「itadakimasu」は、同じ意味を持つ外国語が存在しない日本語です。そのため、日本語を勉強している方は、どのような意味なのか気になるでしょう。そこで、このコラムでは「itadakimasu」の語源や使い方、言う際のマナーを紹介します。「itadakimasu」への返し方や対になっている日本語もまとめているので、参考にして日本語の勉強に役立てましょう。
目次
- itadakimasuは食事をとる際に使う日本語
- itadakimasuと言う際のマナー
- itadakimasuと対になっている日本語
- itadakimasuへの返し方
- itadakimasuと同じ意味を持つ外国語はない
- まとめ
itadakimasuは食事をとる際に使う日本語
「itadakimasu(いただきます)」は、朝ごはんや昼ごはん、おやつなど食事をするときに使う日本語です。日本語の挨拶の一つでもあり、食事の際は「itadakimasu(いただきます)」と言ってから食べるのが礼儀とされています。
itadakimasuの語源
昔の日本には、神様にお供えした食べ物や立場のある人からもらったものを、感謝の気持ちを込めて頭の上に掲げる習慣がありました。頭の上は頂(いただき)ともいい、目上の人から物をもらう際の敬語として、「itadakimasu(いただきます)」という言葉が生まれたとされています。時代が進むにつれて、「itadakimasu(いただきます)」の意味は命を食べることに対する感謝に代わり、食事の際の挨拶として日本全国に定着していったようです。なお、「itadakimasu(いただきます)」という言葉には、食事を作った人や食材を調達した人への感謝も込められています。
itadakimasuを使う場面
「itadakimasu(いただきます)」は、何かを食べる際に使う日本語です。家や職場、ファミリーレストランなど食事をとる場面では必ず「itadakimasu(いただきます)」と言いましょう。昨今の日本では「itadakimasu(いただきます)」を言わずに食事する人も多いですが、食材や食事を用意した人に対して感謝の気持ちはきちんと伝えるのが礼儀です。日本で食事をする際は、できるだけ「itadakimasu(いただきます)」と言うように心掛けましょう。
「itadakimasu(いただきます)」は日本語の挨拶の一つです。日本は挨拶の言葉が多い国なので、来日前にいくつか覚えておくと良いでしょう。「日本語の挨拶の種類と正しい使い方を外国人に向けて紹介!」では、「itadakimasu(いただきます)」以外の挨拶も紹介しているので、日本語を勉強している方は参考にしてください。
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itadakimasuと言う際のマナー
「itadakimasu(いただきます)」という際は、胸の前あたりで両手の平をあわせ、食事に向かって軽くお辞儀するのがマナーです。日本で「itadakimasu(いただきます)」という日本語が浸透しているのは、仏教の影響でもあります。仏教の教えでは生き物の命を奪うことを「殺生」といい、自分たちが生活するために犠牲にした動植物には、敬意と感謝を伝えるべきだと考えられているのです。日本で食事する際は、食材の命の重みや自分が生きるエネルギーになってくれることに感謝し、両手をあわせてお辞儀して「itadakimasu(いただきます)」と言いましょう。なお、難しい場合はきちんと「itadakimasu(いただきます)」というだけでもかまいません。
itadakimasuの所作について
食事の前に「itadakimasu(いただきます)」ということは、日本では食事の礼儀としては基本の要素です。時に「itadakimasu(いただきます)」と発する際に手を合わせて行う所作もあります。状況や、人によって必ず行う所作ではないですが、所作を知ることで日本人としての心意気や食事のマナーを学ぶことができるでしょう。所作のやり方については、下記を参考にしてください。
1.両手の手のひらを合わせる
2.「いただきます」という
3.ゆっくりお辞儀をする
4.食べ始める
itadakimasuと対になっている日本語
食事をする前に「itadakimasu(いただきます)」と言うのに対して、食べ終わったら「ごちそうさま」と挨拶するのが決まりです。「ごちそうさま」という日本語は、食事を用意してくれた人に対する感謝を表しています。漢字で書くと「ご馳走様」になり、食材の調達が難しかった時代に遠くまで行って、野菜や肉、魚などを用意してくれたことに対する感謝が込められているのです。食材を調達しやすくなった現代でも買い出しや料理を担当する人がいるため、食事の際は「itadakimasu(いただきます)」と「gochisousama(ごちそうさま)」を言うのがマナーです。
食事の際の「itadakimasu(いただきます)」「ごちそうさま」以外にも、日本特有のマナーは数多く存在します。来日前に日本の重要なマナーを押さえておきたい方は、「日本特有のマナーとは?外国人に向けて食事や仕事のときのルールを紹介」も確認してみましょう。
itadakimasuへの返し方
自分が作った料理を人にふるまう際、「itadakimasu(いただきます)」と言われたら「どうぞ」「召し上がれ」と言葉を返しましょう。「召し上がれ」は「食べてください」の丁寧な言い方です。目上の人にも使える日本語なので、覚えておくと役に立つでしょう。
itadakimasuと同じ意味を持つ外国語はない
「itadakimasu(いただきます)」のように、食材や食事を用意した人に対する感謝の挨拶は日本にしか存在しません。英語なら「Let’s eat」、韓国語なら「잘먹겠습니다」のように食事前の呼び掛けがありますが、「itadakimasu(いただきます)」とはやや意味が異なります。なお、「ごちそうさま」も同じ意味を持つ言葉は海外にはないようです。
キリスト教の食事前のお祈りは「itadakimasu(いただきます)」にやや似ていますが、日本の場合は神様に対して感謝を述べているわけではありません。「itadakimasu(いただきます)」のほかにも外国語への翻訳が難しい日本語は多いので、気になる方は調べてみると良いでしょう。
まとめ
「itadakimasu(いただきます)」は、主に食事の前に言う日本語の挨拶です。食材の命をいただくことや料理をしてくれた人に対して、感謝や敬意を表すために使われます。日本特有の考え方から生まれた日本語なので、似たような外国語が存在しません。両手をあわせて軽くお辞儀することで、より感謝の気持ちが伝わるでしょう。また、「itadakimasu(いただきます)」とあわせて、食事が終わったら「ごちそうさま」と言うのがマナーです。日本で食事をする際は、「itadakimasu(いただきます)」と「ごちそうさま」を言うように心掛けましょう。