日本語の勉強を始めたばかりの方は、どのように学習を進めれば良いか迷う場合もあるでしょう。初心者のうちは、無理に難しい内容から勉強を始めると挫折してしまう可能性があります。自分のレベルに合った勉強方法を探し、無理なく進めていくことが大切です。このコラムでは、日本語初心者の方におすすめの勉強方法を解説します。まず覚えておきたい日本語のフレーズもまとめているので、参考にして学習に活かしましょう。
目次
日本語初心者におすすめの勉強法
ここでは、日本語初心者の方におすすめの勉強方法を紹介します。
とにかく会話してみる
日本人と会話しながら勉強していくのが、日本語上達の近道です。初心者のうちはイントネーションや文法が不安で、話すのが怖いという方も多くいます。しかし、初めから完璧な日本語を話す必要はありません。多少間違っていても、言いたいことのニュアンスが相手に伝わりさえすれば会話は成立します。とにかく日本人と会話し、間違ったところを教えてもらったりイントネーションを参考にしたりしながら、ゆっくり上達していきましょう。おすすめは、日本人の友人や恋人を作ることです。「もっとスムーズに話したい」「いろいろなことを話したい」といった気持ちが生まれ、日本語の上達スピードが上がりやすくなるでしょう。
漢字は分解して覚える
初心者の方には、漢字を分解して勉強することをおすすめします。漢字には字画が多い種類も多く、そのまま覚えるのは難易度が高いでしょう。そこで、漢字を左右や上下のパーツごとに分け、組み合わせて覚えていくとスムーズです。例として「働」という漢字を覚える方法を紹介します。
【働を分解して覚える方法】
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左側の「人」を表す部首を覚える
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右側の「動く」を表す部首を覚える
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左右の部首を覚えたら組み合わせ、「人が動く」という意味の「働」を覚える
日本の小学生も、字画が多い漢字は分解して覚えることがあります。
アニメや映画で活きた日本語を勉強する
アニメや映画、ドラマなどのエンターテインメントを利用すると、初心者の方でも楽しみながら日本語を勉強できます。テキストで基本の文法や単語を学ぶのは非常に大切です。しかし、難しさやつまらなさを感じてしまうと、勉強の継続が難しくなるでしょう。好きなアニメや映画、ドラマを日本語字幕や日本語吹き替えで見ていると、知らぬ間に日本語スキルが身に付きます。なお、おすすめは現代社会が舞台になっている作品です。時代劇やファンタジー作品だと、現代の日本では使われない言い回しや表現が出てくる可能性があります。活きた日本語を勉強するためには、現代の会社や家庭、学校などが舞台の作品を選びましょう。
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日本語勉強初心者がまず覚えたいフレーズ
日本語勉強を始めたばかりの初心者の方は、まず挨拶から覚えるのがおすすめです。日本人は挨拶を大切にします。まだスムーズに日本語を話せない段階でも、挨拶でよく使うフレーズを覚えておけば、日本人と円滑にコミュニケーションを取れるでしょう。
ありがとう
ありがとう(arigatou)は、感謝の気持ちを相手に伝える言葉です。誰かに助けてもらったときやプレゼントをもらったときなど、日常のさまざまな場面で使われるフレーズといえるでしょう。なお、会社の上司や年上の人など、目上の人に使うときは「ありがとうございます」と言います。
おつかれさま
おつかれさま(otsukaresama)は、もともと相手の苦労を労う言葉でした。しかし、昨今は挨拶として広く浸透しています。よく使われるのは仕事の場面です。仕事が終わって帰るときや仕事場ですれ違ったときに、職場の人へ「おつかれさま」と声を掛けてみましょう。
すみません
すみません(sumimasen)は謝るときに使う言葉で、「ごめんなさい」より少しかしこまった表現です。仲の良い友人や気心の知れた人以外に謝るときは、「すみません」が適切でしょう。また、「すみません」は店舗で店員に声を掛け、注文をしたり質問をしたりする際の呼びかけにも使われます。
「すみません」を目上の人に使うのは失礼です。自分より立場が上の人に謝罪する際は「申し訳ございません」「申し訳ありません」と言います。
はじめまして
はじめまして(hajimemashite)は、初めて会う人と交わす挨拶です。「はじめまして」のあとに自分の名前や軽い自己紹介を言うと良いでしょう。
いただきます
いただきます(itadakimasu)は食事をする際の挨拶です。食材になった生き物や植物の命をもらう(頂く)という意味が込められています。「いただきます」は、胸の前で手のひら同士を合わせ、頭を軽く下げながら言うのがマナーです。
上記で説明したフレーズは「arigatouの意味や使い方を外国人に向けて紹介!」や「sumimasen(すみません)の意味や使い方を外国人に向けて紹介!」のコラムで詳しく解説しているので、ぜひ見てみてください。
日本語勉強初心者が間違えやすいポイント
ここでは、日本語勉強初心者が特に間違えやすいポイントを紹介します。
主語や目的語の省略
日本語は主語や目的語を省略しがちな言語といわれています。そのため、日本語初心者の方は「誰の話をしているのか」「いつの話なのか」がよく分からず、混乱することがあるようです。以下の例文をご覧ください。
【例文】
太郎さん「昨日買い物に行ったんだ」
花子さん「そうなんだ!何を買ったの?」
太郎さん「カバンと靴」
以上の会話に主語や目的語を追加すると、以下のようになります。
太郎さん「(昨日、私は△△に)買い物に行ったんだ」
花子さん「そうなんだ!(あなたは)何を買ったの?」
太郎さん「(私は昨日)カバンと靴(を買ったよ)」
日本は察する(空気を読む)ことを重要視する文化があるため、すべてを言葉にしなくても会話が成立します。このように、日本語の主語や目的語が省略される部分は、外国人からすると非常に難しく感じるでしょう。
漢字の使い分け
漢字には音読みと訓読みがあり、前後の文の組み合わせによって読み方が変わります。日本語を勉強し始めたばかりの初心者の方は、「今はどの読み方が正しいの?」と混乱するようです。以下で例文を紹介します。
【例文】
「私は生き物が好きなので、生物係に手を挙げました」
この文の読み方は「わたしはいきものがすきなので、せいぶつがかりにてをあげました」です。「生」と「物」の漢字は、「いきもの」「せいぶつ」で全く読み方が変わってしまいます。同じ意味の言葉なのに読み方が変わる点は、日本語に慣れるまで理解するのに苦労するでしょう。
敬語のマナー
日本語の敬語には、「丁寧語(ていねいご)」「尊敬語(そんけいご)」「謙譲語(けんじょうご)」の3つの種類があります。日本語では相手と自分との関係を照らし合わせながら、これら3つの敬語を使い分けなければなりません。たとえば、「食べる」の敬語は、食べるのが自分であれば謙譲語の「頂く」です。しかし、食べるのが目上の人の場合は、尊敬語の「召し上がる」に変わります。日本語を勉強し始めたばかりの初心者の方は、正しい敬語がどれかを判断するのに時間が掛かるでしょう。
日本語勉強の初心者が間違えやすいポイントは、「外国人が難しいと感じる日本語の例文を紹介!理解できるか挑戦してみよう!」のコラムでも詳しく紹介しています。
まとめ
日本語は漢字圏以外の人にとって、非常に難しい言語です。やみくもに勉強してもスムーズに習得できず挫折してしまう可能性があります。まずは、初心者に相応しい勉強方法を知り、無理なく日本語の学習を進めましょう。