日本留学試験の過去問の入手方法とは?おすすめの勉強方法を紹介!

WeXpats
2023/02/13

日本留学試験(EJU)を利用して日本への留学を考えている外国人のなかには、受験勉強の進め方に悩んでいる方もいるでしょう。日本留学試験は過去問を公開しており、市販の問題集もあるためそれらを活用した勉強方法が効果的です。このコラムでは、過去問を使った受験勉強や科目ごとの出題範囲を解説します。これから日本留学試験を受験する方は、過去問を有効活用して合格を目指しましょう。

目次

  1. 日本留学試験の過去問の入手方法
  2. 日本留学試験の出題範囲
  3. 過去問を利用した受験勉強の進め方
  4. まとめ

日本留学試験の過去問の入手方法

日本留学試験の過去問の入手方法の画像

日本留学試験(EJU)の過去問を入手するには、日本学生支援機構のWebサイトからダウンロードするもしくは、市販の問題集を購入する必要があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に適した方法で過去問を入手しましょう。

Webサイトからダウンロードする

日本学生支援機構のWebサイトでダウンロードできる過去問は、著作権者の了解を得た問題のみです。公開されているのは2010年~2018年までの問題で、理系科目の過去問と解答を確認できます。問題はPDFファイルにまとめられているので、プリンターがある環境ならば印刷も可能です。日本語や英語の過去問は著作権の関係で非公開になっていますが、そのほかの問題は解答を含めてPDFファイルで確認できます。

市販の過去問集を購入する

日本留学試験の過去問は試験問題集として市販されています。試験問題集には聴解・読解問題のCDが付いているため、幅広い問題の対策が行えるでしょう。2002年~2021年まで試験問題集は販売されていますが、すでに在庫切れの書籍もあります。注文する前に在庫を確認しておくと良いでしょう。なお、海外在住の方は日本留学試験実施協力機関やJASSO海外事務所、日本留学促進資料公開拠点で試験問題集を閲覧できます。

EJU(日本留学試験)とは?過去問の見方や試験科目について解説」では、EJUの試験科目や過去問を利用して勉強する際のコツを紹介しています。受験するメリットや高得点を取るための対策もまとめているので、参考にして良い点数を目指しましょう。

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日本留学試験の出題範囲

日本留学試験の出題範囲の画像

日本留学試験は作成・公表されたシラバス(出題内容)に基づいて、問題が出題されています。出題科目は日本語や理科(物理・化学・生物)、数学、総合科目に分かれており受験先に応じた選択が必要です。また、日本語科目以外の出題言語は、出願時に日本語か英語を選択できるので志望校の応募要項を確認して決定しましょう。

日本語

日本留学試験の日本語科目では、日本の大学や専門学校で教育を受けるのに必要な「アカデミックジャパニーズ」という日本語能力を測定するのが目的です。試験構成は読解や聴解、聴読解といった理解能力を問う領域と、課題遂行能力を見る記述領域からなります。読解や聴解、聴読解の領域で見られるのは以下のポイントです。

・直接的理解能力

・関係理解能力

・情報活用能力

直接的理解能力とは、文章全体の趣旨やひとまとまりの発話など、明確に表現されていることを理解する能力を指します。さらに細かく文章や談話の重要な部分を見分けたり、異なる形式や媒体で表現される情報を比較したりするのが関係理解能力です。

上記の点を踏まえて論理的に適切な解釈を導けるのが、情報活用能力になります。問題の内容から結果を導き出せるか、文章や談話で提示された一般論を具体的な物事に当てはめられるかを問われるので対策をしましょう。

記述領域では、「与えられた課題の指示に沿って、自分の考えを根拠を挙げて論理的に書く」ための能力が問われます。具体的には、主張・結論を導き出すための多角的な視点による考察、それを論理的に支える適切で効果的な根拠や実例の提示などです。また、主張・結論と基盤となる根拠や実例を正しく配列してバランスの取れた構成に仕上げる能力もチェックされます。

日本留学試験では提示された考え方について意見を述べたり、ある課題の現状を説明して解決策を論じたりする問題が出されるので、過去問を活用して練習しておきましょう。

数学コース1

文学部や観光学部、社会福祉学部など数学をあまり必要としない学部・学科は、数学コース1の受験が必要になります。出題範囲は以下のとおりです。

・数と式

・2次関数

・図形と軽量

・場合の数と確率

・整数の性質

・図形の性質

数学コース1の出題範囲は日本の高校1年生が学習するレベルです。このほかにも、小学校・中学校で習う範囲は既習として含まれています。各出題範囲の詳細な項目は数学シラバスで確認可能です。ただし、シラバスは改定される可能性があるので、受験勉強を行う前に確認することをおすすめします。

数学コース2

理学部や工学部、医学部など高度な数学を求められる学部・学科を受ける場合は数学コース2を受験が必要になるでしょう。出題範囲は数学コース1の内容に加えて、以下の範囲が追加されます。

