EJU(日本留学試験)とは?過去問の見方や試験科目について解説

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2023/02/13

EJU(日本留学試験)を受験したいけれど、「どこで過去問を見られるのか分からない」「どのような試験科目があるの?」と思う外国人もいるでしょう。EJUの過去問は、日本学生支援機構のWebサイトから見られます。このコラムでは、EJUの試験科目や過去問を利用して勉強する際のコツを紹介。受験するメリットや高得点を取るための対策もまとめているので、参考にして良い点数を目指しましょう。

目次

  1. EJU(日本留学試験)とは?
  2. EJU(日本留学試験)の実施地と試験科目
  3. EJU(日本留学試験)の過去問はどこで見られる?
  4. EJU(日本留学試験)の出願方法
  5. EJU(日本留学試験)で良い点数を取るには
  6. EJU(日本留学試験)の3つのメリット
  7. まとめ

EJU(日本留学試験)とは?

EJU(日本留学試験)とは?の画像

EJU(日本留学試験)とは、日本の大学や専修学校への入学を希望する人を対象に行われる入学試験のことです。日本の大学に通うために必要な「日本語力」と「基礎学力」の評価を行います。

EJUは6月と11月の年2回開催されていて、受験できる回数に制限はありません。日本の大学や専修学校へ入学する際に提出するのは、受験したうちの1回分の成績です。EJUの成績は2年間有効ですが、大学や専修学校によっては年度や回を指定するところもあるため、事前に確認をしましょう。

EJU(日本留学試験)の実施地と試験科目

EJU(日本留学試験)の実施地と試験科目の画像

ここでは、EJU(日本留学試験)の実施地と試験科目を紹介します。実施地や試験科目は、試験の申し込みをする前に必ず確認しましょう。

実施地

EJUの日本と海外の実施地は、以下のとおりです。

日本

北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県または富山県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県または広島県、福岡県、沖縄県

海外

インド(ニューデリー)、インドネシア(ジャカルタ及びスラバヤ)、韓国(ソウル及びプサン)、シンガポール、スリランカ(コロンボ)、タイ(バンコク及びチェンマイ)、台湾(台北)、フィリピン(マニラ)、ベトナム(ハノイ及びホーチミン)、香港、マレーシア(クアラルンプール)、ミャンマー(ヤンゴン)、モンゴル(ウランバートル)及びロシア(ウラジオストク)

日本では16都市、海外では14カ国で開催されています。試験の申し込み時に、希望する受験地を選択しましょう。

試験科目

EJUの試験科目は、以下のとおりです。

日本語

日本語の科目は、読解、聴解・聴読解、記述の3つの項目で構成されています。それぞれの項目で出題される文章や話の種類は、以下のとおりです。

読解:説明文、論説文

聴解・聴読解:講義、講演、演習や調査活動に関わる発表、質疑応答および意見交換、学習上または生活上の相談ならびに指導、助言、実務的な談話

記述:提示された考え方について自分の意見を論じる、ある問題について現状を説明し将来の予想や解決方法について論じる

読解と聴解・聴読解では、文章や音声などの情報を理解して正しく解釈する能力が問われます。各項目の配分時間は、記述が30分、読解が40分、聴解・聴読解が55分です。

理科

受験を希望する大学の指定に従い、物理、化学、生物のなかから2科目を選択します。各科目で出題される項目は、以下のとおりです。

物理:力学、熱、波、電気と磁気、原子

化学:物理の構成、物質の状態と変化、無機化学、有機化学

生物:生命現象と物質、生殖と発生、生物の体内環境の維持、生物の環境応答、生態と環境、生物の進化と系統

物理、化学、生物ともに、日本の高等学校で学ぶ範囲が出題されます。試験時間は80分で、日本の大学等の理系学部で必要な理科の基礎学力の測定が目的です。

総合科目

総合科目の出題項目は、政治・経済・社会、地理、歴史です。多文化理解の視野から見た現代の世界と日本がテーマとなります。具体的な出題内容は、以下のとおりです。

政治・経済・社会:現代の社会、現在の経済、現代の政治、現代の国際社会

地理:現代世界の特色と諸課題の地理的考察

歴史:近代の成立と世界の一体化、20世紀の世界と日本

総合科目の目的は、日本の大学で必要とされる現代日本に関する基礎知識を持ち、国際社会の問題について考え判断できるかどうかを判定することです。

総合科目は理科と同時に選択できないため、どちらか一つを選択しましょう。

数学

受験を希望する大学の指定に従い、文系学部及び数学を必要とする機会が比較的少ない理系学部用のコース1、もしくは数学を必要とする機会が多い学部用のコース2のどちらかを選択します。コース1とコース2の出題項目は、以下のとおりです。

コース1:数と式、2次関数、図形と計量、場合の数と確率、整数の性質、図形の性質

コース2:コース1の項目、いろいろな式、図形と方程式、指数関数・対数関数、三角関数、微分・積分の考え、数列、ベクトル、複素数平面、平面上の曲線、極限、微分法、積分法

コース1は6項目、コース2は18項目あります。試験時間は、理科や総合科目と同様80分です。

EJU(日本留学試験)の過去問はどこで見られる?

