介護業界で特定技能外国人を雇用するには?企業にメリットや注意点を解説

2020年03月23日
WeXpats Bizは技能実習/特定技能の外国人採用・雇用支援サービスを提供しているLeverages Global Supportの関連サイトです。行政書士監修の下、外国人採用の現場で役立つ情報を発信しています。
濵川恭一 (監修)
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net

特定技能「介護」の在留資格がどのようなものなのか、詳しく分からない方もいるでしょう。特定技能は人手不足の業界のために創設された在留資格で、介護を含む14業種が対象です。このコラムでは、特定技能「介護」の在留資格の概要や、特定技能外国人を受け入れる企業の注意点を解説。特定技能以外の介護業界で就労できる在留資格についてもまとめています。内容を参考にして、外国人雇用をスムーズに進めましょう。

目次

  1. 特定技能はどのような在留資格?介護業界でも働ける?
  2. 特定技能「介護」で行える業務や要件を解説
  3. 特定技能外国人を介護業界で雇用する際の注意点
  4. 介護業界で外国人が働ける特定技能以外の在留資格は?
  5. まとめ

特定技能はどのような在留資格?介護業界でも働ける?

特定技能は、特定の業界の人手不足を解消するために創設された在留資格です。対象業種は14業種あり、介護職もそのなかに含まれます。日本は少子高齢化の影響で、介護サービスを利用する人が今後も増えていくと予想されるため、外国人雇用の促進は急務といえるでしょう。

特定技能は人手不足の業界のために作られた在留資格

特定技能は、人手不足が深刻な業界のために2019年に新設された在留資格です。特定技能の在留資格ができるまで、介護業界で雇用できる外国人の在留資格は「介護」「特定活動(EPA介護福祉士候補者)」「技能実習」のみでした。特定技能の在留資格が創設されたことで間口が広がり、より多くの外国人を受け入れられるようになったのです。

特定技能には介護を含めて14業種ある

特定技能の在留資格は以下の14業種に分かれています。
 

・1.介護業

・2.ビルクリーニング業

・3.素形材産業

・4.産業機械製造業

・5.電気・電子情報関連産業

・6.建設業

・7.造船・舶用工業

・8.自動車整備業

・9.航空業

・10.宿泊業

・11.農業

・12.漁業

・13.飲食料品製造業

・14.外食業
 

以上は人材不足解消のための対策を講じたものの解消せず、外国人の受け入れを拡大する必要があると判断された業種です。なお、特定技能の在留資格には1号と2号がありますが、現時点(2021年11月)では、2号の外国人はおりません。

14業種の在留資格については「特定技能評価試験とは?介護や外食など在留資格を得られる14業種を紹介!」や「特定技能14業種を一覧で紹介!行える業務内容も解説」のコラムでも、詳しく解説しています。外国人雇用を検討している事業者は、ぜひチェックしてみましょう。

日本の介護業界は外国人雇用を増大させるのが急務

介護業界は、人手不足を解消するために雇用を増やすのが急務です。日本の介護業界は少子高齢化の影響で深刻な人手不足に陥っています。介護サービスの需要が増えている一方、労働人口は減っているためなかなか人材が増えません。また、介護職は「大変」「給料が安い」といったイメージが強く、求人が集まりにくいのも特徴です。国内での人材確保のための工夫はもちろん大切ですが、急増する介護サービス需要に対応するためには、積極的に外国人を受け入れていく必要があるでしょう。

特定技能「介護」で行える業務や要件を解説

外国人が特定技能「介護」の在留資格を得るには、「介護技能評価試験に合格」「介護日本評価試験に合格」「日本語能力試験もしくは国際交流基金日本語基礎テストで規定のレベルに合格する」という3つの条件を満たさなくてはなりません。すべての条件をクリアし特定技能「介護」の在留資格を得た外国人は、身体介護業務や支援業務に従事できます。

外国人が特定技能「介護」の在留資格を得る要件

外国人が特定技能「介護」の在留資格を得る3つ条件を、以下で詳しく説明します。

1.介護技能評価試験に合格

特定技能「介護」の在留資格を得るには、介護技能評価試験の合格が必要です。介護技能評価試験はパソコンを用いるCBT方式で行われます。出題数は介護の基本や身体のしくみなどに関する学科試験40問と、介護技術の実技試験5問の計45問です。

2.日本語能力を測る試験で必要なレベルを取得

特定技能の在留資格を得るには、「日本語能力試験(JLPT)」のN4レベル、もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のA2レベルに合格しなくてはなりません。日本語能力試験(JLPT)はマークシート方式、「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」はCBT方式で行われます。

3.介護日本語評価試験に合格

特定技能「介護」の在留資格を得るには、JLPTもしくはJFT-Basicで該当のレベルを取得するのに加え、介護分野に特化した日本語試験にも合格する必要があります。介護業務は専門用語が多く、高度なコミュニケーション能力が求められるためです。介護日本語評価試験は、パソコンを用いるCBT方式で行われます。試験内容は「介護のことば」「介護の会話・声かけ」「介護の文章」から5問ずつ出題され、試験時間は30分です。

