日本語を勉強している人の中には、誰に・どのような場面でokaerinasaiが使われるのか知りたい方もいるでしょう。okaerisnasaiは、帰宅した人に言う言葉です。ただし、家に帰ってきたとき以外にも使われます。
このコラムでは、okaerinasai(おかえりなさい)を使った例文や同じ意味の日本語を紹介。内容を参考にして、日本語学習に役立ててください。
目次
- 日本語のokaerinasai(おかえりなさい)の意味と由来
- okaerinasaiが使われる場面と例文
- okaerinasaiと同じ意味で使われる言葉
- 他言語でのokaerinasai(おかえりなさい)に当たる言葉
- まとめ
日本語のokaerinasai(おかえりなさい)の意味と由来
okaerinasai(おかえりなさい)は帰宅した人を迎えるときに使う言葉です。帰ってきた人が言う「ただいま」に対し、「おかえりなさい」と返します。家に戻ってきた人に言っていた「よくご無事でお帰りなさりました」といった言葉が由来です。「お帰りなさりました」が「お帰りなさいました」に変化し、さらに省略され「おかえりなさい」になりました。現代でも、okaerinasai(おかえりなさい)には相手の帰宅を歓迎する気持ちが込められています。
日本で使われているあいさつは多様です。「日本語の挨拶は難しい?基本的なフレーズや言葉の意味を解説」では、「おかえりなさい」以外のフレーズも紹介しています。参考にして、日本のあいさつに関する知識を深めましょう。
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okaerinasaiが使われる場面と例文
okaerinasai(おかえりなさい)は、家庭や職場に人が帰ってきたときに使われる言葉です。以下では、「家族が帰ってきたときのokaerinasai」と「職場に人が戻ってきたときのokaerinasai」の例文を紹介します。
家族が帰ってきたときのokaerinasai
okaerinasai(おかえりなさい)が一番使われるのは家です。帰ってきた人がtadaima(ただいま)と言ったら、家にいる人が「おかえりなさい」と声を掛けます。
【例文.父親が家に帰ってきたとき】
父親「ただいま」
花子さん「おかえりなさい」
okaerinasai(おかえりなさい)は、相手との立場の違いや年齢の差に関係なく使えるあいさつです。そのため、子どもが親へ言う場合もあれば、親が子どもへ言う場合もあります。家族間以外でも、目上や年上の相手にも使える言葉だと覚えておきましょう。
職場に人が戻ってきたときのokaerinasai
okaerinasai(おかえりなさい)はビジネスシーンでも用いられるあいさつです。
【例文.部下が会社に戻ってきたとき】
部下「ただいま帰りました」
(ただいまかえりました)
上司「おかえりなさい」
okaerinasai(おかえりなさい)は前述の通り相手を選ばないため、役職が上の相手や同僚、年下の人にも使える表現です。なお、職場では「ただいま」の代わりに、より丁寧な「ただいま帰りました」や「ただいま戻りました」がよく使わるでしょう。「ただいま帰りました」と言われた場合も、「おかえりなさい」と返せます。
okaerinasaiと同じ意味で使われる言葉
日本語には、okaerinasai(おかえりなさい)と同じ意味で用いられるほかの言葉もあります。たとえば、「おかえり」「おかえりなさいませ」「お疲れ様・お疲れ様でした」などです。以下では、これらの言葉を使った例文を紹介します。
おかえり
「おかえり」は「おかえりなさい」を短くした言い方で、カジュアルな言葉です。家族や恋人など親しい間柄で使われます。
【例文.子どもが家に帰ってきたとき】
花子さん「ただいま」
父親「おかえり」
なお、職場では「おかえり」ではなく、敬語で「おかえりなさい」と言いましょう。
おかえりなさいませ
「おかえりなさいませ」は「おかえりなさい」をより丁寧にした言い方です。ホテルや旅館にチェックインしたあとで外出し、戻ってきた際によく使われます。
【例文.ホテルのチェックイン後に外出し、戻ってきたとき】
山田さん「111号室の山田です。鍵をお願いします」
(111ごうしつのやまだです。かぎをおねがいします)
受付スタッフ「山田さまですね。おかえりなさいませ」
(やまださまですね。おかえりなさいませ)
また、「おかえりなさいませ」は、上司や立場の高い人が職場に戻ってきた際にも用いられます。家族間や親しい人の間ではあまり使われません。
お疲れ様・お疲れ様でした
「おかえりなさい」の代わりに、相手を労わる「お疲れ様」や「お疲れ様でした」と言うこともあります。
【例文.同僚が職場に戻ってきたとき】
佐藤さん「ただいま戻りました」
(ただいまもどりました)
田中さん「お疲れ様でした」
(おつかれさまでした)
相手を気遣い「お疲れ様でした」と声を掛けることで、人間関係がスムーズになるでしょう。
「お疲れ様」の意味や由来は「otsukaresama(お疲れ様)の意味や使い方を外国人に向け紹介!」のコラムでも詳しく説明しているので、ご覧ください。
他言語でのokaerinasai(おかえりなさい)に当たる言葉
他言語にはokaerinasai(おかえりなさい)を直訳できる言葉がありません。ここでは、帰宅した人に使われるokaerinasai(おかえりなさい)に近い表現を紹介します。
英語のokaerinasai
英語には、日本語のokaerinasai(おかえりなさい)のように帰宅した人に掛ける決まった言葉はありません。一般的によく使われるのは、「Hi!」や「Hey!」などのフレーズです。「Welcome back」や「Welcome home」と言うこともありますが、日本語の「ただいま」とは異なった使われ方をします。「Welcome back」が用いられるのは、出張や入院などで長い間不在だった人が戻ってきたときです。「Welcome home」も長期間家にいなかった人に使用される表現で、家族や恋人などによく使われます。
韓国語のokaerinasai
韓国語には、帰ってきた人に言う言葉が何種類かあります。「어서와요」「잘다녀왔어요?」は、それぞれ訳すと「さぁ、いらっしゃい」「無事に行ってきましたか?」という意味です。一方で、帰宅した人に「おかえりなさい」の意味でも使います。「いらっしゃいませ」の「어서오세요」も、戻ってきた人に使用した場合は「おかえりなさい」の意味になる表現です。また、恋人や友人には、「帰ってきたの?」と声を掛ける「왔어요?」「왔니?」などが用いられます。ただし、カジュアルな表現のため目上の人には使いません。韓国では、相手によりさまざまなokaerinasai(おかえりなさい)を使い分ける必要があります。
まとめ
okaerinasai(おかえりなさい)は家や職場に帰ってきた人に言う言葉です。もともと、「よくご無事でお帰りなさいました」と帰宅した人に言っていた言葉があいさつになりました。相手の年齢や立場に関わらず使える表現で、同じ意味の日本語には「おかえり」「おかえりなさいませ」などがあります。日本滞在時に誰かが家や職場に帰ってくる場面があれば、「おかえりなさい」と言ってみましょう。