外国人留学生のなかには、学費や生活費のためにアルバイトを検討している方も多いでしょう。しかし、留学ビザでの就労は認められていません。外国人留学生がアルバイトを行うには、資格外活動許可が必要です。このコラムでは、留学ビザでアルバイトできない理由や資格外活動許可を得る方法を解説します。また、アルバイトを行う際の注意点も紹介。外国人留学生のアルバイトの探し方もまとめているので、チェックしてみてください。
目次
- 外国人留学生は留学ビザだけではアルバイトできない
- 外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要
- 外国人留学生がアルバイトする際の注意点
- 外国人留学生のアルバイトの探し方
- アルバイトの面接を受ける際に気をつけるポイント
- まとめ
外国人留学生は留学ビザだけではアルバイトできない
外国人留学生が持つ留学ビザ(在留資格)は就労が認められていないため、アルバイトができません。留学ビザ(在留資格)でできる活動は日本での就学のみです。しかし、実際には多くの外国人留学生が学業の合間にアルバイトを行っています。外国人留学生が日本に滞在し続けるには、生活費や学費が欠かせません。そのため、本来の目的である学業の妨げにならない範囲であれば、資格外活動としてアルバイトが認められます。アルバイトを検討している外国人留学生は、正当な手続きを踏んで資格外活動許可を受けましょう。
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外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要
外国人留学生がアルバイトを行う際には、資格外活動許可を受ける必要があります。資格外活動許可を受けずにアルバイトを行うと、不法就労とみなされ厳しい罰則を受けるので注意しましょう。
資格外活動許可は1度受ければ、アルバイト先が変わっても有効なままです。資格外活動許可の申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。手続きに必要なのは、申請書のみです。申請書は地方出入国在留管理官署の窓口や出入国在留管理庁のWebサイトで入手できます。申請後、2週間から2ヶ月程度かけて審査が行われ、問題がなければ資格外活動許可が認められるでしょう。
資格外活動許可が必要な理由や申請を行う方法については「外国人留学生のアルバイトは、資格外活動の許可が必要!」や「資格外活動許可とは?アルバイトを始めたい外国人留学生に向けて解説」のコラムでも解説しています。アルバイトを検討中の外国人留学生は、ぜひお役立てください。
参照元
出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」
外国人留学生がアルバイトする際の注意点
外国人留学生のアルバイトにはいくつかの制限が設けられています。もし、守らなかった場合は不法就労とみなされ、厳しい罰則を受けるので注意しましょう。なお、罰則は外国人留学生だけでなく、雇用主にも適用されます。
外国人留学生への罰則は在留資格の更新不許可や退去強制などです。雇用主は不法就労助長罪に問われ、3年以下の懲役や300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。以下で紹介する注意点を把握して、ルールを守ってアルバイトをしましょう。
アルバイトは週28時間まで
外国人留学生のアルバイトは、週28時間までと法律で定められています。掛け持ちでアルバイトを行う場合は、合計就労時間が週28時間以内に収まるようにしましょう。
なお、学則で定める長期休暇中は1日8時間、週40時間までアルバイトを行えます。学費や生活費のために収入を増やしたい人は、長期休暇を有効活用しましょう。アルバイトできる時間帯に制限はないので、18歳以上であれば深夜から早朝にかけて働けます。
資格外活動許可の有効期限に気をつける
外国人留学生がアルバイトする場合は、留学ビザ(在留資格)はもちろん、資格外活動許可の有効期限にも気をつけましょう。資格外活動許可の有効期限は、留学ビザ(在留資格)と同じです。そのため、留学ビザ(在留資格)を更新する際に、資格外活動許可の申請もあわせて行わなければなりません。手続きを忘れた場合は、留学ビザの更新が終わり新しい在留カードが交付されたあとに、資格外活動許可の申請をする必要があります。
