日本ではこれまでさまざまなブーム・流行が起こり、そのどれもが時代背景を色濃く反映したものです。流行を知ることは日本の文化を知ることにもつながります。
このコラムでは昭和から令和までの流行に加えて、2021年以降の日本で流行りそうなものをご紹介します。日本の流行を押さえたい方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
これまで日本で流行したもの
最初にこれまでの日本で流行したものをご紹介します。ここでは、1970年代から2010年代までの流行を年代別にまとめているので、当時の日本を知るための参考にしてください。
昭和の流行
昭和の流行は平成や令和のトレンドの原点だったり、再びブームが起こったりしたものがあるため、現代でも参考になる部分があるでしょう。ここでは第二次世界大戦が終結し、文化や娯楽が活気づいてきた1970~1980年代の流行をご紹介します。
1970年代
1970年代の日本ではボウリングが社会現象になるほど大流行しました。また、中国からパンダが寄贈されたことで、全国的にパンダブームが起こります。当時の日本では、パンダのグッズやその見た目を模した食品が多数販売されました。
ほかにも、超能力者を名乗る「ユリ・ゲラー」が来日したことで超能力ブームが生まれ、スプーン曲げや念能力で物を動かすといったパフォーマンスが人気を博します。また、映画「サタデー・ナイトフィーバー」が大ヒットを記録したことで、日本ではディスコが一大ブームになりました。
「1970年代の日本の情勢を解説!主な出来事も紹介!」では、1970年代の日本の情勢や暮らし、ファッションについて解説します。
1980年代
1980年代の日本は高度経済成長期にあったため、投資や土地ころがし(自分の土地を貸し出して収入を得る)が流行しました。投資の対象としてゴルフクラブの会員権が高騰したり、株や金融資産を上手に運用するために「財テク」を学んだりと、当時の人々は資産を持つことを好みます。また、新たなファッションも多く生み出された時代で、さまざまなDC(デザイナーズ&キャラクターズブランド)が流行しました。中でも奇抜な服装で踊る若者は「竹の子族」と呼ばれ、メディアでも取りあげられるほど人気を博しました。
ほかにも、任天堂が家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売したことで子どもを中心にテレビゲームが流行し、1980年代後半には持ち運びできる「ゲームボーイ」が登場しました。現在まで続く家庭用ゲーム機の人気の高さは、1980年代の流行が原点だといえるでしょう。
「80年代メンズファッションの象徴的なアイテムやスタイルとは」では、1980年代のうち、メンズファッションに焦点を当てて紹介しています。
平成の流行
平成に入るとテクノロジーの発展を感じさせる流行が増えてきます。また、昭和の流行から派生したものや、海外のトレンドを取り入れる動きがみられるようになりました。ここでは平成の流行を年代別にまとめたので、詳しく見ていきましょう。
1990年代
平成になったばかりの1990年代は通信が自由になったことで、手のひらサイズに小型化された高速通信機器「ポケベル」が女子高生を中心に大流行しました。当初は数字しか入力できなかったため、数字を暗号のように使って連絡を取っていたようです。当時の日本では、同じく女子高生の間で「ルーズソックス」も流行しました。学校の制服に合わせて丈が長い靴下をルーズに履くことが、女子高生の定番ファッションとして浸透していきます。
また、任天堂から「ファミリーコンピュータ」の次世代機として「スーパーファミコン」が発売され、子どもを中心に大流行しました。
1970年代に起きたディスコブームは1990年代まで続き、伝説的なディスコ「ジュリアナ東京」が誕生します。体のラインを強調したボディコンや、肩パッドが入ったスーツを着て人々がディスコで踊る姿は、高度経済成長にあった日本を代表する光景といえるでしょう。
2000年代
2000年代になると、アップル社が発売した「iPod mini」や「iPhone」が大流行しました。現在は全国的に普及しているスマートフォンやデジタルオーディオですが、人気になったのは2000年代からです。また、2003年に放送された韓国ドラマ『冬のソナタ』をきっかけに韓流ブームが起こりました。特に中高年層の女性から人気が高く、追っかけを行うファンが続出したのです。同じように映像作品では映画『ハリー・ポッター』シリーズも原作の小説とともに人気を博しました。
ほかにも、手ごろな価格でファッションを楽しめる「ファストファッション」が流行し、H&MやZARAといった海外ブランドが続々と日本に出店しました。
2010年代
2010年代の日本は、スマートフォンの普及によって最新情報を追いやすくなり、今までに比べると流行の移り変わりが激しくなっています。
