広島を観光したい外国人のなかには、「人気の観光スポットはどこ?」「戦争にまつわる歴史を知りたい」と思う人もいるでしょう。外国人観光客に人気のある広島の観光スポットは、厳島神社や原爆ドームです。ほかにも、広島には世界文化遺産に登録されている建造物や神社があります。
このコラムでは、広島の人気スポットや戦争に関する場所を紹介。日本の戦争の歴史も解説しているので、知識を身につけて広島観光を楽しみましょう。
目次
外国人に伝えたい広島と長崎の歴史
広島と長崎は、1941年から1945年まで続いた「太平洋戦争」により原子爆弾が投下された街です。1945年7月26日にアメリカ・イギリス・中国の連合軍は降伏勧告の「ポツダム宣言」を日本へ提示しましたが、日本は降伏しませんでした。その結果、アメリカは早く戦争を終わらせるために、広島と長崎に原子爆弾を投下したといわれています。広島と長崎に投下された理由は、東京や大阪と比べて戦争による大きな空襲を受けていなかったからです。1945年の8月6日に広島に原子爆弾が投下され、3日後の8月9日に長崎にも投下されました。原子爆弾は、これまでの戦争で使用されていた爆弾よりも威力が強い爆弾です。原子爆弾の投下により、広島と長崎では多くの人が亡くなりました。
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戦争にまつわる広島の観光スポットを紹介
広島にある原爆ドームは、世界文化遺産に登録されている建造物です。ここでは、戦争にまつわる広島の観光スポットを紹介します。
平和記念公園
平和記念公園は、世界の永遠の平和を願い原子爆弾の爆心地に近い場所に建てられた公園です。平和への願いを込めた「平和の鐘」や「原爆死没者慰霊碑」、「原爆の子の像」などの像があります。「平和の鐘」の音は、1996年に環境省が公募した「残したい日本の音風景100選」に選ばれました。また、原子爆弾が投下された午前8時15分にチャイムが鳴る「平和の時計塔」の音も、「残したい日本の音風景100選」に選定されています。
平和記念公園に存在するのは、平和を象徴する像だけではありません。戦争にまつわる「原爆ドーム」や「広島平和記念資料館」、「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」などの建物も建てられています。被爆資料や被爆者の遺品、被爆後の街並みを見ることで、戦争の悲惨さや平和の大切さを学べるでしょう。
原爆ドーム
原爆ドームは、原子爆弾により被爆した建物です。被爆当時の姿のまま残っており、核兵器の廃絶と世界の永久平和の大切さを訴え続ける平和記念碑として、世界文化遺産に登録されています。
原爆ドームはもともと「広島県産業奨励館」と呼ばれており、広島県内の物産品の展示や販売が行われていました。被爆当時、広島県産業奨励館は炎に包まれ燃え上がったといわれています。建物の内部は火災で全焼したものの、鉄骨のドーム部分や厚い壁は全壊を免れました。
原爆ドームは、原子爆弾による悲惨な光景を当時の姿のまま残している唯一の建造物です。原子爆弾の恐ろしさや戦争の歴史を伝えるために存在し続けています。
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広島平和記念資料館
広島平和記念資料館も、戦争にまつわる観光スポットの一つです。広島平和記念資料館には、被爆当時の悲惨さを表す写真や被爆者の遺品などが展示されています。展示のほかに、被爆者の証言ビデオを視聴することも可能です。被爆者の話を聞くことで、戦争時の生活や原子爆弾による被害の大きさを詳しく知ることができるでしょう。
広島平和記念資料館は、広島市民から寄せられた被爆に関する資料を通して、世界に平和の尊さを伝えるために建設されました。日本の戦争の歴史や被爆前後の広島について知るために、多くの外国人観光客が訪れています。2006年には、戦後建造物として初の国の重要文化財に指定されました。
外国人に人気のある広島の観光スポット5選
広島には、綺麗な景色を楽しめる場所や動物と触れ合えるスポットがあります。戦争にまつわる建造物や資料を見たあとに、自然や動物に癒されて心を休めるのも良いでしょう。ここでは、外国人に人気のある広島の観光スポットを紹介します。
