日本短期大学とは?私立・公立・国立の違いは?日本の大学制度、取得学位を紹介

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2023/02/03

日本留学を検討している方の中には、日本の大学制度がよく分からず混乱している方もいるのではないでしょうか。専門職大学、高等専門学校、専修学校(専門学校)など名称が似ている学校もあり、それぞれ卒業後どのような学位を取得できるのか確認しておく必要があります。 今回の記事では、日本留学前に知っておくと良い「日本の大学制度」を取得学位の種類とともにまとめてご紹介します。 また、日本の大学進学率、日本大学制度の特徴(良い点、問題点)、日本大学の入試スケジュールも一緒に紹介します。 日本留学のためにぜひ参考にしてください。

目次

  1. 日本の大学制度、学位(称号)
  2. 私立・公立・国立大学の違い
  3. 日本の高等教育機関進学率
  4. 日本の高等教育の特徴
  5. まとめ

日本の大学制度、学位(称号)

日本の大学制度、学位(称号)の画像

日本の大学制度を「高等教育機関」と呼ばれる教育機関の種類(大学、高等専門学校、専門学校)を中心に紹介します。各学校を卒業する際に受け取る学位、教育内容と授業期間、履修単位も併せてご覧ください。

【注意】

日本の大学及び小・中・高等学校は4月に入学式があり、新しい学年が始まります。卒業は3月です。大学の長期休暇は次のとおりです。

  • 夏休み(夏休み):8月~9月(約40日)
  • 冬休み:冬休み:12月~1月(約15日)
  • 春休み(春休み):2月~4月(約60日)

学校ごとに期間に差があるので、詳細なスケジュールは各学校のウェブサイトの「年間スケジュール」、「学年暦」などを参照してください。

1.大学 [2年制短期大学、4年制学士課程、大学院、専門職大学など]

大学:「学士」の学位

学士課程。 4年制(124単位取得)で、医学、歯学、薬学(臨床目的)、獣医学コースは6年制(182~188単位取得)です。

「単位(単位)」とは?

日本の大学の「講義ごとの修了証明」のようなもので、1科目につき1学期に取得する単位は2単位です。同じ名前の授業が「春学期(日本近代文学1)」、「秋学期(日本近代文学2)」に分かれ、1年で4単位の場合が多いです。

(もちろん春学期に(1)を受講したとしても、秋学期に(2)を必ず受講しなければならないわけではありませんが、(1)(2)を続けて受講する場合が多いです。)

日本の多くの大学の時間割は1時限=45分、1科目は90分で「1コマ」と呼ばれ、1コマ=2時限(45分×2)→2単位(90分)と設定されています。つまり、大学では授業の「リアルタイム(real time)」ではなく、「単位時間(academic hour)」で計算されているということです。ちなみに海外の場合、アメリカを例にとると、1週間に「3時間×15週」を3単位としていることが多いです(*)。

*参照:2016年3月『立命館産業社会論集』 第51巻 第4号 「大学の単位制度と学年暦─「1単位=45時間」と「1科目=1350分説(15週論)」」(仲井 邦佳)

短期大学:「短期大学士」の学位(2005年以前は「準学士」)

2年制(62単位以上取得)または3年制(93単位以上取得)です。

大学院:「修士」または「博士」の学位

  • 修士:2年制(30単位以上取得)
  • 博士:5年制(30単位以上取得)

前期2年と後期3年を区分する博士課程の場合、前期+後期の両方を含みます。この場合、前期の2年を「修士」の過程で呼ぶことが多いです。

専門職大学:「学士(専門職)]」の学位

  • 「大学」の中で深い専門学芸を研究し、専門性を求める職業のための実践的・応用的な能力を身につけるために設置。ただし、専門職大学には医学、歯学、薬学(臨床目的)、獣医学コースは設置不可。
  • 4年制(124単位取得+実習、実技及び実験による授業単位が40単位以上、二重臨床実務実習(郊外での実習)の授業単位が20単位以上)。
  • 前期課程(2年または3年)、後期課程(2年または1年)に分かれる場合、前期課程修了者に「短期大学士(専門職)」を授与可能。

