ひらがなやカタカナは、日本語初心者が最初に学ぶものです。この記事では、日本語学習で大切なひらがなとカタカナの違いや、それらを最適に学習するための方法について説明します。
目次
3種類の日本語の文字を紹介!
日本語は、次の3種類の文字で構成されています。
ひらがな
「ひらがな」は日本語の最も基本的な文字であり、日本語を勉強するときに最初に学ぶものです。ひらがなは表音文字で、覚える基本的なひらがなは全部で46文字。 5つの母音、40の子音+母音、1つの子音が含まれています。
ひらがなはダイナミックな曲線を描く美しくエレガントな文字です。そのため、昔は女が使う文字という意味で「女手」とも呼ばれていました。現在のひらがなは、8世紀に作られた「万葉仮名」を簡略化したものであると言われています。
カタカナ
「カタカナ」も表音文字です。すべてのひらがなに相当するカタカナがあります。また、カタカナはひらがなと見た目が似ています。これは、カタカナがひらがなを簡略化(または断片化)したものだからです。
なぜカタカナが必要なのでしょうか。カタカナは、次のようなときに多く使用されます。
- 外来語や借用語を書くとき
- 強調したいとき
- オノマトペ(「ニャー」や「ピョンピョン」などの音に対応する単語)
- 名前、場所、物、動物、植物で対応する日本語がないとき
- ふりがな(読み方をひらがな・カタカナで書いたもの)
- スラングまたは方言
漢字
多くの漢字は中国から日本に伝わりましたが、 「国字」や「和製漢字」と呼ばれる日本発祥の漢字もあります。
漢字には日本語読みの「訓読み」と中国語読みの「音読み」の2つの読み方があります。
「外国人が難しいと感じる日本語とは?難しい理由から例文まで徹底解説!」の記事では、「訓読み」と「音読み」の違いがわかる具体的な例文を紹介しているので、漢字の知識も深めたい方はぜひチェックしてみてください。
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ひらがな表
濁点「゛」と半濁点「゜」
ひらがなの子音+母音の中には、濁点や半濁点と呼ばれる記号と組み合わせることができるものがあります。
-
濁点は「点々」と呼ばれる二重の点で、「〃」のような形をしている
例:「が」「ざ」「だ」「ば」
-
半濁点の記号の「丸」は度の単位記号の「°」に似ている
例:「ぱ」「ぷ」「ぽ」
濁点・半濁点を使ったひらがなの濁音・半濁音は、全部で25文字あります。
拗音(ゃ、ゅ、ょの追加音)
子音+母音、または濁音・半濁音にひらがな「や」「ゆ」「よ」を組み合わせて新しい音を作ったものです。
拗音のとき、「や」「ゆ」「よ」は小さく半分の大きさになります。
例:「びゃ」「きゃ」「じゃ」「ぴょ」
促音「っ」・長音
最後に、日本語の特殊音素を紹介します。
-
促音:促音符と呼ばれる小さい「っ」は、子音が二重になる。発音はせず、1拍の長さ(1拍休み)。
例:「ぶっかけ(bukkake)」「ちょっと(chotto)」
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長音:母音を伸ばすもので、長音の前の母音の音をのばす。1拍の長さ。
例:「へえ(hee)」「まあまあ(maamaa)」
ひらがなをマスターしたら次はカタカナ!
ひらがなをマスターすれば、カタカナは簡単に覚えることができます。ひらがなに比べてカタカナは鋭角が多いため、男性的なイメージがあります。また、ひらがなよりも画数が少ないのも特徴です。
ひらがなとカタカナの境界線はあいまいで、カタカナで書くべき単語がひらがなで書かれたり、その逆の場合もあります。
カタカナ表
カタカナの記号(濁音・半濁音/促音/長音)
上の表からも分かるように、濁点「゛」と半濁点「゜」はひらがなと同じです。
表記でひらがなと違うのは以下のものです。
- 促音:カタカナの場合は小さい「ッ」を使う
- 長音:カタカナでは母音の「あ~お」は使わず、長いダッシュ「ー」を使う
例:「サービス(saabisu)」「サッカー(sakkaa)」「ジュース jyuusu」
名前はカタカナで書く
外国人の場合は、名前をカタカナで書きます。名前が漢字で書かれている台湾や中国の方も、カタカナで発音を書かなければなりません。日本は書類作成が多い国なので、特に日本に引っ越してきたばかりの頃は、役所の手続き、銀行口座の開設手続き、クレジットカードの契約など、自分の名前をカタカナで書くことが必然的に多くなります。
ひらがなやカタカナを学ぶ簡単な方法
日本語学習では、まずひらがな46文字、カタカナ46文字の合計92文字を覚える必要があります。「これらすべてをどのように覚えるの?」と疑問に思う方のために、学習方法をご紹介します。
ひらがな・カタカナ表を作る
ひらがなやカタカナを覚える最も簡単で効果的な方法は、表を作ることです。なぜなら、母音と子音がどのように形成されているかを簡単に理解できるからです。ひらがなとカタカナが混ざらないように、別々に分けて表を作るといいでしょう。
