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日本にベトナム人労働者が増えている理由が、気になる採用担当者の方もいるでしょう。また、ベトナム人労働者の雇用を検討しており、国民性や特徴が知りたい方もいるのではないでしょうか。ベトナム人は日本人と似ている部分が多く、日本企業に馴染みやすい人材です。
このコラムでは、ベトナム人労働者の特徴や雇用時の注意点を解説します。内容を参考にして、自社の外国人採用に活かしましょう。
目次
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日本で働いている外国人労働者で、最も多いのはベトナム人です。厚生労働省の「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」によると、2021年10月時点で453,344人のベトナム人が日本で働いています。これは、外国人労働者全体の26.1%を占める割合です。
引用:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」
以前までは、中国やブラジル、フィリピン出身者が多くの割合を占めていました。しかし、2012年ごろからベトナム人が急激に増加しはじめ、2020年にはついに中国人の人数を超えます。
在留資格別で見ると、日本で働くベトナム人労働者のうち44.6%は「技能実習」の在留資格を持っていました。次いで多いのは「留学」の在留資格で、24.2%を占めています。ベトナム人のなかでも、特に技能実習生や学業のかたわらアルバイトをする留学生が増えていることが分かるでしょう。
日本でベトナム人が増えているのは、技能実習生の増加や日本政府の外国人受け入れ政策が関係しています。また、ベトナムに多くの日系企業が進出しているのも要因といえるでしょう。
先述したとおり、現在多くのベトナム人が技能実習生として日本に来日しています。以前は、技能実習生になるのは中国人が中心でした。しかし、中国が目覚ましい経済発展を遂げ賃金が向上したことにより、海外に働きに出る人が徐々に減少していきます。そのため、技能実習生になる中国人も減っていきました。その分、ベトナムから技能実習生を受け入れる日本企業が増えているのです。
日本は、人材不足の解消や国際化の促進を目的に、外国人留学生や労働者の受け入れを積極的に進めている状況です。留学生が増えればその分、卒業後も日本に残り就職する人が増えます。また、あらたな在留資格の創設や制度の緩和などで、以前よりも外国人労働者が日本に来日しやすくなりました。これからも、ベトナム人のみならずさまざまな国から労働者が日本にやってくるでしょう。
ベトナムには、人件費の安さや資源の豊富さ、市場拡大への期待から、多くの日系企業が進出しています。ベトナム人にとって、日本人や日本企業は身近な存在です。そのため、「日本で働く」という選択もしやすい状況といえるでしょう。将来は母国の日系企業で働くことを目標に、来日して経験を積むベトナム人も多くいます。
ここでは、国民性や気質から分かる、ベトナム人労働者の特徴を解説します。すべてのベトナム人労働者に当てはまるわけではありませんが、雇用を検討する際の判断材料になるでしょう。
ベトナム人は、家族や親族との繋がりが非常に強いことで知られています。日本で働いて得た賃金を、母国の両親や兄弟に仕送りするケースも多いようです。これは、儒教の教えが国民の間に深く根付いているのが関係しているでしょう。
多くのベトナム人は、旧正月「テト」や家族に関わる行事の際に帰省を希望します。ベトナム人に長く働いてもらうには、帰省のための長期休暇をスムーズに取れる体制作りが必要です。
ベトナム人は真面目で勤勉な人が多いといわれています。向上心があり、一生懸命仕事を覚えて地位や収入を増やす努力を惜しみません。ただし、ベトナム人の性質は出身地域によって大きく差があるようです。北部出身者は真面目で勤勉な人が多い一方、南部出身者は楽観的であまり先のことを考えない傾向にあります。個人の性質を見極め、適切な指導や管理方法を考える必要があるでしょう。
ベトナムは親日国として有名です。日本は長年、ベトナムに対して、ODA(政府開発援助)を行ってきました。技術や資金を惜しみなく提供し、ベトナムの発展を支えてきた歴史があります。このことから、日本に対して良い印象を持っている国民が多いのです。また、日本製品やカルチャーも人気で、日本は技術や文化が優れた国と捉えている人も多くいます。
ベトナム人に手先が器用な人が多いことは、世界的にも知られています。細かい刺繡や縫製を施した伝統工芸品は、国の重要な産業の一つです。また、機械の加工や修理が得意な人も多く、製造分野で活躍も期待できます。
ベトナム人は日本企業と馴染みやすく、外国人の受け入れが初めての企業も雇用しやすい人材です。また、ITリテラシーが高いため、IT分野での活躍も期待できるでしょう。ここでは、日本企業がベトナム人労働者を雇用するメリットを紹介します。
ベトナム人と日本人はさまざまな面で似ており、職場に馴染みやすいというメリットがあります。たとえば、ベトナムと日本は両方とも儒教の教えが浸透している国です。そのため、「年上や両親を敬う」「立派な人間になるためにコツコツ努力する」といった根本的な価値観が共通しています。また、食べ物の味付けや大衆文化、情緒面でも似ている部分が多いため、一緒に働きやすい人材といえるでしょう。
ベトナムは日本語教育が盛んで、第二言語として日本語を教えている学校もあります。若年層を中心に、基礎的な日本語なら分かるというベトナム人も少なくありません。ベトナムには多くの日本企業が進出しているため、日本語が話せる人材にニーズがあります。また、将来の就職や留学先に日本を希望する人も多く、日本語を熱心に勉強するのです。コミュニケーション面での不安が少ないことは、雇用するうえで大きなメリットになるでしょう。
ベトナム人労働者は、IT分野での活躍が期待できるでしょう。ベトナムは国主導でIT教育を強化しており、中学校からコーディングを学習できる環境です。また、STEM(科学・技術・工学・数学)科目の教育も盛んで、優秀なIT人材が多く輩出されています。IT技術者の雇用を考えている企業は、ベトナム人人材の受け入れを検討してみましょう。
ベトナム人労働者に長期的に在籍してもらうためには、正当な評価制度の整備や暖かい雰囲気作りが重要です。また、ベトナムの習慣にも対応した職場作りも進めましょう。
ベトナム人は、働いて得られる賃金額やキャリアアップにこだわりがあります。職場で正当に評価されていないと感じれば、不満を抱え早期離職に繋がるでしょう。明確な基準を設け、能力や企業への貢献度を正しく測る仕組み作りが重要です。
ベトナム人は仲間意識が強く、個人で行動するよりも集団を好む傾向にあります。そのため、職場で孤立したり親しい人がいなかったりすると、悩みを抱えやすくなるでしょう。初めてベトナム人を雇用する際は、複数名を同時に受け入れるのが理想です。また、こまめな声掛けや一緒に休憩を取る機会を増やし、孤独を感じないよう工夫しましょう。
ベトナムには、お昼休憩を長めに取って昼寝をする習慣があります。ベトナム本国では、昼食後は職場の床にゴザを敷いて、そのまま寝転んでしまう人もいるようです。ベトナム人がゆっくり昼寝できるよう、休憩を長めに設定したり仮眠室や簡易ベットを用意したりすると喜ばれるでしょう。
ベトナム人労働者は日本社会や日本企業に馴染みやすい人材です。若く優秀な人材がこれからも日本に多くやってくるでしょう。外国人の受け入れを考えている企業は、ベトナム人の雇用を検討してみてください。
監修:濵川恭一
外国人専門の人材ビジネス会社勤務を経て、外国人のビザ専門行政書士事務所を設立。専門分野は、就労ビザ申請、外国人採用コンサルティング。著書に、「これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用」、「実務家のための100の実践事例でわかる入管手続き」等がある。 http://svisa.net