日本のお祝い事は生まれる前から始まる!喜ばれる贈り物もあわせて紹介

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2024/07/02

日本では人生の節目に合わせて七五三や成人式、還暦祝いなどのお祝い事を行う風習があります。特に成人するまでの間は短いスパンでお祝い事が行われるため、主役となる子どものために贈り物を用意することも。

この記事では、日本のお祝い事について解説します。身近な慶事やめでたい席での文化についても説明しているので、ぜひチェックしてみましょう。

目次

  1. 日本のお祝い事は胎児のころから始まる
  2. 日本の子どものお祝い事
  3. 日本の伝統的なお祝い事
  4. 日本の長寿のお祝い事
  5. 日本の身近なお祝い事
  6. まとめ

日本のお祝い事は胎児のころから始まる

日本では人生の節目ごとにお祝いを行います。人生初のお祝いは、母親の胎内にいるうちに行う「帯祝い」です。安定期に入る妊娠5ヶ月目の戌の日に、安産を願って岩田帯(いわたおび)という腹帯を巻きます。腹帯を巻くことで母体が冷えるのを防ぎつつ、母親としての自覚を持たせるのが帯祝いの目的です。また、犬は多産にもかかわらずお産が軽いといわれているため、安産を願って戌の日(いぬのひ)に帯祝いを行います。

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日本の子どものお祝い事

帯祝いを皮切りに、日本で生まれた子どもは大人になるまでの間にさまざまなお祝いを受けます。昔は乳幼児の死亡率が高かったため、日本では子どもの健やかな成長を願うお祝い事が多いようです。

お七夜

子どもが生まれてから7日目に名付けを行い、生誕のお祝いとお披露目を行うのが「お七夜(おしちや)」です。もともとは初夜や三夜、五夜と奇数日に出産をお祝いする「産立ちの祝い」という行事で、現代では七夜だけが残っています。昔は衛生環境が悪く、子どもが栄養失調になってしまうことが多かったため、生まれてから7日以内に亡くなることもありました。そのため、お七夜は子どもが無事に7日目を乗り越えた節目として今でもお祝いを行います。

お宮参り

子どもが生まれてから30~33日目の間に、氏神様に赤子を授かったことに対する感謝を述べて健やかな成長と長寿を祈る「お宮参り(おみやまいり)」を行います。男の子の場合は31・32日目に、女の子の場合は32・33日目に参拝するのが一般的です。

出産は出血を伴うため「穢れ(けがれ)」として考えられており、帯祝いから出産後30日目まで産婦は「産の忌(さんのいみ)」に服しています。産の忌の間は食事や行動に制限があり、神社への参拝や神事への出席はできません。そのため、産の忌が明けた30~33日目に氏神様にお参りします。お宮参りの際は歴史的な考えと産後の母体を気遣うという理由から、父方の祖母や母方の祖母、父親が子どもを抱いていくのが一般的です。

お食い初め

子どもが生まれてから100日目、もしくは110日目か120日目に「お食い初め」というお祝いを行います。子どもが生涯食べ物に困らないように、大人が食べるような本膳をそろえて食事のまねごとを行う伝統的なお祝いの行事です。お膳には尾頭付きの鯛の焼き物や吸い物、赤飯など縁起物を中心として食事が乗せられています。

また、お食い初めは子どもに丈夫な歯が生えることも願う儀式です。食事のまねごとをしたあとに「歯固めの石」に箸で軽く触れ、子供の歯茎に軽く当てて石のように丈夫な歯が生えるように願います。お食い初めに合わせて贈り物をする際は、食器を選ぶと喜ばれる可能性が高いでしょう。

初節句

女の子は3月3日の桃の節句、男の子は5月5日の端午の節句を初めて迎えたときに「初節句」としてお祝いします。初節句は、子どもの健やかな成長と魔除けを願って行われる行事です。桃の節句ならひな人形や菱餅、桃の花を用意し、お祝いの食事としてちらし寿司やはまぐりのお吸い物を食べます。端午の節句では武者人形や鎧兜を飾り、家の外に鯉のぼりを飾るのが一般的です。桃の節句と違ってお祝いの食事に決まりはないため、子どもが喜ぶものを用意します。

初節句には決まった祝い方はなく、両家の祖父母を招いたり家族だけで祝ったりするのが主流です。ひな人形や鎧兜、鯉のぼりといった飾りや子どもが喜ぶおもちゃは、初節句の贈り物に適しているでしょう。

