外国人エンジニアの採用ノウハウを知って優秀な人材を確保しよう!

2022年10月06日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

外国人エンジニアを採用したくても、初めてでノウハウが分からない企業もあるでしょう。優秀な外国人エンジニアを採用するには、適切な方法で募集や面接を進める必要があります。
このコラムでは、外国人エンジニアの採用ノウハウを紹介。外国人エンジニアを受け入れることは企業にさまざまなメリットをもたらします。内容を参考にして外国人を採用し、企業の人手不足解消や多様性の促進に繋げましょう。

目次

  1. 外国人エンジニアを採用する企業は増えている
  2. 外国人エンジニアの採用が企業にもたらすこと
  3. 外国人エンジニアの採用にはデメリットも存在する
  4. 外国人エンジニアが取得する在留資格について
  5. 外国人エンジニア採用に関するノウハウ
  6. 外国人エンジニアを採用する際のポイント
  7. まとめ

外国人エンジニアを採用する企業は増えている

日本では、外国人エンジニアを採用する企業が増えています。理由を解説するので、外国人エンジニアの採用を考えている企業がは参考にしてください。

IT業界では今後人手不足が予想されている

日本のIT業界では今後人手不足が加速することが予想されており、外国人エンジニアを採用する動きがあります。
少子高齢化による労働人口の減少はどの業界でも起きていますが、特にITエンジニア人材の不足は大きな課題です。経済産業省の「 IT人材需給に関する調査 」によると、IT需要は増加する一方、労働人口は減少し続けることが予想され、人材の需要と供給のギャップは2030年には最大で79万人にもなる可能性があります。国内だけで人材を確保するのは、今後さらに難しくなっていくでしょう。そこで、国外から優秀な人材を受け入れる企業が増加しているのです。

海外のほうがIT教育が進んでいる

海外のほうがIT教育が進んでいるのも、外国人エンジニアを採用する企業が増えている理由の一つです。日本では、2020年以降から小中高でのIT教育がスタートしました。しかし、それよりも前からIT教育を取り入れていた国は数多くあります。日本のIT教育は諸外国と比較して10年程度遅れているといわれており、外国人材にまで目を向けたほうがより優秀な人材を確保できる可能性が高まるのです。

優秀なIT人材を呼び込む体制が整えられている

日本は国を挙げて優秀なIT人材を呼び込む体制を整えています。そのひとつが「高度人材ポイント制」です。高度人材ポイント制は、優秀な外国人に出入在留管理上の優遇措置を与え、日本に呼び込むための制度です。高度人材と認められた外国人には在留資格「高度専門職1号」が付与され、5年という長期の在留期間や永住要件の緩和などが認められます。高度人材ポイント制度の創設により、海外から優秀なIT人材を呼び込みやすくなりました。

優秀なITエンジニアが取得できる「高度専門職1号ロ」については「高度専門職1号「ロ」とはどのような在留資格?外国人を雇用する企業に解説」のコラムで詳しく解説しています。

参照元
経済産業省「 IT人材需給に関する調査

外国人エンジニアの採用が企業にもたらすこと

外国人エンジニアを採用するメリットは人手不足解消だけではありません。優秀な人材の獲得や職場の多様化の促進が期待できます。

職場の多様性が進む

外国人を職場に受け入れることで職場の多様化が進みやすくなるでしょう。さまざまなバックグラウンドを持つ人材がともに働く環境では新しいアイディアが生まれやすくなり、生産性や利益率の上昇も期待できます。

優秀で意欲的な人材を雇用できる

日本人人材だけに採用対象を絞るよりも、海外に目を向けることで優秀で意欲的な人材を確保できる可能性が高まります。日本の労働市場は完全な売り手市場なので、能力が高くモチベーションのある人材は引っ張りだこです。一方、海外にまで視点を広げてみると、能力は高くても自国の就職難により働き口のないエンジニアはたくさんいます。外国人にまで採用の間口を広げると、優秀な人材を雇用できるチャンスが増えるでしょう。