EJU(日本留学試験)の過去問はどこで見られる?の画像

EJU(日本留学試験)の過去問のサンプルは、日本学生支援機構のWebサイトに記載されています。2010年の第1回から2018年の第1回までの過去問が見られるため、勉強する際の参考にすると良いでしょう。問題と解答のどちらも記載されているので、一度過去問を解いてみて目標とする点数とどのくらい差があるのか、間違いやすい項目はどこかなどを分析するのがおすすめです。また、書店やインターネットでEJUの問題集の購入もできます。

日本留学試験の過去問の入手方法とは?おすすめの勉強方法を紹介!」のコラムでも、過去問の入手方法や過去問を使った受験勉強や科目ごとの出題範囲を解説しています。これから日本留学試験を受験する方は、過去問を有効活用して合格を目指しましょう。

EJU(日本留学試験)の出願方法

EJU(日本留学試験)の出願方法の画像

EJU(日本留学試験)の出願はオンラインで行います。日本学生支援機構のWebサイトから、「EJUオンライン」出願ページの項目を選択して申し込みましょう。申し込み時に受験料の支払い方法を「クレジットカード」「コンビニエンスストア払い」「銀行振込」のなかから選びます。受験料の支払い後に受験票が送られてくるので、記載されている試験会場を確認して、大切に保管しておきましょう。

EJUの出願方法には、個人で申し込む「個人出願」と団体で申し込む「団体出願」があります。個人出願の場合の流れは前述のとおりです。団体出願には、「一括登録方式」と「個人出願集約方式」があります。一括登録方式は、団体担当者が申し込み内容の入力から出願、受験料の支払いまでを行い、個人出願集約方式は、個人で申し込み内容を入力して、団体担当者がまとめて出願と受験料の支払いを行う方式です。

海外の試験会場で受験を希望する場合は、実施都市の実施協力機関で出願書類を受け取り、出願方法を確認して申し込みましょう。

EJU(日本留学試験)の申し込み方法や試験科目について紹介」では、日本で受験する場合と海外で受験する場合の申し込み方法や、各科目の出題項目について解説しています。申し込み時期や試験会場も紹介しているので、参考のうえ受験に必要な手続きを行いましょう。

EJU(日本留学試験)で良い点数を取るには

EJU(日本留学試験)で良い点数を取るにはの画像

ここでは、EJU(日本留学試験)で良い点数を取る方法を紹介します。EJUの試験科目のなかでも、点数配分が大きい日本語を重点的に勉強すると良いでしょう。

過去問を使って勉強する

EJUでどのような問題が出題されるのかをイメージするために、過去問を使って勉強するのがおすすめです。過去問を解くことで、自分が苦手な分野を明確に把握できるでしょう。また、実際の試験と同様に時間を計りながら過去問を解くと、時間配分を意識することもできます。

簡単な問題はミスをしない

EJUで良い点数を取るには、簡単な問題でミスをしないことが大切です。EJUの試験問題のなかには、難易度が高く解くのに時間が掛かるものもあるでしょう。最初から難しい問題に時間を費やすのではなく、まずは簡単な問題を解いて確実に点数を積み上げるのが良い点を取るコツです。難しい問題は解答を間違えやすいですが、簡単な問題は慎重に解けば正解する確率が高いといえます。簡単な問題こそ丁寧に見直しをして、得点アップに繋げましょう。

日本語の科目に力を入れる

EJUの試験科目のなかでも、日本語は最も点数配分が大きいため、日本語の勉強に力を入れると良いでしょう。各科目ごとの点数配分は、日本語が450点満点、理科・総合科目・数学がそれぞれ200点満点です。そのため、日本語の科目でできる限り点数を取ることが、全体の得点アップに繋がります。

EJU(日本留学試験)の3つのメリット

EJU(日本留学試験)の3つのメリットの画像

EJU(日本留学試験)のメリットは、受験回数に制限がなかったり、大学等の入学許可や奨学金の予約ができたりする点です。ここでは、3つのメリットを詳しく解説します。

1.年齢制限がなく何度でも受験できる

EJUは、年齢制限や受験できる回数に制限がありません。また、EJUの成績は2年間使えるため、最大で4回分の受験結果のうち、最も良い成績のものを大学等に提出できます。もし、1回目の試験の結果が良くなくても、納得できる点数を取るまで挑戦することが可能です。

2.渡日前入学許可を得られる

受験を希望する大学が渡日前入学許可を行っている場合、EJUの成績を利用して入学の許可を得られます。渡日前入学許可とは、大学側が国外の応募者のEJUの成績を利用して合否を決定し、日本に来させることなく入学を許可する制度です。

渡日前入学許可を希望する場合は、大学が指定しているEJUの受験科目や回を確認しましょう。指定された回の試験を受けて入学を希望する大学に出願し、合格したらそのまま入学手続きを進めます。国外にいても希望する大学の入学許可を得られるのは、EJUを受験するメリットといえるでしょう。

3.奨学金の給付予約ができる

EJUで優秀な成績を残して日本の大学学部、短期大学、高等専門学校もしくは専修学校専門課程に正規生として入学する予定の私費留学生は、奨学金の給付予約ができます。2021年度の給付額は月額48,000円です。科目選択区分ごとに優秀な成績を残した学生が奨学金の給付予約者とされるため、高い点数を目指してEJUを受験すると良いでしょう。

まとめ

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EJU(日本留学試験)とは、日本の大学や専修学校への入学を希望する人を対象に行われる入学試験のことです。EJUの試験科目には、「日本語」「理科」「総合科目」「数学」があります。EJUで良い点数を取るには、日本学習支援機構のWebサイトに記載されている過去問を参考にして、問題の傾向や自分の苦手分野を分析すると良いでしょう。

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