七五三

数え年で男の子は5歳、女の子は3歳と7歳のときに晴れ着を着て神社に参拝し、今までの無事を感謝して長寿と幸福を祈るのが「七五三」というお祝いです。数え年とは生まれた年を1歳として考える年齢の数え方で、七五三や厄除け、厄払いの際に使われています。

七五三は11月15日に行われるお祝いで、平安時代の宮中・公家の行事が発祥です。「髪置きの儀」「袴着の儀」「帯解きの儀」という儀式が江戸時代から広く一般に知れ渡るようになり、現代でも子どものお祝いである七五三として残っています。昔は和装で行うお祝いでしたが、昨今では子ども用のスーツやワンピース、ドレスなどの洋装を選ぶこともあるようです。

日本の伝統的なお祝い事

日本の伝統的なお祝いとして成人式やお披露目、厄落としといった行事があります。人生の節目ともいわれる転換期に行う大切なお祝い事なので、日本文化を学んでいる外国人は覚えておきましょう。

成人式

一人前の大人として認められた新成人を祝うため、毎年全国各地で「成人式」が行われます。2022年4月1日から日本の成人の年齢は18歳に変更されましたが、成人式の対象年齢は以前と同じ20歳としている自治体が多数です。「二十歳のつどい」「二十歳を祝う会」などに式典の名称を変えた自治体もあります。
成人の日で祝日の1月第2月曜日に成人式が実施されることが一般的ですが、自治体により異なる場合も。新成人を祝うだけでなく、振袖や袴、スーツなどの正装・礼装を着て式典に参加することで、大人としての自覚を促す目的もあります。

成人式のお祝いとして贈り物をする際は、名入れの筆記用具や時計、ビジネスバッグなどを選ぶと喜ばれるでしょう。

お披露目

日本では結婚式のことを「お披露目」ともいい、昨今では盛大なお祝いを行うことが増えています。もともとのお披露目は、家の床の間に神を祀って厳粛に行うお祝いです。しかし、昨今は伝統よりも派手さや華やかさを意識した挙式が多く、両家の家族や親族、友人などに盛大に祝われる傾向にあります。

伝統的なお披露目は、神にささげる「陰の式」と人として行う「陽の式」の二部構成です。「陰陽合杯の式」といわれる儀式にはそれぞれ制約があり、手順に則って子孫繁栄や夫婦円満を願います。

厄落とし

日本では特定の年齢は災厄や災難が多くなると考えられており、つつましく過ごしたほうが良いとされています。普段から身に付けているものや大切なものを故意に落として厄を払う「厄落とし」は、日本の伝統行事ではあるものの厳密にはお祝い事ではありません。しかし、厄落としの文化の延長線上には「厄祝い」というものがあります。

厄祝いとは厄年の人が親しい人を酒や食事でもてなす代わりに、自分の厄を少しだけ請け負ってもらうという特殊なお祝い事です。厄年を利用して交流を深めるための手段でもあり、地域によってさまざまな厄祝いが行われています。

日本の伝統行事には何がある?年末年始の行事や通過儀礼についても紹介」では、日本の伝統行事を季節ごとに紹介しています。お祝い以外の行事にも興味がある方は、ぜひご覧ください。

日本の長寿のお祝い事

日本では60歳で還暦(かんれき)、70歳で古希(こき)というように一定の年齢を迎えるたびに長寿のお祝いを行います。長寿の呼び名にはそれぞれ意味が込められており、年齢に合わせて長寿祝いの色が決まっているのが特徴です。日本では長生きする人が多いため、長寿祝いを行う機会は多いでしょう。スムーズに贈り物を選べるよう、知識を身に付けておくと安心です。

還暦

60歳は生まれた干支に還る節目の年で「還暦」といいます。長寿祝いの色は、厄除けや魔除けの効果があるとされる赤です。還暦を迎えると赤いちゃんちゃんこを着る風習があり、贈り物も赤いものがふさわしいとされています。

古希

70歳は別名「古希」といい、中国の詩人である杜甫が「人生七十古来稀なり」と謳ったことに由来します。昔は70歳まで生きるのが難しかったものの、昨今の日本の平均寿命は男女ともに80歳以上と高いです。そのため、近年では古希は還暦よりも本格的な長寿のお祝いと考えられており、盛大に祝われる傾向にあります。長寿祝いの色は紫でちゃんちゃんこや湯呑み、花束などを贈る人が多いようです。

喜寿

77歳は「喜寿(きじゅ)」のお祝いをします。「喜」を草書体で書くと、七十七と読めるのが由来です。古希と同じく長寿祝いの色は紫とされています。長寿祝いを贈る際は、古希のときと同じように選びましょう。

