「ビジネスメールの書き方が分からない」と悩む方は多いでしょう。ビジネスメールは書き方のルールが多く、始めは誰でも苦戦します。
このコラムでは、ビジネスメールを送る際の注意点を解説。例文も載せていますので参考にしてください。ビジネスメールの正しい書き方が分かると、業務上でのやり取りが円滑に進みます。このコラムを読んで、正しいメールのやり取りができるようにしましょう。
目次
日本のビジネスメールの書き方は難易度が高い
日本のビジネスメールの書き方は複雑です。その理由は、ルールが細かく決まっていたり、日常では使わない言い回しが多かったりするのが関係しているでしょう。
ルールが細かく決まっている
日本のビジネスメールは、書き方のルールが細かく決まっています。その理由は、日本では手紙を書く際に非常に細かい決まりがあるためです。
日本語で便箋に手紙を書く際、書き始めには「拝啓」「啓上」などの「頭語」を入れたうえで、季節に合わせた挨拶にあたる「時候の挨拶」を入れる必要があります。また、文章を終える際にも相手の活躍や健康を祈る「結びの挨拶」や締めの言葉である「結語」を入れなくてはなりません。結語は「敬具」や「かしこ」などの種類があります。そのほかにも、気を付ける点は非常に多くあるのです。ビジネスメールは業務で必要なやり取りがメインのため、便箋に書く手紙よりルールは簡略化されています。それでも外国人にとっては難しく感じるでしょう。部下や同僚とやり取りする際は細かい書き方を気にしなくても良い場合もあります。しかし、上司や取引先とメールのやり取りをする際に、細かいルールが守れていないと「ビジネスマナーが守れていない人」との印象を与え、評価を落とす恐れがあります。
日常では使わない言い回しをする場合がある
ビジネスメールでは、日常では使わない言い回しで文章を書く場合があります。理由は対面していない分、実際に会話するよりもさらに敬意や丁寧さが伝わる文章にする必要があるためです。たとえば、日常的にやり取りのある人にお礼を言うときは話し言葉だと「いつもお世話になっております」と伝えるのが一般的。しかし、ビジネスメールになると「平素よりお世話になっております」と伝えるのが良しとされています。また、相手が所属している企業を敬う表現は「御社」ですが、ビジネスメールだと「貴社」と書き方を変えなくてはなりません。
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日本のビジネスメールの書き方の基本を紹介
ここでは、ビジネスメールの基本の書き方を紹介します。相手に敬意を表した表現と、分かりやすい書き方を心掛けましょう。
件名は必ず入れる
メールの件名は、本文の内容が分かる文言を入れるようにしましょう。メールのやり取りをしている人が多忙で、すぐに本文が開けないときに内容を伝えるためです。「おはようございます」「お世話になっております」など、内容が読み取れない挨拶文を入れるのは避けた方が良いとされています。「打ち合わせについて」「本日15時から伺います」など、内容を完結に書くと相手に内容が伝わりやすく親切です。また、早急に対応した方が良い内容なのか、後に見ても問題ないのかの判断が付きやすくなり、重要なメールがほかのメールに埋もれる事態を防げるでしょう。
誰に宛てたメールなのかを書く
本文を書き始める前に、誰宛なのかを書くのがビジネスメールのマナーです。個人宛なら「会社名・部署名・役職名」のあとにメールを送る相手の氏名を入れます。名前が不明な場合は「ご担当者様」と書くと良いでしょう。
誰が見ても良いメールを送る場合は「御中」、企業や組織といった不特定多数の人に一気にメールを送る際は「各位」を使うと良いでしょう。具体的には、「関係者各位」「営業部各位」といった使い方をします。
書き始めと結びに挨拶を入れる
ビジネスメールの書き始めと文書の結びには、挨拶を入れましょう。日本では手紙を書くときに書き始めと終わりに挨拶を入れるのがマナーであり、メールでもその慣習が残っています。ただし、便箋に書く手紙のように季節の挨拶や相手の健康や活躍を祈る言葉は必要ありません。「お世話になります」「よろしくお願いいたします」などの一言を入れるのが一般的です。いきなり本題から書き始めたり、挨拶を入れずにメールを終えたりするのは避けましょう。
自分の署名を入れる
メールの最後には、必ず署名を入れます。社内の人に送るメールの場合は所属部署や役職、氏名のみで構いません。しかし、社外の人にメールを送る際は、会社の住所や連絡先を添える必要があります。その際は本文との間に記号を用いて区切りを入れ、読みやすくする工夫をしましょう。
【署名の記入例】
何卒、よろしくお願い致します。(結びの挨拶)
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◯◯◯株式会社◯◯部◯◯課
◯◯ ◯◯(氏名)
〒◯◯◯ー◯◯◯◯
東京都品川区大崎◯◯◯ー◯◯◯◯
電話番号:03ー◯◯◯ー◯◯◯◯
携帯電話番号:◯◯◯ー◯◯◯◯ー◯◯◯◯
メールアドレス:◯◯◯◯@◯◯.JP
