コックのための技能ビザ(調理)を取得するには?技術ビザとの違いや必要書類を解説

2020年07月27日
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小島健太郎 (監修)
さむらい行政書士法人 代表社員
外国人の在留資格・VISA・帰化、対日投資手続きを専門に扱う「さむらい行政書士法人 」の代表社員。さむらい行政書士法人は東京、名古屋、大阪と全国対応。日本においても外国人を採用する企業が年々増加傾向にある中、外国人を雇用する際の就労ビザの取得を支援し、専門性の高いコンサルティングにより高い信頼を得ている。専門分野:在留資格・VISA・帰化。年間相談実績1,000件以上。 https://samurai-law.com

高度な調理技術と長年の経験年数を持ちあわせる外国人の一流料理人たち。日本の飲食店や宿泊業界でも、料理の美味しさは多くの集客を見込めるとあって、海外のコックを日本で雇用したい企業も多いのではないでしょうか。

なかでも「技能ビザ」を取得できるほどのコックは、海外から迎えるのにも条件があり、多くの書類を提出する必要があります。企業が外国人コックを技能ビザで迎え入れるための条件や書類には、どのようなものがあるのか詳しく解説していきましょう。

技能ビザとは

技能ビザとは、法務省、出入国管理及び難民認定法によって規定される在留資格のひとつです。調理師をはじめ、特殊分野における熟練した技能を有する職種において業務にあたることを認めており、俗にいう「職人」のための在留資格といってもいいでしょう。

代表的な職種にコックがあげられますが、他には以下のような職種が該当し、それ以外の職種の人が技能ビザを取得することはできません。

  • 外国料理の調理師・料理人

  • 外国特有の建築技術者

  • 外国特有の製品製造者

  • 動物の調教師

  • 海底掘削・探査技術者

  • 宝石・貴金属・毛皮加工技能者

  • パイロット

  • スポーツ指導者

  • ソムリエ

参照:法務省「日本での活動内容に応じた資料【在留資格認定証明書交付申請】技能2」提出資料

・技術ビザとの違いについて

間違いやすい在留資格に「技術ビザ」があります。技術ビザは、特定分野に属する技術や知識、思考、感受性を必要とする業務に認められる在留資格です。(※)理学や工学、自然科学、法律学、経済学、社会学、人文科学などを基盤とした理論から業務に生かす技術を提供するのが目的であり、デザイナーや講師などで活動する人も該当します。

技能ビザは「技」、技術ビザは「発想」を軸にした在留資格といってもいいでしょう。

参照:法務省「技術・人文知識・国際業務」日本において行うことができる活動内容等

技能ビザ(調理)取得のための必要条件

技能ビザには、それぞれの職種ごとに重要視される実務経験などの条件があります。コックとして勤務するために必要な条件には、主に次の項目が挙げられますので確認しておきましょう。

・実務経験

申請人(外国人)が次のいずれかに該当し、日本人と同等の報酬、または同等額以上の報酬を受けることが基本です。

  • 当該技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者

  • タイ料理人の場合は、タイ料理人としての実務経験を5年以上有するもの

10年という長い期間を証明するためには、外国人本人の在職証明書が不可欠です。店名や住所、電話番号、職種、実務経験なども出入国在留管理局の審査によって虚偽ではないことを確認されますので、嘘の申請は通りません。

・料理メニューの豊富さ

技能ビザは、日本人では習得できない、外国の独自の料理を作る熟練されたコックに与えられる在留資格です。そのため、メニューが数点しかないといった外食産業では在留資格を取得できず、外国人雇用は難しいのが現状です。

例えば、外国人が日本料理やお寿司など、日本の食文化に触れる職場で働くとしても技能ビザは取得できません。一方、例えば中国人がフランス料理人として技能ビザを取りたいというような場合であっても、上記の実務経験の要件を満たしてさえいれば許可になる可能性があります。中国人は中華料理でしか技能ビザの許可が出ないというわけではありません。

母国の伝統的な料理をはじめ、料理メニューが豊富なお店であることが、外国人コックに技能ビザを取得させられる条件と言ってもいいでしょう。

・店舗の座席数

店舗の座席数に明確な決まりはありませんが、企業が技能ビザ取得のために準備する書類には「店舗の平面図」(※)もあるため、店舗の広さや座席数も出入国在留管理局でチェックが入ることが予測できます。また、「決算報告書のコピー」提出もあり、経営状態の審査も考えられます。

外国人や雇用する企業側が、「外国料理を日本の多くの人に知ってほしい!」という気持ちがあり、経営が順調であれば、数席の店舗を準備することはないでしょう。25席前後の席数を目安として準備できれば、コックが単純作業にかかわることなく就業でき、技能ビザにふさわしいと審査が通る可能性も膨らむのです。