専門職短期大学: 「短期大学士(専門職)」

  • 「短期大学」の中で深い専門学芸を研究し、専門性を求める職業のための実践的・応用的な能力を身につけるために設置。
  • 2年制(62単位以上取得+実習、実技および実験による授業単位が20単位以上、二重臨床実務実習(校外での実習)の授業単位が10単位以上)または3年制(93単位以上取得+実習) 、実技及び実験による授業単位が30単位以上、二重臨床実務実習(郊外での実習)の授業単位が15単位以上)。

専門職大学院:「修士」、「博士」の専門職学位[例:修士(専門職)、法務博士(専門職)、教職修士(専門職)]

  • 社会各分野で指導的役割を担い、国際的に活躍できる高度専門職の養成を目的に特化した大学院。法曹養成のための「法科大学院」、高度な専門的な能力および資質を持つ教員養成のための「教職大学院」などがあります。
  • 授業期間:2年または1年以上2年未満(各大学が期間を決定)。法科大学院は3年以上。
    -専門職大学院:2年制(30単位以上取得)
    -法科大学院:3年制(93単位以上取得)
    -教職大学院:2年制(45単位以上取得)

2.高等専門学校 [高等学校+大学]: 「準学士」称号

  • 混乱しやすい教育機関である「高等専門学校」。略語は「高専(こうせん)」。
  • 「中学校卒業後5年間」実習を重視した専門教育を実施。特に制作に特化した実践的・創造的技術者を養成することを目的としています。
  • 外国人は「編入学」で高等専門学校の第3学年から入学可能。ただし、「母国の学校教育を11年以上受けたこと」、「学歴認定試験に合格した人」などの条件があるので、詳細は各学校にお問い合わせください。
  • 授業期間:5年制(167単位以上取得)。商船関連学科は5年6ヶ月(147単位以上取得)。

日本の高卒検定告示の名称は「高校卒業程度認定試験(高等学校卒業程度認定試験)」[略称「高卒認定」]>>

満16歳以上の人のうち、高校卒業者および高校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)を受けたことがない人が受験できます。 2022年には8月と11月に各2日間の日程で行われます。

*参照:「文部科学省

3.専門学校[専修学校の中に専門課程を置いた学校]:「専門士」または「高度専門士」の称号(文部科学大臣に認められた専門学校卒業時)

  • 「専門学校」と「専修学校」は混乱しやすいですが、基本名称は「専修学校」。専門課程を持った学校を「専門学校」と呼んでいます(農業大学は除く)。高校の教育に基づいて、職業や実際の生活に必要な能力を育成、または教養を向上させる目的で設置された学校です。
  • 授業期間:1年制以上。昼間学科は年間授業時間数が800時間以上、または30単位以上。夜間学科は年間授業時間数が450時間以上、または17単位以上(ただし、全800単位時間、または30単位以上の履修が最低条件)。

【ポイント】
「学位」を授与されるのは「大学」に属する高等教育機関であり、「高等専門学校」と「専門学校」を卒業したときは「準学士」、「高度専門士」、「専門士」という称号を与えられます。

このような日本の高等教育機関は、質の高い高等教育の維持・発展のために、第三者による審査(認定評価)を7年以内に1度ずつ受けることになっています(専門職大学院は5年以内に1回)。

*参照:独立行政法人大学改革支援・学位授与機構「日本の教育制度について: 高等教育機関の種類

私立・公立・国立大学の違い

私立・公立・国立大学の違いの画像

日本の大学は運営している主体によって大きく「私立」、「公立」、「国立」に区分されます。

国立大学の特徴

  • 一般的に国立大学は数が少ないため定員数は少ないですが、学費は私立学校に比べて安く、学科による学費の差が少ないのが特徴です。2021年時点で日本にある大学は803校(*1)で、そのうち86校が国立大学(大学全体の約10%程度)です。
  • 1886年に設立された「旧帝大」など歴史が古い学校が多いです。
  • 大学院に通う外国人留学生のうち61.8%が国立大学院に在籍しています。
  • 国立大学は公立大学とは大きな差がなく、「国公立」と合わせて呼ぶこともあります。ただし、私立大学とは入試の方式からも違いがあるので、よく確認しておきましょう。