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このような署名はテンプレートで作っておくと便利です。
ビジネスメールを送る際の注意点
ビジネスメールを送る際は敬語の使い方や誤字・脱字に注意しましょう。また、送信先の設定やメールを送るタイミングなどにも注意が必要です。
間違った敬語を使わない
ビジネスメールを送る際は、敬語の使い分けを間違えないようにしましょう。メールの書面上での間違いは目に付きやすく、受け取った相手に不快感を与えます。そのため、メールの文章を書く際は、対面での会話以上に敬語の使い方に気を配らなくてはなりません。
伝わりやすい文章を意識する
ビジネスメールでは、内容が伝わりやすい文章の書き方をする必要があります。ビジネスメールは仕事で必要なやり取りが目的です。そのため、内容が伝わりにくかったり、雑談がメインになったりするのは相応しくありません。一番に伝えたい内容を簡潔に書きます。仕事に関して複数の話題があるときは、番号を振ったり、見出しを立てたりして見やすくする工夫をしましょう。
本題以外に話したいことがあれば、ビジネスメールで伝えるのではなく、プライベートでのやり取りで行うのがマナーです。
送信先設定を間違えない
ビジネスメールを送る際は、送信先設定を間違えないようにしましょう。送信先設定を間違えると、最悪の場合、個人情報の漏洩に繋がります。以下で送信先設定の種類を解説するので、参考にしてください。
TO
TOには、そのメールを見て対応や返信をして欲しい人のメールアドレスを入力します。宛先と同じ意味と捉えると良いでしょう。
CC
CCへは、メールの内容に目を通して欲しい人のメールアドレスを入れます。対応や返信をして欲しいわけではないが、メールの内容を周知する必要のある人です。
BCC
BCCは、不特定多数の人にメールを送る際に使います。BCCに入れたメールアドレスはTOやCCの人、ほかのBCCの人からは確認できません。そのため、メールアドレスがほかの人に流出するのを防げます。複数の顧客や取引先に一斉にメールを送るときはBCCにメールアドレスを入れましょう。
誤って全員のメールアドレスをTOやCCに入れてしまうと、同じメールを受け取った人全員のメールアドレスが確認できる状態になります。このようなミスをしてしまうと、メールアドレスという重要な個人情報が漏洩し、顧客や取引先の信用を大きく損なう可能性があるでしょう。
誤字や脱字に注意する
ビジネスメールを送る際は、送信する前にしっかり見直し誤字・脱字がないようにしましょう。特に、目上の人に当てたメールの不備は失礼に当たります。漢字の誤変換やタイプミスはよくある間違いです。とはいえ、自分では間違いに気付けない場合もあるでしょう。そのようなときは、周囲の人にダブルチェックを頼むと安心です。
メールを送信するタイミングに気を付ける
ビジネスメールは、送信するタイミングにも気を配らなくてはなりません。深夜や早朝に仕事のメールを送信するのはマナー違反です。特に、顧客や取引先といった外部の人にメールを送るときは気を付けましょう。内容によっては営業時間内に返信させることになり、他社の従業員の労働環境を悪くさせるきっかけになります。他社の営業時間が分からなければ、午前9時から午後5時までの間に送れば間違いないでしょう。
日本のビジネスメールの例文
ここでは、取引先に訪問日程を確認するために送る、ビジネスメールの例文を紹介します。内容は変わっても基本の書き方はほとんど一緒です。ぜひ参考にしてください。
【例文】
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題名:【訪問日程のお伺い】
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いつもお世話になります。◯◯会社の◯◯です。
先日は、弊社サービス導入ご検討の連絡ありがとうございました。
つきましては、さっそく弊社サービスについて説明させて頂きたいと考えております。
近々ですと、以下の日時でお伺いすることが可能でございます。
【ご訪問可能日時】
・7月15日:午後2時~午後5時
・7月17日:午前11時~午後1時
・7月19日:午後3時~午後5時
◯◯様のご都合をお教えくださいますと幸いです。
ご都合が悪ければお申し付けください。
お忙しいところ恐縮ですが何卒ご検討宜しくお願いいたします。
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◯◯◯株式会社◯◯部◯◯課
◯◯ ◯◯(氏名)
〒◯◯◯ー◯◯◯◯
東京都品川区大崎◯◯◯ー◯◯◯◯
電話番号:03ー◯◯◯ー◯◯◯◯
携帯電話番号:◯◯◯ー◯◯◯◯ー◯◯◯◯
メールアドレス:◯◯◯◯@◯◯.JP
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伝えたい内容を簡潔にまとめ、見やすくするのがポイントです。
まとめ
日本のビジネスメールは難しいですが、ある程度ルールを覚えられればどのような話題でも書き方は一緒です。不安なときは周囲の人の力を借り、正しくビジネスメールのやり取りができるようになりましょう。