おやすみ」といい、目上の人には「おやすみなさい」と挨拶しましょう。「おやすみなさい」は「おはよう」の対となる日本語の挨拶です。なお、「おやすみ」は夜の時間帯に友人や知人と別れる際の挨拶として使うときもあります。

いってきます

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外出する際の日本語の挨拶は「いってきます」です。自宅から学校や職場に向かう際、ほかの家族に向かって「いってきます」と挨拶します。また、職場から取引先にいったり営業に出たりする際にも「いってきます」と挨拶することがあるでしょう。「いってきます」といわれた場合は「いってらっしゃい」と挨拶を返すのがマナーです。日本語の挨拶を学ぶ際は、返す言葉もセットで覚えると良いでしょう。

ただいま

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家に帰ったときの日本語の挨拶は「ただいま」です。なお、ビジネスシーンでは営業や取引先との商談から職場に戻る際、「ただいま戻りました」と挨拶します。「ただいま」といわれた際は「おかえり」もしくは「おかえりなさい」と挨拶を返すのがマナーです。日常生活からビジネスシーンまで幅広い場面で使える日本語の挨拶なので、覚えておいて損はありません。

もしもし

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「もしもし」は電話で話す際に使う日本語の挨拶です。「申します申します」という言葉が語源で、「今から話し始めます」という意味で使われています。電話を使って話す際は、「もしもし」と言ってから名前や所属を名乗るのがマナーです。家庭や職場など幅広い場面で使える日本語の挨拶なので、実生活でスムーズに言えるよう覚えておきましょう。

日本では食事の際にも挨拶を行う

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日本では、食事をするときに「いただきます」、終えたときに「ごちそうさま」と挨拶をします。日本語の「いただきます」「ごちそうさま」に込められている想いは、料理を作ってくれた人や食材への感謝です。宗教上の理由から食事の際にお祈りを捧げることはあっても、料理人や食材そのものに感謝を述べる文化は海外では見られないでしょう。食事の際の挨拶は、日本特有の文化として浸透しています。

ビジネスの場で使う日本語の挨拶

ビジネスの場で使う日本語の挨拶の画像

日本語の挨拶はビジネスシーンでも使われます。日本語の挨拶を使いこなせるようになればコミュニケーションの幅が広がり、日本人ともスムーズに会話できるようになるでしょう。ここでは、ビジネスの場で使える日本語の挨拶をまとめているので、勉強の際にぜひ役立ててください。

おはようございます

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日本のビジネスシーンでは、「おはよう」よりも丁寧な挨拶として「おはようございます」が使われています。なお、ビジネスシーンにおける「おはようございます」は出勤した際に使うため、時間帯を問わない挨拶です。夜勤で夕方以降に出勤した場合も「おはようございます」と挨拶しましょう。

「おはようございます」という日本語の挨拶は敬意がこもった表現なので、目上の人に使っても失礼になりません。上司や先輩に挨拶する際、はっきり大きな声で「おはようございます」と言えれば、好印象につながるでしょう。

お疲れさまです

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日本のビジネスシーンでは、相手をねぎらったり仕事を終えて帰宅したりする際に「お疲れさまです」と挨拶します。なお、上司や先輩が部下に言う際は「お疲れさま」と言葉を省略することもあるようです。「お疲れさまです」は、目上の人にも使える挨拶です。日本社会において多用される日本語の挨拶なので、スムーズに言えるよう練習しておくことをおすすめします。

ご苦労さまです

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「ご苦労さまです」は、目上の人が部下をねぎらう際に使う日本語の挨拶です。「お疲れさまです」と同じ意味を持つ日本語の挨拶で、清掃員や配達員など、社外の人に向けて使うこともあります。ただし、目上の人に向かって「ご苦労さまです」と挨拶するのはマナー違反です。

すみません

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「すみません」は、日本のビジネスシーンで感謝や謝罪を伝えるために使われる日本語の挨拶です。発音する際は「すいません」となることが多いですが、正しくは「すみません」なので覚えておきましょう。「この程度の謝罪では満足できない」「感謝の気持ちが収まらない」といった意味が込められているのが、「すみません」という挨拶です。昨今では、人に物事を頼んだり声を掛けたりする際にも「すみません」と挨拶します。なお、目上の人には「申し訳ございません」と、さらにかしこまった表現で謝罪をしましょう。

これから日本語の挨拶を勉強する方は、効率的な勉強法を身につけるために「日本語を学ぶ外国人向け!おすすめの勉強法まとめ」を読んでみましょう。勉強方法だけでなく、難しいとされる日本語学習を継続するためのコツも紹介しています。