宮島
宮島は「宮(厳島神社)がある島」という意味で呼ばれており、神宿る島として知られている広島の観光スポットです。日本三景に選ばれている宮島では、「厳島神社」の海に浮かぶ鳥居や「弥山」の山頂から見られる瀬戸内海の景色を楽しめます。
歴史ある神社や寺院、建物を見られるのも宮島の魅力です。宮島には、806年に創立された「大聖院」や1201から1204年に再興されたといわれている「大願寺」があります。また、江戸時代の建物も残っているため、宮島を観光しながら江戸時代の街の雰囲気を感じられるでしょう。
歴史ある建造物のほかに、「宮島水族館」や「紅葉谷公園」もあります。宮島水族館では、ペンギンや日本の水族館に20頭しか存在しないスナメリと触れ合うことが可能です。瀬戸内海にいる珍しい生物に会える宮島水族館は、外国人観光客にも人気があります。
また、紅葉橋と呼ばれる赤い橋がある紅葉谷公園も観光客に人気です。宮島の紅葉を鑑賞する代表的なスポットであるため、記念撮影をする外国人観光客が多くいます。
厳島神社
厳島神社は広島の代表的な観光スポットで、世界文化遺産にも登録されています。海の中に建つ赤い鳥居は、見た人の心を揺さぶるほど美しく幻想的です。干潮時には鳥居の近くまで歩いて行けるため、鳥居の大きさや美しさを体感できるでしょう。夜になると、厳島神社の社殿や鳥居はライトアップされます。ライトアップされた綺麗な夜景を鑑賞するために訪れる外国人観光客もいるようです。
厳島神社は、平安時代の都の貴族の住宅様式「寝殿造り」を取り入れて建造されました。敷地内には本殿を中心に楽房や舞台などがあり、それぞれが長い廊下で結ばれています。実際に歩いてみると、廊下の大きさや独創的な構造に圧倒されるでしょう。
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大久野島
大久野島は、うさぎと触れ合える広島の人気観光スポットです。700羽以上のうさぎがいるといわれている小さな島で、宿泊施設も存在しています。大久野島はもともと、日露戦争の開戦に向けて大砲を設置する砲台を作っていた島で、太平洋戦争のときには毒ガスを作る軍事施設が設けられていました。そのため、以前は「毒ガス島」と呼ばれていたようです。大久野島には、軍事施設の跡や戦争時に使用されていた毒ガスにまつわる資料館「大久野島毒ガス資料館」があります。大久野島では、うさぎとの触れ合いに癒されつつ戦争の歴史を学べるでしょう。
おりづるタワー
おりづるタワーは、カフェや広島のお土産ショップが入っている観光名所です。また、おりづるを作る「おりづる広場」もあります。おりづるを作ったら、平和への願いを込めて「おりづるの壁」に投入しましょう。おりづるの壁は、おりづるタワーの象徴といわれるほど有名な壁で、世界中の人々が平和への想いを込めておりづるを投入することで完成します。おりづるの作り方を多言語で説明するアプリがあるので、折り紙に馴染みのない外国人観光客も安心して作れるでしょう。
おりづるタワーの屋上には、広島の街を眺められる展望台があります。木製のテラスで造られており、風が吹き抜ける設計です。平和記念公園や宮島の弥山などの広島の観光スポットを一望できます。また、カフェで購入した軽食を食べながら展望台からの景色を楽しむことも可能です。
因島水軍城
1983年に建てられた因島水軍城は、城の形をした資料館で観光スポットとして有名です。因島水軍城には、瀬戸内海で交易・流通を行っていた村上水軍の遺品や武具が展示されています。具体的には、頭にかぶる兜(かぶと)と身を守る鎧(よろい)を指す「甲冑(かっちゅう)」や「刀剣」などです。村上水軍の歴史を知らない外国人観光客も、展示されている武具や遺品を見ることで、日本の水軍に関する知識を身につけられるでしょう。
まとめ
広島には、平和記念公園や原爆ドームなどの戦争にまつわる観光スポットがあります。原爆ドームは、世界文化遺産に登録されている建造物です。核兵器の廃絶と平和の大切さを訴え続ける平和記念碑として、被爆当時の姿のまま残されています。
広島を観光する外国人は、有名なスポットを巡り日本の戦争の歴史や平和の大切さを学びましょう。