熊本で見つけた新しい居場所 インドネシア出身の二人に聞いた「熊本で働く魅力」【PR】

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2023/12/22

インドネシア語の記事を翻訳して作成しています。

「介護の仕事をえらんだのは、子供の頃から人を助ける仕事がしたいと思っていたからです。日本に来たのは家族を金銭的に支えるためでした。でも今は“私がこの職場にいることが幸せだから働く”と考えるようになりました。」

フィルダさんはインドネシアのスンバワ出身、インダさんはロンボク出身。現在は日本の南西部にある熊本県で介護の仕事をしています。ふたりの職場である桜十字病院(Sakurajyuji Hospital)は、熊本で最も大きい病院のひとつ。たくさんのインドネシア人が助け合いながら働いています。

まだインドネシアではほとんど知られていませんが、熊本はとても魅力的で暮らしやすい町です。熊本での仕事や生活について、FirdaさんとLindaさん、そして二人の上司にインタビューしました。

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日本は大都会だと思っていたら……熊本県は「インドネシアと似ていて落ち着きます」

――お二人は日本に来て2年目とのことですが、どんなところに住んでいるんですか?

フィルダさん:
私たちが住んでいるのは熊本県という場所です。インドネシアに少し似ていると思いますね。熊本県は日本の中では田舎の方で、田んぼが多いし、山や川も雄大で美しいんです。私はスンバワ出身なので、泥だらけで農作業している人を見るとすごく落ち着きます(笑)

インダさん:
日本は大都会で人がたくさんいるイメージだったので、良い意味ですごく驚きました。私は秋の熊本が好きです。インドネシアと違うのは、木々が真っ赤に染まって燃えているように見えるところですね。

フィルダさん:
海もすごくキレイで、私は船に乗ってイルカウォッチングをしました。新鮮な刺身や寿司も食べられますよ。私はちょっと苦手な味でしたけど(笑)

インダさん:
気候もちょうどいいかな。インドネシア人は寒いのが苦手ですが、町中はほとんど雪が降りません。

フィルダさん:
田舎といっても不便を感じることはなくて、中心部にはショッピングモールやレストランがあって住みやすいんです。この間はインドネシア人やフィリピン人の友だちと猫カフェに行きました。

――もうすっかり日本になじんでいますね! 何か困ることはありますか?

フィルダさん:
私たちはムスリムなので、どうしても食事はめんどくさいと感じちゃいまいますね。日本の食品はハラル表示が無いので、常に「アルコールって書いてないかな~、豚肉って書いてないかな~」と確認する必要がありますから。

インダさん:
熊本はラーメンや馬刺しなどの名物がたくさんあるけど、私たちは食べられないので、フィリピン人の友だちが食べているのを見てうらやましくなります(笑)

――なるほど……。インドネシアの味が恋しくなることはありますか?

フィルダさん:
熊本にはハラル認証のお肉や調味料を買えるスーパーマーケットもあるので、インドネシアの料理が食べたいときは自分でご飯を作っています。私たちが住んでいる寮はキッチンが共同なので、友だちと集まって料理することも多くて楽しいですよ。

インダさん:
熊本にはインドネシア人が経営するレストランもあります。熊本に住んでいるインドネシア人がたくさん集まるんです。


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――職場以外にもインドネシア人のコミュニティがあるのは良いですね! 先ほど「熊本県は田んぼが多い」とおっしゃっていましたが、熊本の米はインドネシアの米と違いますか?

インダさん:
違いますね。熊本のお米はふっくらしていて粘り気があって、ナシゴレンには合わないかも(笑)

インドネシアの米も安く買えるので、普段はそっちを使っています。でも、ナシクニンは日本の米で作った方がモチモチしておいしかったです!

フィルダさん:
インドネシアと似ている熊本県に来られたからこそ、違いをポジティブに楽しむ余裕ができたのかもしれません

上司もべた褒め! 介護の職場で活躍する二人からのアドバイス


▲お二人は「技能実習」の制度を利用して日本で働いています。技能実習とは、日本の技術を習得しインドネシアに持ち帰るために、最大5年間の期間限定で日本で働くことができる在留資格です。

――次はお仕事について聞かせてください。おそろいのヒジャブが素敵ですが、それは制服ですか?

インダさん:
ありがとうございます。おっしゃる通り、このヒジャブは職場に支給された制服です。私たちが働いている桜十字病院はムスリムのスタッフが多くて、職場の日本人も理解がある人が多くて働きやすいですね。

フィルダさん:
熊本は急速に国際化が進んでいる県で、今はだいたい1500人のインドネシア人が働いているそうです。私たちは病院の寮に住んでいるのですが、日本に来てすぐ友だちができました。

――病院ではどのような仕事をしているのですか?

インダさん:
病院の中にあるリハビリ施設で、身体が不自由なお年寄りの介護をしています。患者様がベッドから起き上がるお手伝いをしたり、食事のサポートをしたり、車いすを押してあげたり、医療に関する知識も学んだうえでお世話をします。

フィルダさん:
まだインドネシアには介護の施設がほとんどないので、日本ならではの経験ができていると感じています。

――勉強は大変ではありませんか?