なお、介護分野にて技能実習2号を良好に修了した外国人は、日本語能力に関する試験が免除されます。また、行おうとする業務と技能実習で実施していた作業内容が一致する場合、介護技能評価試験の受験も必要ありません。

外国人が特定技能「介護」で行える業務

特定技能の在留資格を持つ外国人は、介護サービス利用者の身体介護と付随する支援業務に従事できます。特定技能や技能実習では禁止されている訪問介護も可能です。身体介護とは利用者の入浴や食事、排泄の補助などの行為です。また、支援業務としてレクリエーションの実施や機能訓練のサポート、物品の管理業務なども行えます。ただし、業務の中心は身体介護業務でなければなりません。付随する業務だけを行わせないように注意しましょう。

外国人が介護業界で働く際の在留資格は?企業に向けて解説」では、介護にまつわる在留資格について詳しく解説しています。外国人雇用を検討している介護事業者の方は、参考にしてみてください。

参照元
出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-介護分野の基準について-」
厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて

特定技能外国人を介護業界で雇用する際の注意点

特定技能の在留資格を持つ外国人は、訪問介護事業所では雇用できないので注意しましょう。そのほかにも、雇用する企業が守らなければならないルールが存在します。以下で詳しく説明するので参考にしてください。

訪問介護サービスでは雇用できない

特定技能外国人は、利用者の自宅に訪問し介護を行うことはできません。また、サービス付き高齢者住宅や住居型の介護施設での就労も不可です。理由は、利用者と外国人双方の人権を守り、在留管理を適切に行うためとされています。特定技能外国人は特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイサービスなどで雇用しましょう。

雇用形態や報酬の決まりを厳守する

特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人の雇用形態は正社員のみです。アルバイトや派遣社員では雇用できません。また、報酬は同じ仕事をする日本人と同等もしくはそれ以上を支払う必要があります。

受け入れ人数や期間を守る

特定技能外国人を受け入れられる人数や期間にも決まりがあります。

特定技能の在留資格を持つ外国人の受け入れ人数は、本来企業ごとの制限はありません。しかし、介護分野と建設分野に限っては上限が設けられています。介護分野では、各事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限です。なお、「日本人等の常勤介護職員」とは日本人だけを指しているわけではありません。EPA介護福祉士候補者として来日し介護福祉士の資格を取得した外国人や、在留資格「介護」を持つ外国人、身分系の在留資格で就労している外国人も含まれます。

特定技能の在留資格(1号)を持つ外国人の在留期間は最長5年です。特定技能の在留資格は更新ができないので、5年を経過したら帰国しなくてはなりません。ただし、在留期限を迎える前に介護福祉士の資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更できます。介護の在留資格は更新が可能です。そのため、在留資格を更新し続けることで長期間働けるでしょう。

介護業界で外国人が働ける特定技能以外の在留資格は?

介護業界で外国人が働ける在留資格は「介護」「技能実習」「特定活動(EPA介護福祉士候補者)」です。以下でそれぞれの在留資格の特徴を説明します。

介護

介護の在留資格を得るには、介護福祉士国家試験に合格し資格を取得する必要があります。介護福祉士の資格取得ができる大学や専門学校を卒業し、資格を得るルートが一般的です。また、2020年の上陸基準省令改正からは専門の教育機関を卒業していなくても、介護の在留資格が得られるようになりました。介護施設で3年以上実務経験を積み、実務者研修を経て介護福祉士の国家試験に合格する方法です。なお、介護福祉士の試験は日本語で行なわれるため、外国人にとっての難易度は高いでしょう。

詳しくは、「在留資格「介護」を持つ外国人の採用について、最新情報を解説」でもまとめていますので。ぜひ、ご一読ください。

技能実習

技能実習生は介護分野でも受け入れられます。技能実習生の在留期限は通常1年ですが、技能試験に合格することで最大5年の在留が可能です。なお、技能実習の在留資格は特定技能のように人手不足を解消するためにできたわけではありません。あくまで、開発途上国出身の外国人に日本の技術を移転する「人づくり」が目的です。そのため、技能実習生を労働力の補填として扱えないことを頭に入れておきましょう。

特定活動(EPA介護福祉候補者)

EPA介護福祉候補者は、特定活動の在留資格のもと介護業務を行えます。EPAとは二国間の経済連携協定のことです。EPAは特定の国同士の経済連携を強化するのが目的であり、EPA介護福祉候補者に選定された外国人は、日本の介護施設で実務研修を経て介護福祉士の資格取得を目指します。なお、EPA介護福祉士候補者を受け入れているのはベトナム、インドネシア、フィリピンの3ヶ国からのみです。各国によって、EPA介護福祉士候補者に選ばれる要件は異なります。EPA介護福祉士候補者も技能実習生と同様、人材補填として考えてはなりません。

まとめ

特定技能「介護」の在留資格は、介護業界の人材不足を解決する糸口になります。人手不足で困っている介護事業者は、このコラムを参考にして外国人雇用に踏み出してみましょう。

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