技能ビザに必要な書類

技能ビザを取得できる条件が確認できたら、申請に必要な書類を準備しなければなりません。提出書類に不備があると申請できませんので、ひとつずつ確認しながら整理して準備を進めていきましょう。

準備する申請書類は、「企業用」と「個人用」で異なります。(※)企業は規模によっても提出する書類が異なるため、法務省のHPをしっかり確認しておくようにしてください。

・申請者本人が提出するもの

(海外在住のコックを呼ぶ場合)

  • 在留資格認定証明書交付申請書

  • 証明写真(サイズ縦4cm×横3cm)

  • 返信用封筒(切手404円分を貼っておく)

※ 中国・タイ・その他共通

(日本在住のコックが技能ビザに変更する場合)

  • 在留資格変更申請書

  • 証明写真(サイズ縦4cm×横3cm)

  • 返信用ハガキ

  • 在留カード原本

  • パスポート原本

※ 中国・タイ・その他共通

■中国のコックの場合

  • 戸口簿

  • 調理師資格証明書

  • 在職証明書+在職していたお店の営業許可証コピー

  • 退職証明書

  • 勤務中の写真を複数枚

■タイのコックの場合

  • 実務経験5年以上を証明する文書(在職証明書)

  • 調理技能が初球以上を証明するもの(調理師免許やその他証明書)

  • 申請前1年の間にタイで受けた報酬額証明書

■その他の国のコックの場合

  • 前職、または現職の在職証明書

  • 公の機関が発行する証明書

各国の提出書類は、出入国管理庁が必要だと判断した場合、記載にない書類も提出を求められることがあります。また、本人が提出する書類は、新会社であっても変更はありません。

・企業が提出するもの

  • 雇用理由書

  • 雇用契約書

  • 外国人の履歴書

  • 登記事項証明書

  • 定款の写し

  • 前年度分の従業員源泉徴収等の法廷調書合計表の写し(受付印付き)

  • 最新の決算報告書写し

  • 飲食店営業許可証の写し

  • メニューの写し

  • お店の図面(平面図)

  • お店の写真(外観、店内、キッチン、玄関、看板など)

  • お店の賃貸契約書写し(所有不動産であれば登記事項証明書)

■新会社の場合は追加

  • 事業計画書

  • 給料支払事務所開設届の写し(受付印付き)

  • 直近3ヶ月分の給与所得・退職所得の所得税美醜高計算書の写し(領収日印付き)、または、源泉所得税納期特例承認申請書の写し(受付印付き)

全ての書類をまとめて提出することが基本となるため、できるだけ時間のかかりそうな書類から準備を進めていきましょう。受付印や領収日印が必要になる書類もありますので、準備の際にはしっかり確認するようにしてください。

参照:法務省「技能1提出資料」


技能ビザの審査期間と事前準備の注意点

コックが技能ビザの申請をスムーズに行うためには、審査期間を見越して事前準備を進めていかなくてはなりません。どんな点に注意すればいいのか、把握しておきましょう。

・審査にかかる期間

申請後、審査にかかる期間は1~3ヶ月と長めです。書類をそろえるのにも苦労しますが、申請が許可されるまでの間にも、「早くコックとして働いてほしい。」という思いは強くなるはずです。

技能ビザがないままで就業すると不法就労になりますので、外国人と企業のタイミングをしっかり合わせながら、雇用契約や勤務開始をスタートさせる必要があります。

・万が一、技能ビザが取得できないことも考えて

外国人を海外から日本へ招いて、技能ビザの取得ができないことになっては本末転倒です。そのため企業では、万が一のことも考えながら外国人の採用を検討する必要があります。

ひとつの策としては、すでに就労ビザで働いている外国人をスカウトして、在留資格変更申請で雇用する方法。また、海外から日本へ来る前に相手の書類等を確認し、不備や虚偽がないかチェックしてから採用する方法もあります。

雇用契約書へは、念のため「技能ビザが取得できない場合、この雇用契約は効力を生じない。」という文言を入れ、本人にも誤解がないよう伝える必要があるでしょう。

まとめ

どれだけ素晴らしい料理を作れても、長い経験と熟練の技がなければ認められない「技能ビザ」。外国人が技能ビザを取得することで、日本でもたくさんの人に外国料理を喜んでもらえるようになります。美味しさで集客したい外食系企業も、各国のコックがいれば、自信を持って本場の美味しさを提供できるでしょう。

日常業務で忙しいなか、書類をそろえたり外国人とコンタクトしたり、自身で行うのが難しいと思った場合は、専門家の支援を受けることも検討しながら間違いのない手続きを進めていきましょう。

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