新卒採用の自己PRに何を書けば良いのか、悩む留学生は多いでしょう。自己PRで大切なのは「自分自身の能力や性格を企業にアピールすること」です。このコラムでは、新卒採用で自己PRを求められる理由や留学生である立場を活かした書き方、例文を紹介します。面接やエントリーシートで自己PRを書く際に悩んでいる方は、参考にしてください。
目次
新卒採用で自己PRが聞かれるのはなぜ?
新卒の採用試験では、自己PRを頻繁に聞かれます。この項目では、企業が自己PRから、何を知ろうとしているのかを解説しますので、参考にしてください。
自己PRから能力や性格が分かる
企業は自己PRを、応募者の能力や性格を判断する材料にしています。新卒の場合は、過去の実績から能力を測ることができません。そのため、自己PRから、応募者が会社で活躍をしてくれる能力を持っているかを判断します。
会社や仕事との相性を確かめるため
自己PRから、会社や仕事とのマッチング度合いも確認できます。自己PRで、チャレンジ精神や行動力をアピールする就活生は、ベンチャー企業や、事業を新しく始めた会社が必要とする人材でしょう。また、冷静な判断力や分析力をアピールする就活生は、研究職や、コンサルティング会社が向いているかもしれません。このように、企業は就活生と、社風や仕事内容との相性を確認するために、自己PRを活用しているようです。
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就活で何を自己PRすれば良いのか分からない場合は?
何を自己PRすれば良いのか思いつかない方もいるでしょう。自己PRは、華やかなエピソードである必要はありません。この項目では、自己PRが思いつかない場合の対処法を解説します。
まずは「自己分析」をしてみよう
自己PRを書く前に「自己分析」を行います。自己分析とは、過去の経験や出来事を振り返り、分析することで、自分自身をより深く知ることです。自分を知っていく過程で、自分の強みも自然と見えてくるでしょう。見えてきた強みを、企業の求める人材の特長とを上手く結びつけることで、説得力のある自己PRが完成します。
特別なことでなくても良い
新卒採用の自己PRは、特別なエピソードがなくても問題ありません。企業は、採用者の人柄や強みを知りたいので、自分が主体的に取り組んだことであれば、小さい規模の出来事でも自己PRができます。
留学生ならではの内容をアピールする
留学生の立場を活かしたエピソードは、ほかの就活生との差別化を図りやすい強みです。母国ではなく、日本を選んで学ぶことにした理由や、日本で暮らすうえで学んだことなどを、うまく取り入れると良いでしょう。
新卒の採用面接やESでの自己PR
新卒採用の自己PRは、300文字程度にまとめます。具体的にどのように考えていけば良いか、具体的なポイントを紹介します。
結論を先に述べる
自己PRの構成は、必ず結論からスタートさせましょう。文章の一番始めに結論を書くことによって、エントリーシートを読む採用担当者の興味を引き、その後の文章がより伝わりやすくなります。
具体的な内容を盛り込む
自己PRでは、具体的なエピソードを盛り込みましょう。抽象的な表現だと、採用担当者にうまく長所が伝わらない可能性があります。採用担当者が、そのときの状況を思い浮かべられるような表現を意識すると良いでしょう。
仕事に活かせるアピールポイントを入れる
新卒採用の自己PRでは、仕事にどのように活かせるかを盛り込むのを忘れないようにしてください。自分の今までの経験や実績をアピールしても、仕事で活かせる内容でなければ採用に繋がりません。選考を受ける企業の事業内容を理解したうえで、自分の能力とのマッチングをアピールしましょう。
ほかの質問でも自己PRをしてみよう
エントリーシートや面接など、自己PR以外でも自分をアピールできます。たとえば「志望動機」や「学生時代に力を入れたこと」の質問で、自分の能力をさりげなくアピールすることにより、採用担当者の印象をより良くできるでしょう。ただし、自分の能力を過信した態度は、採用担当者には良く思われないので注意が必要です。
留学生も参考になる自己PRの例文
この項目では、自己PRの例文を紹介します。内容は丸写しせず、自分の実際の経験や出来事を書きましょう。留学生の場合は、文章や構成におかしなところがないか、日本人の友だちや教員に確認してもらうと安心です。
例文1
「私の強みは、諦めずにやり遂げる気持ちの強さです。コツコツ継続して努力するのが得意です。私は母国で日本語を勉強し、日本語能力試験のN1レベルを取得してから来日しました。しかし、実際来日してみると、日本語の微妙なニュアンスの違いが分からなかったり、自分の発音をうまく聞き取ってもらえなかったりする場面が頻繁にありました。私は実際に日本人が使っている話し言葉を理解するために、飲食店での接客のアルバイトをしたり、日本人と積極的に話したりすることを心がけ、毎日勉強しました。その結果、アルバイト先のお客様からは「日本人かと思った」「発音がきれい」と褒めて頂くまでになりました。諦めず能力を磨き続けることで、苦手だったこともいつかは克服できることを学びました。この、強みを活かし、貴社のいかなる業務も、粘り強く最後までやり遂げる所存です。」
自分の強みのほか、日本語能力の高さもアピールできる例文です。
例文2
「私の強みは、柔軟に対応できる頭の柔らかさです。日本に来たばかりの頃は、母国との文化の違いに少し戸惑いました。人間関係のマナーや礼儀作法など、何もかもが母国とは違うルールで成り立っていたからです。しかし、私は違いを楽しめるように発想を切り替え、日本人向けのマナーの本を沢山読んだり、日本人の友人と日本食料理店に行ったりして、日本独自のマナーを教えてもらいました。その結果、友人に「日本人より日本人らしいふるまいができている」と言われるくらい日本の文化が好きになりました。そして、自分の固定概念を崩し、柔軟な考えを持つことを学びました。以上のことから、私の強みは柔軟性といえます。入社後も、この柔軟な考えを活かして日本人の仲間と良い関係を気付き、あらゆる突発的な状況にも上手く対応していきます。」
異文化への理解力の高さは、留学生の就職活動では大きなアピールポイントになります。
自己PRの書き方に悩んでいる方は「転職活動における自己PRの書き方とは?外国人に向けて例文を紹介」のコラムも参考にしてみましょう。また、「外国人留学生が知るべき日本の就活ノウハウを解説!」でも自己PRの例文をご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
新卒採用での自己PRは、企業にとって重要な判断材料になります。最大限、自分をアピールできるような内容を考えましょう。留学生ならではの内容を盛り込むと、ほかの就活生とは違った印象になり、採用担当者の目を引きます。自己PRの書き方をマスターして、選考を突破しましょう!