「ざっくり」という言葉は、日常会話でもよく使われる表現です。「ざっくり説明すると…」「ざっくりまとめると…」など、さまざまな使い方があります。また、日本語では話す場面や相手によって、同じ内容の言葉を違う言葉に言い換えて表現することも。
このコラムでは、「ざっくり」という言葉の意味や言い換えついて解説。日常生活やビジネスシーンなどでよく使われる表現や例文も紹介します。
目次
- 「ざっくり」の意味は?言い換えるとどんな言葉になる?
- 「ざっくり」を使った例文
- 「ざっくり」を使うときに注意することは?
- ビジネスシーンで丁寧な印象を与える「ざっくり」の言い換え表現
- 「ざっくり」のほかにビジネスシーンでよく使われる言い換え表現
- まとめ
「ざっくり」の意味は?言い換えるとどんな言葉になる?
「ざっくり」という言葉は日常会話でもよく使われます。ここでは「ざっくり」の意味や類義語について説明します。「ざっくり」という言葉を適切に使用できるよう、意味や類義語を正しく理解しましょう。
ざっくりの意味
「ざっくり」は、全体の大まかな状況を表現する言葉です。全体をまとめて話したり、全体の様子を簡単に話したりするときに使います。そのため、細かい情報を伝えたり、具体的に説明したりするときには「ざっくり」という言葉は使いません。英語では、「generally」「roughly」と表現されることもあります。
ざっくりの類義語
「ざっくり」と似た意味の言葉として挙げられるのが、「およそ」「大体(だいたい)」「概ね(おおむね)」「大半は」「大抵は」「あらかた」という言葉です。類義語からも分かるように、「ざっくり」は細かい様子を表す言葉ではなく、全体の様子を表す言葉として使われています。
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「ざっくり」を使った例文
「ざっくり」は日常生活やビジネスシーンでも使われています。どのような場面でどのような使い方をするのかを正しく理解することは、コミュニケーションにおいて大切なことです。ここでは、「ざっくり」がよく使われる場面や、会話の流れを例文で説明します。参考にして、実際に使ってみてください。
日常会話でよく使われる「ざっくり」を使った表現
「ざっくり」は日常会話でよく使われる表現です。どんな場面で使うのか、どのような使い方をするのか、例文を参考に「ざっくり」の意味と使い方を理解しましょう。
使う場面:時間がないときや、急いでいるときに話を早く聞きたいとき
例:「ゆっくり聞きたいけど時間がないから、ざっくり話してください」
使う場面:情報量が多いため、簡単に説明してほしいとき
例:「情報が多すぎるので、ざっくり内容を説明してください」
使う場面:予定を簡単に知りたいとき
例:「今月の大事な予定をざっくり教えてください」
例文からも分かるように、「ざっくり」は早く知りたいときや、要点をまとめてほしいときなどに使うことが多い言葉です。
ビジネスシーンで使われる「ざっくり」を使った表現
「ざっくり」が会社内で使われるのは、主に上司が部下へ指示・依頼をするときや、簡潔に状況を知りたいときなどです。「ざっくり」はカジュアルな表現なので、ビジネスシーンで使う際には会話の相手に気を付けましょう。
使う場面:会議の内容をすぐに知りたいとき
例:「会議の内容をざっくり説明してください」
使う場面:全体の様子を知りたいとき
例:「会場にどのくらい人が集まってるか、ざっくり教えてください」
使う場面:業務内容の指示を行うとき
例:「資料のデータをざっくりまとめて、大切なポイントを箇条書きにしてください」
ビジネスシーンでは、状況を把握したいときや様子を簡潔に知りたいとき、指示を出すときなどに「ざっくり」という言葉を使用します。
「ざっくり」を使うときに注意することは?
「ざっくり」という言葉はよく使われる便利な言葉である一方で、日本語ではカジュアルな表現と捉えられています。そのため、会話する相手によっては注意が必要な言葉です。親しい友人や知人との会話で「ざっくり」を使用するのは問題ありません。しかし、ビジネスシーンで使う際は、相手に悪い印象や違和感(いわかん)を与えてしまう恐れがあるため、気を付けましょう。
ビジネスシーンにおいて、お客様やクライアントには使わない
「ざっくり」はカジュアルな表現であるため、お客様やクライアントに対して使うのは失礼です。また、「ざっくり」は丁寧な説明とは反対の意味を持つ言葉であるため、雑な印象を与えてしまう恐れがあります。お客様やクライアントに対しては使わないように注意しましょう。
ビジネスシーンにおいて、上司や目上の人には使わない
「ざっくり」はフォーマルな表現ではないため、上司や目上の人に対しては使わないのが無難です。「ざっくり」は大まかに様子や状況を表す言葉なので、ビジネスシーンで使用すると「いい加減な人」「確認が甘い」という印象を与えてしまう恐れがあります。場合によっては、「責任感がない」と思われることもあるでしょう。そのため、上司や目上の人が正確な情報を求めているときには、「ざっくり」と言わないようにしましょう。
ほかにもビジネスシーンでよく使われる日本語を知りたい方は、「日本語のビジネス用語を紹介!今さら聞けない言葉の意味も解説」も参考にしてみてください。
ビジネスシーンで丁寧な印象を与える「ざっくり」の言い換え表現
「ざっくり」という表現は、友人との会話のようなカジュアルな印象を与えます。そのため、「大まかに申し上げますと」「要約いたしますと」「おおよその見解ですと」などの表現に言い換えることで、フォーマルで丁寧な印象になります。
また、お客様やクライアントとの関わりが多いビジネスシーンにおいては、相手を敬う言葉遣いや所作、マナーが大切です。相手に良い印象を与えることで、個人だけでなく会社の印象も変わるので、ぜひ丁寧な言い換え表現を使ってみてください。
「ざっくり」のほかにビジネスシーンでよく使われる言い換え表現
「ざっくり」のほかにも、言い換えることで丁寧な印象を与える言葉はたくさんあります。特にビジネスシーンにおいては、言葉遣い一つで印象が良くも悪くも変わることがあるので、丁寧な表現を心がけましょう。ここでは、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な言い換え表現を紹介します。
- 「了解です」→「かしこまりました」「承知いたしました」
- 「すみません」→「申し訳ございません」「失礼いたします」
- 「なるほど」→「さようでございますか」「おっしゃるとおりです」
- 「知っています」→「存じております」「存じ上げております」
- 「頑張ります」→「尽力(じんりょく)します」「精進(しょうじん)します」
- 「返信不要です」→「ご返信には及びません」「ご報告まで」
このように、同じ意味の言葉を違う表現に言い換えることで印象は変わります。さまざまな言い換え表現を覚えて実際に使ってみてください。
ビジネスシーンでよく使われる言い換え表現についてもっと知りたい方は、「日本語の敬語の種類や使い方を外国人に向けて解説!」もあわせて読んでみてください。
まとめ
「ざっくり」は「およそ」や「大体」などの意味を持ち、状況や情報をまとめて話すときに使う言葉です。日常会話でよく使われる表現ですが、カジュアルな表現であるため「ざっくり」を使うことにより大雑把な印象を与える可能性もあります。そのため、ビジネスシーンにおいては、敬語やフォーマルな表現への言い換えが必要です。使い方や相手、使う場面に気を付けながら、さまざまな会話を楽しんでみてください。