フィルダさん:
正直なところ、しっかり大変です(笑) 

インダさん:
特に日本語ですね。

フィルダさん:
お年寄りが退屈しないように話し相手になることもお仕事なので。リハビリ施設にはたくさんのお年寄りが集まりますから、何人もの方と同時に日本語で話すこともありますし、日本の名前もたくさん覚えなきゃいけません。

インダさん:
介護の技能実習で日本に来るためには、日本語の試験(JLPT N4レベル)に合格する必要があります。でも実際に働いてみると、インドネシアにいた頃に覚えた日本語だけでは全然足りなくて、日本に来てからも頑張って勉強しました。


▲写真右は2人が働く介護施設の上司の方。「二人とも日本に来てまだ1年6カ月しか経っていませんが、とても日本語が上達しました。慣れない土地で生活するだけでも大変なのに、本当に頑張ってくれていてありがたいです。」

――そうなんですね! 何か日本語の勉強に関するアドバイスをお願いしたいです。

フィルダさん:
私たちの職場の場合は耳が遠いお年寄りの方も多いので、大切な単語を強調して話したり、声のトーンでニュアンスを伝えたり、「伝え方」にまで気を付けてコミュニケーションする必要があります。

私は先輩や上司の話し方をよく見て真似するようにしました。これから日本で働く方は、恥ずかしがらずに職場の方と日本語でたくさん会話してみてください!

インダさん:
私からは、分からない日本語があったらその場ですぐに意味を聞いて覚えましょう。そのためには、フィルダさんの言うように、職場の人と積極的に話して良好な人間関係を築くことですね。私たちの職場は、みなさん優しくて質問しやすい雰囲気があるので助かっています。

上司:
介護の仕事はキツイ作業もありますが、フィルダさんもインダさんも常にニコニコしていて、話しやすい雰囲気をしっかり作っているところがプロだと思います。マスクで口元は見えませんが、目や話し方で笑っているのが分かるんです。日本語が分からなくてもコミュニケーションが取りやすくて、施設を利用しているお年寄りにも喜んでいただけていますね。

――宗教の違いで苦労することはありますか?

フィルダさん:
礼拝の時間が近付くと、忙しい時でも「フィルダさん、もうすぐお祈りでしょ。休憩して大丈夫だよ」と先輩が気を遣ってくれます。やっぱりインドネシアにいた頃とは勝手が違ってしまうのですが、周囲の日本人が私たちの文化を理解しようとしてくれるので、私たちも日本の文化を受け入れようとポジティブになれますね。

家族の反応と今後の目標

――そもそも、ふたりはなぜ日本で働こうと思ったのですか?

インダさん:
私は本物の桜を見てみたかったんです。私は花が大好きで、高校1年生の時に桜の花のことを知って「すごくキレイ!」と思いました。桜十字病院は春になると桜の花がたくさん咲くので、働きながら桜を見られてうれしいです。


▲シーズンではないため桜の写真は撮影できなかったが、桜十字病院は常にお花でいっぱいです。

インダさん:
もちろんお金を稼ぐ目的もあります。私は大学で薬学を勉強していて、お給料は薬局を開くための資金として貯金しています。あとは弟の学費として実家に送っています。

フィルダさん:
私も家族にお金を送るのが目的ですね。

上司:
私たちの職場は彼女たちくらいの子どもがいる職員も多くて、家族のために頑張っているふたりを見ると応援したくなりますよ。ふたりがお世話しているお年寄りの方たちの中にも、孫のように接している方は多いです。

――熊本は「日本で最も家族を大切にする町」というデータもあります。家族のために日本に来る人は働きやすいかもしれませんね。ふたりの家族は熊本について何か言っていますか?

インダさん:
両親は日本について“人が多くて危ない大都会”と考えていたようで「熊本は安全でよかったね」とよく言われます。両親が安心しているのは私もうれしいです。

フィルダさん:
私の場合は、父が日本で働いたことがあったので「日本は安全で良い国だぞ!」と教え込まれて育ちました。インダさんとは逆ですね(笑) 実際に熊本は本当に優しい人ばかりです。

インダさん:
あとは、私の弟が『ONE PIECE』のファンで「お姉ちゃんルフィの写真撮って~!ゾロの写真撮って~!」って電話で頼まれます。熊本は『ONE PIECE』の作者である尾田栄一郎さんの出身地で、海賊団の銅像が各地に立っているんですよ。

――それは弟さんもうらやましいでしょうね(笑) 最後にふたりの目標を教えていただけますか?

フィルダさん
実際に桜十字病院で働いてみて、家族のためだけではなく「自分がここで働きたいから働く」と考えるようになりました。介護の仕事は大変ですが、昔からの夢だった「人を助ける仕事」ができてうれしいですし、皆さん優しいです。技能実習はあと1年で終わってしまいますが、できればその後もここで働きたいと思っています。

インダさん:
私も同じ考えです。まだまだ医療の現場で学びたいことがありますし、家族への経済的支援も続けたいです。そのために介護の資格を取得するのが目標です。

フィルダさん:
プライべートでは“技能実習が終わる前に東京や京都にも遊びに行ってみたいね”と友だち同士で話しています。熊本は交通も便利で、遊びに行こうと思えば高速バスで簡単に日本の観光地まで行けるんですよ。私はインドネシアに帰りたい気持ちもあり、将来どうするかまだ迷っていますが、まずは最後まで技能実習を頑張って、その中で最高の思い出を作りたいですね。


熊本県PRページ「すむ、はたらく、熊本」

取材協力
桜十字病院(医療法人 桜十字)
Kumamoto Halal Food
九州電設株式会社
SAKURA MACHI Kumamoto
©熊本県観光連盟

ライター

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