公立大学の特徴

  • 公立大学は都道府県や市町村など地方公共団体(自治体)が費用をかけて運営します。したがって、地域に住む人は授業料が安いのが特徴です。
  • 学科別の定員が少なく、学部の数が少ないなど小規模で運営されることが多いです。
  • 公立学校法人で私立学校を購入し、公立学校として新たに運営されることもあります。
  • 2021年時点、公立学校は99校です(*2)。
*1参照:文部科学省「学校基本調査-令和3年度(速報)結果の概要-」
*2参照:文部科学省「公立大学基礎データ

私立大学の特徴

  • 学校ごとに特徴が多様です。
  • 授業料は国立より高価な学校が多いです。
  • 入試方法もさまざまです(例:AO入試や推薦入試など)。国立・公立大学の入試では「大学入学共通テスト」の受験が必須ですが、私立大学の入試では「大学入学共通テスト」を行わずに個別入試(個別選択入試)を実施している場合もあります。この「大学入学共通テスト」は日本人が受験するものですが、一部の大学の学部では外国人留学生も受験必須となっているので、各大学の募集要項を確認しましょう。

日本の大学の紹介はこちら
>>東京の国立大学をまとめて外国人向けに紹介!教育方針や特徴を解説!
>>東京の私立大学をまとめて紹介!大学群についても解説
>>関西の国立・私立大学をまとめて紹介!大学ごとの特徴も解説
>>外国人留学生の在籍数が多い日本の大学ランキング!留学するメリットも解説
>>日本の主な芸術大学をまとめて紹介!外国人向けの奨学金や学費も解説!

日本の高等教育機関進学率

日本の高等教育機関進学率の画像

日本の文部科学省の調査によると、大学を含む2020年度の高等教育機関進学率は83.5%で、過去最高の割合を占めました。 下のグラフからは、少し下落した年度もあるものの、全体的に毎年進学率が高くなっているということがわかります。

図3「高等教育機関への進学率」のグラフ画像

*引用:文部科学省「学校基本調査-結果の概要(令和2年度)

教育機関別に見ると、大学(学士過程)が54.4%、専門学校は24%で、それぞれ過去最高の進学率を記録しました。

また、大学(学士過程)卒業後の進路に関する調査結果では、「就業」が約78%で、大学(学士過程)卒業後に他の高等教育機関に進学する割合は約11%水準でした。

日本の高等教育の特徴

日本の高等教育の特徴の画像

日本の高等教育の良い点と問題点を考えてみましょう。日本留学を検討する際に参考にしてください。

日本の高等教育の良い点

日本の高等教育の良い点としては、世界トップレベルの研究所を保有する大学が複数あることが挙げられます。私立大学も利益だけを追求せずに効率化を図りながら、多様な需要に応えようと努力しています。先程紹介した高等教育機関に対する審査も、高い教育の質を維持できる要因として挙げることができます。

日本高等教育の問題点

日本の高等教育は、世界に通用するグローバルな教育が遅れていると指摘されています。国際的な見解、アプローチを重視する他の国々の教育方式と比べると、日本の高等教育はまだ不足している点があるといえるでしょう。また、資金不足に陥った大学も多いのが現実です。

まとめ

まとめの画像

日本の大学制度を複雑だと感じる外国の方もいるでしょう。 大学および大学院、高等専門学校、専修学校、専門学校(専修学校の専門課程)、短期大学など高等教育機関の種類が多様で、日本内でも高等教育機関に進学する人の数は年々増えているのが特徴です。

WeXpats Guideでは、この他にも日本留学を検討中の方のために記事をご用意しています。日本の大学制度についてよく理解し、自分に合った学校を探すためにも、ぜひ参考にしてください。

>>日本に留学したい外国人必見!留学生の受け入れ状況や施策について解説
>>日本留学試験(EJU)とは?実施時期や受験のメリットを解説!

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