「バタバタする」は慌ただしく忙しい様子を表す言葉です。食事や遊びに誘われたときのほか、頼まれ事をされたときなど、時間がないと伝えて断る場合に使います。
このコラムでは、「バタバタする」の使い方を例文を交えて解説。また、「バタバタする」と言わないほうが良い状況と、ビジネスシーンで使える適切な言い換え表現を紹介します。
目次
「バタバタする」の意味と語源
「バタバタする」は、慌ただしく落ち着かない様子を表している言葉です。やるべき作業や仕事が多く、忙しい状況を意味します。英語だと、「慌ただしい」の意味がある「hectic」や「忙しい」の意味がある「busy」や「full」に言い換え可能です。
もともと、「バタバタ」は「人が手足を激しく動かして立てる音」や「立て続けに物がぶつかったり倒れたりする様子」を意味する擬音語です。この擬音語に、「物事を行う」の意味がある「する」が付いて、「バタバタする」という言葉になりました。
擬音語については、「オノマトペとは?意味や使い方を覚えて表現を豊かにしよう」や「日本語のオノマトペクイズ全30問を出題!楽しく学びたい人におすすめ」のコラムで詳しく解説しています。
ピックアップ記事
「バタバタする」の使い方
「バタバタする」は忙しい状況を表すカジュアルな言葉です。一般的に、家族や親しい友人からの誘いに対して、時間がないことを理由に断る際に使います。ストレートに「忙しい」と伝えるよりも、「バタバタする」と言った方がやんわりと状況を伝えることが可能です。以下では、「バタバタする」の使い方を紹介します。
【例文1】会社の同僚から急ぎの仕事を頼まれた際の使い方
「すみません、今日はバタバタしているので難しそうです」
【例文2】部下への返答が遅くなった際の使い方
「バタバタしていて遅くなり、すみません」
【例文3】知り合いから週末にある飲み会に誘われた際の使い方
「残念だけど、週末はちょっとバタバタしそうで…」
多くの人は「バタバタする」と聞くと状況を理解し、細かくは聞いてきません。「バタバタする」は、やんわりと忙しい状況を伝えられる言葉です。
お誘いや頼まれごとを断る際は、「すみません」「申し訳ありません」などの謝罪の言葉をあわせて言うと角が立ちません。「sumimasen(すみません)の意味や正しい使い方を紹介!」や「gomen」はどのような場面で使う日本語?意味を知って正しく使おう!」のコラムでは、さまざまな謝罪の言葉をまとめているので、チェックしてみてください。
「バタバタする」を使わないほうが良い状況は?
「バタバタする」はカジュアルな表現なので、目上の人やビジネスの相手に使うのは基本的に避けましょう。特に、取引先の相手とのやり取りや頼まれた仕事が遅れている状況で、「バタバタする」を使うのは適切ではありません。真剣さが足りないと思われて、相手に不快感を与える可能性があります。
ただし、ビジネスシーンでも、同僚や部下、特に親しい相手との会話には使えます。「バタバタする」を使う際は、相手との立場の違いや状況を考慮しましょう。
ビジネスで使える「バタバタする」の言い換え表現
ビジネスシーンでは、「バタバタする」の丁寧な言い換え表現を使いましょう。以下では、ビジネスシーンで使える「バタバタする」の言い換え表現を解説します。
立て込んでいる
「立て込んでいる」は「多くの用事が一時的に重なっている様子」を表し、「バタバタする」の丁寧な言い換え表現として使われます。ビジネスシーンでは、複数の仕事が舞い込んできて、忙しい状況を表す際によく用いられる言葉です。
【例文1】会議やミーティングの日程を変えたい際の使い方
「その日は立て込んでおりますので、△日に変更は可能でしょうか」
【例文2】上司からの頼まれごとを断る際の際の使い方
「申し訳ありませんが、立て込んでおりましてお受けするのが難しそうです」
「立て込む」と言い換えて断ると、「要望には応えたいけれども、忙しくて相手の希望に添えない」というニュアンスを表現できます。そのため、直接的に「忙しい」と断るよりも、角を立てずに断れるでしょう。
追われる
「追われる」は、やるべきことが山積みで非常に忙しい状況を表す言葉です。
【例文1】同僚に共通の知人の様子を伝える際の使い方
「△△さんは、新しく任された仕事に追われています」
【例文2】同僚に自分の現状を伝える際の使い方
「最近、やるべきことが多くて時間に追われています」
担当業務が少ない状況で「時間や仕事に追われている」と言うと、「能力不足のために仕事が終わっていない」と受け取られる可能性があります。「追われる」は状況に注意して使いましょう。
余裕がない
「余裕がない」は、「余りやゆとりがない様子」を表す言葉です。ビジネスシーンでは、相手に頼まれた仕事を時間がなくて断る際に使われます。また、お金や心のゆとりがない状況を表す際にも使える言葉です。
【例文1】新規の顧客からの依頼を断る際の使い方
「申し訳ありませんが、今月はご依頼が多かっためお引き受けする余裕がありません」
【例文2】相手からの昼食の誘いを断る際の使い方
「すみませんが、今日は余裕がないのでまた今度行きましょう」
「余裕がない」は、遠回しに「今は難しい」と伝えられる言葉です。
予定が埋まっている
「予定が埋まっている」は、「約束や用事などが入っており、時間の余裕がない状況」を表す言葉です。たとえば、相手に予定を聞かれ空いている時間がないと答える際に、「バタバタする」の言い換え表現として使えます。
【例文1】会議を入れて良いかと聞かれて断る際の使い方
「申し訳ありませんが、その日は予定で埋まっております」
【例文2】相手からの遊びの誘いを断る際の使い方
「すみませんが、今週末は予定が埋まっておりまして…」
「予定が埋まっておりまして…」と伝えるとそれ以上聞かれることはあまりありません。予定が詰まっているから相手の期待に応えられない、というニュアンスを伝えられます。
まとめ
「バタバタする」は「慌ただしかったり忙しかったりする様子」を表している言葉です。カジュアルな表現のため、目上の人や取引先の相手には使いません。ビジネスシーンでは、「立て込んでいる」「仕事に追われている」「余裕がない」などの言葉に言い換えると良いでしょう。