日本人エンジニアの労働環境も整えられる

外国人エンジニアを雇用するには、事前に社内環境の整備が必要不可欠です。外国人にとって働きやすい職場作りは、同じ場所で働く日本人エンジニアの労働環境を整えることにも繋がります。結果的に、外国人エンジニアの採用は社内で働く多くの人にプラスに働くでしょう。

外国人エンジニアの採用にはデメリットも存在する

外国人エンジニアの採用は企業に多くのメリットがあります。しかし、同時にデメリットが存在することも知っておきましょう。
まず考えられるデメリットは、在留資格に関する手続きの煩雑さです。外国人が日本で働く場合、就労可能な在留資格を得る必要があります。海外から外国人を呼び寄せる際は、企業が代理で申請を行わなくてはなりません。また、外国人自ら在留資格の手続きを進める場合も、企業がやるべきことがたくさんあります。初めて外国人を採用する企業にとっては、大きな負担となるでしょう。
コミュニケーションコストが発生するリスクも、外国人エンジニア採用のデメリットの一つです。多くの外国人エンジニアは、日本語能力試験(JLPT)N1~N2と高いレベルを取得しており、客観的には日本語能力に問題ないように見えます。しかし、採用して実際業務を始めてみると、細かいニュアンスが伝わらなかったり聞き取りが苦手だったりするケースも少なくありません。それにより、業務に支障がでる可能性もあるでしょう。コミュニケーションが大変な点は、外国人採用の大きな懸念といえます。

外国人の日本語能力を測る代表的な試験であるJLPTに関しては「日本語能力試験N1の難易度は?外国人採用で求められる日本語レベル」で詳しく説明しています。

外国人エンジニアが取得する在留資格について

ITエンジニアとして働ける在留資格はいくつか種類があります。代表的なのは「技術・人文知識・国際」です。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許可されている業務は幅広く、ホワイトカラー系の職種で働く多くの外国人が取得します。「技術」「人文知識」「国際業務」のうち、「技術」分野はシステムエンジニアやプログラマーなどの理系職種が対象です。取得するには、「4年生大学卒業」「10年以上の実務経験」「法務大臣が定める情報処理技術の試験合格」「情報処理資格の資格保持」のいずれかが必要です。
「技術・人文知識・国際業務」のほかには、「永住者」や「日本人等の配偶者等」などの身分に基づく在留資格を持つ外国人もITエンジニアとして働けます。身分に基づく在留資格には就労の制限がありません。そのため、日本人同様に好きな職業を選べます。

「技術・人文知識・国際業務」とはどのような在留資格?企業に向け解説」や「在留資格の種類を一覧で紹介!外国人を雇用する際の注意点も解説」のコラムでは、在留資格についてさらに詳しくまとめています。

外国人エンジニア採用に関するノウハウ

ここでは、外国人エンジニアの採用に関するさまざまなノウハウを紹介します。

外国人エンジニアの募集ノウハウ

外国人エンジニアは、日本人と同じ募集方法ではなかなか応募が集まりません。準備を入念に行い、適切な方法で募集をかけることが大切です。

なぜ外国人エンジニアが自社に必要なのかを整理する

まず、自社になぜ外国人エンジニアの採用が必要なのかを整理します。「人材不足解消のため」や「社内の多様化を推進するため」など、さまざまな理由があるでしょう。理由を明確にしたうえで、「いつまでに何人採用すべきなのか」を決定します。

どのような外国人を求めているかを明確にする

次に、どのような外国人エンジニアを採用したいかを明らかにします。具体的には「日本語能力に長けているエンジニアを求めているのか」それとも、「ITスキルや技術力に長けたエンジニアが必要なのか」を明確にしましょう。たとえば、日本人のクライアントとやり取りできる人材を求めるのであれば、ビジネスレベルの日本語能力は必要不可欠です。一方、開発スキルの補充を目的に外国人を採用するのであれば、日本語能力に固執しなくても良いでしょう。このように、求める外国人の基準を明確にしたうえで、募集要項を作成します。

外国人に適した方法で募集をかける

外国人を募集する際は、外国人専門の転職サイトやエージェントにも目を向けてみましょう。通常の媒体に求人を出すよりも、ピンポイントで求める人材の応募を集めやすくなります。また、自社の社員から直接人材を紹介してもらう「リファラル採用」もおすすめです。