カラフルなペンを使ったり、Excelを使って工夫したりして、自分だけのオリジナル表を作るのもおすすめです。また、「あ」は「あり」、「い」は「いちご」のように、簡単な日本語の単語と関連付けるとより覚えやすくなるでしょう。この表は、暗記、書き取り練習、間違い直しのベースとなります。
上記のひらがな・カタカナ表も、ご自由にお使いください。
毎日(または毎週)の目標を立てて暗記する
毎日(または毎週)覚えるべき文字数を決めて、スケジュールをこなしましょう。1日10文字から始めるとよいですが、難しければ5文字に減らしてもかまいません。大切なのは、一貫性と規律です。この方法は、その後の漢字を覚えるときにも最適です。
そして、母音ではなく子音の流れに沿って、子音ごとに覚えましょう。
例えば、1日10個のひらがなを覚える場合は以下のようになります。
- k:か、き、く、け、こ
- s:さ、し、す、せ、そ
母音ごとに覚えるとなると、あ、か、さ、た、な、は、ま…と難しくなります。
書く練習をする
書く練習は、毎日(または毎週)の暗記と同時に行うのが最適です。文字の書き方を学ぶと、より覚えやすくなります。書くことをさらにおもしろくするために、書道を試してみるのもいいでしょう。
芸術的で自由な書風もいいですが、まずは標準的で正確に書くことを重視した「楷書」を覚えることをおすすめします。なぜなら、一度悪い癖を身に付けてしまうと直すのが難しくなり、他の人が正しく読めないとトラブルが起きることもあるからです。正確な文章を書くことも含めて、しっかりとした基礎を築くことを優先しましょう。
問題のある文字に焦点を当て、パターンを見つける
暗記するとき、書く練習をするとき、特に注意すべきポイントをご紹介します。
似ている文字
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「ぬ(nu)」と「め(me)」、「ね(ne)」と「わ(wa)」
N子音の「ぬ」「ね」は、末端に渦巻き状の結び目があります。
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「ツ(tsu)」と「シ(shi)」
「ツ」の長い線は上から下へ、「シ」の長い線は下から上へ書きます。
また、「ツ」の2本の短い線はより垂直で、「シ」はより斜めです。
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「ソ(so)」と「ン(n)」
上記の「ツ」「シ」と同じような違いで、「ソ」の長い線は上から下へ、「ン」の長い線は下から上へ書きます。
また、「ソ」は短い線がより下を向いて長い線の下部に近いのに対し、「ン」は短い線が長い線の上部にかなり接近しています。
濁点「゛」と半濁点「゜」
濁点が使えるのは子音のK、S、T、 Hだけで、それぞれG、Z、D、B に変化します。濁点を使うと、荒々しくて強い音になります。
半濁点が使えるのはHの子音だけで、Pに変化します。半濁点を使うと、浮遊感があり柔らかい音になります。
ひらがな・カタカナ表を繰り返し書く
ひらがな・カタカナをすべて覚え終わった後、あなたは「いつでも思い出せる」と自信を持って言えますか?おすすめなのは、ひらがな・カタカナの表を、間違いがゼロになるまで繰り返し書くことです。まずは子音と母音だけを、このような表に書き出すことから始めてください。
あとは記憶だけを頼りに、「空白」を埋めてください。繰り返し書く練習のときは、線を引いて表を作るよりもこの方がずっと楽です。ひらがなから始めてカタカナに移ってもいいですし、両方を同時にやってもかまいません。あなた次第です。終わったら、正しいひらがな・カタカナ表を見ながら間違いをチェックします。
ポイント:間違えたり、分からなかった文字は10回書く練習をして、もう一度最初から挑戦してみましょう。
ひらがなクイズ
ひらがなクイズは、ひらがなの練習にとても役立つ無料の教材です。ひらがな・カタカナの順不同の読み方ができるようになります。ひらがな・カタカナをマスターしたら、ぜひ試してみてください。
日本の子ども向けのを読む
子ども向けの本は、日本の図書館で無料で読めたり、古本屋で安く買えたりします。子ども向けの本はいろいろあります。
- 子ども向けの本
- 児童書
- 絵本
これらは子どもたちのための本なので、ひらがなやカタカナがたくさん出てきます。そのため、読みやすく、日本語の語彙を増やすのにも良い方法です。漢字も出てきますが、必ずふりがな(読み方をひらがな・カタカナで書いたもの)がついてくるので安心です。
文章が理解できなくても大丈夫!読むことの目的は、ひらがなやカタカナに慣れることです。理解は後からついてきます。
まとめ
いかがでしたか?ひらがなやカタカナの学習は、簡単に始めることができます。暗記に近道はありませんが、自分のペースで頑張れば、きっと努力は報われるはずです。次のレベルに進む準備ができたら、日本語を効率よく勉強する方法を紹介した「日本語を効率良く勉強する方法とは?外国人に向けて解説」の記事もぜひご覧ください。