2011年には読者モデルとして活躍していた「きゃりーぱみゅぱみゅ」が歌手デビュー。個性的な衣装やヘアスタイルと歌詞で若者を中心に大流行し、現在は世界的なアーティストとして人気です。また、2016年にはポケモンをAR空間で捕まえられる「ポケモンGO」というアプリが配信開始、日本はもちろん世界的に流行しました。ゲーム界隈ではスポーツ競技の一つである「e-Sports」が日本でも注目を集め、テレビで中継されるほど人気です。
食品では華やかな見た目ともちもち食感が人気の「タピオカ」や、アメリカンドッグに似たチーズたっぷりの「チーズハットグ」が流行し、現在でも若者を中心に大人気です。特にチーズハットグは韓国発祥の屋台料理で、韓流ブームが再燃している日本では人気食品といえます。
ピックアップ記事
2020年の日本の流行
年号が変わり「令和」になった日本では新型コロナウイルスが流行し、今までとは異なるトレンドが誕生しました。外出を控えなければならなくなったため、自宅で楽しく過ごす方法やインターネットを活用したコミュニケーションが模索され始めます。その結果、暗い世の中でも明るく過ごそうと「オンライン飲み会」が流行したり、家で過ごす時間を楽しむために家庭用ゲームの需要が高まったりしました。特にゲーム業界大手の任天堂が「どうぶつの森」シリーズの最新作を発売したことで、需要に拍車がかかってゲーム機本体が品薄になってしまいます。
また、ゲーム同様自宅で楽しめるアニメや漫画も人気が上がり、特に「鬼滅の刃」は社会現象になるほど大流行しました。
これから日本で流行が予想されるもの
ここでは、これからの日本でさらに流行が予想されるものを紹介します。
ワイヤレス充電器
スマートフォンを利用する機会が増え、充電器のケーブルが届かない場所や外出先での充電のためにワイヤレス充電器が発売されました。対応機種であれば、乗せておくだけで充電できるという画期的な商品です。スマートフォンの関連商品はたくさん開発されていますが、ワイヤレス充電器は登場してから日が浅く、これから流行が見込まれています。一般的な充電器とよりデザインが幅広く、人気キャラクターとのコラボやぬいぐるみ型のワイヤレス充電器もあり、自分の好みに合ったデザインを見つけられるでしょう。
ゲーミングチェア
ゲーミングチェアはもともとはパソコンゲームで遊ぶ人のために開発されたものですが、リモートワークが増えたことでデスクワークをこなす社会人の間で流行しています。長時間座っても腰や首が痛くならず、作業に集中しやすいゲーミングチェアは、QOLを高めるのにおすすめのアイテムです。現在も需要が高まりつつあるため、デザインやサイズも幅広く展開されるようになり、今後も人気が高まると考えられるでしょう。
スマートウォッチ
発売当初から注目を集めていたスマートウォッチですが、近年再流行の波が来ています。外出自粛で運動不足になる人が増え、健康促進と気分転換のためにランニングや筋トレが流行したのに伴って、スマートウォッチも人気が出始めました。心拍数や運動量を記録する健康管理機能だけではなく、電子マネー機能も利用できるのが魅力です。
感染症予防の観点から、接触を避けるために電子マネーやクレジットカードなど、非接触型の支払方法を利用する人は増加傾向にあります。手首にまくだけで健康管理や支払いを済ませられるスマートウォッチは、これから流行が予想されるでしょう。また、よりコンパクトになった「スマートリング」も流行する可能性があるので、今後の動向をチェックしてみてください。
スマートフォンのクリアケース
スマートフォンのケースは手帳型や、落としても安心なハードケースタイプなど多岐にわたりますが、近年ではシンプルな透明なケースが流行の兆しを見せています。クリアケースを使うことで、スマートフォンの背面に写真やシールを挟むアレンジが若者を中心に人気を博しており、商品の取り扱いが増えてきたようです。縁取りだけカラーが入ったクリアケースも登場し、ファッションの一部としてスマートフォンを自分好みにアレンジするのが、これからの流行になるでしょう。
スマートプラグ
外出先からでもスマートフォンを使って家電を操作できるスマートプラグは、生活を豊かにする商品として流行が見込まれています。家電を操作できる商品として「Amazon Echo」が流行しましたが、スマートプラグはそのような商品と連携することで、より快適に家電を遠隔操作することが可能です。家に帰る前にエアコンをつけたり照明をつけたりできるほか、電力消費量を確認することもできます。
まとめ
各年代の流行を追っていくと、当時の社会構造や情勢も見えてきます。ファッションや食べ物などはリバイバルされて再流行することもあるので、過去のトレンドをチェックするのもおすすめです。さらに日本の流行について知りたい方は、インターネットや雑誌を活用して調べてみてください。