外国人エンジニアの採用面接ノウハウ

外国人エンジニアの採用面接では、日本語能力を測れる質問をしましょう。たとえ資格試験で高レベルを獲得しているからといって、コミュニケーションスキルが高いとは限りません。日本語能力を測る試験の多くは、「読む」「書く」「聞く」力を測るのであって、会話能力は考慮されていないためです。面接では「日本に来た理由」「日本の好きなところ」など他愛のない質問をして、会話のキャッチボールをしながら日本語能力を見極めましょう。

外国人エンジニアの採用面接をする際は、質問の仕方に配慮することも重要です。日本人の面接と同じような言い回しやトーンで外国人に質問しても、理解できない可能性があります。ゆっくりとした話し方や分かりやすい言い回しを心掛け、威圧的な空気にならないように気を付けましょう。

外国人エンジニア採用手続きのノウハウ

雇用したいエンジニアが決まったら、採用手続きに移ります。まずは、雇用契約を締結しましょう。外国人と雇用契約を結ぶ際は、必ず書面を用意し、あとからトラブルになるのを防ぎます。外国人は契約内容を重視する傾向にあるので、不明点がないか都度確認しつつ契約を進めましょう。なお、契約する前に在留資格や在留期限などを確認し、本当に自社で業務を行える人材なのかを最終チェックします。
在留資格の取得や変更などの手続きが完了したら入社の手続きです。健康保険や厚生年金、雇用保険などの手続きは基本的に日本人と変わりません。外国人も厚生年金や健康保険料を納める必要があります。「納めたくない」という外国人がいたら、加入義務があることを企業側から丁寧に説明し、納得してもらいましょう。

外国人特有の手続きに「外国人雇用状況の届出」があります。外国人雇用状況の届出とは、外国人の入職や離職があったときに、ハローワークに提出する書類のことです。外国人の雇用の安定や再就職支援に繋げる目的があり、雇用主に提出義務があります。雇用保険に加入する外国人の場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出する際に一緒に手続きが可能です。

詳しくは「「外国人雇用状況の届出」とは?対象者や届出事項を企業向けに解説」のコラムをご覧ください。

外国人エンジニアを採用する際のポイント

外国人エンジニアの採用を成功させるには、いくつかのポイントが存在します。

在留資格や在留期限をしっかり確認する

外国人エンジニアを採用する際は、在留資格や在留期限を必ず確認してからにしましょう。いくらスキルや人柄に申し分なく、採用したいと思う人材でも、在留資格が相応しくなかったり在留期限が切れていたりすると働いてもらうことはできません。「技術・人文知識・国際業務」や身分系の在留資格を持っているか、もしくは変更・取得が可能なのかを確認してから、雇用契約を締結しましょう。

外国人エンジニアが働きやすい環境を作る

外国人エンジニアを継続的に採用するには、働きやすい職場作りが重要です。せっかく優秀な人材を採用できても、外国人が働きにくさを感じてすぐ離職してしまっては意味がありません。入社前に社内環境を整え、定着率を上げる努力をしましょう。働きやすい職場作りの具体例は以下のとおりです。

  • 社内マニュアルや社内標識の多言語化
  • 日本語を学ぶ機会の提供
  • 就業規則の改訂(一時帰国用の休暇制度など)
  • 生活面のサポート制度

外国人に「どのような職場で働きたいか」をヒアリングしながら、社内環境の整備を進めるとスムーズです。

採用後だけでなく継続的にフォローを行う

外国人に長く働いてもらうためには採用時だけでなく、継続的なフォローが欠かせません。定期的な面談やヒアリングはもちろん、日頃から外国人の様子を気に掛け、気になる点があれば声掛けをしていく姿勢が大切です。

まとめ

外国人エンジニアを採用する企業は増加傾向にあります。優秀な外国人エンジニアの獲得は、企業にとって大きな戦力になるでしょう。外国人の採用には、日本人とは異なるノウハウが必要です。このコラムで紹介したノウハウを参考にして、外国人エンジニアの採用をスムーズに進めましょう。