傘寿

「傘」の略字が八と十を重ねたように見えることから、80歳は「傘寿(さんじゅ)」といいます。長寿祝いの色は黄、もしくは金茶です。黄色のちゃんちゃんこや金箔をあしらったおちょこ、傘寿にちなんで傘などを長寿祝いとして贈ると喜ばれるでしょう。

米寿

「米」の字を崩すと八十八と読めることから、88歳の異称は「米寿(べいじゅ)」です。傘寿と同じく、黄や金茶が長寿祝いの色とされています。色に合わせて贈り物を選ぶだけでなく、米寿にかけて米をプレゼントするのもおすすめです。

卒寿

「卒」の略字を分けると九十と読めるため、90歳は「卒寿(そつじゅ)」ともいいます。長寿祝いの色は白です。相手の体をいたわるようなブランケットや座布団、寝具などのプレゼントが、卒寿のお祝いとして人気があります。

白寿

「白」に「一」を加えると百になるため、もう少しで100歳になる99歳は「白寿(はくじゅ)」といいます。長寿祝いの色は卒寿と同じく白です。

百寿

100歳の異名は「百寿(ひゃくじゅ)」のほかに、100年が1世紀ということから「紀寿(きじゅ)」、寿命の長さから「上寿(じょうじゅ)」という呼び方があります。卒寿・白寿と同じように、白が長寿祝いの色です。

日本の身近なお祝い事

ここでは、身近なお祝い事の種類やめでたい席での文化、お祝いのお返しについて紹介しています。

身近なお祝い事の種類

日本では身近なお祝い事もあります。お祝い事の種類の一例は以下のとおりです。

  • 入学や卒業:基本的に親族で祝う
  • 就職:一般的に親族間で就職祝いを贈る
  • 昇進:基本的に家族間で祝う
  • 退職:親族や職場の仲間に贈る
  • 新築:新築物件に引っ越した身近な相手に贈る

お祝いでは現金や品物を贈りますが、昇進祝いや退職祝い、新築祝いなどでは目上の相手に現金を贈るのは避けましょう。お祝い事によって、望ましい品物や金額の相場は異なります。慶事の種類と相手との関係性を意識しながら調べてみると良いでしょう。

お祝いの席での文化

新築の建物が完成したときや結婚披露宴、企業の祝賀会などでは、「鏡開き」が行われる場合があります。鏡開きとは、杉の木でできた酒樽の蓋を木槌で割り開く神事です。酒樽の蓋を開くことから「今後の運を開く」という意味があります。

また、新しい年を祝う新年会や、結婚披露宴などのめでたい行事が終わる際には、「三本締め」が行われる場合があります。日本には物事が無事に終わったことを祝い、感謝して手拍子を打つ「手締め」の風習があるのです。
手締めの一つである「一本締め」の手の打ち方は、3回の手拍子を3セット行ったあとに、手を1回叩くやり方です。三本締めは、一本締めを3回繰り返します。
「お手を拝借」「いよーおっ!」という掛け声がされたら行いましょう。最後は「ありがとうございました」と言って拍手します。

お祝いとお返しのマナー

お祝いのお返しとして「内祝い」を贈ることがあります。内祝いとは、身内の喜び事を周りの人に報告し、幸せをともに分かち合う文化です。以前はお祝いをもらわなくても行っていましたが、現在ではお返しの意味として使われるようになってきています。

内祝いの内容は種類によって異なります。たとえば、披露宴に来ていない人からもらった「結婚祝い」へのお返しは品物を贈るのが一般的です。「新築内祝い」では、基本的にお祝いをくれた人を新居に招待してもてなすことが返礼になります。「入学内祝い」のように、経済力のない子どもへの贈り物のお返しは不要だと考えている人も。内祝いを行うかどうかは、親族の考え方次第です。

内祝いで品物をお返しする場合、値段の相場は、もらった贈り物の半額~3分の1が目安です。金額が不明のときは、インターネットで調べるとだいたいの値段が分かります。

日本のお祝いのマナーとは?結婚や就職祝いで贈る品やご祝儀の包み方を解説」では、結婚や就職のお祝いに関するマナーや、ご祝儀袋の水引の種類、包み方などを詳しく解説しているのでぜひチェックしてみましょう。

まとめ

日本では出生する前から亡くなるまでの間にたくさんのお祝い事を行います。お祝い事にはすべて意味があり、魔除けや厄除け、健康長寿などの祈願が主な目的です。お祝い事を行う理由を学び、状況に適した対応やプレゼントの贈り方を身につけましょう。

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