「お眼鏡にかなう」には「認められる」「良い評価を受ける」「気に入られる」などの意味があります。一般的には、ビジネスシーンにおいて目上の人やお客様に対して使われる表現で、男女とも使用可能な慣用句です。このコラムでは、「お眼鏡にかなう」を使った例文や類義語のほか、英語表現も紹介しています。例文や解説を参考に、意味や使い方を正しく理解しましょう。
目次
- 「お眼鏡にかなう」とはどんな意味?
- 「お眼鏡にかなう」を使った例文
- 「お眼鏡にかなう」の言い換え表現と例文
- 「お眼鏡にかなう」を英語で表現すると?
- お眼鏡にかなう以外のビジネスで使う慣用句やことわざ
- まとめ
「お眼鏡にかなう」とはどんな意味?
「お眼鏡にかなう(おめがねにかなう)」とは、実力や人柄などが他人に認められたり好かれたりする状態を意味する慣用句です。物や人に対して個人の見極める力を評価し、それを第三者が褒めるときなどによく使われます。ビジネスシーンにおいては、取引先に自社の商品や社員が気に入られたときに「お眼鏡にかなう」と表現されることも。漢字では「お眼鏡に適う」「御眼鏡に適う」が正しい表記とされ、「お眼鏡に叶う」や「お目にかなう」は誤用とされていますので注意しましょう。
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「お眼鏡にかなう」を使った例文
「お眼鏡にかなう」は、日常会話やビジネスの場においても使われる表現です。会話に慣用句やことわざを含めることで、話が弾んだり、内容に深みを持たせたりすることができます。例文を参考に使い方を覚え、コミュニケーションに活かしましょう。
例:面接で社長のお眼鏡にかない、採用が決まった
例:監督のお眼鏡にかなった選手が試合で大活躍した
例:彼女の両親のお眼鏡にかなったようで、結婚まで順調に進んだ
例:この商品はお客様のお眼鏡にかなわず、たくさん売れ残ってしまった
「お眼鏡にかなう」のように「眼鏡(めがね)」を使った表現として、「色眼鏡(いろめがね)で見る」があります。たとえば、「交際相手として彼のことを色眼鏡で見てしまい、恋愛が上手くいかなかった」という使い方です。色眼鏡には、ひいき目や先入観、偏見などで判断するという意味があります。「お眼鏡にかなう」とは異なり「色眼鏡で見る」は、ネガティブな意味なので、間違えないように注意しましょう。
「お眼鏡にかなう」の言い換え表現と例文
「お眼鏡にかなう」は、似た意味の言葉が複数あり、言い換えることができます。例文を参考に、会話の流れや内容に応じて使い分けや言い換えができるようにしましょう。
納得する
「納得する(なっとくする)」は、人の行動や考えを理解している、承知していることを意味します。
例:彼女の説明で私は納得することができた
例:彼のやり方には納得がいかない
気に入る
「気に入る(きにいる)」は、好みに合うという意味で、人や物に対して使える言葉です。
例:彼女は、両親から貰った誕生日プレゼントをとても気に入っていた
例:両親は、子どもの態度が気に入らず、注意した
認める
「認める(みとめる)」は、目で見て判断したり、受け入れたりするときに使う言葉です。
例:彼は優秀な人物だと皆から認められている
例:社会人として、無断欠席は認められない
評価する
「評価する(ひょうかする)」は、物や人に対し、価値や意義を判断するという意味です。
例:彼の作品は高く評価された
例:欠席が多いので、彼の成績を評価することはできない
満足する
「満足する(まんぞくする)」は、心身ともに十分である、不平不満がない、条件を満たしていることなどを意味します。
例:今住んでいる家は、駅にも近く便利で満足している
例:彼は向上心が高く、現状に満足していない
「お眼鏡にかなう」を英語で表現すると?
「お眼鏡にかなう」と近い意味の英語表現は「be well accepted」です。「well accept」で良い状態で受け入れる、快く受け入れるという意味になることから「お眼鏡にかなう」に近い表現といえます。また「be recognized」は、認められる、評価されるという意味があるため、文脈や内容に合わせて使い分けをしましょう。
例:Our products have been well accepted by the customers.(私たちの商品はお客様のお眼鏡にかなった)
例:My work performance was recognized by management.(私の仕事ぶりは上司のお眼鏡にかなった)
「お眼鏡にかなう」は英語に直訳できないため、表現する際は近い意味の単語に言い換えて表現すると良いでしょう。
そのほか英語のことわざを知りたい方は「英語のことわざを紹介!【日常生活・ビジネスシーン】」のコラムを参考にしてください。
お眼鏡にかなう以外のビジネスで使う慣用句やことわざ
「お眼鏡にかなう」のほかにも、ビジネスシーンにおいてよく使われる慣用句やことわざがあります。会話で使うことで日本語表現が豊かになり、コミュニケーションをより楽しめるでしょう。ぜひ覚えて実際の会話でも使ってみてください。
縁の下の力持ち
「縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)」とは、陰ながら人の役に立ったり、努力したりしている人のことを意味します。表立って何かをする人とは対称に、陰ながら頑張っている人に対して感謝の気持ちを伝えるときに使える言葉です。
失敗は成功の基
「失敗は成功の基(しっぱいはせいこうのもと)」は、失敗してもその原因を見直し、方法を改めることで成功に繋がるという意味です。「失敗は成功の母」という言い方もあります。同僚がミスをしたときなどの励ましの言葉として使うのも良いでしょう。
雨降って地固まる
「雨降って地固まる(あめふってじかたまる)」良くないことや困難があっても、結果的には以前よりも良い状態になるという意味です。良い結末をもたらすという前向きな意味で使われます。
終わりよければ全てよし
「終わりよければ全てよし(おわりよければすべてよし)」は、始まりや過程において良くない状況や思わしくないことが起きても、結末や最後が良ければ問題はないという意味です。結果を重視するときや、仕事の過程において何か問題が起きた時の励ましの言葉として使うと良いでしょう。
郷に入っては郷に従う
「郷に入っては郷に従え(ごうにいってはごうにしたがえ)」は、住んだ土地の慣習に従ったほうが良いという意味です。新しい会社に入社した際も「今までのやり方を主張するのではなく、勤め先の方針に従いましょう」という新入社員へのアドバイスの一つとしても使えます。
思い立ったが吉日
「思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)」は、決意したその日にすぐ行うと良いという意味です。吉日とは良い日という意味もあることから、実行することを迷っている人に対し「すぐにやったほうがいいよ」と背中を押す言葉として使えます。
日本の慣用句やことわざについて詳しく知りたい方は「ことわざと慣用句の違いは?特徴を覚えて日本語の勉強に役立てよう」のコラムも参考にしてください。
まとめ
「お眼鏡にかなう」には「認める」や「気に入る」などさまざまな意味があります。男女問わず、日常会話やビジネスシーンで使える言葉です。ビジネスシーンにおいては、主に目上の人やお客様に対して使う言葉であるため、会話の内容など相手に失礼のないように気を付けましょう。慣用句やことわざを覚えることは、日本語の知識を深め、日本の文化や習慣を知ることにも繋がります。この機会にほかの慣用句やことわざもチェックしてみてください。