格外活動許可の有効期限が切れた状態でのアルバイトは、違法です。不法就労とみなされるため、注意しましょう。
風俗営業に関わるアルバイトは禁止
外国人留学生は、風俗営業に関わる場所でのアルバイトが禁止されています。たとえば、キャバクラやパチンコ店、ゲームセンター、麻雀店では、清掃や調理などの業務でもアルバイトできません。また、照度10ルクス以下のバーや喫茶店でのアルバイトも禁止されています。
故意でなくても、風俗営業に関わるアルバイトを行うと不法就労になります。「知らずに働いてしまった」という事態にならないように、アルバイトに応募する前に学校や友人に相談して、不安を払拭しておくのが賢明です。
アルバイトの規則に関しては「外国人留学生が日本でアルバイトをする際のルールとは?人気の職種も紹介」や「外国人留学生のアルバイトには資格外活動許可が必要!働く際の注意点まとめ」のコラムでも詳しくまとめています。ぜひチェックしてみてください。
参照元
出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」
外国人留学生のアルバイトの探し方
日本でアルバイトを探す際は、求人サイトを利用したり学校や友人に聞いたりするのがおすすめです。以下では外国人留学生におすすめのアルバイトの探し方を紹介するので、参考にしてください。
学校からの紹介
専門学校や大学の学生課の窓口で、アルバイトを紹介してもらえることがあります。教育機関と提携しているアルバイト先であれば、就労時間の制限や学業との両立など、さまざまな配慮をしてくれるでしょう。雇用主やほかのスタッフも外国人留学生とのやりとりに慣れていて、アルバイトしやすい環境が整っていると考えらえます。
万が一、アルバイトで何か問題が起きた場合は、学校に相談することも可能です。安心して働けるアルバイト先を探すなら、学生課で紹介を受けるのも良いでしょう。
友人や知り合いからの紹介
すでにアルバイトを行っている友人や知り合いから、アルバイトの紹介を受けるのも一つの方法です。初めて日本でアルバイトを行う場合は、まったく知らない環境よりも友人や知り合いがいる職場の方が働きやすいでしょう。
友人や知り合いが外国人留学生であれば、雇用主も就労制限についての知識があり理解を示してくれる可能性が高いと考えられます。アルバイトしている友人や知り合いがいる外国人留学生は、求人募集がないか確認してみましょう。
外国人に特化した求人サイトの利用
外国人向けに特化した求人サイトを利用して、アルバイトを探すのもおすすめです。一般的な求人サイトの場合は日本人の雇用を前提にしている企業の募集がほとんどのため、アルバイト探しが難しい傾向にあります。一方、外国人向けの求人サイトであれば、外国人留学生の受け入れ態勢が整ったアルバイト先を見つけやすいでしょう。求人サイトの強みは、職種や勤務地、時給などの希望条件に沿ったアルバイトを探せるという点です。細かく条件を指定してアルバイト先を探したい外国人留学生は、求人サイトを活用しましょう。
また、人気のアルバイトを知りたい場合は「外国人留学生のアルバイトで人気の職種を紹介!就労の制限についても解説」や「外国人留学生のアルバイトにはメリットがある!おすすめの職場を紹介」のコラムもご一読ください。
アルバイトの面接を受ける際に気をつけるポイント
アルバイトの面接では、業務内容や給料、勤務時間などの条件をよく確かめましょう。アルバイト先が外国人留学生の雇用に慣れていない場合は、週28時間までしか働けないと伝えることも重要です。面接中に聞き取りづらかったり理解しにくかったりする内容があった場合は、再度説明をお願いしましょう。
日本では、雇用主から雇用契約書を渡されることはあまりありません。しかし、アルバイトを始めたあとにトラブルが起こるのを防ぐため、雇用契約書の作成を頼むのも良いでしょう。難しそうであれば、聞いた内容のメモをとって先方に確認してもらうのも一つの手です。
まとめ
外国人留学生が持つ留学ビザ(在留資格)は就学が目的のため、原則アルバイトはできません。アルバイトをしたい方は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で、資格外活動許可の申請を行いましょう。
外国人留学生のアルバイトには、風俗営業の禁止や就労時間の制限など、多くの注意点があります。これからアルバイトを始める外国人留学生は、定められたルールを守ったうえで安心して働ける職場を探してみましょう。