日本語で挨拶する際のマナー

日本語で挨拶する際のマナーの画像

日本語で挨拶する際は、軽くお辞儀をして相手に敬意を払うのがマナーです。挨拶は円滑なコミュニケーションに欠かせません。日本語の挨拶のフレーズだけでなく、マナーもあわせて覚えましょう。

挨拶にはねぎらいの気持ちや敬意を込める

日本語で挨拶する際は、状況に応じてねぎらいの気持ちや敬意が伝わるよう、声の大きさやトーンに注意しましょう。たとえば、「おはよう」「こんにちは」といった挨拶は、笑顔で明るくハキハキ言ったほうが好印象につながります。声が小さかったり顔がうつむいていたりする状態での挨拶は、相手の気持ちを暗くしてしまうためマナー違反です。コミュニケーションを取るきっかけになるような、明るい挨拶を心掛けましょう。

挨拶とあわせてお辞儀する

日本では挨拶をする際に、一緒に「会釈」を行います。会釈とは腰を15度ほど前に傾け、相手に敬意を伝えることを目的とした所作です。お辞儀の文化がない国からすると、日本人が挨拶する際に会釈をする姿は礼儀正しく見えるでしょう。

「おはよう」「こんにちは」と挨拶したあとに会釈すると、相手にねぎらいの気持ちや敬意が伝わりやすくなります。会釈は欧米で行う握手やハグ、チークキスなどと同じ意味合いです。相手に気持ちを伝えるためにも、日本語での挨拶の際に会釈は欠かせません。

アルバイトで使える日本語の挨拶が知りたい方は、「外国人留学生必見!アルバイトで使う挨拶の基本」もあわせてチェックしてみましょう。挨拶の心得もまとめているので、来日してはじめてアルバイトを行う人は必見です。

文面上での日本語の挨拶

文面上での日本語の挨拶の画像

日本語で手紙やメールを書く際も挨拶が必要です。日本は四季を重視する国のため、季節に合わせた時候の挨拶が存在します。文面上の日本語の挨拶は、相手への思いやりを伝えられる良い手段です。ビジネスにおいて役立つ知識なので、日本語の挨拶を学ぶ際はあわせて確認してみましょう。

手紙やビジネス文書には挨拶を書くのがマナー

親しい方に手紙を送ったりビジネスメールを書いたりする際は、冒頭に時候の挨拶を入れるのがマナーです。時候の挨拶の内容はある程度決まっているものの、ひと工夫加えて書いたほうが相手に対する心遣いが伝わるとされています。なお、お詫びやお見舞いの手紙・メールの際は、相手の状況を考えて時候の挨拶を書かずに本題に入るのがマナーです。

時候の挨拶

時候の挨拶は月ごとに異なります。しかも、上旬・中旬・下旬ごとに異なる時候の挨拶が設定されているので、手紙やビジネス文書を書く際は確認が必要です。たとえば、1月上旬の時候の挨拶は「新春の候、松の内も過ぎ貴社の皆様におかれましては、良いお年をお迎えになったことと存じます」というように書きます。4月なら「桜花爛漫の折」6月なら「長雨の候」など、季節に応じた表現を使いましょう。時候の挨拶をまとめたビジネス書籍やWebサイトもあるので、必要に応じてチェックしてみてください。

日本社会におけるビジネスメールの書き方は、「ビジネスメールの書き方を知りたい外国人に向けて!注意点や例文を紹介」で詳しく解説しています。時候の挨拶を入れる理由やメールの流れも確認できるので、ぜひ参考にしてください。

季節の行事にあわせた日本語の挨拶

季節の行事にあわせた日本語の挨拶の画像

年末には「良いお年を」お正月には「あけましておめでとうございます」というように、季節の行事やイベントに応じた日本語の挨拶もあります。また、クリスマスやハロウィンといったイベントは日本にも存在するため、「メリークリスマス」「ハッピーハロウィン」と挨拶することもあるでしょう。ほかにも季節の行事にあわせた日本語の挨拶はいくつか存在します。日本文化に興味がある方は、行事ごとの日本語の挨拶も調べてみましょう。

まとめ

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日本語の挨拶にはさまざまな意味が込められており、ほかの言語への翻訳が難しい定型文が複数存在します。挨拶する相手に敬意を払ったりねぎらったりするようなマナーが存在するのも、日本語の挨拶特有の特徴です。日本語の挨拶の種類は多く、初対面の人に会うときや謝罪をするときのフレーズも何通りか存在します。日本語の挨拶を覚えたい方は基本的なフレーズから学び、徐々にステップアップしていきましょう。

ライター

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生活・仕事・留学に関するお役立ち情報から、日本のディープな魅力を紹介するコラムまで、バラエティ豊かな記事をお届けします。

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