・いろいろな式

・図形と方程式

・指数関数・対数関数

・三角関数

・微分・積分の考え

・数列

・ベクトル

・複素数平面

・平面上の曲線

・極限

・微分法

・積分法

数学コース2の出題範囲は日本の高校2~3年生が学習するレベルです。詳細な出題項目は数学シラバスを確認して受験勉強に励みましょう。

物理

日本留学試験における物理科目では、高等教育を受けるうえで必要な理科科目の基礎的な学力を測るために、「物理基礎」および「物理」の範囲から問題が出されます。なお、理科科目を受験する場合は物理・化学・生物のなかから2科目選択する必要があるので注意しましょう。物理の出題範囲は以下のとおりです。

・力学(運動と力、エネルギーと運動量、さまざまな力と運動)

・熱(熱と温度、気体の変質)

・波(波、音、光)

・電気と磁気(電場、電流、電流と磁場、電磁誘導と電磁波)

・原子(電子と光、原子と原子核)

出題範囲の詳細な内容は、物理シラバスで確認できます。なお、小学校・中学校で学ぶ範囲は出題範囲に含まれているものとみなされるので、あらかじめ復習しておくと安心です。

化学

日本留学試験の化学科目も、理科科目の基礎的な学力を測ることを目的としています。出題範囲は以下のとおりです。

・物質の構成(物質の探究、物質の構成粒子、物質と化学結合、物質の量的取扱いと化学式)

・物質の状態と変化(物質の変化、物質の状態と平衡、物質の変化と平衡)

・無機化学(無機物質、無機物質と人間生活)

・有機化学(有機化合物の性質と反応、有機化合物と人間生活)

化学科目の出題範囲は、日本の高等学校学習指導要領の「化学基礎」および「化学」の範囲です。詳細な内容は化学シラバスを確認しつつ、受験勉強を進めましょう。理系科目は日本学生支援機構のWebサイトで過去問を確認できるので、市販の問題集が手元になくても勉強できます。

生物

日本留学試験の生物科目は、日本の高等学校学習指導要領の「生物基礎」及び「生物」から出題されます。大まかな出題範囲は以下のとおりです。

・生命現象と物質(細胞と分子、代謝、遺伝子情報とその発現)

・生殖と発生(有性生殖、動物の発生、植物の発生)

・生物の体内環境の維持(体内環境、体内環境の維持のしくみ、免疫)

・生物の環境応答(動物の反応と行動、植物の環境応答)

・生態と環境(個体群と生物群集、生態系)

・生物の進化と系統(生物進化のしくみ、生物の系統)

出題範囲には小学校や中学校で学ぶ範囲も含まれているものとされます。過去問を利用して、「生物基礎」「生物」ともに問題なく解けるように練習しましょう。

総合科目

日本留学試験の総合科目は、多文化理解の視点から見た現代日本と世界についてのテーマが中心です。また、外国人留学生が留学に必要な現代日本の基本的な知識を持ち、近現代の国際社会における基本的問題を論理的に思考・判断できるかを目的としています。政治や経済、社会を中心に地理・歴史など各分野から問題が出されるため、幅広い対策を行いましょう。

・政治、経済、社会(現代の社会、現代の経済、現代の政治、現代の国際社会)

・地理(現代世界の特色と諸課題の地理的考察)

・歴史(近代の成立と世界の一体化、20世紀の世界と日本)

総合科目は理科科目との同時受験ができないため、どちらか一方を選択することになります。受験者は希望する大学の指定に基づいて出願を行ってください。

参照元
独立行政法人日本学生支援機構「日本留学試験シラバス(出題範囲)

過去問を利用した受験勉強の進め方

過去問を利用した受験勉強の進め方の画像

日本留学試験の受験勉強を行う際は、過去問を活用することで自分の実力を把握できます。間違えた問題はリストアップして反復練習を行いましょう。1点でも点数を上げるには、粘り強く難しい問題に取り組むより、簡単な問題を確実に解くことが重要です。日本留学試験では「得点等化」を行うため、テストの配点がそのまま得点になるわけではありません。ほかの回の試験問題と比較し、難易度に応じて点数が前後する可能性があります。限られた時間のなかで点数を上げるためにも、簡単な問題こそ真面目に取り組むことを心掛けましょう。

総合科目を受験する方は、出題範囲をまんべんなく勉強するのがおすすめです。ただし、覚える内容が非常に多いため、過去問や参考書をよく読んで出題傾向を把握してから受験勉強に臨みましょう。

効率的に受験勉強を進めることが、点数アップにつながります。

日本留学試験の満点は、日本語の記述問題を含めて850点です。点数配分が最も高いのは必須科目である日本語科目の450点なので、日本語の勉強は欠かせません。受験先によっては出題言語を日本語に指定していることがあるので、重点的に勉強しておくのが賢明です。

さまざまな日本語試験」を参考に、自分に合った勉強のすすめ方を探してみましょう。

まとめ

まとめの画像

日本留学試験の受験勉強を行う際は、出題傾向や苦手分野を把握するために過去問を利用するのがおすすめです。過去問は日本学生支援機構のWebサイトで公開されているほか、CD付きの問題集として市販されています。海外の受験者の場合は、JASSO海外事務所や日本留学支援実施協力機関などで、問題集の閲覧が可能です。日本留学試験を受ける外国人は、このコラムで紹介した勉強方法を参考にして高得点を狙いましょう。

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